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84 Es 3rd -Test days-
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―朝―
[ソファーの上で目が覚める。 隣に眠る彼が目に入れば、昨夜の事を思い出して頬を赤くした。 考える余裕もないままに色々と言わされたような…気がする。 こちらもミケの肩を噛んだり、背中を引っ掻いたような気はするが。
乱れた髪を纏めようと、藤之助は起き上がって手櫛を入れながら結い紐を探す。 ソファーの下に落ちていたそれがいつ外れたのも気づかない程に溺れていた。
――想う人と身体を重ねるのが、こんなに幸せな事だとは思わなかった。
己はこれまで、火遊びの相手に執着されれば即座に切り捨てていた。 誰かに想いを抱かれる事は煩わしいものと思っていた。 儀式を経てまで同族にしたいと思う相手はこれまで現れず。]
(183) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時頃
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[けれど久しぶりに会えたミケと縁が途切れぬ事を望んだ。 彼の目に留まりたいと、共にありたいと望んだ。 それは藤之助に起きた大きな変化。
居住まいを軽く正すと、そっと手を伸ばして彼の耳に触れる。 ゆらりと揺れる尻尾の付け根も気になったが、それはまた後にしようか。 彼が目覚めれば、藤之助は微笑んで]
――おはようございます。
先輩、大好きですよ。 私と一緒にいて下さい。
[囁くようにそう言うと、彼の唇に触れるだけのキスをした。*]
(184) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時頃
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―茶会・名無しの鳥―
ねぇ、その子触ってみてもいい?
[>>177披露された芸に手を打って鳥に触れたいと強請ってみると、青年は鳥を放つ。 鳥に掛ける言葉遣いは先程のものとは違い、芝居がかったもの。
やがて羽ばたく音も静かに己の元に飛んできて、肩に降りる鳥を間近に見て、藤之助は目を細める。 続く言葉にはその意図が掴めずに不思議そうに首を捻る。 暫く名無しの鳥は大人しく藤之助の触れるに任せていたが。]
…? わ、ちょっと…!
[鳥がいきなり動き出し、藤之助の懐を探る。 驚いた藤之助は悲鳴のような声を出して。 鳥は首尾よく其処に収まっていた青褐色の財布を咥えると、ひらりと飛び立ってしまった。]
(191) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時頃
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あ、あー…!
[空は己の領分ではない。 隣にミケの姿があれば、手の届かぬ藤之助は眉を下げて。]
せんぱーい…。
[返して貰えないとは思っていないが、困ったように彼の名前を呼んだ。]
(193) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時頃
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―カリュクス邸・ライジと―
なぁに。幽霊にでも遭ったような顔をして。
[>>178振り返ったライジは声を漏らす。 僅かに眉を吊り上げてみせたのは態とだ。 慌てて両手を上げて敵意のない事を表明する彼を見て、藤之助の紫紺は細められる。]
そう。それなら良かった。
――二度目はないよ。
[>>179嘆願にはさらりと脅すような言葉を混ぜて。 次に不埒な真似を起こそうとした時には痛い目を見る覚悟をして貰う事にして彼から離れた。**]
(210) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時半頃
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く、ぁ…っ。
[>>194何度も吸われた旨の突起の周囲は熱を帯びて赤く染まる。 拘束解かれた片手は、ミケの肩に掛ける。 腰の帯を緩めるのに気付けば、緩く腰を持ち上げて手伝いながら長い髪に隠された彼の首筋…項辺りをやわく擽る。 帯が緩み、襟を広げられて肩から腹まで肌が露出する。]
…ふ、
[呼吸を整えながら、彼が見下ろしてくるのをぼんやりと見上げる。 彼は誰かを、男をこんな風に抱いた事があるのだろうか。 己にその疑問を返せば、綺麗な身とは言い難いので呑み込む。]
(218) 蒼生 2014/08/02(Sat) 00時頃
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[もう片方の手も解放され、腰に腕を回される。 促されたのはソファーに手を付き、腰を浮かせたうつ伏せに近い姿勢。 纏う布は殆どなく、彼の視線に晒されていると思うとごくりと唾を飲む。]
ア…ッ。
[その瞬間、下腹部で主張し始めていた場所に彼の手が這わされる。 期待にぴくりと腰が揺れた。]
(220) 蒼生 2014/08/02(Sat) 00時頃
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―朝・バーのカウンターにて―
――ごめんね、マスター。
[>>205離れる時もミケはぼんやりしていたから、まだ起きてこないかもしれない。 囁いた言葉を彼は覚えていなかったら、また言葉を紡ぐだけの事。
二日酔いとは無縁の藤之助はカウンターに座ってマスターと向かい合っていた。 昨夜はそのまま泊まる事となり、部屋を借りてしまった事をマスターに詫びる。 何処まで知っているのか、何処まで聞こえていたのかを問うのは怖い。]
先輩、おはようございます。 大丈夫ですかー?
[頭を押さえながら現れたミケを見て、藤之助はくすくすと笑う。 そしてマスターから聞いたお茶会に彼を誘う。]
(222) 蒼生 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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――やった。
それなら準備しないとですね。
[>>206昨夜の今日で照れ臭くはあるが、それよりもともに朝を迎えられた幸福の方が勝っていた。 赤飯とコーヒーと出されれば、僅かに目を瞬かせた後に「ありがとう」と言って食べる事にする。 脱力するミケに藤之助は声を立てて笑い。]
美味しいですよ? 一口くらい如何ですか。
[などと言ってみた。*]
(223) 蒼生 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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―カリュクス邸・茶会の芸―
[>>211飼い主の青年に慌てた様子はない。 この行動は想定範囲内だったのだろう。 チップだと誇らしげに語る鳥の姿に藤之助は苦笑する。 生活費は従者が管理しているから、最悪、持っていかれても生活に支障はないのだが。]
…?
[青年はズボンのポケットから花を一輪出し、それを鳥が嘴で挟んで己の元に戻って来た。 掛けられた言葉には目を瞬かせて。]
――ありがとう。
[フィリップの心中は知らず、ミケの方をちらりと見てから笑う。 口説かれてくれるだろうか、などと考えながら。]
(224) 蒼生 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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―ある日・自宅玄関―
[>>245扉の向こうに見えたのは想い人の姿。 あまり外に出ないという彼に、日の出ている時間に出歩かせるのは少し申し訳なかったけれど。 それは人間である朧の生活に合わせる為。 携えられていた桔梗の花束を向けられれば、嬉しそうに笑って手を伸べる。]
私に? ――ありがとうございます。 嬉しいです。
[青味がかった紫の、星形の花びらを目で愛でる。 己っぽいという評には自分を想って買い求めてくれたのだろうという事が窺われて舞い上がってしまう。 そして己を落ち着けるように一つ深呼吸すると、照れたように笑う彼を奥へと導いた。 土産の桔梗の花は朧に託し、後で生けて貰えるように頼む。]
(265) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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[>>246朧もミケもお互い初対面で。 ミケの朧を観察するような視線には微笑みを浮かべたまま。 煎茶が入ったのを見計らって彼らを紹介した。
>>249ミケがソファーから立ち上がったのを見て、藤之助は湯呑を持ったままきょとりと瞬きする。 そして彼が朧に向って一礼し、言葉を紡ぐのをじっと見守っていた。
やがて彼の言葉が終わっていた頃には藤之助は僅かに下を向いていた。
――これでは結婚の挨拶か何かみたいだ。
そこまでの意図をもって彼らを引き合わせたわけではなかったので、藤之助は内心で慌てふためき、頬を赤くする。
暫くの沈黙の後、朧は「こちらこそ宜しくお願い致します」と言ってミケに向かって頭を下げた。*]
(266) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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―縁側―
――でしょう?
[>>257朧は茶器を持って、夕餉の支度をしに台所に向かった。 客間には朧の手によってミケの持ってきた桔梗が飾られ、愛らしい花弁は夕陽を受けていた。
縁側に二人。 傍らのミケの言葉を聞いて、藤之助は得意げに笑う。 どうやら縁側はお気に召したようだ。
夕陽の放つ幻想的な色合いを眺めていると、ミケの呟き声が聞こえてきた。]
(268) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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[従者をいい奴、と評するミケの言葉に藤之助は嬉しげに応じる。]
――…そうなんですよ。 あの子は昔から真面目で、頑固で。
いつも真摯に私に尽くしてくれる。
[いなくなってしまう、という言葉に藤之助は身を固くする。 人間の生は儚いもの。 朧も例外なく何時かは死を迎える。 それは当たり前の事だ。
けれどその事実を受け入れる事は難しい。]
(269) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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[>>259己の手にミケの手が重なる。 彼の方に視線を向けて、紡がれる言葉を聞いていた。]
…っ、ありがとう、ございます。
[ずっと傍にいる、という彼の言葉に思わず涙が滲んだ。 朧がこの世からいなくなれば、己は一人ぼっちになると思っていた。 ミケが寄り添ってくれるのなら、朧を失う未来を何とか乗り越えていけるのかもしれない。]
…はい。 その、努力します。
[泣かないでいられるかは自信がなくて、そんな言葉を返す。 泣き笑いの表情が夕日に染まる。 静かに肩を抱き寄せられれば、逆らうことなく彼に体重を預けた。]
(270) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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――先輩、今日は泊まっていってくれませんか。
[>>261そんな提案は楽しげな笑顔と共に受け入れられた。 料理は自分が作るのか、と問われれば]
…えっと、……頑張ります。
[家事の殆どは朧に任せている為に少し視線は泳ぐが、彼の期待に添えるように頑張ろうと心に決める。 和装をしてみたいという言葉には嬉しそうに笑い。]
それなら入浴の後に私が着付けますよ。 ついでにお背中も流しましょうか?
[彼は何色が似合うだろうか。 それを考えるのも楽しそうだ。 心を弾ませながら、ふふ、と冗談交じりに付け加えた。]
(272) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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[夜は二人で…と聞けば、小さく噴き出して。]
――えぇ、勿論。
流石に三人で同衾はしませんよ。
[己の顔を覗き込んでくるミケに微笑みを返し、目を閉じて口付けに応じた。**]
(274) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時頃
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―カリュクス邸・茶会―
[>>255>>260財布はマスターを介して藤之助の手元に戻った。 中身は確認していない。 重さが変わったとも思わないし、楽しませて貰っているから。
>>229その後も出し物は続き、 やがて鳥を連れた青年のショーは終わりを迎える。 こうしたショーを見るのは久々だったので藤之助は純粋に楽しんでいた。 深々とお辞儀をする彼に惜しみない拍手を送る。 彼の紡いだ言葉に込められた真意を藤之助は知らない。
華やかな色した鳥が舞台から放たれて飛んでいく。 それが別れとは知らず、藤之助は空を仰ぎ、暫くそれを見守っていた。]
(284) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時半頃
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[やがて藤之助は隣に座るミケに声を掛ける。]
…先輩。 今朝の私の言葉、覚えてます?
[フィリップに貰った花は赤い薔薇。 造花であるそれは、壊そうとしなければ永遠に近い時間、その形を留める事が出来る。 それを手の中で弄びながら、緩く首を傾げて彼の顔を窺う。 そして一度深呼吸をして。]
――先輩、愛しています。 私と一緒にいて下さい。出来れば少しでも長く。
[視線を真っ直ぐに彼に向け、朝に紡いだのと同じような言葉で真摯な想いを綴る。
結果、凝った言葉にならないまま、造花の薔薇を彼に差し出す。*]
(285) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時半頃
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ん…っ、ふ…。
[>>277覆い被さるような姿勢の所為か、背中からミケの体温が感じられる。 輪郭を指でなぞられ、手で包み込まれて刺激を与えられる。 もう片方の手は己の腰を押さえるように添わされて。 そんな手にさえも欲情してしまう。]
せん、ぱ…。 …も、
[もうイきそうだ。 そそり立つ肉芯は今は張りつめて、雫を垂らしてミケの手を濡らす。
身体の裡は熱が暴れ回り、可笑しくなってしまいそうで。 ――助けを求めるように彼を呼ぶ。 髪を揺らして限界を知らせるように首を振るが、彼はどうしただろうか。]
(287) 蒼生 2014/08/02(Sat) 02時半頃
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