93 Once upon a time...
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ね。 また、公演するし。
[道化は、「内部の犯行」と 噂されていたことを言わなかった。 不確かな又聞きではあった。 けれど、それ以外の、言葉にしない男の思考も 胸中に何かしら少なからずあり。
>>50はたり、と薄紫の下から現れた瞳。 黒檀の中にまっすぐな光を見て今度は灰色が瞬く。]
(55) 2014/10/14(Tue) 03時半頃
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[呼ばれた名前に反応して ぴ、と伸ばした手。 小さな体で取られたポーズ。
クラウンも合わせて左手を動かした。 鏡合わせで奇体な姿勢の二人は、すぐに別れる。 去っていく背に、クラウンからの挨拶を投げつけて。]
ゥン。いってらっしゃい。
お疲れ様。
(56) 2014/10/14(Tue) 03時半頃
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[片手の道具を抱え直す。 きょろり、灰色が一回転。]
……、ちょっと、嬉しい。
[ひひ。 といつもと違う笑い声をひとつ、落として。 道具の片づけ作業へと戻っていった**]
(57) 2014/10/14(Tue) 03時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 04時頃
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―― 公演翌日早朝/倉庫へ ――
[通路を踏みしめて男は歩いていた。 なんてことはない、 昨晩の撤収作業でひとつ、忘れていたことがあった。
明かりをつけねば朝でも暗い 舞台の照明に余計な干渉を与えないよう、 与えられないよう 倉庫はそんな、一種独立した空間として大テント内にある。
あるいはそれが、一つの世界として ――ひとつの舞台として成立した所以だろう。]
(59) 2014/10/14(Tue) 17時頃
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[メルヘン・ストーリーの緞帳は 芝居が跳ねるよりももっと早くに >>2:285引かれていたのかもしれない。
観衆も、演目外の演者も、あずかり知らぬ もう一つのリングの上で。]
(60) 2014/10/14(Tue) 17時頃
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[中に足を踏み入れれば臭気が漂った。 肌に、網膜に、ねとりとへばりつく空気は それ自体が質量を持つかのように重く陰惨なもの。
作り上げられた雰囲気のなか、男が足を踏み出す。 水音。粘着質。 細やかなBGMは、けれど、続かない。 演奏者がそれ以上を奏でない。
代わり、照明。スポットライト。 倉庫を照らす灯りはアクターを映し出す。 完成された“演出”は二人のため。 もう一人――消えてしまった演者の上には灯らずに。]
(61) 2014/10/14(Tue) 17時頃
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[予感はあった。 テント内 通路に残った足跡>>16。 迷いなく遠ざかっていくそれは 元を辿れば辿るほど色濃く存在を示していた。
だから道化は声を上げなかった。 もとより“クラウン”はサイレント。
床を濡らす血液。 鮮やかな色合いを赤に染めて沈む鳥の羽根と 零れ落ちた青い鱗が舞台衣装の、 暴かれた死体を前にしてその名を呼ぶこともなく、]
(62) 2014/10/14(Tue) 17時頃
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[ぱたぱたと増え近づいてくる足音に、 視線を向け、客席を空けなければ、と。 無意識に半身ずらし、捩り、場所を空けた。 仕草は僅か、リング上のそれに似る。 開幕を告げメルヘンへと誘う昨晩>>18。 此度の跳ねるは紅一色、ピンスポットとはいかない明かり けれど演者は――死体は変わらずそこにある。]
なにか、かけるもの。 もってきてあげて。
[濃い臭気が痺れさせる頭で、道化は思った。 ただしく団長は、――団長の死体は―― 前口上であったのだと、ぼんやりと、*そんなことを*]
(63) 2014/10/14(Tue) 17時頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 17時頃
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[>>71呼ばわれる名への返答は、 少しくらいの唇の開きでは 言葉にならなかった。
足音が呼吸音にかぶさる。掻き消す。 求められる答えに思考が行き着くより先に、 観衆が席に着いた。息をのむ音。 それでようやく、「掛けるものを」と声が出た。]
[死体にコートが掛けられて、 舞台に幕が引かれた。
終演は訪れない。 >>74追悼をうたった人形が、それを望む。 宣誓を置き去りにする彼女へ掛ける言葉は、 すぐには出てこない、から]
(76) 2014/10/14(Tue) 21時半頃
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怪我を。
[観衆を越えていくその背に 届いたものか知れない。]
……、 しないで。
(77) 2014/10/14(Tue) 21時半頃
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[駄目だ。とは言わず、 それ以上の言葉を、音を、 無意味に消費することはやめた。
少しでも開けば入りくる鉄錆びの空気を 舌の上で転がして、噤むばかりだ。]
(78) 2014/10/14(Tue) 21時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 21時半頃
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[>>75死体のそばに転がる、土の人形へ 灰色を少し注いだ。 きっと、本人は気づいていなかったのだと、 不可思議に染色された、不気味な人形を 持ち主に届けてやらねばと思う一方で 男の脚はそれ以上動かなかった。
ひどく匂いが籠っていた。]
――、いつまでも、こうしてらんないから。 あとで二人を動かすよ。 ……ゥン。団長のとこで、いんじゃない。 ゥン。あとでね……あとで……。
(79) 2014/10/14(Tue) 21時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 21時半頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 21時半頃
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―― 大テント:関係者入口 ――
[「ちょっと出る。」その言葉を告げれば 倉庫内を離れる男を止めるものはいなかった。
それでも大テントを離れていかないのは あとで“運搬”をするためだ。]
……、 [両手を顔の前に合わせ、 唇に人差し指をくっつけた。 両の親指で顎を支える。 朝の空気の清浄さが、少し、恨めしかった。]
(85) 2014/10/14(Tue) 22時頃
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[>>81遠目に、 テント群のひとつへ消えていく金糸を見た。 死体の現場へ急ぐ一群が ちらほらと視界に入る中で、観客にもならずにいる姿。
彼は知っているのだろうか、 とポーズを変えないままに思う。 ――悲しくない、とまた言うのだろうか、と瞬きの下。 寂しいのも一緒だと、また。]
[化粧はなく、肌色のまま。 それでもきっと交わす言葉では その本質まで共有は出来ないのだろう。]
(87) 2014/10/14(Tue) 22時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 22時半頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 02時頃
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―― 大テント:入り口付近 外―― [男は息を吐いた。
倉庫にある死体は 別れを告げる人が途切れるまで、そのまま安置される。]
やァだなぁ。
[感情よりも吐息が多く含まれる言葉。 唇を離れ、人差し指にあたり、地面に転がる。 ドロップ。 ジャグリングでもないから落ちてくものに注意する視線はない。]
(154) 2014/10/15(Wed) 04時半頃
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[そう――視線がない。 観客はいない、舞台でもない。 サーカスの基盤にひびが入る。
それに。 と、音もなく唇は付け足した。]
クラウンてのはさァ、……
[道化方てのはさあ。 酔っ払いが管をまくように、もう一度繰り返して それからやおら立ち上がった。 “運搬”の担架が運ばれてきたのを、視界の端に捕えて。]
(155) 2014/10/15(Wed) 04時半頃
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[倉庫から死体は運び出された。 毀れないように、漏れ出さないように、 執拗に包まれた死体は布の内側に肉片と内臓を保持して、 担架に乗せられて運ばれた。 運ばれて、 一つ目の死体となった例のテントの中に横たえられた。
道化方の男は二つとも運び、担架から降ろし、 冷えた柔らかい感覚を指の間まで感じ、 全て終わった後にテントの陰で少し吐いた。]
(156) 2014/10/15(Wed) 04時半頃
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えぇ? なんで?
[口を拭い、多少気疲れした様子で男は尋ねた。 猛獣使いが探してたよ。それだけを告げられたからだ。 伝えてきた団員も理由を知らなかったが、 状況については口にした。
エフェドラとザック。 そのセットで探してたよ。 一場面しか知らない団員も、*それしか言わない*]
、ふゥン。そーなんだ。なんだろね。 犯人探しかな。 まあ、会えばいいんだけど。
(157) 2014/10/15(Wed) 04時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 04時半頃
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[>>161>>162>>163 男は一連の話の間、 猛獣使いの言葉が終わるまで、 口を挟まず聞いていた。 途中途中、眉が跳ねる、視線が転がる、 そんな怪訝を表す仕草はしつつも無言でいて。]
ふゥン。 ……騙されたんじゃないの。婆さんに。
[閉め切っていた口を開くのは、 仕草に表した感情を引き継ぐ言葉。
丸い目に半ばかかった瞼、灰色は余所を向く。]
(166) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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そういうフェアリーテイルはリング上でやってほしいし、 俺に策なんかなんにもないよ。
[居心地の悪そうに肩を揺らし 視線は猛獣使いへ戻った。 眼前、彼の、頭を下げる姿。 眉間に皺が入る。]
でも ……、猛獣使いが、こういうの、しちゃ駄目だよ。 舐められちゃうんでしょ。
[猛獣に。 いるとするなら、人狼に。 聞きかじりの調教知識を半分まとい、 もう半分は、また聞きかじりのフェアリーテイル。]
(168) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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[頭を上げろ。と指が示す。 仕方ないなとの表情を隠さず、けれど、 道化は舞台外のワルツに乗ることにした。
演奏者も誰かわからない、 誰がアクターなのかもしれない。 だけどクラウンは観客ではいられない。]
(169) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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さっきも言ったけど、策なんかないよ。 これから作ることは出来るけど。
ブローリンの、――そのクリスタル。 それが本物で、人狼、とやらが見つけられるとして。
夜が明けてブローリンが死んでたら エフィーかアントニー。そいつらを殺す。 ……まあ、アントニーだけかな。エフィーの様子を見るに。
[言葉にしなかった論理など、 ブローリン自身が掬い取れるに違いない。 不可思議な水晶の事を告げた相手 ――その中でもまだ生きていて、判別されてないもの。 けれど一方、それくらいしか手がかりもないのだ。]
(170) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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[アントニーとエフェドラ。 その両名は猛獣使いと特に近しいと、道化は思っていた。 だから道化は拳を作り、猛獣使いの胸を叩く。]
簡単には死ねなくなったね。 ……ま、死んだ後のことが心配なら 先にアントニーやエフィーを占って 潔白を証明してやりゃあいい。
そう簡単には死なないって言うなら、……――
(171) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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[数人の顔が浮かび上がる。 ころされたら、いやだよ。手を振る。 だから、悲しくないよ。舞台裏に漏れた光。 歪なスポットライトに照らされた笑顔。]
……ニコラス かな。 まァ、わかんないよ。勘だね。 こっちの選択肢は 有用な使い方じゃないのは確か。
[根拠もなく名を上げて、 そして、常になく真面目に長話をこなしたことに 道化方の男は少し口を尖らせた。 クラウンらしくない。]
(172) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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――……、 人狼がどうとか、嘘くさいし そんなちゃちな水晶に全部、任せらんないし
俺は俺で、ニコラスと話してみようかなあ。
[だからお好きなように。 流した視線は、猛獣使いにそう告げた*]
(173) 2014/10/15(Wed) 17時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 17時半頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 22時頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 23時頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 23時半頃
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―― サーカス敷地内:テント外 ――
[猛獣使いと話を終えた後、 男は一つの頼まれごとを果たした。 ――髪を切ってくれ。 凄惨な現場から遺体を運んだ>>183 大道具班の一員から頼まれた。 髪に染みついた匂いが取れないのだと。]
[しゃきん。 役目を果たし終えた銀鋏をポケットに押し込んで 代わりに>>186鮮やかに彩る鳥の羽根を持ち上げる。 その続く道筋を灰色が追い、]
[前後なく、呼ばれる声に瞼が上がった。]
(196) 2014/10/15(Wed) 23時半頃
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……、ゥン、ちょっと話。 してみたくて。
[ぱちり、ぱちり、瞬きを重ね 体の向きを変えた。 動きに先んじて金糸に注がれた視線は、 会話の糸口を探して宙を彷徨う。
団員の髪を切った際、 手元を外して切りつけた人差し指で頬を掻いた。]
今日みつかった死体の話、聞いた? 団長に引き続いて二人。 犯人の目的。なんだろね、って。さ。
(199) 2014/10/15(Wed) 23時半頃
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[犯人。――人狼だと噂されるそれを ワルツに乗れども信じはせず。 また、目的を聞くわりに、己の答えをもつような 一本調子の口ぶりで道化は会話を求め]
(200) 2014/10/15(Wed) 23時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/15(Wed) 23時半頃
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食べたかった、
[直前の言葉を繰り返す。 確かに死体の総量は通常の男性よりも幾分軽かった。 灰色のぎょと目で見、 その手で運んだ男はそれを知っている。
でも、だからこそ、 視線はニコラスを追いかけた。 逸れてしまったそれを探すように。]
ふゥン、じゃあ。 ニコラスは人狼の仕業だって、 やっぱり、思ってるんだ。
(210) 2014/10/15(Wed) 23時半頃
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リング・マスター。フライヤー。二代目調教師。 わざわざ最終公演の日に殺してさ。 相当このサーカスに恨みがあるのかな、って、 俺ね。思ってて。
[ニコラス、感覚が近そうだったから 話してみたかったんだと道化は続けた。]
それにさ、 人狼なんているわけないじゃん。
(211) 2014/10/15(Wed) 23時半頃
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