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108 Persona外典−影の海・月の影−
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―高屋敷家裏手・雑木林―
真弓さんが、何もかも捨てて逃げ出したくなるくらい、自分を嫌っていたなんて、知らなかった。 ……知ろうとも、しなかった。 でも、私も真弓さんを追い詰めた一人なんだね。
[マユミはまだ、薄ら笑いを浮かべているだろうか。 あかりは真弓のこんな顔は、見たくなかった] 私のせいで真弓さんがいなくなったのなら、私が責任を取る。 あなたをシャドウの海に追い返して、真弓さんを取り戻す!
[鵺は音なく夜空に舞い上がると、 身に纏う黄金の雷を両の掌に収束させる]
行け!!
[あかりの叫びと同時に、黄金の電子の槍を銀色の円盤目掛けて投擲した]
(3) 2015/02/22(Sun) 16時半頃
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[黄金の槍が、銀の円盤を射ぬいたか確かめる間もなく、二射――三射と槍を投擲する。 自分一人でマユミを止められるかは分からない。 けれど、あかりは逃げない。――逃げるわけには行かない]
うああああっ!!
[叫び、必死でペルソナを操った]
(4) 2015/02/22(Sun) 17時頃
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[――そして、夜明け。
自分がまだ戦っているのか。 それとも、もうマユミはいなくなったのか。 あかりは力を使い果たし、意識は朦朧としていたから、 そんなことすら分からない。
気が付けば地に倒れ、木々の間から零れ落ちる朝日に眩しそうに目を細めていた。 立ち上がろうとするが、手足に力が入らない]
真弓さん、……おじさま。
[意志とは裏腹に疲れきった身体は眠りを求め、あかりの意識を断ち切った*]
(5) 2015/02/22(Sun) 17時頃
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―四度目の満月の後、自宅マンション―
[あれからどのようにして、部屋まで戻ったのか覚えていない。 気が付けば自分のベッドで眠っていたのだ。 他の仲間たちはどうしただろうか。そして、マユミは?]
……。
[高屋敷の家に電話を掛けようとガラケーを手にする。 マユミが出現したとき、高屋敷夫妻は変貌してしまった娘に反応を示さなかった>>4:284 もし電話を掛けたところで、結局は彼らがシャドウに成り代わられたことを思い知らされるだけだろう。
手にしたガラケーを力なく落としたあかりは、 再び、寄る辺を失った喪失感に唇を歪めた]
(6) 2015/02/22(Sun) 17時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:ペルソナ使い 件名:緊急
真弓さんもシャドウ。 今後のことを相談したいです。 ------------------------------------------------
(7) 2015/02/22(Sun) 18時頃
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[送信したメールに、殆どのペルソナ使いから返信がない。 もう、陽は傾き始めている。
ぞくりと、体に悪寒が走る。これは、あきらかに異常だ。 あかりは仲間の安否を確かめるためにマンションを出た。
最初に向かったのは崇神神社。 公民館での話し合いのとき、五郎が巡理と馨一、律に満月の夜の調査協力を求めていたからだ]
(8) 2015/02/22(Sun) 18時半頃
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―満月の翌日の黄昏時・崇神神社―
[あかりが崇神神社の麓に着いたときには、既に黄昏時。 夕陽の残光は失われ、夜の帳に包まれはじめた神域の石段を、息を切らせて駆け上がる]
――……。
[社殿の前に立ち尽くし、あかりは言葉を失った。
巡理、五郎、馨一。
傷つき倒れた仲間たち。 石畳や玉砂利は乱れ、砕け、血に汚れ――激しい戦いがあったことを示していた]
(9) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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……ひどい。
[巡理の顔色はまるで、死人のように蒼白。 傍らに膝をつき、おそるおそる震える手を伸ばすと、 彼女の身体から熱は失われていたが、鼓動はまだ残っていた]
花咲さん、起きて。 こんなところで寝たら、風邪ひくよ。
[小さく体を揺さぶっても、反応はない]
(10) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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賀来くん、秋山さん、しっかりして、――何があったの!? リツキくんにやられたの?
[仲間達に呼びかけても、応える声はなく そして、この場に幼馴染の姿がないことに気付く]
……律っちゃん、ねえ、どこにいるの? 返事してよ!!
[あかりの声に返るものはない。 あるのはただ、夜の静寂だけだった]
(11) 2015/02/22(Sun) 19時頃
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/* 予定よりも鵺を引っ張り過ぎてしまいました。 この後、鬼(茨木童子)を出して、土蜘蛛、鵺との平安妖怪オールスターズ完成後、最終ペルソナ八幡神降臨。
間に合うかなあ……。
(-2) 2015/02/22(Sun) 21時頃
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―少し前・自宅マンション―
[一斉送信したメールの数少ない返信。それが明からのメールだった>>18 短い文面から、意識を失ったあかりを発見して、 部屋まで連れて来てくれたのは彼女らしいと察する] ------------------------------------------------ From:花河あかり To:楠明 件名:気にしないで d(^^)
部屋まで運んでくれてのは明ちゃんですよね。 ありがとう。大変だったでしょう?
ペルソナ能力は復活しました。 明ちゃんが話を聞いて、励ましてくれたおかげです。 本当にありがとう。 ------------------------------------------------
[明がマユミとの戦いを見ていたことを知らない。もし知っていても、彼女を責めるつもりはないのだが]
(26) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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―崇神神社―
[律どころか、崇神神社には誰一人として人の姿はなかった。
すぐにでも幼馴染を探しに行きたかったが、仲間達を病院へ連れて行く方が先だ。 救急車を呼び、麻夜と明に三人の負傷と、律が見つからないことをメールする]
律っちゃん、……どこ、行っちゃったんだよ。 [無意識に胸元の傷痕を押さえながら、律の身を案じた*]
(28) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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[馨一が目を覚ましたようだ。 届いたメールの送信者を見て一先ず安堵する>>30 医者は詳しい容態を教えてくれなかったが、 三人の中で馨一の容態が一番軽いらしい。
五郎もいずれ意識を取り戻す見込みはあるが、 巡理に関しては『最善を尽くす』とだけ短く言われ、 あかりは言葉を失うしかなかった]
話したいことって、 ……もしかして、律っちゃんのこと?
[あれから、思い当たるところを全て回ったが、 律の姿を見つけることはできなかった。 彼の"父"名義のマンション>>25の存在は知らないから、 当然のことなのだが。
とにかく、馨一に会って今後のことも話さなければいけない。 何しろ、今、連絡が取れる仲間は彼と明だけなのだ]
(37) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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―崇神病院―
[病室の扉をノックしてから中に入る。 六人部屋の端のベッドに馨一の姿を見つけた]
賀来くん、具合はどう?
[あの日、崇神神社で何があったのだろう。 それに、彼はもう巡理の容態を知っているだろうか。
何から口にすれば良いのか迷ったまま、 彼のベッドの傍らに立ち尽くす]
(40) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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[馨一の見舞いに家を出る前に、 麻夜から着信したメール>>33 への返事を送った]
(44) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:大塚麻夜 件名:Re:生存報告
大塚くんも無事なようで良かったです。 できれば、次はもう少し早く知らせてくれると嬉しいです。
リツキくんのことは了解しました。 イサミさんにも宜しくお伝え下さい。 忠告、確かによく分からないですが、了解しました。
朗報が二つあります。 賀来君が意識を取り戻しました。 今日、お見舞いに行ってきます。 後、明ちゃんから聞いているかも知れないけれど、 私のペルソナ能力が戻りました。
取り急ぎ、ご報告まで。 ------------------------------------------------
(46) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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[>>45 ゆるり体を起こす馨一の姿は弱々しかった。 つい先日まで、意識不明になるほど痛めつけられたのだ。 あかりは馨一のいう迷子のような不、安そうな表情を隠せないまま、パイプ椅子に腰を降ろす] 覚悟、か。 大塚くんにもメールで言われたけど……。
[わかったよ、話して、と 笑みを消した馨一に話を促した]
(48) 2015/02/22(Sun) 23時頃
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「雛宮はシャドウだよ」
[>>50 あかりの双眸を見つめ、馨一が口にしたのは残酷な真実。 嘘だ――そう、言おうとしても、言葉が喉につかえて出てこない]
……真弓さん、シャドウ、だったんだよ。 律っちゃんも、なの?
[唇が空気を求めて喘ぐように震えた] きっと、賀来くんの勘違いだよ。 律っちゃん、誤解されやいから、……だから、言ったのに。
[けれど馨一の強い視線は、それが嘘でも勘違いでもないことを雄弁に語っていた]
(55) 2015/02/22(Sun) 23時頃
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やだ、私、そんなの、……認めない。 絶対に、やだよ。 [>>58 悲しげに言葉を連ねる馨一に、 あかりは子供のように、いやだと繰り返すことしか出来ない。
いっそ、馨一がどうしようもない嘘吐きだったら良かったのに。 そう考えてしまうのは即ち――理性では、雛宮律がシャドウだと理解してしまっていたから]
……どうして、私ばっかり。 みんな、取りあげられなきゃいけないの?
ひどいよ。 [家族を失い、後見人と慕っていたその娘を取られ。 とうとう幼馴染まで、いなくなってしまった。
ふらり立ち上がり、あかりは病室を出て行く。 馨一に呼び止められても振り返らず、律の姿を求めて街へと向かう]
(65) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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[もしかしたら、律が帰ってきているかも知れない。 一縷の望みを抱いて病院からタクシーに乗り、崇神神社へと向かう。
車が崇神神社に着くと、あかりは弾かれたように飛び出して、 何度も転びそうになりながら石段を駆け上がり
そして――]
(75) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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―崇神神社―
[残酷なくらいに美しい、冬の夕暮れ。 沈み往く夕日が、社殿の傍らに立つ人物のシルエットを赤く染めている]
律っちゃん!!
[それが求める幼馴染の姿だと、あかりは遠目にも理解して。 置いて行かれそうな子供のように、懸命に走り寄った]
2015/02/23(Mon) 00時半頃
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―崇神神社―
[残酷なくらいに美しい、冬の夕暮れ。 沈み往く夕日が、社殿の傍らに立つ人物のシルエットを赤く染めている]
律っちゃん!!
[それが求める幼馴染の姿だと、あかりは遠目にも理解して。 置いて行かれそうな子供のように、懸命に走りだした]
(76) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[律がシャドウだなんて、やっぱり馨一の勘違いだった。 いつかの満月の時のように、彼はあかりの名を呼び、 受け止めようと、手を差し伸べてくれている]
律っちゃん、――律っちゃん!! [何度も名を呼び、縋るように幼馴染の ひろげて伸ばした手を取ろうとして]
(78) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[>>82 伸ばした腕を掴まれた。 伝わるのは、あのとき、焔の道を駆け抜けたときと同じ、冷たい温度。
逆光に照らされてよくは見えないけれど、律が微笑んでいる。 あかりも笑おうとして、律の言葉に凍りつく。
――――――あの時の質問の、答え?]
やっぱり、……そうなの?
[律の命と他の皆の命――どちらを取るか。 目を逸らしていた現実を、いきなり突きつけられて。 揺れる瞳で律を見つめる]
(89) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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……そんなの、決まってる。 決まってるじゃない。――でも、
[あかりはペルソナ使いで律はシャドウだ。 自分が自分であるために、抗うことを決めたのだから、 答えなど、問われるまでもないのに]
選べるわけ、ないよ。
[何もかもを失くしたあかりに、最後に残された大切なもの。 それを切り捨てることなど、あかりにはできない]
(92) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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[>>93 掴まれた腕を引き寄せられ、 瞳を覗き込まれれば、もう抗うこともできない。
花河、ではなく名を呼ばれ、 幼い頃の記憶のままの声音で助けを求められて、 あかりの体は小さく震える]
だめ、……やめて。 律っちゃんの顔と声で、そんなこと言わないで。 [今、あかりの手を掴んでいるのは、雛宮律の偽者だ。 分かっているのに、冷たい手を振りほどくことができない]
(98) 2015/02/23(Mon) 01時半頃
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律っちゃんが、シャドウになった理由……。
[何故、そんなことを律のシャドウは問うのだろう。 囁かれた毒のような言葉が、じわり、あかりの心を蝕む。
幼馴染が影に呑まれてしまったのは、誰のせい? 父親のせい?
それとも―― 一番近くにいて、助けることが出来たはずなのに、 それをしなかった]
……わたしの、せい?
[ぽろぽろと、涙が零れた。 それは満月の夜を超える中で。 どんなに辛くても、心折れても、決して流すことのなかった涙だ*]
(99) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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―崇神神社―
[愉悦に歪む悪の瞳。嘲笑。 滴る毒の言葉。
心をずたずたに切り刻まれて、それでも。 あかりは影と成り果てた律を、切り捨てることが出来ない]
(146) 2015/02/23(Mon) 22時頃
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[堕ちる切欠などなかったと、律の影は言う>>123
けれど、あかりは思うのだ。 あかりが切欠で、あかりが憎くて影に身を委ねたのだと、 例え嘘でもそう言われたならば、どれほど良かっただろうと。
影の言うことが真実ならば、 雛宮律の物語は彼と世界との対話だけで完結していて。 他人の――花河あかりの入り込む余地などないのだから]
(147) 2015/02/23(Mon) 22時頃
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[やがて、陽は落ちて。 掴まれていた腕が、いつの間にか解かれていたことにさえ気付けないほど、あかりの心は深く傷つけられていた]
律っちゃんは、ずっと一人だったの? 私や絹代さんがいても、一人きりだったから、 絶望しちゃったの?
もし、夕焼けの美しさに絶望したときに、 私が隣にいても、だめだったのかな。
[満月の夜に、もう一度。 最後にあかりの耳元で囁き、背を向ける幼馴染に問い掛けた*]
(150) 2015/02/23(Mon) 22時半頃
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[夕焼けの日、律と別れてから、 誰とも顔を合わせることもなく、部屋に独りで籠もり続ける。
律の問いへの答え。 それを口にすれば、全ては終わってしまうから。 あかりは選び取る勇気を持てぬまま。 ただ終わりだけを恐れて、満月の夜までの時間を、 幸せだった日々の追憶に浸り、為すことなしに過ごすのだった。
――そして、最後の満月の夜が訪れる]
(156) 2015/02/23(Mon) 23時頃
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―最後の満月の夜、崇神神社―
[さくり、さくりと玉砂利を踏む音だけが、夜に静寂に響いていた。
神社の奥へと向かううち、鳥居に身を預ける麻夜に気付いて、視線だけを向ける>>131 黒衣の少年はその場から動く様子はない。
あかりも問うことはなく「また、後でね」とだけ声を掛け、 拝殿で待つであろう律の姿を求める。
馨一は律を殴ると言っていた。 もう、彼は神域の奥へと向かったのだろうか]
(160) 2015/02/23(Mon) 23時頃
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[影の海に侵食される拝殿。 蠢く影たちを従えて、雛宮律はいた]
律っちゃん、……来たよ。 [幼馴染の影に声を掛け、 お互いに触れることの出来ない距離を空けて、足を止める]
(170) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[虚空に浮かぶ剣霊。 その焔と血を滴らせるおぞましき姿に、あかりは悲しげに視線を伏せる。
アメノオハバリの由緒も、 何故その剣霊が律のペルソナになったのかも知らないが、 あれが彼の心の形なら、それが象徴する絶望の深さは、 どれほどのものだろう。想像するのも悲しかった]
……絶望するなら、いっそ、 私も連れてってくれれば、良かったのに。
[あかりが隣にいることで、律がもっと深く絶望すると言うのなら。 共に堕ちて行きたかったよ、とあかりは呟いた。 垣間見る彼の闇は深く、一人沈むにはあまりに寂しすぎたから]
(177) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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律っちゃん。 私は律っちゃんが大事だし、本当に大好きだよ。
[>>174 答えを求める律の影に、寂しそうに微笑む]
……でも、大切なひとが間違ったことをしているのに、 それを黙って見ているわけにはいかない。
もし、今でも律っちゃんが絶望したままで、 どうしても世界を焼き尽くしたいのなら、 代わりに、私が焼かれてあげる。 だから、もう、――終わりにしよう? [翳すカードは『正義』 最後まで変わることのできない、あかりの信念]
(182) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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……絶望の果てに行くのなら、一緒に。
[あかりの影の傷を引き裂き、うっそりと白い女が立ち上がる。 朱色の長く鋭い角を持ち、身の丈を超える長さの金砕棒を携えたるは『鬼』
そのペルソナは命を賭してでも、律を止めることに決めたあかりの覚悟だ]
(185) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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/* 秋山さんのポーラへの質問は、エンディングへの振りですね。 わかります(偉そう
(-46) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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[>>187 未だ折れないあかりに、影は不快そうに 律が世界を焼く姿を見せ付けてやろうかと、口にする] させないよ。 律っちゃんにだけは、そんなこと、
……絶対に。
[鬼はおん、おんと吼え、無造作に金砕棒を担ぎ上げると しゅるり回り込む蛇のようなシャドウに、鉄槌を下さんとばかりに、 嵐のような乱打を繰り出す。
あかりもまた、馨一が到着したことに気付いていない]
(191) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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[蛇のようなシャドウを追い回す鬼は 刃の赤い軌跡が迫るのを知り、ひらり、身を躱す――が、 続く熱風に巻かれ、練り絹のような白い膚が燃え上がった>>190]
「おん、おん――怨」
[焔に包まれた鬼の筋肉が盛り上がり、だん、と地を踏みしめた。 己が身を焼く業火も厭わぬ素振りで、焔の霊剣に金砕棒を打ち付ける]
(195) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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[鬼は他のペルソナのように、多彩な能力は持たない。 だが、戦うほど戦いに酔い。 血を流し、血を見れば血に酔って猛り狂い、勁く烈しくなる――そんな単純なペルソナだ。
そして、己の振り下ろす一撃に火神が血を流す。 高熱帯びる血を浴びてすら、鬼は歓喜に吼え狂うだろう]
――よけて!
[けれど、めまぐるしく変わる攻守の座。 首獲りの必殺の一撃を受けて。 戦に酔い、強くなっていた鬼だからこそ、かろうじて躱すことが出来たが、左の首筋を抉られてしまう]
(205) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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ああっ!!
[苦痛の悲鳴をあげ倒れるあかりと共に、 さしもの鬼も倒れそうになる。 だが、火神のそれとは異なる暖かな熱>>198 に身を包まれるのを感じた刹那、鬼は倒れず踏み止まる]
賀来くん! [仲間の顔を見て、あかりもまた立ち上がる。 お邪魔様? と微笑まれれば、小さく首を振った]
(207) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[血を流す首筋を押さえ、あかりは鬼を飛び込ませる。 技術も何もあったものではない、力任せの打擲がアメノオハバリを襲う。
戦うほどに、鬼は強くなっていく。 だが、それは身に受ける傷と比例する諸刃の刃の能力だ。 いくら鬼がタフネスを誇れど、無限ではない。
いくら賀来のイサクの加護があっても もう、それほど鬼が保たないことを、あかりは理解していた。 限界を超える前に、霊剣を折らなければならない]
そういうわけだから、賀来くん、力をかして! いけええっ!!
[一緒にぶん殴ろうという馨一>>213 に協力を求め、あかりは叫ぶ]
(214) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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/* マユミさんの新ペルソナ、すごい!!
(-49) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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アカリは、オスカーもまた、戦いの渦中にあることを予感した。◇
2015/02/24(Tue) 02時頃
アカリは、オスカーは無事でいられるだろうか。◇
2015/02/24(Tue) 02時頃
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[わき腹を断ち切らんと、振るわれた剣を金砕棒で受け止める。 飛び散る火花。 律が目を細めると、剣の焔が不気味に黒色を帯びる。
厭な予感がして、鬼を飛び退かせようとするが、 十柄の剣の切っ先から、これまでの焔とは比較にならぬほどの 業火が吹き上がるのを見て思い留まる。
ここで距離を取ればあの恐るべき焔に阻まれて、 最早火神には届かなくなる]
律っちゃん、 ……本当に、やるつもりなんだね。
[黒く燃えさかる原始の炎の中で、笑う律に寂しげに呟く]
(224) 2015/02/24(Tue) 02時頃
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賀来くん、 後のこと、お願いね。 [あかりは馨一を振り返り微笑むと、黒い焔の中へと鬼を飛び込ませる。
金砕棒が届くのが早いか、鬼が焼き尽くされるのが先か。 あかりが劫火の塵と化したなら、その一瞬の時間を得て、きっと馨一が律を止めてくれる]
律っちゃん、一緒に逝こう。
[『その気はない>>190』と言われても、あかりの決意は変わらない。馨一は律と喧嘩をするつもりだろうけれど、あかりは律と心中をするつもりで来たのだ。
――それが、あかりが出した結論。 世界を救い、律を切り捨てずに済む方法は他になかった**]
(228) 2015/02/24(Tue) 02時頃
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