64 さよならのひとつまえ
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─ 深夜の屋上 ─
[>>6:+248声が繋がった瞬間、心臓の跳ねる音がした。]
いや、俺の方こそ、電話するっつっといて遅くなっちまって悪い。 今日は、寮で食う夕飯最後だからってんで、みんなで賑やかにメシ食った。
───うん、明日の朝、寮を離れて、一旦実家に行く。 その次の日は、お祝いしてもらったりまた荷物まとめたりで……だから、その翌日、遅くても夕方には都心の駅に出られるんじゃねーかなって思ってる。
お前の方は、仕事とかどうなんだ。 つか、もしかしてこんな時間までバイトしてたのか?
[大変だなーと、小さく添えた**]
(*0) nordwolf 2014/04/04(Fri) 03時半頃
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─ 夕刻の食堂 ─
なー飲み物なにがいい? 花見ん時俺何も出してねーし、今日は俺が奢る!
[とは言っても、自販機のジュースなのだが。 自分用には、また塩とライチのアレを買った。]
ところでさー。 今夜の味噌汁……しじみじゃねーよな?
[できれば大根か小松菜がいいなと。 そんなささやかな希望は、はたして届いたのだろうか……**]
(4) nordwolf 2014/04/04(Fri) 04時頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
nordwolf 2014/04/04(Fri) 07時半頃
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─ 夜の屋上 ─
楽しかった! ここぞとばかりに色んなモノ頼みまくってさ、おばちゃんに「ここはファミレスじゃないよ」って笑われちゃってさー!
[>>*1お前達もいたら、きっともっと楽しかったかもしれない。 けれどそれは口にせず、通話口から聞こえてくる声以外の音を聞きながら、いま十文字は何をしているのかを想像し、眼を細めた。]
そーか、もうアシスタントの仕事はいるんだな、おめでとう。 お前が手伝う漫画って、なんだっけ。 どんなのか、俺も読んでみたいしさ。
被んないなら良かった、そしたらそっち着く予定のちゃんとした時間分かったら、また電話かメールで知らせるよ。
(*4) nordwolf 2014/04/04(Fri) 14時半頃
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……え? あれ、宗介んち、そっち近いのか? つーか利一?
[>>*2疑問符がいくつも浮かんだ。 そういえば、たしかに定良から聞いた住所は、そちらの方のものだったが、記憶が正しければ睦井はたしか自分と同じく西の方へ向かう予定ではなかったろうか。]
そうか、会ったのか。 …………。
[睦井が定良に会いたがった理由は知らない。 そして、彼らが抱えている想いにも、まだ気付けていない。 だから別に、深く考える必要などない。 偶々時間がとれたから、偶々近くに住んでいたから……なのだと、自分に言い聞かせる。 言い聞かせている時点で、もうダメなのだが。]
……風邪?
[軽く、ちくりとしたものを胸に感じかけた矢先、クシャミが聞こえ、俯きかけていた顔をはっと上げた。]
(*5) nordwolf 2014/04/04(Fri) 14時半頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
nordwolf 2014/04/04(Fri) 14時半頃
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─ 夜の屋上 ─
ウイング? あれ、mineって誰描いてるんだっけ……名前は聞いたことあんだけど……あれ、誰だっけ。
[>>*7ラブコメという記憶だけはあるが、ちゃんと読んだことはない。 そして、アメコミと結びつかず、頭には疑問符が増えるばかり。]
いーや、帰り道にウイング買って見てみる!
(*9) nordwolf 2014/04/04(Fri) 20時頃
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[>>*7別に友達同士が会うことに、何ら不満があるわけでもない。 なのにもやもやしてしまう自分に呆れそうになっていれば、立て続けに嚔が響いた。]
おい、大丈夫か? ……って鼻、ちゃんとかめって。
あぁうん、ネカフェ…… 行ってみたい所っつっても、そうパッと思いつくものねーかなぁ……雑踏見てもしょーがねーし。
[行きたい場所を考えていると、何かデートのようだと、少し口元が緩みかけたが、夕方から行けそうな場所となると難しく、そも名所の類はあまりよく分からない。]
んー……それより……
[逡巡。 後、少しの呼吸音とともに口を開く。]
(*10) nordwolf 2014/04/04(Fri) 20時頃
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……お前んち、いきてーかな、って。
[ボソッと告げながら、電話では、心音も顔色も伝わらずに済むことに、少しだけ安堵した。]
(*11) nordwolf 2014/04/04(Fri) 20時頃
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─ 夜の屋上 ─
あっ、そうだそう! 知ってる!
[>>*12漸く絵と作者名が噛み合って、ちょっと嬉しそうに声を大きくした。]
柔らかそうな女の子描く人な。 つか、そしたら丞もそういうの描くのか?
いや、電話はほら、なんだっけ……俺のスマホ定額で1時間ついてるやつで、繰り越しで目一杯貯まってるから、寧ろ消化しちまった方がいいかなーって。
ぐらんで……? それ知らねーかも……いいや、今度教えてくれ。
(*14) nordwolf 2014/04/04(Fri) 23時頃
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[>>*13家に行きたいと言って、少し空いた間に、やはり図々し過ぎたかと眉を下げたが]
え
いやあれは、いくら何でもそんなの悪いかなーって思ったってのがあって……けど、やっぱさ、向こう行く前にもう一度会えるんだなーって思ったら、少しでも長くって思ったのと……あと…… …………
[笑うなよ、引くなよ、と、確認するように3度ほど前置きし]
……その 妬けたから、とか………
[少し拗ねたような声は、かなり小さかったかもしれない。]
(*15) nordwolf 2014/04/04(Fri) 23時頃
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─ 夜の電話 ─
俺はもう、絵が描けるって時点でスゲーって思うよ。 手の作り違うんじゃねーの?
[>>*16犬と猫の書き分けすら難しい自分にとって、ラインだ皺だなど異次元の領域だった。]
今度さ、お前が絵、描いてるところ、もっとちゃんと見てみてーかも。
[何せ今までは、背中越しに見たことしかない。 絵を描いている時の十文字の手元や横顔を想像し]
……俺のこと、描いてる時とか、どーだったのかなーって……
いや、だってさ、引っ越した直後で大変なところに押しかけんのもどうかって! つか、そういんじゃなくてさ……
[どう伝えればいいのだろう。 恋愛経験がなさすぎて、どうすればいいのか分からずに、その場にしゃがみ込むが]
(*18) nordwolf 2014/04/05(Sat) 01時頃
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だから、その…… って、どこ焼けたって、そうじゃなくて!
[>>*17今ひとつ伝わっていないらしいことに、髪を掻きむしり]
馬鹿馬鹿しいって分かってはいるんだけど! だから、宗介とか、利一とか会ったんだーっての聞いて! やきもち、やいてんの!
うるせーよもぅ別に会って何なんだーって思うんだけど、なんかこう、ずりーなーってーか、俺だって会いたいし! ぜってー忘れるつもりねーけど、忘れねーようにもういっかい丞抱きしめたいし抱きしめられたいし、その……!
[一気に捲し立てるが、だんだん頭がグルグルしてきて、自分が何を口走っているのか分からなくなってきた。]
(*19) nordwolf 2014/04/05(Sat) 01時頃
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だってそりゃ、ガキの頃からずっと……
[>>*20ずっと、野球が大好きだった。 何故キャッチャーを選んだかは、滅多に話すことはないのだけれど。]
……そういえば、やっぱ丞も、ずっと絵描くの好きだったりしたのか? そういうのさ、あんま話したことねーから……会った時、聞きてーなーって。
[無から何かを産み出す手元を、思い浮かべる。 その手が、己の姿を描くところを想像するだけで、胸が熱くなる。]
くっ、そ…… 好きだ……ッ
[>>*21絞り出す声は掠れた。
届くはずがないと思っていた想い。 おかしなことと知りつつも、それでも伝えたかった想い。
通じてしまった今、今度は、どう抑えればいいのか分からない。]
(*25) nordwolf 2014/04/05(Sat) 03時半頃
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[>>*22通話口から聞こえてくる音に、十文字が、部屋の中にいるのだと分かった。 カタカタと響く小さな音は何だろう、推察するほどの余裕は、今はない。]
そー、だよ……
[>>*23自分であれだけ言っておきながら、恥ずかしくて仕方なく、膝を抱え、屋上の柵に背を預ける。 見上げた夜空には、オリオン座が瞬いていた。]
ひでー話だよな……
あんなに、沢山色んなモンもらっといて……それなのに、まだ、お前のこと欲しいとか。 どんだけだって、呆れるよな、ホント……。
[自嘲を零すも、愛しさは募るばかり。 胸がひどく苦しくて、右手で、強くシャツの胸元を握った。]
(*26) nordwolf 2014/04/05(Sat) 03時半頃
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我儘、言ってくれよ。
会いたいって思ってんの、俺だけじゃねーんだって……
[一方通行のものではなく。 寄せられる想いを受け止めたい。
それが、ただのエゴだとしても。]
(*27) nordwolf 2014/04/05(Sat) 03時半頃
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そっか、じゃあ、同じだな。 俺も暇さえあれば、バットとボール持って外出てた。
[>>*28プラスチックのバットとゴムボールに始まって、金属バットと軟式球へ。 これからは、木製バットと硬式球になるけれど、野球が好きなことに変わりはなく。]
そー……だな。 ただ見てるだけってことのが、多かった。
ッはは……、何か、思い返すと勿体ねーなーって思っちまう。 けどあの時間も、俺、好きだったよ。
[>>*29それぞれ勝手なことをしながらも、存在を感じられる。 はじめのうちは、気楽な同室者としてしか思わなかった。 部活を引退した頃から、徐々に、それだけではない感情に気付きはじめて]
これから……色んなこと、知りたい。
[進む道は違うけど、違うからこそ、何を思い、何を描くのか。 興味が尽きることはない。]
(*34) nordwolf 2014/04/05(Sat) 11時頃
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意外……って、そうかな、わかんねー。
ただ、ほら、こんなこと言えるわけねーよなーって……言っても気持ち悪がられるだけだよなーって思ってたから、言うに言えなくて……
[>>*30だから最後に、一言伝えられればそれでいい。 もう会うこともなく、そのうち思い出に変わるものと思っていた。]
……想い出だけに、しなくて、いいんだな……
すきだよ……
[「頼児」と呼ばれることは多いけれど、この声で呼ばれると、特別な響きになって、胸が熱くなる。]
好きだよ、丞……
[嬉しいはずなのに、声にするたび、胸がつまる。]
何がいいのか、わかんねーけど……会いたいっての、俺だけじゃねーんなら
(*35) nordwolf 2014/04/05(Sat) 11時頃
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[>>*31想いを投げるだけではなく、受けとめたい。 うまく言葉にならぬまま、時間とともに、電池残量が減ってゆき、小さな警告音を耳に落とした。]
は、は…… 時間切れ。 つか、じゃねーといつまでもお前の声、聞いてたくなっちまいそーだし
また、な……おやすみ、丞…………、、
[最後もう一度、紡ごうとした「好き」の言葉は、二度目の警告音に阻まれた**]
(*36) nordwolf 2014/04/05(Sat) 11時頃
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─ それから ─
三年間、どうもお世話になりました!
[寮母や食堂のおばさん達に見送られ、バスは駅へと走り出した。 車内では、皆と何を話したろう。 三年などあっという間だったようで、それなのに、話すことは尽きず、駅が見えてくると、少し残念そうに眉を下げた。]
(40) nordwolf 2014/04/05(Sat) 13時頃
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[駅前には、両親と姉が、車で迎えに来てくれていた。 皆と、いつかの再会を約束して別れ、車に乗り込み、まずは親戚たちの集まる本家へ向かった。
本家での、卒業祝兼プロ育成入り祝いは、殆ど自分を肴とした酒盛り状態だったが、それでもこうして祝ってくれる身内がたくさんいるというのは、有り難いし、とても嬉しいことだった。 一日も早く、一人前のプロとしてマスクを被れるようにならなくてはと、決意を新たにした。
その翌日は、寮へ移るための準備に大わらわだった。 母と姉にぎゃいぎゃい言われながら、新しい服を買い、お祝いにもらった新しいスポーツバッグに荷物を積める。 そして夜は、家族だけての時間を過ごした。 母が、好物の海老フライと青椒肉絲を作ってくれた。
そして、実家での最後の夜、父と、将来の夢について語り合った。]
(41) nordwolf 2014/04/05(Sat) 13時半頃
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……そりゃもちろん、やるからには、シトラスを優勝に導けるような選手になりてーよ。 メジャーとか、先過ぎてちょっとわかんねーけど、そんくらいの意気込みで頑張る。
あとさ、ちょっと夢ってーか、なんてかさ…… よく野球とかサッカーとかの選手の伝記みたいな漫画あるじゃん。 あれをさ、描いてもらえるくらいな選手になりてーなーって!
[はにかみながら伝えたそんな夢に、父は、静かな笑みで頷いてくれた。*]
(42) nordwolf 2014/04/05(Sat) 13時半頃
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─ 最後の寮食 ─
ありすはお茶なー、他はー?
[コインを投入し、ボタンを押せば、がこがことお茶が落下してくる。 人数分の飲み物を買い終えて、また食堂内へ戻ると、白辻と、イイ笑顔の食堂のおばちゃんが迎えてくれた。 シジミ汁とともに。]
なん……だって……?
[最後にこれかと、固まった。]
(56) nordwolf 2014/04/05(Sat) 16時半頃
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[さて、食事中も、なかなか手をつけようとしなかったシジミ汁だが。 最後の最後にお残しするというのも気が退ける。]
くっ……、いただきます!
[覚悟を決めて、ごくり、冷めたシジミ汁を口へ運んで……]
……泥っぽくは、ねぇ。けど……
[渋い顔をしつつも、なんとか飲むことはできそうだ。 しかしやはり、好む味ではない。 克服までの道程は、まだ遠い。*]
(57) nordwolf 2014/04/05(Sat) 16時半頃
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─ 実家を離れる朝 ─
じゃ、明日、寮に着いたら電話する。
[駅まで送ってくれた両親に別れをつげて、特急に乗り、一路都心へと向かった。 大体のものはもう寮に送ってしまったから、スポーツバッグの中は、1日分の下着、タオル、乳から譲り受けた古いノートパソコン、財布や小物、そしてスケッチブックが一冊だけ。
移動中は、元野球部員仲間とツブヤイターで遊んでいた。
「#1000RTされたら10年後の俺はメジャーリーガー」 とかふざけたら、ノリのいい部員連中に一斉にRTされ、現在124RT。]
(58) nordwolf 2014/04/05(Sat) 17時頃
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[都心部に着いたのは、昼を回った頃だった。 列車内で母からもらったおにぎりを食べはしたが、まだ育ち盛り継続中の腹は、それだけでは到底足りず、それに十文字のバイトもまだ終わっていないだろうと、とりあえず近くにあったロッチリアで時間を潰すことにした。]
三段エビバーガーセット。
[比較的空いているこの時間なら、1時間くらいのんびりしていても文句は言われないだろう。]
(59) nordwolf 2014/04/05(Sat) 17時頃
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TO:丞 FROM:頼児 TITLE:ついたぞ! 本文: 今ついた! 七重洲口ってとこのロッチリアでエビバーガー食ってる バイト先どこだ? 移動した方がいいならすぐ動くんで、連絡くれ
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(*39) nordwolf 2014/04/05(Sat) 17時半頃
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─ 七重洲口のロッチリア ─
食いにくいなコレ。
[三段エビバーガーは、美味いが、かなり食べにくかった。 結局少し行儀悪いと思いつつ、真ん中のエビカツ一枚を引き抜き、そのままで食べた。
メジャーへのRTは、更に35RT増えていた。 なにがしたいんだおまえらは。]
(67) nordwolf 2014/04/05(Sat) 22時半頃
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TO:丞>>*40 FROM:頼児 TITLE:Re.Re.ついたぞ! 本文: おつかれ! うまく特急つかまえたから、案外早く着いた 沼袋は分かるけど、サンセットは分かんねーかも もし分かりそうなら、少し探してみる
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(*42) nordwolf 2014/04/05(Sat) 22時半頃
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[メールを送信し、路線図を確認する。 しかし、毛細血管か何かかとツッコミを入れたくなるほどの複雑な路線図に、自力で調べることは即断念。駅員に訊くことにした。 環状線一本で、30分ほどで着くと聞いて、安堵した。 ついでに、何時に来るのか聞いてみたら、5〜10分間隔くらいで走ってると言われ、驚いた。
ともあれ、小一時間後くらいには、沼袋駅に到着した。 サンセット通りはどこだろうと、案内板を見てみたが、東口と西口にあるデパートの名称が逆なことに、首を傾げている真っ最中。*]
(68) nordwolf 2014/04/05(Sat) 22時半頃
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─ 一方その頃 ─
[まだ時間に余裕があると、自力探索に出たのが間違いの元だった。 いくら春休みとはいえ、何故平日日中からこんなに人が多いのかと不思議に思いながら、サンセット通りを目指し歩いていたはずが、気付けば、ばかでかいアニメの看板が掲げられたビルの前に来ていた。 それにしても、驚くほどに女子が多い。]
……本屋?
[ちらりと覗き込んでみたが、なんとなく、普通の本屋とも雰囲気が違う。 どうしよう、駅まで戻ろうにも道が分からない。 心細さから、壁際に逃げておろおろしていたら、電話が来た。]
ッ、わ!
[小さく驚きの声をあげたら、女子高生の視線がこっちへ向いた。]
(96) nordwolf 2014/04/06(Sun) 01時半頃
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あっ、丞か?!
悪い、早く着いたから、そっち行こうって思ったんだけど、なんか道迷ったみてーで……えーっと……
[>>*46居場所を伝えなくてはと、店の看板を確認し]
なんだここ、アニマテ?っていう、本屋? そこの、ガチャポンが沢山あるとこにいる!
どうしよう、どっか動いた方がいいか……? それとも、ここいた方がいいのかな……
[不安から、両手でスマホをぎゅっと握り、あちこち視線を彷徨わせる。 こっちへ向く女子の視線が何だか痛い。]
(*48) nordwolf 2014/04/06(Sun) 01時半頃
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[>>*49キーホルダーをこれでもかとぶら下げた女性と目が合い、クスクスと笑われた。 一応、服は姉に見立ててもらって、それなりに小ざっぱりしているはずなのだが、抱えたスポーツバッグから、おのぼりさんまる分かりなのだろうか。]
あとなんか、格好いいアニメの看板がある。
……近いのか? そ、それならここで待ってる!
[安堵から、声が弾んだ。]
(*50) nordwolf 2014/04/06(Sun) 02時頃
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[>>100スマホを握ったままで、十文字の到着を今か今かと待っていたら、思いのほか早くにその姿が見えた。]
丞! 良かった、このへんゴチャゴチャしてて、俺どうしようかと思って……! なんか、手間かけさせちまって悪……
……ん?
[嬉しそうに、こちらからも駆け寄ろうとするが、十文字がすぐ後ろを指差した>>1-1ので、何があるのかと振り返る。]
え、そうなのか? さっき見て、スゲー格好いいなーって……へー!
[まったくの初見で、内容も何も知らないが、絵はとても気に入った。 これが一番格好いいと、緑色の牛のようなキャラクターを指差した。]
(102) nordwolf 2014/04/06(Sun) 02時半頃
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……って、ここで油売ってる場合じゃねーか。
[女性客だらけのここは、男性客が珍しいのか、やたら視線が向いて、なんとなく居心地が悪い。 奥には普通に男性客もいるのにと思いながら、スポーツバッグを肩にかけ直す。 荷物は、これひとつだけ。]
(103) nordwolf 2014/04/06(Sun) 02時半頃
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ヘー、そういうのは結構好きだな! 親父からノートパソコンの古いのもらったし、アニメ見てみるかなー!
[>>104すっかり興味を示しつつ、それにしても変な名前のキャラクターだと思っていたら、理由を説明されて納得した。]
焼肉屋? そうだな、お前んち近いんだったらそこがいい。
[コースター配布の文字を見ていたので、伸ばされた手には気付かなかったが]
……?
[聞こえてきた黄色い声に、どこかに有名人でもいたのだろうかと、きょろきょろ辺りを見回した。]
(106) nordwolf 2014/04/06(Sun) 03時頃
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[>>105よく分からない本屋を出て、駅へ戻る大通を歩いている最中、人が多い為だろうか、何度も十文字と腕が触れ合った。 それだけのことなのに、不安も緊張も消え去って、かわりに、疲れてもいないのに少し鼓動が早くなる。]
そーだな。 声だって、聞いてたはずなのに。
[ずっと今まで近くにいて、けれど想いは言えないまま、気付けないまま過ごしていたぶんの反動か。
人混みを言い訳に、もう少しだけ、十文字に肩を寄せた。
やがて見えてきた駅は、東口の筈なのに、やはりデパート名は西部だった。 この街はおかしい。]
(108) nordwolf 2014/04/06(Sun) 03時頃
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それは俺だって…… ……あぁ、うん。 大丈夫。
[>>111口数がやけに多い気がする。 どうしたのかと思いながらも、導かれるまま切符を買って、混雑するホームへ向かった。]
人、スゲーな。
[噂や映像で知ってはいたが、実際のラッシュはこれが初めて。 これだけの人が、不思議なくらい整然と進んで行く中、どうすればいいのか分からず、ただはぐれぬように必死で、十文字の腕を掴んだままで電車内に押し込まれた。 近すぎる距離に、呼吸が止まりそうになる。]
……暑い……
[滲む汗と火照る頬を、車内の温度の所為だと誤魔化した。]
(113) nordwolf 2014/04/06(Sun) 04時頃
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[>>112どこからか、遊園地……という言葉が聞こえた。 もっと時間があったなら、十文字と行くことができたろうか。 いや、ああ言う場所は恋人同士で行きはしても、男同士ではあまり行かないような気がする。 ……自分と十文字の関係は、何なんだ? そんな疑問が、ふと浮かんだ。
恋人、と思ってもいいのか。 けれど、明日になれば、遠くへ離れなくてはならない。 次いつ会えるかの保証もないのに、繋ぎ止めていいのだろうか。]
……ぁ。
[気付けば、十文字の手が、シャツの裾を掴んでいた。 表情を窺いたくて、15cm上の顔を見上げるけれど、壁を向いてしまっている視線には届かない。
離したくない。 離さないで欲しいと、乞うように。 混雑の中、気付かれぬよう、裾を握る十文字の手に己の手を重ね合わせた。 せめて、この電車を降りるまではと。*]
(114) nordwolf 2014/04/06(Sun) 04時頃
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[駅に電車が停まるたび、沢山の人が出入りする。 流されまいとすればするほど、重ねた手指の力は強まった。
おそらく鼓動は筒抜けのまま。 押されて密着しているふりをして、十文字の肩口に顔を埋め、そのにおいを確かめる。
周囲の音も声も、曖昧なものになってきて、目前の存在だけがクローズアップされてくる。 こんなに、誰か一人を強く想ったことなんて、今までない。 これでいいのか、間違ってはないか。 優しさにつけこんで、自分の恋心を、我儘を、押しつけるだけになっていないか。 貰ったぶんを、返せているか。]
(127) nordwolf 2014/04/06(Sun) 13時半頃
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……っあ、うん。 わかった。
[幾つの駅を過ぎたのだろう。>>126 十文字は、15分程度だと言っていたが、一時間以上にも感じたし、ほんの数分だったような気さえする。
揺すられ、離れた手が急速に冷えてゆく気がした。 この手と同じように、遠く離れてしまったら、想いは冷めてしまうのか。 いつか変わってしまうのか。
そんなのはイヤだと思ってしまうのは、恋愛経験の未熟さからか。]
丞……
[漸く向けられた顔は、確かに笑顔だったけれど。 それが逆に、胸に刺さった。 何でそんな顔で笑うんだ。 問いかけようとした声は、途中で止まり、無言のまま彼の後に付いていくことを選んだ。
繋ぐ手を隠してくれそうな人混みがないことが、少しだけ恨めしい。*]
(128) nordwolf 2014/04/06(Sun) 13時半頃
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─ 牛楽亭 ─
あー、丞ー、腹減ったなー!
[残された時間、辛気くさく過ごすよりは、少しでも楽しい思い出を増やしたかった。 だから店に着いた時は、少し大袈裟なくらいの笑顔を十文字に向けた。
衝立の奥の、二人掛けのテーブル席へ案内されて、向かい合うように腰を下ろす。 先程見たポスターのアニメのコースターが付くセットがあるというので、それを選んだ。]
……こういうとこ、二人で来るのって、そういえば初めてだよな。
[練習試合に出た後など、部員仲間全員だったり、数人だったりで食事に出たことはよくあった。 特にエースの方長や、一番バッターの忍足とは多かったか。 けれど、それらとは全然違う。
肉の皿が来るまでの間、テーブルに肩肘を乗せて頬杖をつき、じっと、目前の十文字だけを見つめていた。]
(129) nordwolf 2014/04/06(Sun) 13時半頃
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[店内には、懐メロが流れていた。 自分が生まれるよりも前の、映画の主題歌だったその曲は、けれどうっすら聞き覚えのあるものだった。]
……別れの言葉じゃ、ねーんだってさ。
[「さよなら」は、別れの言葉ではなく、再び逢うまでの遠い約束なのだと、その歌は言っていた。
何時間でも抱き合っていたい。 冷えた指先を、頬を、暖め合いたい。
スポーツバッグの中には、プロとして第一線で活躍するという、夢と希望がぎっしりと詰め込まれている。 この荷物を下ろすことはけしてない。 どんなに辛くとも、笑顔で邁進する。
相反する想いが揺れる。 揺れたまま、訴えかけるように見つめていれば、やがて店員の足音が聞こえてきて。 ゆるく、視線をテーブルへ移した。]
(130) nordwolf 2014/04/06(Sun) 15時頃
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あ、いや一応は食ったけど。
[>>131わざとらしすぎたかと、一瞬だけ目が泳いだ。 我欲ばかりの内心が、透けてしまいやしないかと。]
別に、何も付いてねーけど……
[ただ見つめたいだけ、などと言ったら、笑われてしまうだろうか。
>>132さよならの意味に返された言葉は、あまりに他人事のように胸に響き、こんな馬鹿げたことを考えているのは自分だけなのだろうかと眉を下げた。
やがて肉とサラダが運ばれてきて、促されるままにコースターを一枚取る。 油の跳ねる音に紛れ、微かな声が聞こえた気がした。 何を言ったかまでは分からなかったが、ひどく寂しい気がしたので、聞こえなかったことにした。]
(137) nordwolf 2014/04/06(Sun) 16時頃
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[コースターの袋を開いてみれば、お目当てのキャラクターの姿がそこにあった。 嬉しそうにそれを十文字に見せたあと、ふと思い出したように]
なぁ、そういえば、俺が何でキャッチャーってポジション選んだかって……ちゃんと話したことなかったよな。
[コースターを弄りながら、ちょっと恥ずかしそうに口を開く。]
新聞部のインタビューで答えた、富留田選手に憧れて……っての、あれも本当のことなんだけどさ。
スペシャルマリヲ、知ってるだろ。 ガキの頃、俺、あれに出てくるユッケ大魔王が何か好きでさ、キャッチャーの防具見て、あれ付けたいーって……バカな話だろ。
くだらねー話だけど……お前に、知っててほしいなって思ったから。
(138) nordwolf 2014/04/06(Sun) 16時頃
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丞も?
[>>144店の名前的に多いのかとも思ったが、そういうわけでもなさそうだった。]
そっか、じゃあお揃いだな。
[偶然が、何だか嬉しいようなおかしいような。 カードは大切にしまっておこうと、スポーツバッグの中、一冊だけ持ってきていたスケッチブックに挟み込んだ。]
(151) nordwolf 2014/04/06(Sun) 17時頃
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[>>145まず取り合いになることがなかったから楽だったと笑って]
別なポジション……それ、俺にも想像できねーかも。
[>>146切欠はくだらないものだったかもしれないが、結果、やり甲斐のあるポジションを得られたことに後悔はない。 グラウンドの選手すべてを見回して、試合の流れを読み、仲間達に声をかける。 一見地味だが、要となる大切なポジション。]
そー、か。 俺も、そう思うし。
……お前が描いてくれた俺、どれも、すげー活き活きしてて…… 嬉しかった。
(152) nordwolf 2014/04/06(Sun) 17時頃
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[あんな風に見ていてもらえたことが、とても嬉しい。 表情を和らげたところに、大きめの肉が皿の上に置かれれば、笑顔のまま「サンキュー」と小さく口にして]
……これからも、ずっと、描いてくれよ。
俺、丞の絵、すごく好きだ。 絵描いてる時の横顔とか、手とかも……忘れたく、ねーし。
[話ながら、タレに漬けていた肉は、ちょっとしょっぱくなりすぎた。]
(153) nordwolf 2014/04/06(Sun) 17時頃
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偶然っていえば、俺らが同じ部屋になったのだって、同じ学校通ったのだって……偶然だよな。
[>>158少しでもずれていたら、何も思わなかったかもしれない。 そも、出会えていなかったかもしれない。]
……うん、だから俺、丞から貰ったスケッチブック、もう何度も何度も見たし。 今だって、小さいの一冊、持ってきちまってる。
[>>159汚れるからここでは出さないとはにかんで、残りはすべて寮に送ってあるとも付け足した。]
(161) nordwolf 2014/04/06(Sun) 19時頃
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[ちょっと味が濃くなり過ぎた肉を、米と一緒に口に運び、また新しい肉を乗せる。 海老バーガーが胃にまだ残っているが、それでもやはり白米はすすむが。]
……。 そー……か。
[即答されず、濁る返事>>160に、箸が止まる。
そうすれば、忘れずにいてもらえると思ったのだけれど。 これから漫画家を目指す、忙しくなるだろう彼に、やはりそれは我が儘な願いすぎたか。 忘れたくない、忘れられたくないと思っているのは、自分だけなのだろうか。 沈黙の中、思い悩み、視線は徐々に下へ向く。]
(162) nordwolf 2014/04/06(Sun) 19時頃
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[漸く顔を上げたのは、十文字の続いた声に、弾かれるようにして。]
あ、テレビ。
そうか、それ言ったら…… うちのチーム、こっちのテレビじゃ、放送殆どねーや……ってか、二軍にもなれてねーのに、俺も何言ってんだかな。
[向けられた苦笑には、苦笑しか返せなかった。
やはりダメだ。 与える側になりたいのに、求めることばかりしかできていない。
ピッチャーの球を受けるように、試合の流れを読むように。 何故、できないのだろう。]
……何で俺、お前に、何もしてやれねーで、こんな甘えたことばっか言っちまってんだろうな……
[網から剥がした肉は、ちょっとだけ焦げていて、その苦さに顔を顰めた。*]
(163) nordwolf 2014/04/06(Sun) 19時頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
nordwolf 2014/04/06(Sun) 19時頃
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そういえば、丞の地元って、どこなんだ? うちは、高校からそう遠くないんだけど……
[>>171遠くないと言っても、バスで終着までいって、車で1時間以上なのだが。 たった3年……いや、1年。 想いに気付いてからをいうなら、半年ほどしか経っていない。 知らないことばかりなのがもどかしい。]
うん、地元じゃ大体やってんだけど、こっちじゃ滅多に…… あぁっ、でもな、公式サイトでライブ中継あったりするし! 二軍の動画なんかもたまにあって……
だからっ……!
[見ることができる、ではなくて、見て欲しいと。 顔を赤くして捲し立てる自分の必死さに、少し呆れた。]
(178) nordwolf 2014/04/06(Sun) 20時半頃
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いや、甘えてんだろ。 会いたいだの、果ては泊まりたいだの……
[自分のしたいことしか言っていない。 もしこれが、我が儘ではないというのなら、一体何が、我が儘になるのだろう。]
幸せなんて、俺のが、よっぽど貰って……!
[箸を持つ手が小さく震える。 このままでは泣いてしまいそうで、涙を堪えるように、タレの味のついた白米を掻っ込んだ。
デザートまで食べ終えても、朱はひかぬまま。 店を出る時、店員に不審に思われやしないかと、十文字に財布を預け、ずっと背を向けていた。*]
(180) nordwolf 2014/04/06(Sun) 20時半頃
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─ →十文字宅へ ─
[春といっても、夜の風は少し冷たい。 こうして歩いていると、十文字の家が少しずつ近付いているというということに胸は高鳴り、けれど同時に、時間が過ぎているということに、今度は痛む。
周囲を見回せば、人影は見当たらない。]
なー…… 寒いな。
[そんな言い訳をして、手を伸ばす。 リストバンドの巻かれた右手は、きっと今、ものすごく熱くなっている。*]
(181) nordwolf 2014/04/06(Sun) 20時半頃
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─ 東陽ネイビーシトラス二軍寮 ─
[空港から列車に揺られ、迎えに来ていたライトバンに乗せられて、河豚の産地との県境付近にある二軍寮に着いたのは、夕方過ぎのことだった。 球団関係者や、グラウンドで練習をしていた先輩達に挨拶を済ませた後、寮の部屋へ案内された。 寮とはいえ、高校の頃とは違い、ワンルームマンションのような個室だった。 鍵に書かれた部屋番「4-M」に、小さな笑いを零す。
部屋に荷物を下ろした後、まず、実家に電話をかけた。 電話の向こうの両親の声は、かなり明るいものだった。 きっと自分の家庭は、とても恵まれているのだろうというのを、改めて感じた。
それから、父から貰ったノートパソコンを繋ぎ、立ち上げる。]
(198) nordwolf 2014/04/06(Sun) 21時半頃
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TO:ALL FROM:保元頼児 TITLE:寮に着いた!
今日から、ネイビーシトラスの二軍寮での生活開始! 一日も早く一軍上がってみせるからな!
それと、親父からノートパソコン貰ったから、そっちのメアドも送る raijing0824@**.bion.ne.jp
**県**市 *−*−* 東陽ネイビーシトラス二軍寮 4-M
ツブヤイターのアカウント @raijingbaseball
───────────────
(*57) nordwolf 2014/04/06(Sun) 21時半頃
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[メールを送るのと同時に、電話もかけた。]
───丞。
いま、着いた。
[声は、繋がっただろうか……*]
(*58) nordwolf 2014/04/06(Sun) 21時半頃
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─ 退寮日の駅前 ─
[バスでの楽しい時間は瞬く間に過ぎ、皆と握手を交わし、両親の待つ車へ向かう。]
あ、ちょっと待って。
[後部座席へ乗り込もうとする前に、明智がこちらへかけてきた。>>196 開けた扉を一旦閉めて、歩み寄った。]
なに?
[空けられた間に、首を傾げる。]
あぁ、その約束。 忘れてねーよ、必ず連絡するから!
[胸に押し当てられた拳に返すように、明智のこめかみに、ごく軽いパンチをくらわせた。]
(205) nordwolf 2014/04/06(Sun) 22時頃
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お前こそ、それまでに一人前のカメラマンなってろよ!
[そして、走り去って行く笑顔に、大きく手を振ってから、改めて後部座席へと乗り込んだ。*]
(206) nordwolf 2014/04/06(Sun) 22時頃
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[言われたとおり、先に店を出ておいたはずなのに、目元は熱いままだった。 きっと、涙を堪えているせいだ。
握った手指は思ったよりひんやりしていて、強く握り返すより先に解けてしまった。 いくら人目がないとはいえ、やはり、男同士で手を繋いで歩くなんて……と俯きかけるが、改めて手を握られて、ぱちぱちと瞬き、少し高い顔を見上げた。]
あぁ、うん……すげーあったかい。
……お前だって……
[同じ体温になればいいと。 ポケットの中で、強く指を握りしめた。*]
(210) nordwolf 2014/04/06(Sun) 22時半頃
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─ 十文字宅 ─
[>>204促されるまま、小さく「おじゃまします」と言って、中に上がる。 電気がつけられ、室内が見えた瞬間、その光景に少し怪訝な表情を浮かべてしまった。]
これ……お前の趣味……?
いや、でも、もう家電もだいぶ揃ってるし、な?
[すごいなと感想を漏らしつつ、視線は、紫色の卓袱台に暫し釘付けになった。 けれどやがて、段ボールの上のミットに移り、漸く表情を和ませる。 和むと同時、片脇の布団の存在に気付き、また少し体温が上がった気もしたが。]
(211) nordwolf 2014/04/06(Sun) 22時半頃
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あー、風呂……どうしよう、銭湯も魅力的だけど、俺、シャンプーとか持ってきてねーし、それに……
[>>207具体的にどうこうという欲求は多分ないが、疚しい思いは0ではない。 一緒に入って大丈夫だろうかという不安がある。 けど、同時に仄かな期待もあって、何を考えているんだと、スポーツバッグを置く十文字が背を向けている隙に、強く頭を振って、沸き上がるモヤモヤの払拭を試みたのだが]
……ぁ、布団……? いイヤそこはおまえが使えよ! ここお前ん家なんだし、畳では俺が寝る!
[ちゃんと家主が布団で寝ろとの主張は、まだ動揺抜けきらないものになった。]
(212) nordwolf 2014/04/06(Sun) 22時半頃
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あ、あぁ……違うのか。
[全力否定>>213に、ちょっとだけホッとした。 そして先輩と聞いて、多分に漏れず、あの先輩を思い浮かべた。 直接深い関わりがあったわけではないが、あのインパクトはそれでも強い。]
いやお前が謝ることじゃ……
……そうか、じゃあ、風呂にしようかな折角だし。
[ここで否定するのもおかしな気がして、頷く。 ほんの一ヵ月前は、別に、意識などしなかったのだ。 それに十文字の態度を見るに、きっと動揺しているのは自分だけだ。
胸がちくりとして、僅かだけ、睫毛が揺れた。]
(223) nordwolf 2014/04/06(Sun) 23時半頃
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いや、だから飛行機の中でも寝られるし、到着当日は練習もねーから別にそんな……
[>>214家主を差し置いてなどできないと首を振る。 一歩二歩と歩み寄られて、つい半歩だけ退いてしまったが、その手は十分届く距離。 少しだけ見上げれば、自分よりも長いけれど細い指が、頬に触れてきた。]
───。
[喉が、息を吸い込む変な音を立てる。]
わかっ てる、のか? 俺、お前の こと すき、 なんだぞ?
なのに いい、のかよ
[自分でも、何を言い出しているのか分からない。 過呼吸になりそうで、困惑に揺れる瞳を向けたまま、両手でぎゅっと、十文字の服を掴んだ。]
(224) nordwolf 2014/04/06(Sun) 23時半頃
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着替えは、一応。 ジーンズはこれでいいかなって。
[シャツと下着の替えは、バッグの中に入れてあると、ちらりとだけ視線で示す。 まさか赤い手ぬぐいをマフラーにするようなシチュエーションを思い浮かべられているとは、夢にも思っていない。]
(231) nordwolf 2014/04/07(Mon) 00時半頃
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[馬鹿なことを言ったと理解するまで、数秒かかった。 瞳はまだ、少し高い位置にあるそれから逸らせない。]
……っ、 え?
[何もしない。
信用がない。
付き合ってるわけでもない。
好きにするわけない。
言葉が、グサグサと胸に突き刺さる。 痛いのに、涙すら出てこない。
力が抜け、腕が下がる。 やがて、首も項垂れて]
そー、か……
(233) nordwolf 2014/04/07(Mon) 00時半頃
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悪い……
俺が、思い上がってただけ、なんだな…… キスしたくらいで、いい気なるなって……やつ、だよな……、は、は……
[哀しくて、痛くて、掠れた笑いが漏れる。]
恋人って、おもってたの
俺だけか………
[ごめんな。
唇だけを、そう微かに動かして。 かくんと、膝が崩れ落ちた。]
(234) nordwolf 2014/04/07(Mon) 00時半頃
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[>>238そうなのかよ……と、声にならぬ言葉を繰り返す。]
っ……!
[肩にぶつかった硬いものが、十文字の額だと知れば、今にも泣き出しそうな、けれど涙を忘れた双眸をそちらへ向けて>>239]
満足って、何だそれ……
経済力とか、自信とか、なんだよ……。
[ふつふつと衝動が沸き上がる。 何故、なんでそんなことを気にかけるのか。 理解に苦しみ、首を何度も左右に振った。]
何で……そんなこと思うんだよ! 俺が支えられんの前提かよ! つーか俺は、お前に支えて欲しいんじゃなくて、お前を誰よりも好きでいたいんだよ!
[リストバンドをつけた右手首を、震える左手で、強く強く握る。 そんな風に思われていたことが哀しくて、痛くて、悔しい。]
(242) nordwolf 2014/04/07(Mon) 02時頃
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離れたら、お前より大切なものできるとか、何でそんなこと、お前が決めんだ……! 大事にできる自信とか……じゃぁ、俺がお前のこと大事に思っちゃダメなのかよ!
待てるわけねーって…… じゃあ、お前はどうなんだ?! 俺が、育成から一軍に上がるまで、待ってちゃくんねーのか!? つーか待つって何だよそれ……! 一緒にじゃダメなのかよ!
なんで……何でお前基準なんだよ……! もっと俺に、お前のこと、受け止めさせてくれよ……!
[嗚咽混じりで訴えながら、両手はいつの間にか、十文字を抱き寄せようと伸びていた。]
(243) nordwolf 2014/04/07(Mon) 02時頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
nordwolf 2014/04/07(Mon) 02時頃
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こわい、ダメになるって……
[繰り返す言葉が震える。 確かに、未来など分からない。 自分だって、このまま 育成と二軍のなかで終わってしまうかもしれないのだ。 けれど、怖いとは思ったことはなかった。 前に進むことだけを、考えていたから。]
あぁ、変わるかもしれねー…… けど、変わらないかもしれねー…… そんなもの、今から怖がってたって、仕方ねーだろ。
俺…… お前の絵が好きで、描いてるときのお前も好きでさ…… だからいつか必ず、一流の選手になって、そしたらお前に、漫画描いてもらいてーなって思ってた。 俺のこと、誰より上手く描けるの、お前だって思ってるから。
(265) nordwolf 2014/04/07(Mon) 09時頃
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[そんな夢を抱いたのは、あの、沢山のスケッチブックを見たから。 ]
だから俺は、お前のこと好きになって……もっと、頑張りたいって思えるようになった。
[腕が回され、近付いた顔を覗き込んでみたけれど、そこにあるのは、閉じられた瞼だった。 今にも震えて壊れそうなそこに、軽く唇を触れさせる。]
守れねーかもとか……怖いとか…… そんな事ばっか、今から、言ってんじゃ、ねーよ。
謝るんだったら、将来、漫画家諦めてからにしろ。 俺のこと、どうでもよくなってからにしろ。
それまで、んな言葉……聞いてやれねー……
(266) nordwolf 2014/04/07(Mon) 11時頃
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俺のこと好きなんだったら、謝んな……
[回していた腕に力を込め、抱き寄せる。 謝るなと告げる声は、いつか屋上へ来いと言った時のような、命令味を帯びたもの。]
───好きだよ。 俺は、これからも、お前のこと忘れねーし、お前がいるから、もっと前に進みたいって思ってる。
なのにお前が、止まろうとすんなよ。 すすむなんだから、前、進んでみろよ……。
[抱き寄せたまま、立ち上がろうと腕に力を込めたなら、彼は、一緒に立ち上がってくれるだろうか**]
(267) nordwolf 2014/04/07(Mon) 11時半頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
nordwolf 2014/04/07(Mon) 11時半頃
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風呂、行くんだろ。 立てよ。
……って、先にしゃがみ込んじまったの、俺だけどな。
[小さく向ける、自嘲の笑み。 残された時間、哀しい顔より、できれば笑顔を見せたいし、見ていたい**]
(268) nordwolf 2014/04/07(Mon) 12時頃
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─ 十文字宅 ─
ん、何が?
[立ち上がってくれた十文字の、漸く開かれた瞳を見上げながら、首を傾げる。 肩を竦めて苦笑を浮かべるさまは、普段見慣れたものに思えて、漸く安堵を浮かべたが]
!
[口端に落とされた口吻に、今度はこちらが、目を見開く羽目になった。*]
(275) nordwolf 2014/04/07(Mon) 18時頃
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何だそれ、どういう意味だよ!
[>>270ほんとも何も、キャッチャー以外のポジションなど殆ど経験がない。 十文字が何を考えているかは分からなかったけれど、何となくおかしくて、軽いツッコミ混じりの笑いが漏れた。*]
(276) nordwolf 2014/04/07(Mon) 18時半頃
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─ 銭湯 ─
[>>271服を脱げばやはり若干の意識はしてしまったが、それ以上は、今は思わなかった。 周りに客がいないこともあって、湯の音が大きく聞こえる。]
え、なにっ?
[驚いた、という声の大きさに、こちらが少し驚いて、湯船の縁に片腕を預けたままで振り向いた。]
あぁ、それ。 よくあるだろ、野球とかサッカーとかの選手のさ、伝記みたいなマンガ。 あれ描いてもらえるくらいの選手になりてーなーって。
[恥ずかしげに笑って告げれば、野球漫画を描いてみたいと思っていたと言われ、嬉しそうに首を擡げたのだけれど]
んー、そりゃそうだよな。 ああいったもんに描かれる選手っていったら、やっぱ、不動のエースとかホームラン王とか、メジャーとか海外行った選手だし……
[ただ一軍に上がりたい、だけでは、到底届きはしない願望。]
(277) nordwolf 2014/04/07(Mon) 18時半頃
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大リーガー………
[タイムカプセルに入れたボールには、確かにそう書きはした。 けれどそれは、まだまだ遠い、夢の話と思っていた。
いつかは、とは思っていたが。 あまりに遠くて、具体的なことは何も分からなかった。 それでも……]
……行ってやるよ。
そしたらお前、絶対に描けよ、野球漫画。
[至極真面目な声で返す。
底辺から、頂点へ。 一体どれだけかかるのかなど、今は考えられなかった。 ただ、薄ぼんやりしていた夢が、にわかに形を見せたから。 だからそこへ向け、進むと、十文字の双眸をしっかりと見つめ返した。*]
(278) nordwolf 2014/04/07(Mon) 18時半頃
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─ その夜 ─
[スポーツバッグに詰めていたノートパソコンを十文字に見せ、動画のアップの仕方を教わった。 カラオケ大会の時の自分の歌を、ツブヤイターにアップしようとしたのだが、やり方が分からなかったのだ。
それとついでに、ミットの絵の大きなものもあったら、それもくれとねだってみる。 ノートパソコンの壁紙もそれにすると言ったら、笑われてしまうだろうか。]
───だから、家主を床で寝かせるわけにはいかねーんだって!
[あーだこーだと理由をつけて、一緒の布団に潜り込んだのは、何時頃だったろう。 できれば、朝まででも話していたかったが、すぐ傍にある体温と、湯上がりの匂いと、耳を撫ぜる声に誘われ、いつしか眠りに落ちていた。
その後で、スポーツバッグの上に置いたリストバンドに、新たな文字が刻まれたことなど、いまは知る由もない。*]
(279) nordwolf 2014/04/07(Mon) 19時頃
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─ 練習初日 ─
[初めてもらった背番号は、育成選手であることを現す三桁の数字、149。 真新しいユニフォームとキャップを身につけて、右手首にネイビーブルーのリストバンドをはめようとして、いつの間にか増えていた黒い文字に気が付いた。]
……分かってるって。 ぜってーに行ってやる。
[まだまだ遠い、後ろ姿すら見えない目標。 けれど必ず掴んでみせると、人知れず不敵な笑みを浮かべ、リストバンドを巻き付けた。]
(284) nordwolf 2014/04/07(Mon) 20時頃
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[二軍との合同練習は、皆の前に出ての自己紹介から始まった。 ドラフトや移籍で加入した選手達に続き、3番目に、自分の番が回ってきた。
リストバンドに軽く触れてから、大きく深呼吸をし、前に出る。]
**高校出身、育成の保元頼児!
ポジションはキャッチャーです!
好きな食べ物はエビフライと青椒牛肉絲、尊敬する選手は富留田選手と石羽良選手です。
目標は……
(285) nordwolf 2014/04/07(Mon) 20時頃
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メジャーに行って、実録漫画の主人公になることです!
[拍手とともに、笑いが起きた。 けど二軍監督は、いい夢だと、肩を強く叩いてくれた。*]
(286) nordwolf 2014/04/07(Mon) 20時頃
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─ それからのこと ─
[東陽ネイビーシトラスの練習は、噂通り……いや、噂以上に厳しかった。 紺色のユニフォームはあっという間に泥だらけになり、くたくたになって風呂に入って夕飯を食べて、そのまま熟睡という日々が続いた。 筋肉痛、擦り傷、打撲は当たり前。 休日には本場のお好み焼きを食べに行こうという野望があったが、そんな余裕ができたのは、半年以上経ってからのことだった。 叱咤激励のなか、基礎からがむしゃらに練習し、シーズン終わりにやっと二軍の切符を手に入れた。
2年目、念願の二桁の背番号は82。 盗塁刺殺の甘さをコーチから指摘され、下半身と右肩の筋力強化、補給からの素早いアクションと、ランナーの動きを見極める術を徹底的に叩き込まれた。
そして3年目の夏、一軍の控え捕手の不調を切欠に、初めて一軍から声がかかった。 約束通り、その日の夜に明智へメールを送った。]
(292) nordwolf 2014/04/07(Mon) 21時半頃
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TO:智明 FROM:頼児 TITLE:一軍上がったぞ! 本文: 明日の試合、初めて一軍ベンチ入り決まった! 三番手捕手だから、出番は多分ないけどな!
シトラスのホームだけど、取材本当に来るのか?
──────────────────
[取材の件を書いていない同じメールも、全員に送った。 それからもう一通……]
(*76) nordwolf 2014/04/07(Mon) 21時半頃
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TO:丞 FROM:頼児 TITLE:一軍上がった 本文: 明日の試合、初めて一軍ベンチ入り決まった! 三番手捕手だから、出番は多分ないけど、ここから必ず更に上に行ってみせる
月刊誌に描くんだってな、おめでとう
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(*78) nordwolf 2014/04/07(Mon) 21時半頃
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[それから数年の間は、控え捕手として、一軍二軍を行ったり来たり。 はじめのうちは二軍の合間の一軍だったが、そのうち徐々に逆転し、遂に開幕戦正捕手の座を手に入れたのは、ネイビーシトラス7年目の春のこと。 嬉しくて、家族と、当時の野球部員達と、そして寮の仲間達に、報告も兼ねて開幕戦のチケットを送った。
開幕は、ジョアとのアウェイ戦、デーゲーム。 バックネットを振り返った時、そこに、懐かしい顔を見ることはできたろうか。*]
(301) nordwolf 2014/04/07(Mon) 22時頃
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─ 9年目 ホーム最終ゲーム ─
[9回裏、シトラス3点のビハインドで迎えた最後の攻撃は、1アウト2,3塁、一打同点の大チャンスとなった。 相手ピッチャーは、ここで当たっている5番打者を敬遠し、満塁として、キャッチャー「ライジ」との勝負を選んだ。]
……ナメたことしてくれやがって。
[しかし、打率2割後半をキープしてはいるものの、今日の試合は当たりは無し、更に相手ピッチャーは、左腕の、相性の悪い投手だった。
ここで勝利すれば、アウェイでの残3戦を残し、シトラス16年ぶりの優勝が決まる。 負ければ、敵地での決戦に縺れ込む。
素振りを終え、バッターボックスへと向かう。]
(307) nordwolf 2014/04/07(Mon) 22時半頃
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『9回裏、ネイビーシトラス1アウト満塁! ここで打者はキャッチャーのライジです』 『2年連続オールスター選出、盗塁刺数は今日もまた2伸ばし、阻止率5割を盤石のものとしましたが、今日はまだ当たりが聞けておりません』 『投手は左ですからね、これは厳しい勝負になるかもしれません』
[カメラがバッターボックスのライジに寄る。 すると、必ず映るアクションがある。
右手に巻かれた、補修の跡のあるネイビーブルーのリストバンドに、掠める程度、唇を触れさせる。 打席に立つ時や、好守備の後に見られるこのアクションは、一部野球物真似芸人達の、格好の物真似ネタになっている。]
……。
『さーボールカウントツーエンドツー、ライジ追い込まれました』 『まだ1アウト残っていますから、次の左代打に運命を託し、手堅く犠打を狙うという選択も出てくるでしょうね』 『彼ならバントより外野へ運ぶ方がうまいでしょう……おーっと大きな当たりはー……切れた、ファウルです。依然カウントはツーエンドツー、次が第6球目───』
(311) nordwolf 2014/04/07(Mon) 22時半頃
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[一瞬の静寂と、どよめき。
白球は、ライトスタンドへと飛んだ。*]
(312) nordwolf 2014/04/07(Mon) 22時半頃
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─ 10年後 ─
[昨シーズンは、結局リーグ優勝は遂げたものの、最後のシリーズは2勝4敗で敗北し、頂点に立つことはできなかった。 それでも、盗塁阻止率5割超は両リーグ合わせてトップ、打率.296、本塁打10本で、ゴールデングラブ賞を受賞した。
お陰でこの年末年始は、テレビのバラエティーにやたら引っ張りだこだった。
メジャーからも2件、移籍の打診があった。 アリソナのエメラルドバックスと、ボストソのブルーソックス。 しかしどちらも、即というわけではなく、もう1年様子を見てからとのことだった。 チームも、今シーズンに結果を残してくれればと、理解を示してくれた。
───大切な1年になる。]
(326) nordwolf 2014/04/07(Mon) 23時頃
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丞。
タイムカプセル掘り起こすらしいぞ。 えーっと日付は……
[>>328その後、何だかんだで長話になったことは、今は置いておくとして]
(*91) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時頃
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[十文字に電話をしてから、数日後のこと。
プロ野球はオープン戦真っ直中だったが、監督に打診したら、控え捕手を試すいい機会だと快諾してくれた。 来年は海を渡りたいんだろう……とも。
年棒は12球団一安く、練習は12球団一厳しい。 人気は局地的に熱狂的だが、全国規模ではかなり地味。 けれど道は拓いてくれる。 そんな球団関係者達に深く頭を下げ、数日間の休暇を得た。
1年前に免許を取って、すぐに買った愛車の色は、チームカラーと同じネイビーブルー。 陽の昇りきらぬうちに出発し、到着したのはいつ頃だったか。]
(343) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時頃
|
|
─ タイムカプセル ─
悪い、思ったより遅くなった!
[到着した時、もうそこには幾人もの姿があった。 遅れてすまないと頭を下げてから、ハツラツ飲料の瓶をゴミ箱へ放り捨てる。]
あれ、朔太郎いねーの?
[あの日から、ずっと連絡の途絶えていた友の姿は、ここにもやはりなかった。 こういうイベント事になら、きっと顔を出してくれると思っていただけに、残念そうに俯いた。]
(349) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時頃
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[掘り起こされたタイムカプセルの中から、文字の書かれた白球を掴み出す。
『祈!一軍レギュラー定着! 頼児』>>2:163
添えられた不格好なサインは、けれど、今のものとあまり変わっていないかもしれない。]
レギュラー、ちゃんと定着してるぞ。
それと───。 来年には、絶対海を渡ってみせる! メジャー、行くからな!!
[ボールを仲間達に見せながら、あの頃はまだ朧気すぎて文字にすらできなかった夢を、笑顔で力強く宣言した。*]
(358) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時頃
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そういえば、そんなモン詰めてたっけなー。
[>>360皆の思い出を、目を細め、懐かしく見ていたが、十文字が卒業証書の筒を手にした時、「あ」と短い声をあげた。]
………。
[筒の中から引っ張り出された、髪と同じ色のリストバンドを見て、目が泳ぐ。]
あ、なに……、わかった……。
[>>362多少の挙動の不審は、周囲に伝わってしまったかもしれないが。
手にしていた白球に、ひとまわり太い字で『メジャーに行って、漫画の主人公になる!!』と書き足すと、それを缶の中へと戻し、足早に、暫し皆の元から離れた。*]
(367) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時半頃
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─ 桜の樹下 ─
[少し遅れて向かった先に、やはり間違いはなかった。 あの日と同じように、綻び始めた桜が、数枚の花弁を春風に舞わしている。]
丞、何……───
[>>374彼の手の中にある手紙。 静かに読み上げられた言葉。 指先の石灰に気付き、視線を校庭へと向けて]
───ばか。
字、間違ってんぞ、それ………。
[肩幅と胸囲は、学生の頃に比べて格段に増した。 身長は1cm伸びたし、首周りも太くなった。
けれども、ずっと変わっていない。]
(382) nordwolf 2014/04/08(Tue) 00時半頃
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俺 も だろ……ッ!!
忘れなんかしねーよ、絶対。 だからお前だって、忘れんな……!
[胸元に、赤くなった顔を埋めて隠そうとするけれど、耳も指先もこれでは、隠す意味がない。
左腕を掴む右手には、今も、ボロボロになったリストバンドが巻かれている。 糸で綴られた文字はとうに擦り切れ、あちこち補修の跡だらけの、もうネイビーとはあまりいえないリストバンド。]
丞……俺は、来年、必ずメジャー行くからな。
そしたらお前、約束……だぞ!
(388) nordwolf 2014/04/08(Tue) 01時頃
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[ 俺を主人公にした、野球漫画を描け。*]
(389) nordwolf 2014/04/08(Tue) 01時頃
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