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21 ─明日も、薔薇の木の下で。
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……咲くこと、に、必要なのは
[赤薔薇の小さくなっていく声に、ゆっくりと瞬きをしてから 客観的事実だけを、伝える。 ぱっと香る薔薇の香りは、甘く心をかき乱して]
私の、眠りだそう、ですがね。やはり。
[少なくとも、それは確かに真実だろうと。 伝えながら、きゅうと眉が下がった。
いつもの、困った顔。 温厚で優しい面の、セシルの顔]
……でも、私、は
[ぽつり、呟いて 言葉は、一旦途切れる]
(73) 2013/08/12(Mon) 00時半頃
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[返答は返って来ない、 代わりに温かなぬめりが指先から逸れて 傷以外触れられると思っていなかった手が震えた。
ふ、と先程笑みの音を鳴らした吐息に今度は熱が宿る。 グレッグの息遣いと、グレッグが鳴らす水音。 煽られるように、呼吸の感覚がわからなくなっていく。]
――…っぃ、
[グレッグは今どのような顔をしているのか、 覗き見ようと顔を上げたと同時、傷口に強く触れられ震えと共に声が零れた。 痛みを訴えるものとしては、甘く、掠れて。]
(74) 2013/08/12(Mon) 00時半頃
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…せんぱい、
[没頭する姿を弱く呼ぶ、 返事がなければ呼び止めるように声音が強めて]
…っ先輩…!
(75) 2013/08/12(Mon) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/12(Mon) 00時半頃
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[伸ばす、までもなく、笑み うすくなった、しわ、ゆびでふれながら]
[さくこと、それ、おれもしってる。 でも、ひとのなか、いどうするばら そのばらの、ひりょうってなんだろう?
そう、思えば……ふることば、またたいてみあげて。]
”……セシル、ねむっちゃう、やだ……いや”
[それに、眠る、まえにひつようなのは 無意識、みけんにのばしてた指、 セシル、唇、ふれようと]
(76) 2013/08/12(Mon) 00時半頃
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”セシルが……だれかと、キス、するの……いや”
[シーシャ、とした。やさしくて、やわらかい。 セシル、だれかと、したら? むねのうち、ざわざわする。
わがまま、ばっかり、ゆめのなかのせしる。 いってしまう。じぶんの、わがまま、くしにしたあと セシル、途切れた言葉、いいたいこと、なんだろう、 じっと、みあげる]
(77) 2013/08/12(Mon) 00時半頃
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[震える手が逃げないようにと、軽く歯を立てる。 傷に当たってしまったかもしれないけれど、気にしない。
シーシャの吐息にも熱が篭ったのを感じれば。 夢中で、舐める。 もっと、と煽るように。
今浮かべている表情は、泣きそうなで。 しかし熱に浮かされたような顔だ。
漏れたシーシャの、甘く掠れた声に、煽られる。]
(78) 2013/08/12(Mon) 01時頃
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[呼ばれたことを、無視したら、もっと強い声で呼ばれた。 顔を上げる。}
……何?
[答えながら、指に絡んだ唾液を拭う。 舌先を見せ付けるように、シーシャの指に絡ませた。]
(79) 2013/08/12(Mon) 01時頃
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[じっと見上げる視線。声無く動く唇。 唇に触れてくる手が触れたとこから、甘い痺れが湧きあがる]
……ね。サミュさん。
[その口が紡ぐ言葉は、本当にサミュエルが紡ぐ言葉なのだろうか。 胸の中が、ざわつく。 赤薔薇の香りが、濃くなる]
私、が。誰かと、キスするの、いや、と。 そういったの、ですか?
[彼の唇を、見つめる。 ふる、と。瞳が揺れた]
(80) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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[感じているのは傷口への痛みなのか、別の何かか、 傷に歯が当たると震えるのは指だけでなく。
二度目の呼び掛けでようやく見えたグレッグの表情、 泣きそうな顔で、煽るように舌先を覗かせて。 表情と行動の矛盾にされるがままになっていた手が動く。
グレッグの舌先へ擦り付けるように指を這わせ 唾液で濡れた手でグレッグの顎を掬うと、 言葉を掛ける余裕もないままその舌先を追うように 荒々しく口付けた。]
(81) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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……私、は。
[先ほどの言葉の続きを、絞り出すように、呟く。 音量は、ほとんど独り言に近く]
あなたを、しあわせに、したい。
[だから、なので? 彼に口付けは、できない。 だけど、なんで。
彼の幸せを思う穏やかな声は、悲鳴染みた声に覆われかける。 愛おしい。傍にいて。どこにもいかないで。
彼が好意を示してくれるたび、不安と共にその悲鳴は大きくなる。 そんなこと言っても さ。
夢から起きてしまったら、また。俺を避けるんでしょう?
そうして、囁く薔薇の声は、ひどいエゴと甘美さにまみれて]
(82) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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"……ねえ。" "あなたも、そうなんでしょう?" "独りは、嫌でしょう……?"
"赤薔薇なら、その子を" "あなたのそばに、永遠に"
"捕えることが、できるのよ"
(*11) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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"願いを叶えてあげる" "だから、ねえ"
"あなたを、ちょうだい"
[ぎぶあんどていく、よ。 まるで誰かの口真似をするように、赤薔薇は言った]
(*12) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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[這わされた指先。 ざらついた爪の先が、舌を刺激した。 そんな小さな刺激にも、中心は既に昂ぶっている。
口の端が歪む前に、唇を奪われた。
荒々しい口付けに、身体は歓喜するように震えている。 シーシャの熱を、感じる。 もっとと言うように、シーシャの服を掴む。]
(83) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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[セシル、唇、キズある。 きず、しげきしない、よう、しゅういなでて
とぎれた、ことばのかわり? かくにん、するようなことば。 うなずく、いや、それは、いや。] [ゆめのなかのセシル、おとすことば、小さい でも、耳にとどくたび、身体音叉のよう。ふるえる。]
[ゆめから、さめたら。ゆめから、さめないで。]
”……ずっと、いっしょに、 ねむっていられたら、いいのにね……”
[ゆめのなかの、セシル、現実のセシル、じゃない。 ゆめからさめたら、そばにいられない。 だったら、ゆめのなかのセシル、いっしょにいられたら。
いっしょに、いたい、いたいよ、むねが……]
(84) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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”あかばらさん、さかせるため、ひつようなもの、 あげるから……おれと、セシル、 いっしょ、ねむらせて……”
[そんなこと、できるのか、わからない、けれど、 セシル、うちがわにこえ、かける。 ふしぎな、あかいばら、ねがい、かなえて……]
(85) 2013/08/12(Mon) 01時半頃
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[唇同士が合わさると、歯列割って舌を潜り込ませた。 舌と舌を絡め合わせて、指先に痛みを与えた歯をなぞる。 カツリ、と歯と歯が当たる音が時折響いて]
……先輩…可愛い……
[熱っぽく濡れた瞳が細まる。息継ぎの間に、言葉が零れて。 寝かせるように肩を押すと太腿にあたる昂ぶりに気付く。]
……かわいい…、先輩…、
[可愛い、と何度も呟いて ゆるりと擦りあげるように太腿を揺らした。]
(86) 2013/08/12(Mon) 02時頃
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[口内に侵入してきたシーシャの舌に、応える。 歯列をなぞる舌先と、呼吸も奪うような口付け。 熱を奪って、奪われて。
まだ足りない。もっと、深く。 生理的なものではない涙が、一粒零れた。]
……可愛いとか、言うな。
[熱っぽいシーシャの目から、目を逸らす。
肩を押されても、抵抗せずに。 昂ぶるそれに気付かれれば、肩口に顔を押し付けた。 何度も聞こえる呟きと、擦り上げられる刺激を堪える。]
(87) 2013/08/12(Mon) 02時半頃
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[一緒に、夢を。 それは、きっと。自分の理想に、とても近くて。 胸を掠める、示唆の声。 幸せになりたいなら、信用するな。と。 眠った彼らが、本当に言うのなら。
きっと、その誘いには、乗ってはいけない。]
……サミュ、さん。
[薔薇が、笑う。 新しい宿主を求めて、笑う。 茨を伸ばして、新たな獲物を求めて、まだ終わりはしないのだと。 願いをかなえるつもりなんかないくせに、サミュエルの言葉に答えるように薔薇の香りを増して。
たった独りになって、それでも咲いてやるのだと。 ひたむきで純粋な感情が、零れる]
(88) 2013/08/12(Mon) 02時半頃
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……そろそろ、起きません、か。
[夢見る、サミュエルの瞳。 彼が見ているのは、俺であって俺ではないのだと。 思えば、少し困った顔になった。
起きて。 起きて、俺と話して。 そうすれば俺は、君を傷つけないで済む。
起きてくれないのなら、と。 そっと、彼の頬を撫でた。
茨の棘の痛みを、望むがままに分け与えてしまおうか。
きっと、彼が望むような 安らかな眠りを共にとは、いかないけど**]
(89) 2013/08/12(Mon) 02時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/12(Mon) 02時半頃
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[ふわり、薔薇の香り、こくなる。 俺のこえ、こえはないけど、とどいたのかな……] [なんでだろう、なんかいも、よばれた、セシル、声 それだけで、泣きそう。うれしいのに、なきそう。]
[でも、しあわせ、どうしてつづかないの?]
[頬、なでてくれるて、あたたかい。 このてを、なくさなくちゃ、いけないの?] [でも、ゆめのなかのセシル、この言葉、 きっと、現実のセシルしっていて、 おれが、ねているのをしっていて]
”セシル、は、俺、しあわせに、したい、だよね”
[その、セシル、が、起きなさい、って。 つごうのいい言葉、いわされて、つかれた? それともーーーーーー]
(90) 2013/08/12(Mon) 03時頃
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[頬を、撫でてくれる手、すがるよう両手で包んで]
”…………セシル、いうこと、しんじる、ね ううんーーーーーーー信じたい……”
[セシル、くれた言葉、とても、あたたかくて、やさしくて。 そのセシル、おきたほうがいい、いうから。 それが、おれのためなんだ、って、セシルが思うなら。] [泣いちゃう、のは、ゆるしてほしい。] [それでも、ゆめのなか、優しいセシル、 泣いたまま、じゃなくて、笑いたくて。 これいじょう、声のない、こえ、喉ふるえて だせないから、…………しずかに、うなずいた]
(91) 2013/08/12(Mon) 03時頃
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[ぎゅっと、めをとじる。 そのあいだ、ずっと、両手、頬、から セシルの温度、感触、だけ、かんじられますように、 そう、願いながら…………きっと、次、めをあけたら
*現実、それがよこたわってーーーーー*]
(92) 2013/08/12(Mon) 03時頃
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[緩く、緩く、触れる熱を何度も揺する。 肩口にかかる温度の上がった吐息、]
…先輩、…顔上げてよ、 顔見せて…、先輩の顔、見たい…。
[囁く声も、同じ温度。 下肢へと手を降ろし、布地の中へと潜らせる。]
ね…見せてくれないと…、
[そう呟きながら直接昂ぶりに触れた手は、先程の緩い揺すりとは異なり責め立てるように上下に擦りあげていく。 開放へと導くまでその動きは止まることなく続いて**]
(93) 2013/08/12(Mon) 03時頃
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[擦られる度に、息は漏れる。 布越しに緩い刺激は物足りない。 自然と押し当てるように腰が動く。
嗚呼、もう良い。
こんな浅ましい思いを抱いていると、知られたくなかった。 でももう良い。 知られて、嫌われてしまえ。
きっとシーシャは、誰でも良くて。だから、煽った。 薔薇の匂いに誘われているだけだ。]
(94) 2013/08/12(Mon) 03時半頃
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[そう思ったほうが、良い。 後できっと虚しく感じるかもしれないけれど。 今は、触れられていることに悦びを感じている。]
……見せなかったら、どうするんだ?
[肩口に顔を埋めたまま、囁き返す。 下着の中に入ってきた手に、びくりと身体が震えた。]
ふ……ぁ……
[先程までの緩い刺激とは違い、責め立てられる。
いつも自分で処理する時に想像していた手。 想像よりも激しい刺激に、礼拝堂の中、声が響く。
シーシャにしがみ付くように、その手に熱を解放した。**]
(95) 2013/08/12(Mon) 03時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2013/08/12(Mon) 03時半頃
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-中庭-
[グレッグが去った後、自分もまた足を別のところへ向ける。 頭の中ではもらった言葉を反芻していた。
触ってもらうのが、嬉しいなら。 嬉しいのかは、よくわからない。 でも、克服したいとは、思う]
…ねえ。何で俺なの。
[嵐に手折られたミニチュアローズ。 自分には、何も教えてくれない。 ただ、枯れたくないのだとだけはわかる。 控えめなその花の蕾もまた、嵐に手折られて]
(96) 2013/08/12(Mon) 06時半頃
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[上から手を伸ばされるのは、怖い。 人を、100%信用するのも、怖い。
前者は、生理的な恐怖。 後者は、後天的な恐怖。 合わさって、二倍。
ミニチュアローズの前にしゃがみ込めば 膝に顔を埋めて項垂れる。 頭が痛くなるほどの薔薇の香り。 匂いは時として暴力だと心のそこから感じる。
じわりと、手首の赤が滲んで痛む]
(97) 2013/08/12(Mon) 07時頃
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…なんで、
[声にする、問いかける。
相談するなら。 挙げられた名前を想う。 図書室の様子を思い出して、小さく唇をかんだ。 邪魔だと、言われた。 本人に言われたことではないけれど。
無言。溜息。瞑目。 少年の世界は閉塞気味だ]
(98) 2013/08/12(Mon) 07時頃
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…もう、無理だよ。
[こぼれるのは、弱音。 外へとつながる扉が閉まりかけているような。 少年に絡む茨の戒めに似た感覚。
縋ろうとした手は、もう遠くて届きそうにないように思えた。 何気無く縋るものを求め手を伸ばせば茨の痛み。 疲弊した精神は、少年の手が血を流すのも構わず**]
(99) 2013/08/12(Mon) 07時頃
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[こわい、こわい……とってもこわいよ 目、ぎゅっとつぶって、こわい、ふるえる。
でも、さっき、ふるえた。いまとちがうふるえ。 音叉、のように、ふるえた。 その、音を信じたい。 セシル、手の温度信じたい*]
(100) 2013/08/12(Mon) 09時半頃
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