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64 さよならのひとつまえ
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確かに、……暑いな。 [視線を外したまま、同意を示す。>>113 喉に触れる吐息に緊張も高まり、服越しに伝わる体温に これが非現実では無いと理解するのだ
電車の混雑に、今は少し感謝している。 理由を掲げる必要も無く、こうして居られる。
これがどんなに尊い時間なのか。 頭を回転させずとも、解る話で
苦しいと思うのは、愛おしいから。 つらいと思うのも、愛おしいから。
つらくて苦しいから、引きちぎられる位、痛いから だから気づかねばよかった、識らねば良かったのだと
この体温を受けながら、否定なんて出来るか?]
(123) motimoti 2014/04/06(Sun) 13時頃
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[布地を掴む指に、ぐっと握が篭る。 背後から垂れ流される男女話し声が、どんどん遠くなってゆく 距離は同じなのに、五感を保元が占める割合は増してゆくのだ
保元の呼吸のペースばかりを肌で探っている。 溢れた聲を、耳が聞いている。 重ねられた手から、温度を確かめている。
広い世界の狭い電車の中ですら、 こんなに沢山の人間が居るのに
彼らはどんどん遠のいてゆき、一人しか感じられない
僕はもうあのさそりのように ほんとうにみんなの幸のためならば 僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。
先日購入した絵本の一篇を思い出す。 この空間に、皆はいない。視えない。 俺は、俺の倖せしか考えていない、そういう駄目な男だ。]
(124) motimoti 2014/04/06(Sun) 13時頃
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[リストバンドに綴った一文が真意であっても 今は保元の幸せすら考えられなかった
ひとつの駅を開閉と共に越す度に、 別れまでの時間が数分短くなってゆく どうしてだろう。 どうして彼らは二人で車内に残ることが出来ないのだろうか。 永遠を共有できないのは、ハッピーエンドとは言えない
大事なのは結果ではなく過程なのだと、押し付けられた。
こんなに近くで探っても、倖せへ到達できない。 それは、始めから結末が決まっている物語のように]
(125) motimoti 2014/04/06(Sun) 13時頃
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……ここだ、降りよう。
[ぐわんぐわんと湾曲する思考を振り切る為に頭を振る。 掴まれていた腕を揺らし、振り切る。
でもまだ今日は、此処で二人揃って降りられるんだ。 それを俺自身に教える為に、固く手を握る。
ホームに降りてから、漸く振り返った。 俺はちゃんと笑えているか、鏡が無いから解らない*]
(126) motimoti 2014/04/06(Sun) 13時頃
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― 牛楽亭 ―
お前、昼飯食べてなかったのか?
[空腹を訴える保元と共に店内に入った時。>>129 既に手は離していて、空気を間に挟んでいた 破顔した保元の顔があまりにも爽やかだったから きっと、悩んでるのは俺だけなのだろうと脳が処理をする
変だ、と思われたくない。 いつも通りの苦笑を浮かべて案内されたテーブルへ。 同じセットと、ホルモンを単品で頼む。]
そういえばそうだな。 俺は外食自体そんなにしなかったし。
[観察されているかのような視線。隠せていないのか、]
……なにか付いてるか?
[困ったように眉を下げ、首を傾げさせる]
(131) motimoti 2014/04/06(Sun) 15時半頃
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……これ、昔貰ったCDの中に在ったな。
[テンポの良い曲の割に、歌手の聲は淋しげだった>>130 今の心に重ねてしまうと、期待を抱いてしまう。 そうだと良いよな、と他人事のように返す。
運ばれて来たサラダと肉皿。 コースターが入った紙ボックスを先に引けと促す。]
お元気で、とかかな。
[肉を焼く音に紛れさせて、ふと。 本当の別れの言葉は何か、捜して呟いた。 油の跳ねる音に消えてしまう程の小さな聲で。
保元がコースターを引き終えたならば、 やっぱりホルモンは塩だよな、と関係ない話を振りながら、 俺も箱の中に手を突き入れよう]
牛楽亭さん出た?
(132) motimoti 2014/04/06(Sun) 15時半頃
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ん、そうか。
[それだけではない、と顔に書いてある気がしたが>>137 敢えて指摘する事はなく、それなら良いんだ、と溢し。
先に網の上で肉を焼く。 吸煙管に吸い込まれていく煙が少し、目に染みる。 焼肉なんて久しぶりだな、と心中で呟いて
こちらに回ってきた箱からビニール包みを一枚 切れ目からコースターを取り出したのは、 保元が此方に中身を示したのと、同じタイミング>>138]
あ…、俺もそれ、だ。
[箱には十種類とシークレット二種と書いてある これだけの種類の中から同じのを引くなんて。 偶然にしても、なんだかちょっと可笑しくて、笑ってしまう]
(144) motimoti 2014/04/06(Sun) 16時半頃
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ああ、そういえば何でだ?
[実際はそんな事も無いとテレビで見て分かったけれども。 捕手は肥えた奴や体格の良い奴がやってるイメージが 野球に詳しくない俺の脳には住み着いてたから。]
マリヲのユッケ……、 え?それで?
[寿限無が地味にうざかったな…という記憶を呼び覚ます。 想像もつかなかった理由を明かされ、暫し目を点にしていたが 網に焦げ付きそうになったカルビに、慌ててトングを伸ばし 生焼けの表面を網面に密着させてから口を開き]
(145) motimoti 2014/04/06(Sun) 16時半頃
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そうだったんだな。
それがなかったら、別のポジションしてたかもしんないのか でも、……想像つかないな。
[あのキャッチャーボックスに腰を下ろしているのが 保元以外だったら…と考えても、今一ピンと来ない 俺の見つめていた背中は、たったひとつだけ。 仲間達へ張った声をかける姿を目の前の顔に重ね合わせて]
キャッチャーは保元の天職だろう。 あそこに居た時のお前、すごく生き生きしてたし。 描いてて楽しかった。
[きっとこれからも。 あの場所が彼の居場所になるのだろう。
ずき、と奥底に潜むものが痛みを覚えても表には出さずに。 でっかいのをやろう、と告げて肉を保元のタレ皿の上へ置く]
(146) motimoti 2014/04/06(Sun) 16時半頃
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あぁ。 ……偶然。
[同じ絵柄のコースターをひらつかせ、目を細めて笑う。>>151 油から遠ざけるべく、ジャケットのポケットへ篭めて。 お揃い、という響きは何だか擽ったい。 リングやネックレスを合わせた訳でも無いのに、ただ一枚の繋がりでも大事に思えてしまうから不思議だ。 アイアンバイソンありがとう、そしてありがとう。]
(158) motimoti 2014/04/06(Sun) 18時頃
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別の役割担ってたら、見え方も違ったのかも。
[あの背中を追っていなかったかも知れない。>>152 そう考えると、幾つもの偶然が重なって今が或るのだと感じてしまう。
自分の分も一枚網から取ってつけダレを使わずに息をかけてから口へ運ぶ。]
……そうかな それは、描き手冥利に尽きる感想だよ。 ありがとう、保元。
[本物と比較して何パーセント程の輝きを描けたのだろうか。 少しでも捕らえられていたなら良い、と思いながら。 ライスお替わり自由らしいぞ、と知らせるより早く。 これからも、と告げる保本>>153と視線が合い、しばし言葉を失う。]
(159) motimoti 2014/04/06(Sun) 18時頃
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……うーん、…そうだな、 これからは好きに描ける時間が減っていくから、どうなるか解らないけど。
[濁してしまったのは、この想いが負担になるのを畏れているから。 そんなに大きな存在である筈がない、自惚れが過ぎると嘲う声に、背を向ける。 「野球漫画が描きたい。」
その気持ちにも、静かに蓋をした。 開いたままにしてしまうと、流れ出て雲のように見えなくなってしまうのが、怖い。
俯いて考え込む間を作ってしまった事に気付き、は、と顔を上げて苦笑する]
――…そもそも、テレビまだ買ってないし。
[そんな情けない笑い話で、ズキズキと痛む心を覆い隠す**]
(160) motimoti 2014/04/06(Sun) 18時頃
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…… あぁ、確かに。 親の反対押し切れなかったら、 俺は地元の高校通ってただろうし。
……感謝しないとな
[居るかどうかも解らない神様に。>>161 それこそ、無気力なままただ生きてたのかもしれない。 実家に居たら絵を描くことすら、ままならなかったから。 どんな生き方をしてたんだろと想像するよりも、この人生で良かったな、とまだ18年しか生きてない癖に実感してしまうのだ。
皆と、保元に出会えて。 大切なものを、貰って。
この生き方を選べて、本当に良かった。 スケッチブックを持参していると明かされれば、瞳を丸くする。 俺の思い出と、想いの詰まったスケッチブック。
炭火が巻き上げる熱のみならず、照れ臭くて目元に赤みが射す。]
(171) motimoti 2014/04/06(Sun) 19時半頃
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先の事は、まだ解らないからな……。 夕方からの徹夜作業が多くなるし、ゴールデンの時間帯は…
[どうだろうな、と苦笑する。>>162 それこそ日中ならテレビも見れるんだろうが。
――でも、俺はきっと録画するんだろうな。
喉元まで出掛けた言葉を飲み込む。 その女々しさは、あまりに情けない。]
そうなのか。 んー…
[プロ野球なんてまともに見た事のない俺は、そんな事も知らなかった。>>163 自然と表情が曇るのを、抑えられない。
お前とは住む世界が違うんだ。 神様に耳元でそう告げられた気がした]
(172) motimoti 2014/04/06(Sun) 19時半頃
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……甘える?
[いま、甘えられたのか俺は。 怪訝に眉を寄せ、顔を顰る保元に視線を向けた]
甘えられてる気が、してなかった。 ただ……いや
[さよなら、が再会を願う言葉ならば。 そう割り切れたら、きっと理解できたのか。
ホルモンをゴマ油に軽く浸して白米に乗せてから、先を紡げない言葉と共に白米を口腔へと招く。 咀嚼してから笑顔を向けて]
こうして会いに来てくれたたけで、 俺はお前から、幸せを貰ってるよ。
[同時に、一層増す苦しさも。 どうしてこんなにこいつは、愛おしいひとなのだろう*]
(173) motimoti 2014/04/06(Sun) 19時半頃
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[声を詰まらせた保元の脛を、 対面からつま先で軽く蹴る>>180]
俺もお前に会いたかったし、 また一緒に寝たいなって思ってたからな。
……忙しい時期なのは、お前の方だろ 態々来てくれて嬉しい
[デザートのきなこかけバニラアイスを食べてから、 先ほど、ファーストフード店で昼飯を済ませたと 保元が言っていたのを思い出し]
お前が食う機会あるか解らないけど 讃岐うどんバーガーと骨付鳥はうまいぞ
[ただし、揚げたてじゃないとバーガーは不味い。 会計に、と財布を預かればひとまず借りて]
先外行って顔冷やせよ。
(200) motimoti 2014/04/06(Sun) 21時半頃
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真っ赤だぞ
[そう告げて、表に出るのを促す。
保元の財布には手をつけず、自分の財布を開く。 特急電車で交通費まで多く使わせているのに ここで金を払わせるのは、俺の小さな自尊心が許さない*]
(201) motimoti 2014/04/06(Sun) 21時半頃
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― 自宅付近 ―
そうだな、もう春だってのに お前が行くとこは気温高いといいよな
[隣を見下ろすより早く、手を攫われた。>>181 触れる指はじわりと体温を孕んでいて、 明らかに俺の手の方が冷えている気がした
少し考えて、一度手を離してポケットの中に指を進める。 コースターを取り出して、逆側の方へと移してから]
…… どう?
[保元の手を掴み、俺の手ごとジャケットの衣嚢へ収める。 誰かに見られたら、なんて考えていないのは。 街灯が少ない地域だから、きっと視えないだろうって。*]
…でもな。お前の手の方があったかいよ
(203) motimoti 2014/04/06(Sun) 22時頃
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― 俺宅 ―
[古い外観のアパートの一階が俺の家だ。 鍵を開けて中へと通し、遅れて俺も靴を脱ぎ上がる。]
なんか、…変な部屋ですまない。 狭いし
[冷蔵庫洗濯機電子レンジの家電はまあいい。 窓に掛かったカーテンは小花柄で少女趣味のような雰囲気。 薔薇とビーズをふんだんに使ったタッセルもどうかしている。
ちゃぶ台と呼ぶのは微妙すぎる黒猫脚のローテーブルは 板が紫という毒々しさを放っていた。その上にノートPC。 まだ開けてないダンボールの上にミットが置かれている。 その横に、畳まれた布団があった。]
(204) motimoti 2014/04/06(Sun) 22時頃
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うち、あれなんだ。 風呂とトイレが一緒になってるから、 シャワーだけの方が良いかもしれない
近くに銭湯あるから、足伸ばしたかったら そっちに行ってもいいしさ。
[どうするか、と問う前に。 スポーツバッグを預かって端にでも置いておくか。]
あと、布団が間に合ってない。 俺は畳で寝るから、お前は布団使っていいぞ。
[一番の心配はこれだと思うので、先に告げておくとしよう]
(207) motimoti 2014/04/06(Sun) 22時頃
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いや、断じて違う。
[>>211 そこは絶対の力を込めて全力で否定した。 少し考えてから口を開き、]
いや、まだバイト代出てないからな これは先輩が押し付けに来たんだよ。
どうせなら布団くださいって頼んだけど、 天涯付きベッドしか譲れないって言われたから断念してだな… すまん
[この部屋にベッドを置いたら足の踏み場が消える。 何より畳にベッドって無理がありすぎた。]
シャンプーや石鹸はタオルと一緒に持っていくぞ? 流石に生活してるんだから、その位あるさ シャワーで良いならそれで構わないけども。
(213) motimoti 2014/04/06(Sun) 23時頃
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[同室とはいえど、風呂の時間帯はずれる事多々。 そういえば卒寮する前、最後に一緒に入ったのは、 確か1か月くらい前の話だった気はするけど]
なんでだよ。飛行機の後も車だかバスで移動あるんだろう? ちゃんと寝とかないと困るだろ。 昨日干したばっかりだから、匂いはしないと思うし
[必死に布団での就寝を押し付けてくる保元に、 なにをそんなに遠慮しているのかと、苦笑を向ける。 バッグを置いて、畳を踏み進み、一歩、二歩。]
それとも、一緒に寝るか? 狭いから勧めないけど
[飯屋に居た時よりも熱く感じる頬に、そっと触れる。 数日前、電話をしながらパソコンの画面をなぞった事を思い出した ここのラインを触ることができるのも、会わないと無理な話で。
半ば冗句のように聞きながら、視線を保元の顔へと下ろす。]
(214) motimoti 2014/04/06(Sun) 23時頃
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着替えはあるんだよな? 無かったら下着以外なら貸すけど。
[好きな人と二人で銭湯に行く。>>223
昭和の香りを纏うドラマを思い出した まだアパートに風呂がついているのが 珍しいような時代の話なのだろうけど
一緒に風呂へ入る、という行為ではなくて。
恋人同士が洗面器をことこと鳴らして、 というシュチュエーションを想像してしまったから。 なんだか恥ずかしいような、むず痒いような気がしてしまう
顔に出さずに済んだのは、アホなこと考えてんなと 気持ちを切り替える切っ掛けとして着替の事へ意識を戻せたから]
(228) motimoti 2014/04/07(Mon) 00時頃
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寝れるって言ったって、寝台車なわけでも無いんだし。 明日は休みだから、俺はお前見送ったら二度寝するさ。
[このカーヴを何度も描いてきた。>>224 遠く離れて、生活も変わったら。 今まで描いてきた曲線とは変化するんだろうか
幾ら描いてもキャンバスに閉じ込められるわけじゃない 思い出は思い出として残っても、形を変えてしまう。 その時、俺の識らない保元の傍に居るのは誰なんだ。]
え ?
[唐突な確認に、好意が含まれれば瞬きの回数は多くなる。 服が重力に引かれたタイミングで、頭が揺れ若干前のめりになった 緊張と、混乱にも似た瞳の揺らぎを俺の眸は捉えたまま]
(229) motimoti 2014/04/07(Mon) 00時頃
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………いいだろ、別に。 なにもしないよ
[不意に、バイト先の先輩に尻を撫でられた事を思い出した。 ああ、そうか。 不純ななにかだと思われているのか。]
俺って、そんなに信用が無いのか?
…べつに、付き合ってるわけでも無いのに、 お前を好きにするわけないだろう。
[安心させる為に紡いだ言葉が、じくりと胸に傷口をつくる。 男同士だからなにもない、とするには余りに友愛と異なっていて それでも、一線をもし超えてしまったら戻れなくなりそうで。
いまの俺に、保元を手に入れる覚悟も無ければ、 倖せにする権利も存在しないのだから。]
(230) motimoti 2014/04/07(Mon) 00時頃
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だって、そうだろう。
[沈黙の後、鈍いんだろうという俺から見ても はっきりと保元の落胆は伝わり、罪悪感めいた感情が沸く。>>233
これでいい。 重荷や負担として、残らなければ。 知らない世界から、遠くから想っている事くらい 赦してくれるだろ。
なにを誓ったわけでもない。 心を拘束して駄目になるような奴ではないと思う、保元は。 駄目になるのは、たぶん俺だ。]
……え、
[恋人、という響きに俺のほうが動揺を示した。>>234 恋人のような、と想像を巡らすことこそあれど、 俺たちの関係が恋人かといえば、ノーだと思っていた。]
(238) motimoti 2014/04/07(Mon) 01時頃
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[恋愛なんてしたこともない。 だけど、責任を負える覚悟がないとできないもの、 という勝手な見解が俺の中に存在していたのだ。
下肢から力を抜く保元に、咄嗟に手を頬から離して腕を引こうと。
これが筋力差というやつなのか。 思ったよりも体重があったので、支えようとするのも叶わず。]
っ…、
[二人して畳に座り込む、というか。 俺がバランスを崩してしまい、雪崩込んだ。 額を保元の肩にぶつけて、鈍痛が走る。
畳の上に掌をつき、苦い顔で見下ろした。]
ええと、恋人って………、すまん。 告白しただけでなんというか、満足してたから……
(239) motimoti 2014/04/07(Mon) 01時頃
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いまは先が視えないというか、なんて言えばいいのかな。 俺は経済力も無いし、お前を大事にできる自信もないから
[そもそも恋人って一体なんなんだ? 好きだという思慕があるだけで、それが恋人なのか。 保元の価値観を確かめる為に、首を傾げさせる。]
離れたら、俺よりも大切なもの沢山できるだろ。 俺がお前を、大事にできるような自信がつくまでなんて、 ……おまえ、待てるわけないだろ
[漫画家のアシスタントなんて、正社員でもないバイトなんて。 それをなんと呼べばいい。 技術職とも呼べるが、フリーターに分類されてしまう。
一人前になれるかなんて、保証は何処にもなくて。 なろうと思ってるやつなんてこの世界に一体何人居るんだ。
そんな無計画な“いつか”を待てだなんて。 ていのいい事を押し付けるのは、あまりに身勝手過ぎる]
(240) motimoti 2014/04/07(Mon) 01時頃
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…うまく言葉で言えないけど……。
いまの状態で人と交際したら 俺が駄目になるんだろうなってずっと考えてたよ。
だから、付き合うとか付き合わないとか、 想像はしても、遠いものだと思ってた。
まだ俺はお前と違って、 半人前にすら乗れてないし ……約束守れなくなったら、こわいって思ってた。
[>>242 漫画を描くだけならプロにならずともなれる。 きちんとした雑誌で連載を持てる人間は 日本人1000人のうちで、1人かそれ以下の話らしい。
アシスタントで上に上がれば給与もよくなる 0.1パーセントの希望を捨ててチーフアシで満足する人間も この世にごまんと居るし、俺がそうならないとは限らない。]
(258) motimoti 2014/04/07(Mon) 08時頃
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[倖せを感じてしまったら、 0.1パーセントを逃すかもしれない]、
だって、変わるんだろう。 環境で変わっちゃうんだろ。
だめっていう話はしてないけど… ただ、俺は…自分がどうなってるか想像できない お前がどうなってるかも、 ……そこに俺が居ない未来しか想像できないよ。 想像するのが怖い、
[ぶつけられる感情が痛くて、顔を逸らしてしまう。>>243
向き合って、傷つくのが厭だった。 せめてあの頃は倖せだった、という記憶だけでも留めておきたい どうしたら良いのか分からず、顔を歪める事しか出来ない]
(259) motimoti 2014/04/07(Mon) 08時頃
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