84 Es 3rd -Test days-
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…うぇ、まずっ……
[勢いで買った酒を口に含み、無理矢理喉の奥へ流し込んだあと、苦虫を潰したような顔で独りごちた。元々自身には酒など好んではいない。何気なく立ち寄った村で、身の置き場がないような気がして路地裏に縮こまってみたのだ。 頭上から>>11小さな声が聞こえ、ふと視線を移したが、 よもや自分に話し掛けているなどとは思わず、ぽかんと間抜けな表情でそのシルエットに見入っていた。 目線が合う位置に跪き、差し出されたのはハンカチに包まれた小さな黄色い生き物。]
…この子は…??
[掌に乗せられた小さな鳥をみながら、力を込めて握ればつぶれてしまいそうだな、などと残酷な思考が脳裏を過るが、それとは裏腹に]
パンや、米をすりつぶしたものを、 少しずつ口に運んであげるといいよ。 それと、寒くないように、あたためてあげて。
[差し出された両の手をそっと覆い、念を押すように、フワリとハンカチで包んでやった。目の前のその人は、長い髪がきらきらと逆光に縁取られ、表情をうかがうことはできなった。]
ねぇ。名前…聞いてもいい?
(60) 2014/07/28(Mon) 02時頃
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[銀髪のその人の返事を待たず、肩のオウムが忙しなく羽をばたつかせた。]
おいおい、何だよ急に…っとと… あ〜あ、もう!駄目にしちゃったじゃんか。
[手元から滑り落ちた酒は、硝子の容器が割れ地面にみるみるうちに吸い込まれたていった。さして残念という訳でも無かったが、何となく悪態をついてみたくなった。]
『マテー!マテー!ナニカイルー!マテーマテー!』
[突然肩のオウム大騒ぎを始め、興奮冷めやらぬ様子で大きな羽音を立てて飛びたってしまった。何かを追っているようだが、自身の視野にはその対象を捉えられずにいた。]
ちょ、勝手に飛び出すなよ!なんなんだよ!
(66) 2014/07/28(Mon) 03時半頃
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[慌ててオウムを追い、走り出す。躾なおしだな、等と考えつつも、ただ自分が独りになりたくないだけの感情だという事に気づく。広場を横切りオウムを追っているのか、誰かを探しているのか判らなくなってきたそのとき、目に捉えたのは色鮮やかな羽を広げ、ぐるぐると同じところを旋回している相棒の姿と、ほとんど半分焼け落ちた大きな建物。]
…なんだ…あれ…
[旋回を止め、肩に戻ってきた鳥が見据える先には、同じく羽根を持つ、しかし鳥でも蝶でもない、不思議な存在。相棒がいなければ半焼の建物に気を取られ、気づかずやりすごしていただろうか。]
…妖精…。 いやまさか。ははっ…
[バカなことを口にしてしまったと自嘲しながらも、それ以外にその存在を形容する言葉が見つからない。]
(67) 2014/07/28(Mon) 03時半頃
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