28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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―亡霊と三毛猫―
湿った風と女の亡霊を連れた三毛猫は、
あちらこちらへ現れては消えて。
対峙する君の中に
“たいせつなもの”の気配を見つけると。
「にゃぁー………ーぁ お」
甘い声で鳴いた。
(#0) 2013/09/05(Thu) 13時頃
ひとつ、またひとつ。
見つけたものを吟味して。
女の亡霊は胡乱に揺らめき。
「 み ぃ ―――― つ け た …… 。」
*薄っすらと微笑んだ。*
(#1) 2013/09/05(Thu) 13時頃
[蔓草の刺青から開放された黒い靄は、消えかけの蝋燭の炎のように揺らぎ、語りかける青年の視線の先で、止まった。
震えるように蠕動しながら、恨みと、悲しみと、怒りの入り混じった感情を周囲に漏らす。]
あなたの なんて いらない
かえして
あたしの 赤ちゃん
かえして……?
(#2) 2013/09/06(Fri) 10時頃
[女は生まれつき身体が弱かった。
子を孕んでも、産むのは難しいだろうと言われる程に。
しかし女は子供を授かった。
周囲の反対を押し切って、臨月を迎えた。
そして──]
(#3) 2013/09/06(Fri) 10時頃
「産めたのに───
わたしは、産めたのに。
どうして勝手に、わたしから子供を奪ったの?
────あなた……。」
[お産は長時間に及んだ。無事に産み落とすまで、女の身体は保たないだろうと思われた。
妻を愛する夫は、生まれ落ちる前の命と妻の命を天秤にかけ、妻の命を選んだ。
腹が開かれ、胎盤を削られる痛み。暴れる手を押さえつける看護師達の手。腹から溢れ出る温かい液体。
女は全てを感じていた。覚えていた。
赤ん坊を取り出される感触さえも───。]
(#4) 2013/09/06(Fri) 10時頃
[結局、女も、女の赤ん坊も、助からなかった。
酷い貧血と体力の低下もあったが、何より、女自身が生きようとする気力を失っていた。
女が死の間際に感じたもの。
喪失の悲しみ、痛み、恐怖、寒さ──。
倒された墓石は、奪われた命の象徴だった。
許さない。
許せない。
奪うものから、奪ってやる。
奪われる悲しみを知ればいい。]
(#5) 2013/09/06(Fri) 10時頃
[なのに──なぜ、優しく語りかけて来るのだろう。
奪おうとしたのに。
壊そうとしたのに。
黒い靄は畏れるように、怯えるように、元からあやふやだった輪郭を更に希薄なものへと変える。]
「だいじょうぶ?
ほんとうに だいじょうぶ?」
[女の声を、怒りではないもの──不安と悲しみが塗り潰した。*]
(#6) 2013/09/06(Fri) 10時半頃
[青年の、白く細い指先が触れた部分。
そこから透き通る顔の輪郭が形作られる。
青白い肌。病がちだった為に落ち窪んだ目。
折れそうに細い女だった。
その場にいた者で姿が見えたのは何人に及んだか。
子守唄を歌ってあげると語りかける青年の、その言葉自体が子守唄であるかのように、女の震えは収まって行き、青年が母さんと呼びかけ、頬擦りするように頬を寄せた瞬間、黒い靄は霧散した。]
(#7) 2013/09/06(Fri) 21時半頃
[後に残るのは、姿なき思念。
聞こえる者の耳に、恨みも不安も怒りもない、ただ少し、消せぬ悲しみだけを湛えた声だけが届く。]
「かわいいこ わたしの かわいいこ
ごめんね あなたを抱いてあげられなくて
かおもみれなかった けれど
おかあさんは あなたを 愛していたわ───」
(#8) 2013/09/06(Fri) 22時頃
「 ────ありがとう 」
[いくつもの声が、女の悲しみを和らげる。
最後の言葉は、聞こえる者の耳にも聞こえぬ者の耳にも等しく届く。
生前の、情深く愛に満ちた、「母」の声が。**]
(#9) 2013/09/06(Fri) 22時頃
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