108 Persona外典−影の海・月の影−
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―夜明け前・西部ショッピングモール―
……それが自分勝手だって言ってるんだよ。
あなたの言う綺麗な世界のために、 あと、どれだけの人を犠牲にするつもり?
自分の欲望を叶えるために誰かを泣かせるなんて、 絶対に間違ってる。
[声音は普段と変わらないまま。 けれど、瞳には静かな怒りの色。
あかりが『置き去りにされた弱者』の一人であることを、 リツキは知らないだろう。 誰かの愚かさと欲望によって幸せを奪われたのは、 立季だけではないのだ]
(22) 2015/02/18(Wed) 17時頃
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[人間の愚かさと欲望が生み出す罪を、あかりは憎む。
けれど、その憎しみを振るい他者を傷つけるなら、 どんな理由をつけたところで、それは自らを罪人に貶める行為に等しい。
今、リツキのしようとしていることは、あかりにとって、 正に愚かさと欲望が生み出す罪、そのものだった]
……やってみなよ。 例え、殺されたって、私は為すべきことをする。
世界をあなたの勝手になんか、させるもんか。
[シャドウの吐き出す呪詛を、あかりは目を反らすことなく真正面から受け止める。
そして去り際、彼が独り言で残した名が、先人のペルソナ使いのものであることに気付くのは、もう少し先のことだ*]
(23) 2015/02/18(Wed) 17時頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:ペルソナ使い 件名:緊急
リツキくんの正体はシャドウ。 接触するときは気をつけて下さい。
詳細は後ほど話します。 ------------------------------------------------
(24) 2015/02/18(Wed) 17時半頃
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[リツキとの接触。 二人の語る言葉に智晶は何を思っただろうか。
あかりはペルソナ使いたち――公民館でアドレスを聞いた真弓と五郎も含めて――にメールを送ると、挨拶もそこそこに、五郎や東部探索組と合流することなくその場を離れた。
とにかく疲れていて、一刻も早く眠りたかったのだ]
(25) 2015/02/18(Wed) 17時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:秋山五郎 件名:大丈夫でしたか?
下部さんと合流できましたか? それから、お怪我の具合はいかがですか。
リツキくんと接触した際のことですが、 彼は妙に下部さんのことを気にしている様子でした。 下部さんと一緒にいるのなら、気をつけて。
もし、まだ見つかっていないのなら、 私も探すのを手伝うので連絡を下さい。 ------------------------------------------------
(31) 2015/02/18(Wed) 17時半頃
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―西部地区・国道沿いのファミリーレストラン―
[続けて五郎にメールを送ると、 五郎から翔子の捜索を依頼される可能性を考えて、 国道沿いのファミレスで待機することにした。
崇神市を異界に変えた黒幕との接触。 改めて、リツキの言葉の意味を考える。
彼の言葉の是非や正しさは、今は措いておく。
シャドウが宿主の――誰か一人の欲望のままに世界を変えようとするのなら、その世界がどんなに素晴らしいものであっても、受け入れるわけにはいかない。 自分のような思いをする人間が出るのは赦せなかったからだ]
(34) 2015/02/18(Wed) 18時頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:大塚麻夜 件名:Re:
すぐに合流します。 何があったのかは、そのときに聞かせて下さい。
集合場所を教えて下さい。 私は今、西部国道沿いのファミレスにいます。 ------------------------------------------------
(37) 2015/02/18(Wed) 18時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:楠明 件名:大丈夫?
明ちゃん、今どこにいますか? 大塚くんからメールを貰いました。 昨晩、何かあったのでしょうか?
もし、私でよければお話を聞かせて下さい。 返信待っています。** ------------------------------------------------
(38) 2015/02/18(Wed) 18時半頃
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……でも、リツキくんを何とかして、 それでおしまい――ってわけでもないしなあ。
[珈琲を口にしながらそんなことを考えているうちに、 どうやら眠ってしまったらしい。 メールの着信を知らせるバイヴの振動で目を覚ます。
きっと五郎からのメールだ。 翔子は無事だろうかと、ガラケーを開く]
『たすけて アカリがいない』
[着信していたのは麻夜からのメール>>5 あかりは麻夜に返信を入れ、それから少し考えて、明にもメールを送る。 そして心配を隠せないまま、二人からの返事を待つ**]
(39) 2015/02/18(Wed) 18時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:秋山五郎 件名:Re:問題ない。
下部さんが見つかって、良かったです。
リツキくんの容貌ですが、身長は普通か少し小柄で眼鏡をかけています。臙脂色の本を所持していて、白い猿のようなペルソナを召喚していました。 崇神高校の一年生で、大塚くんと親しいようです。
私もこれまで彼とは面識がなく、きちんと話をしたのは昨夜が初めてなので、それ以上のことは分かりません。 ごめんなさい。
彼の話からシャドウは人を乗っ取る代わりに、その人の欲望を叶える性質があることと、目的が世界を作り変えることであると推測できます。
それから、アガツマというペルソナ使いが彼に害されている可能性があります。 ------------------------------------------------
(64) 2015/02/18(Wed) 20時頃
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[居眠りをしているうちに、着信していた五郎のメール>>47に返信をする。 すっかりぬるくなってしまった珈琲に、 不味そうに口をつけているとガラケーが振動する。 確認すれば麻夜からのメール。
あかりは無言で立ち上がると、合流場所に指定された中央公園>>57に向かった。
そしてメールを送ったもう一人。 明からの返信は――未だ、ない>>48]
(66) 2015/02/18(Wed) 20時頃
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―中央部・中央公園―
大塚くん、一体、何があったの?
[>>57あからさまに憔悴した麻夜に昨夜のことを尋ねても 上の空のままで、まともな返事は帰ってこない。
覚束ない様子で崇神神社へ向かおうとする 麻夜の前へと立ちはだかり、両肩を掴む]
(71) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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しっかりしなさい!
明ちゃんがいなくなった理由、言えないなら無理には聞かない。 みんなに知られたくないんだよね? よっぽどのことがあったってこと、私にだって分かる。
……でも、不安なのは分かるけど、あなたがそんなんじゃ、 明ちゃんはもっと不安になるよ。
あの子が大塚くんを頼ったその意味、分かるでしょう?
[初めての満月の夜。 明と行を共にして、彼女の壊れやすい心と寂しさの一端に触れていた。だから彼女が麻夜に心を開き、共に歩む姿を見て、心から嬉しかったのだ。
さて、麻夜はあかりの言葉に耳を傾けてくれただろうか。 彼が落ち着いたのであれば、明が向かいそうな場所を尋ね、 そうでなければ彼女の姿を求めて、闇雲に探し回るだろう]
(72) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:高屋敷真弓 件名:Re:Re:緊急
もし真弓さんに、リツキくんのことで分かることがあったら教えて下さい。それから、アガツマというペルソナ使いについて聞いたことはありますか?
おそらく私たちより以前に、シャドウと戦っていたようですが……。
夕食をご一緒するのを楽しみにしています。 おじさまにも宜しくお伝え下さい。 ------------------------------------------------
(73) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:雛宮律 件名:Re:Re:
心配してくれてありがとう。
やっぱり、律っちゃんは優しいね。 関わらないわけにはいかないけれど、 本当に危なくなったら、ちゃんと頼るので、 覚悟しておいて下さい。 ------------------------------------------------
(77) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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―少し前・西部国道沿いのファミレス―
[真弓に、ついで律にメールを返す。
律がシャドウであること、そして絹代を殺害したことなど知るはずもなく。 幼馴染の短い、けれど彼らしいメールに勇気付けられるのだった*]
(79) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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……分かった。 大塚くんは神社に行くんだね。
なら私は商店街を流しながら、港に行ってみる。 何かあったら連絡を頂戴。
[あかりの活で少しは気を取り直したのか、 麻夜は明の立ち寄りそうな場所を推測する。 そうして、彼と別れ商店街へと向かう。
商店街から埠頭へ―― それは初めて明と出会ったあの日と同じ道行きだ]
(82) 2015/02/18(Wed) 20時半頃
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―北部・港―
[商店街に明の姿はなかった。 これで可能性の一つが潰れた。麻夜からの連絡もまだない。 神社にもいなかったのだろうか? 焦りの色を隠せないまま、あかりは港へとやってきた。
すでに高くにある冬の陽に眩しそうに目を細めた。 ペルソナでの戦闘はしていなかったけれど、澱のように疲労が身体に沈殿している]
(106) 2015/02/18(Wed) 21時半頃
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……明ちゃん?
[着信を知らせるガラケーのバイブ音。 もどかしく、メールを確認すると明からではなく智晶からだった>>94
――Re:緊急 ――お疲れ様です。 ――満月の夜のお話の件、了解しました。 ――明日なら、多分、大丈夫だと思います。 ――学校で良いですか?
そう返信をしてから、白い少女の姿を求めて港を歩く]
(107) 2015/02/18(Wed) 21時半頃
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>>102 ------------------------------------------------ From:花咲巡理 To:花河あかり 件名:Re:Re:緊急
明日、学校ではどうですか。 そのときに櫻井くんとも一緒に話す予定です。 ------------------------------------------------
(113) 2015/02/18(Wed) 21時半頃
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―港・埠頭―
[巡理に送ったメール>>113 と同じようなメールを馨一にも送信する>>83 メールに構っている間も、胸騒ぎは止まらない。 明は無事だろうか。
前回の満月にコンクリートを粉砕され戦場跡のようになっていた一角は、今は立ち入り禁止になっていた。 入り込めさえすれば人目に触れにくく、身を隠すには良いかもしれない。
そんな目星をつけてあかりは動き出すが、果たして思いつめた明に出会うことは出来るだろうか?]
(118) 2015/02/18(Wed) 22時頃
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/* 律っちゃんが超多角に突入しそうだ。
(-33) 2015/02/18(Wed) 22時頃
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……律っちゃんに、似たシャドウ?
[巡理からのメール>>120 を確認したあかりの足が止まる。 リツキと同じように、律もシャドウに取られてしまった?]
まさか、ね。
[何しろ、あかりはリツキの怒りを買っているのだ。 律がシャドウなら、敵の身を案じるはずがない。 だから律に似たシャドウはきっと、巡理の見間違い。 戦闘中に誤認したのだろう。
――きっと、そうに決まっている]
何かあったら、連絡くれるだろうし。
[リツキが翔子のことを強く気にかけていたように、 律――リツが幼馴染を気にかける可能性から目を逸らすけれど、胸に刺さった不安の小さな棘を抜くことは出来なかった]
(131) 2015/02/18(Wed) 22時頃
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アカリは、オスカーは明に会えただろうか。◇
2015/02/18(Wed) 22時頃
アカリは、ショコラがリツキの誘惑を受けたことを知らない。◇
2015/02/18(Wed) 22時頃
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[立ち入り禁止の区画に明はいた。 彼女はあかりの存在に気付くと、傍らにあったドラム缶の陰に慌てて隠れてしまう] ……明ちゃん?
[怪訝な顔で近寄ると、ドラム缶に巻かれているロープと その先がどうやら明の身体に巻き付けられていることに気が付く]
だめ、そんなの絶対にだめ!!
[何があったか知らないが、明は自死するつもりだ。
あかりは血相を変えて、砕けた埠頭に足を取られそうになりながら明の元に駆け寄り、彼女の意図を妨害しようと抱きとめる]
(136) 2015/02/18(Wed) 22時頃
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離すわけないでしょう! ……ねえ、何があったの? 大塚くんと喧嘩しちゃった?
私でよければ、相談に乗るから――お願い、話、しよう。
[払い除ける力はないが、必死で抵抗する明>>141 彼女の必死の力に押され、抱きとめようとするあかりは、ロープに足を取られて背中から転んでしまう]
(146) 2015/02/18(Wed) 22時半頃
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[逃げられるかも知れない。 そんな思いから、倒してしまった明に覆い被さるように両手をつく]
みんなって、誰!? 言ってみて!
明ちゃんがいなくなったら、 少なくとも、私と大塚くんは不幸になる! それに、どうして明ちゃんが生きてると周りの人が不幸になるなんて、思うの? ……理由、あるんだよね。
[泣きそうに歪む明の白い頬にそっと触れて、尋ねる]
(157) 2015/02/18(Wed) 22時半頃
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……ご両親を殺した? [>>164父を殺し、母を殺し、麻夜を殺そうとしたと、明は言う。 シャドウから父を救えなかった罪悪感が、 彼女にそんな言葉を口にさせているのだろうか?]
明ちゃんは、私を殺すかも知れないって言うけど、 最初の満月の夜のこと、覚えてる?
もし、あかりちゃんが居なかったら、私、死んでたよ。
[明の言葉にどういう意味が込められているのか分からない。 本当はこの間の集まりのときに、最初の満月の夜、青い部屋の外で起きたことを確認しておくべきだった。
けれど、麻夜と寄り添う姿を見て、安心してしまったのだ。
『為すべきことをしなかった』 そんな後悔が、今更のように胸を苦く満たす]
(174) 2015/02/18(Wed) 23時頃
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……ねえ、明ちゃん。 今度は私にあなたを助けさせてくれないかな。
もし、明ちゃんが大塚くんを殺してしまいそうになって、 それを自分一人で止められないのなら、どうすればいいか、一緒に方法を考えよう?
約束したよね。 全てが終わったら、いっぱい褒めてあげるって。 美味しいもの食べに行こうって。
私、――すごく楽しみにしてるんだよ? だから、頼りない先輩だけど、最後まで一緒に歩かせて欲しいな。
[ね、と首を傾げ、殊更に笑んで見せる]
(182) 2015/02/18(Wed) 23時頃
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……だめだよ。
明ちゃんを、一人になんかしてあげない。 もちろん、死なせてなんかあげるもんか。
その、無意識に何かしちゃうのは、いつものことなのかな? そうだね、例えば――
[思考を巡らせる。 明の父が危難に遭遇した日。そして、麻夜との間に何かがあったのは何時か? 共通するのは、満月の夜――赤い月]
特定の時間や条件、思い当たることない?
[もし、あかりの推測が当たっているなら、解決の糸口は見えるかも知れない]
(195) 2015/02/18(Wed) 23時半頃
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[あかりの言葉に、やや考えるようしてから紡がれる明の答え>>201 まだ、解を導くには条件が足りないが、希望は見えてきた]
そう、――やっぱり、そうなんだ。
明ちゃん。 あなたを縛る呪い、解くことができるかも知れない。
[続けて言葉を引き出そうとして、 アカリ、と名を呼ぶ声>>202 にあかりは振り向いた]
アカリ、ああ、なるほど。 ……明だ。
[こちらに駆け寄ってくる麻夜。 彼の顔と明の顔を交互に眺め、あかりは妙に納得した表情で頷いた]
(206) 2015/02/19(Thu) 00時頃
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