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64 さよならのひとつまえ
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―昨夜・自室―
[戻ってきたありすの頬は痛々しいままだった。>>34 宴の跡は既に片付けた。なら自分が怒られることは無い。 今度はこっちの番。 若干情けない理屈で、無言でベッドの上を指さして。坐れよと主張する。]
(今度は俺が…怒る番。)
なんで怪我してるんだよ。…そして放っておくんだよ。お前も、朔太郎も。
[痛々しくて、見ていられない、と。 もう会えないのに。 最後にこんな無茶をされると、心が張り裂けそうになる。 心配させるのはやめてほしい、そう口にする権利は自分にはない。彼の生き方に干渉する権利は無い。 伝える言葉も、共にいることもできない…何もない。 氷に浸したタオルを、患部に押し当てようとして、手が揺れる。
触れる権利すら、 自分にあるのかと自答して。]
(79) 2014/03/29(Sat) 18時頃
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…いいか?
[こぼれた言葉が空気をほんの少し震わせる。]
触って、いいか?
[彼は何て答えたか。 与えられたのが否定ならば、タオルはそのままありすの手に渡るだろう。 もし肯定ならば。 ほんの4分程度、タオル越しに触れるのを赦してもらいたい。
それでちゃんと、さよならするから。*]
(80) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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―朝・中庭―
[片付けは予定よりやや遅れたが、送らなきゃいけない荷物は発送されたし。 数日前、片付けたくないと足掻いていたのが嘘のように、旅立つ準備は淡々と整っている。
いっそ、本当にこの日まで片付けが終わっていなかったら。 小言…で済むかは分からないが、文句を言いながらも、なんだかんだ彼は手助けしてくれたかもしれない。 最後の日を、一緒に過ごせる言い訳が作れたかもしれない。
かもしれない。でも。 最後の日になんて、一緒に居たら。 言っちゃいけないこと、ぽろっと口走るかもしれないし、と思えば。 臆病な自分に、そんなことは出来なかった。
のに]
……あーあ。
[昨夜、返信したメールを思い出す。 あれだって、ホントは理由をつけて断るべきだったんだろう]
(81) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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>>*4 to:入江 title:気をつけてな
message: 明日? いいぜ。 晴れるといいな[跳ねてるねこ]
(*7) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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[まあ、昨夜は明日出立になるとは思ってなかったわけだけど。 それにしたって。
結局は一緒に居たいと思ってしまう、意志薄弱さにため息つきながら。 先程から、がさがさと庭を探しまわっている成果は (56(0..100)x1が95(0..100)x1以下なら発見)]
(82) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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…あった。
[タイムカプセルの、まだひっそりした目印に引っかかっていたヒヨコをつまみ上げ。 ほっと息をついて、それをポケットに仕舞いこんだ。
さて。手を洗ったら、部屋で十文字からの茶封筒を開けてみようか*]
(83) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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―3−A―
[一年の同室生活で、覚えたこと。 彼の気配と…ジャンピングアタックのタイミング。
男同士は遠慮ない接触が多い。 同性の気安さなのか、よく日常的にみられる光景は、ルームメイトには当てはまらなかった。 他の同級生とは違い、あまりボディタッチはしないそいつが、自分から触れてくれること。 例えそれが攻撃を伴うものであったとしても。 与えられる何もかもが嬉しくて、何度かそのまま、たぬき寝入りを決め込んだこともあった。 今回も、そんな誘惑が胸を擽ったが。]
(84) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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…はよ、ありす。
[さよならすると決めた。これ以上赦されない。 これ以上触れたら――離せなくなる。]
(驚い、た。)
[自分の感情に。こんな激情がまだ残っていたことに。 執着心なんて、とっくに失くしたものだと思っていた。]
聞いた。…じゃあそろそろ行って来る。
[欠伸を一つ。 もし間違って涙がこぼれても、誤魔化せるように。
ありすが共に行くというのなら、断る理由は無いだろう。]
(85) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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―寮母室―
おはよーらいらちゃん。
[一目で寝起きだと分かる、寝癖を立てた頭でひらひらと手を振る。 たった一枚の書類を受け取ること。
それが世界の一変させることに等しいとは、思わず愉快ではない笑が込み上げる。]
(86) 2014/03/29(Sat) 18時半頃
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─ 深夜の屋上 ─
[+174月間近とはいえ、深夜の風はまだ冷たい。 なのに今は、こんなにも熱い。 顔が近すぎて……いくら暗いとはいえ、これでは、顔が耳端まで赤くなっているのが分かってしまうかもしれない。
もう一歩踏み出せば、軽く爪先立ちすれば、きっと届く。 けれどたった3cmが踏み切れない。]
…………。
[手指の力を弛め、唇を固く結び、浮き上がりかけていた踵を、再び地に着ける。]
……延長戦、だな……
[あと一歩の覚悟を得る為に。 はにかんだ笑みを、十文字へ向けた。]
(87) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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─ 翌朝の校庭 ─
[いつもより遅い時間まで起きていたせいか、緊張していた為か、部屋に戻ると、電池が切れたかのように深い眠りについた。
目が覚めたのは、メールの着信>>+19を受けてから。 飛び起きて、着の身着のままで向かった先に、十文字の姿があった。
まだ消されていない、不格好な満月の上の文字の傍らに、もうひとつ言葉が増えていた。]
───ッ、ばか。
おまえ、はずかしーことしてんじゃ、ねーよ……ッ!
[嬉しいのか恥ずかしいのか綯い交ぜになって、自分のことを棚上げし、真っ赤になった顔を掌で覆い隠そうとして]
(88) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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……、え?
[「忘れろ」>>+19という言葉に、掌はすぐ離れ、軽く固まったまま十文字を見上げた。
やはり、これは忘れなくてはならないことなのか。 おそらく自分に、そんなことはできない。 だから、否定を口にしようとしたのだが……]
………
[続いた言葉を理解しきるよりも先に、距離が詰まる。 昨夜よりも、もっと近い。
足りなかった3cmが埋まる。]
(89) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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[ほんの、瞬きするほどの短い間。 初めて触れた唇は、硬いのか柔らかいのか、比較対象を知らないので分からない。
乙女でもあるまいに、見開いたままの目から涙が零れた。]
───ばか。
[唇が離れて、真っ先に出た言葉が、それだった。]
そんなん言われたら、すげー頑張るしか、ねーじゃんか。
つーか、何だよその、我慢できなかったら……って…… 会いに来る……って…………
(90) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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[多分、今、すごくみっともない顔をしている。 とてもじゃないが見せられたものではないと、十文字の胸元に顔を押しつけ、隠した。 涙の染みくらい、そのまんま持っていけ。
我慢なんて 今だって、もうできそうにないのに
けれど、進むと決めた道がある。 立ち止まるわけにはいかない。 前を見て、進んで、その先にあるものを掴む。
段ボール一杯のスケッチブックも、耳に届いた名を呼ぶ声も、触れ合った体温も、すべて。 その為の糧として、邁進する。
一欠片たりとも、忘れなどしない。]
(91) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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……約束、だからな……ッ!
[今度はこちらから、踵を浮かせて唇を寄せる。 やはり、ほんの一瞬のこと。
これくらいしておかないと、本当に、すぐに我慢できなくなってしまいそうだったから。 強く、気持ちを切り替える為の、約束の口吻。*]
(92) 2014/03/29(Sat) 19時頃
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─ バス内 ─
そういうわけにもいかねーだろ。
[無事に受け取られたボールペン>>+44に、フッと笑う。]
とーるに? あぁ、一応そのつもりではいた。 3年間、あいつには世話なったしさ……。
[こっちも色々、それなりに面倒かけられた気もするが、それもいい思い出のひとつ。]
にしてもお前、あいつと、結構仲良かったんだな。
伝言サンキュー、あいつにも、お前のこと伝えとくよ。
[笑顔を向け、ひらりと手を振りバスを離れる。 そして、見送りの輪の中へ混ざっていれば、漸く十文字が戻り、睦井>>7の声が、彼にかけられた。*]
(93) 2014/03/29(Sat) 19時半頃
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フィリップは、ライジのあのメッセージはなんだったのかまだわからない
2014/03/29(Sat) 19時半頃
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[ノートを十文字に返す睦井を見ていると、何故だか、胸が詰まった。 まさか……との思いもあったが、彼の口から「友達になりたかった」>>9と出されれば、それで今は、納得した。 けどやはり、それだけではないように映る横顔に、苦く、眉根を寄せそうになった矢先───星が散る。>>10]
おまっ……それ持ってたのかよ!
[ずるいぞと笑いながら。 散った星のひとつを摘み上げた。]
(94) 2014/03/29(Sat) 19時半頃
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To:宗介 From:睦井利一 Sub:げー
―――――――――――― やっぱ布団買っとい て。もしくは俺が持 参する。
[三枚おろしのカツオのご当地ゆるキャラ]
有名なんだけどな、 、、こわくて行った ことねーけど。なゆ たなら喜ぶのかな?
なんか手つかねー
(*8) 2014/03/29(Sat) 20時頃
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― 昨夜・自室 ―
[コンビニで買ったおにぎりとお茶を、中庭の桜の下で食べてから戻った。 途中、メールの返事に、瞳が揺れて。是の返事に、桜を見上げる。一昨日より、昨日より、花が開いている気がしたのは、きっと。]
ただいま。 ってまた何か作ってんの。
[そういえば、片づけてからほとんど自室にいなかったなとか。今更のように思う。落ち着かないからと。 あれだけ散らかっていた成斗の荷物も半分くらいに減っていた。当の本人がこちらに背を向けて内職していても、随分簡素になってきた室内には小言を言うこともない。]
(……手が、見えない)
[何を作っているのだろう。>>64 シャワーを浴びて戻ってきて、ベッドに突っ伏しながらちらりと背中を見つめて、瞼を伏せる。 瞼の裏に映る指先。驚くほど器用に動くそれに、頭の中でさえ伸ばしかけた手を引っ込めて、枕を握りこんだ。]
(95) 2014/03/29(Sat) 20時頃
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(――……触りたいな)
[そう思いはじめたのは、いつのことだったか。 最初は些細なものだったそれは、いつの間にか重く。重く。重く。持っていけないくらいに。 じわりじわりと浸食する熱。ざわつく気持ち。震える手。 半ば無理矢理、意識の端に追いやって眠りに落ちた。*]
(96) 2014/03/29(Sat) 20時頃
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― 朝・自室 ―
……おはよう。 今日は雨でも降るのかな。
[成斗の方が早起きとか珍しいこともあるものだ。物音に目が覚め、出ていく背中を見送る。>>65 見送りにには行かずに。代わりに自室の窓を開けて、そこから丞と怜二を乗せたバスが遠ざかるのを見ていた。 そうして視線を映した先。目に入ってきたのは、校庭。]
………あ。月が。
[満ちていた。綺麗な月が。]
(97) 2014/03/29(Sat) 20時頃
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[誰のものかわからない。ただの冗談かもしれない。面白半分な悪戯かもしれない。 でも、校庭に描かれた想いは。通じ合い応えるように並んだことばは。なぜかとても微笑ましく見えて、目を細めた。
徐に、スマホが鳴る。 メールではなく、着信音。 机に放ってあったその画面を見て、窓を閉めると自室を出た。]
(98) 2014/03/29(Sat) 20時頃
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[>>+29敬礼する十文字に、ゆるい敬礼を返しながら、口の中だけで「またな」と小さく呟いた。
想いはもう、桜の樹下で伝えきった。 これ以上口を開くと、今度出てしまうのは、ただの我儘になってしまいそうだったから。
去って行くバスを、見えなくなるまで見送ってから、静かに寮へ引き返す。
メール>>+31に気付いたのは、その時。]
あい、つ……ッ!!
[バス前で、他の寮生達には見せまいと堪えていた涙が、また溢れ出す。 零れる前に、自習室に駆け込んだ。]
(99) 2014/03/29(Sat) 20時半頃
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─ 自習室 ─
[パーティションの裏側で、椅子には座らず、身を隠すかのように隅の方にしゃがみ込み、改めてスマホの画面を見つめた。
ネイビーブルーの中に描かれたボロボロのミットは、とても見覚えのあるものだった。 中学の頃から使い続け、高校2年の時に新しいミットに買い換えた後も、何かにつけて使っていた。 なかなか捨てることができず、ずっと傍らに置いていた。 球団から新しいミットがもらえるからと、一度は、捨ててしまおうと決めた。 けれどあの後、やはりあれは、捨ててはいけないものだと思い返し、不要箱から回収しようと思った。 けれど、そこにはもうミットはなかった。
一昨日、十文字が貸して欲しいと言っていたのは、この為だったのかと……。
返信しなくてはいけないのに。 画面が滲んで、触れる指先が震えて、うまく文章を綴れない。]
(100) 2014/03/29(Sat) 20時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/29(Sat) 21時頃
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TO:丞 FROM:頼児 TITLE:それ>>+31 本文: ほんたい お前、持ってるなか だだらずっと持っ(てろ
ずっとだ井しにすふ ありがとう
――――――――――――――
[いつにも増してフリックミスだらけな返信を、やっと送ったのは、17分後のこと。]
(*9) 2014/03/29(Sat) 21時半頃
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ライジは、送信ボタンを押した後、慌てて、もう一通。
2014/03/29(Sat) 21時半頃
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――――――――――――――
TO:丞 FROM:頼児 TITLE:(無題) 本文:
大好きだ
――――――――――――――
[ハートの絵文字を入れるか入れまいか、1分迷ったが、やっぱりやめた。]
(*10) 2014/03/29(Sat) 21時半頃
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―廊下―
[食堂で買ったいちご牛乳と鯖サンドをぶら下げて、ゆっくり歩く。 掲示物が取り外され、そっけない壁面の合間、窓ガラス越しに桜の枝が揺れている。 中庭に居る時は、下ばかり見ていたので気づかなかったけれど]
…ん?
[薄っすらガラスに映った自分の肩に、白いものが付いている。 なんだろと摘まんで見れば、綻びかけた一輪の桜]
…………
[ゆらゆらと、指先で軽く回しながら。 青い空に、手を伸ばすように花開こうとしている桜を、目を細めて見やった]
(101) 2014/03/29(Sat) 22時頃
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―朝・見送りの時>>94―
ん?忘れてた。
――…こーいうのはさ、使いきらねーとな。
[本当はひとつくらい、形にして残してもいいかとも考えた。ノートだって返さずに持っておこうか悩んだ。 けれど、残しておくのも何か違うと、思ったから。]
……淋しいよな。
[ぽつりと、呟いたのは十文字の敬礼が見えたその時に。 頼児とは目が合っただろうか、苦笑を零して。]
今日から2階、俺1人なんだけど!
[マジさびしい!とおちゃらけるように繰り返して。寮へと戻っていった。**]
(102) 2014/03/29(Sat) 22時頃
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― 廊下 ―
[自室の扉が見えない位置まで離れて、壁に凭れながら通話ボタンを押す。]
どうしたの、朝早くに……ってそっちは夜だっけ。
荷物もういくつか送ったからさ。 大丈夫、パスポートも失くしてないって。 あとはそっち行くだけだし、退寮書類届くまで――
[少し遠い通話の音声。いつになるの、と問う声に応えようとした時、寮内に放送が鳴り響いた。>>2]
――――……、
え、う、うん。聞いてる。 またわかったら連絡するから。
[じゃあね、と手早く通話を終了させる。 物が少なくなってしまった自室。そうして明日には、一人になるのだと。 否応なしにやってきた現実は、中学までに何度も繰り返してきたものだ。]
(103) 2014/03/29(Sat) 22時頃
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─自室─
…………
[締坂はくたっとしながら椅子に座っている。顔には鼻水だらけのタオルハンカチをかけて。]
(104) 2014/03/29(Sat) 22時頃
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