93 Once upon a time...
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[観客は背中から聞こえるバンドネオンに振り返るだろうか。 ―――否、この時音楽は添え物。 目の前に繰り広げられる猛獣たちの振る舞いに 目も、心も奪われるに決まっている]
此処が特等席 ……だよね?
[囁きを笑みにのせ、 後ろから、ステージ上から テント全体を使って観客を包み込む]
(249) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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――― 倉庫 ―――
[小鳥の演目でピークに達して 幕間に、気を落ち着かせる、観客席の波から遠ざかる。 扉を開けて見えたのは、背中。]
『フィリップ。』
[ばさりと、聞こえた羽根の音は 籠のなかで暴れるムスタング>>230のもので。 背に追い付くまでのタイムラグ。 しゅるりと、思い出したように、蛇が口を開けた。]
………… 置いて行くの。
[幕間から、一人、離れた姿に。 物語に生きる鳥にかけたのは、他愛がない。 抱いた子犬の陰にしたものを――― 除けば。]
(250) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[獅子はゆるりと王者の歩みで舞台を進み 次の鞭を合図に、セットの階段を駆け上り しなやかにかろやかに跳んで 遠く離れた向こう岸の台の上に着地した
高さや距離を離れて繰り返すこと数回
舞台の別の場所へ、男が行けば獅子は来る そこには、台座のついた輪が幾つか連なり置いてある まだ、火はつけられていないそのままで
鞭の合図で獅子はそをいとも容易く潜りながら するりするりと駆け抜ける ここまでは、順調にことが運ぶのもいつも通り]
(251) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[>>246鈴の鳴く音もないままに 戻ってくるのは小猿か鳥か。 道化は思考を戻し視線を向け、ついで手を振った。
親指たてたハンドサイン。 垣間見ていた演技に向けての評価のみを送る。]
かっこ、よかったよ。 客席で見たいくらい。
[その他の事は、きっと他の人が答えてくれる。]
(252) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[トリノスの続ける言葉>>235に耳を傾けた後 自分の返しはこうだった]
まるで、人の意志を持ったような獣?
[食べるためではない殺生は 野生の獣がするのは、ほとんど聞かない
それをするのは、大抵人か人に使われてしまった獣
自分は彼らの扱いには慣れてはいるが 道具として使うことは、舞台の上でもそれは同じ 猛獣使いは、あくまで猛獣を引き立てる役割
あとは、彼らの跳びたい本能と その行く先を示し、出来るのを信じて導くだけ]
(253) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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じ ょ ー で き ! アントニーくんよーやったわー。ドラねーちゃん、褒めたるぞー。
[戻ってきたアントニーに向け>>246、再び細い腕でガッツポーズ。 スーザンとの最後の会話では、彼女の反応>>245はよくは見れてはいなかったものの、 思いっきりちょっかい出しておいた>>234おかげか、負の感情も払拭している。 ただ、その時はもう、カーテンコールも近い頃だっただろうか。 それならば、客が外に出てしまう前に……]
あぁ、やばい。あたしゃ引っ込まないと。
[公演後も、大テントは注目を浴びる。 人形であるエフェドラは、その客にここから出て行く姿を見せるのは……変装しているとはいえ、抵抗がある。 つい今しがた見た演目と、ガリガリの少年姿がリンクしてしまえば、物語は崩れてしまうから。 人目のつかないテントに移動しようと、そそくさとその場を後にした]
(254) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[表から歓声がする。 次のシナリオは何だったか。
明かりを点けなかったから、倉庫は暗いまま。 ランプを倒して火事騒ぎを起こした事も有るため 基本的にそういうものには触れないようにと言われている。
通路の奥からの僅かな光だけ]
[響く声>>250に、珍しくびくりと肩が震えた。 闇を恐れるのは、人も鳥も、同じ。 しかし、振り返る事は無かった。
“フィリップ” その名は、物語の中には存在しない。
フィリップ、が誰を指すのか、暫く認識出来なかった]
(255) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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―――置いていく?
[だから、反応したのは、その後の言葉について]
声は、ジャニスのもの。 正確には、ジャニスが誰かの真似をするもの。
しかし彼には 舞台に立たないジャニスを示す言葉は、なく]
(256) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[誰とも話をしていない時は、舞台を見る。 アントニーの身軽さ、バランスの取り方、そして見栄え。 ブランコに乗らずとも確立していると思うのに、 さらに上を目指しているのかと思うと、少し怖い。
真っ直ぐに上しか見なかったトリに、似ているから。]
(257) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[裏方は、華形を護るのが仕事だよ。]
[そう、己に告げた一代目は、犬に噛まれて調教師生命を絶たれた。
"華形を護る為"
お守りと称されて手渡されたものが、手の内に在る。 団員は、華形は、裏方は、――…団長を。護らなければ。 受け継がれた想いは意図もたやすく、今朝、崩れ去った。]
…………
[目の前にする、サーカス団の鳥は 常に物語に生きる、練習熱心な華形。護るべき存在。 本当に、鳥ならば――― 綻びが、歪みが、蛇が、心に囁く。]
(258) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[信じるか? と問われれば トリノスの必死な問いかけに、嘘は感じられず]
いない、とは信じ切れない
[そういえば、>>210前の雇い主の死は 迷宮入りしてしまったが 似たような噂は聞いていたのを思い出す
それから、老婆の死も]
(259) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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フィリップは、首を傾げてジャニスを見る。
2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[明かりの点いた廊下に反して、倉庫は暗かった。
幕間と同じ。 目の前の影が"フィリップ"だと思ったのは、羽ばたきの音から。]
『おまえは、フィリップではないのか。』
[倉庫奥の影>>255の、肩が震えた。
フィリップだと思っただけで―――…正体は別のなにかなのか。 彼が作り出した、会話の間に、思考が曇る。]
……… 羽音が聞こえたからさ。
[男の声も、自然、低くなって。]
……… フィリップでは、ないの。
[再度、尋ねる。]
(260) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[アントニーが舞台から戻れば 尋ねる声>>246にぱちぱちと拍手と笑顔で答える。 高いジャンプ、浮遊感を思えば恐怖を抱きそうなものだけど アントニーにはそれが感じられずむしろいきいきして見えた。]
アントニーの演技、すごかった。
[他の声に混じりそんな感想を向ける。]
(261) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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― 公演後、空気は未だ、熱を孕み ―
[全てのショーが終わり、観客が総立ちになる頃 奏者は頭上から姿を消し、地に降り立つ。 見送りの曲に哀しさ残る音はいらない。 華やかで、景気のいいやつでいこう。
「また、見にこようね」
無邪気な声が耳に届いた。 裏方は早くも片づけを始めている。 奏者は月を見上げ、首を傾げた]
(262) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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――大テントの外へ――
[少年の衣装に着替える暇はない。 だから、舞台衣装>>60にコートを羽織ったまま、ぱたぱたと外に出る。
外は、テントの中に比べれば、はるかに闇色が強くなる。 音が静寂に近づく闇色の中を、とてとてと駆けながら、できる限り大テントから離れた場所を探っていく。
走る最中に獣のような息使いが聞こえてきたような気がするのは。 ブローリンの操る獅子の名残のためか>>253、やはりどこかがおかしくなっている>>193ためか。
それとも――――――――]
(263) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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人に無い力を持った、獣?
でもなんで。
[団長を狙うのだ。 個人的になにか恨みを買うようなことがあるのかもしれないが、 そこまでは詳しくないので解らなかった。
ひそりと続けるのは、ブローリンの耳にだけ。]
探したら、それを殺す?
[獣(けだもの)と同じ場所に降りるのだろうか。]
(264) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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おなか、すいたなぁ
(*18) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[ザックやエフェドラの賞賛が聞こえて、笑顔はより満面のものに変わった。 褒められることにもやりがいを見いだせる幼さが、まだ心に根付いている。
次は、フィリップと、トリノスとも跳べる。 高みを目指している、と怖れを思われていることなんて、知る由もない。 自分はただ跳ぶことが楽しく、そしてそれが一人でなければ、なおさら楽しいと思っているだけのことだ。]
(265) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[そのためにも。 自分は丸呑みにされる訳にはいかない。 実際問題丸呑みがジョークのうちだったとしても、狼に危害を加えよう、という意志は好ましくなかった。]
ニコ。 ジャニスは、どこ?
(*19) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[目の前の影が、首を傾げている。
差し込む僅かな光を頼りに、その輪郭を追った。 同時に、指先が伸びた。 ――― その明かりに狙いを定めたのは、小さな、猟銃。]
君は、誰。
[重ねた疑問は、物語の続きのようだった。
現実味を帯びない。僕が追い掛けて来た、彼は、誰。 いらえを待つ間。呼吸すらも、忘れて。]
(266) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[フィリップでは、ないのか>>260 その問いには、迷わずに]
俺は―――“青い鳥”だよ。
[サーカスを見に来た観客に 幸せを届けられるような そんなフライヤーに、なりなさい。
それは、誰の教えだったのか]
ムスタングは、今日は機嫌が悪いんだ。
[羽音がした、に返す]
(267) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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俺も。
[居ないとは思えなかったし、思い出すと少し震えそうになる。 今日の公演が終わっていて本当に良かった。
思わず衣装ごと自分を抱きしめる。 ブローリンには、思い出して怯えたように見えればいい。]
……こわい。
[小さい声で、ぽつりと落とす。]
(268) 2014/10/13(Mon) 23時半頃
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[奏者は今日、何も口にしていない。 水を飲むことすらなく、公演を終えて今、 手のひらで冷たく乾いた芋を遊ばせている。
赤い星を縫いこんだスーツが月の光を反射する。 一人、また一人と大テントから出ていくのを見守り]
どこ、だろうね
[ぽん、と高く跳ねさせた芋を受け止めて、 土汚れた皮のまま、大きく口をあけて齧り付いた]
(269) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 00時頃
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[獅子が跳び、潜り抜けた輪に 次々と松明から炎が灯されてゆく
鞭を打つ
そばに戻って来た獅子は ひとつぽつんと置かれた火の輪を 難なく潜って、再び戻る
鞭を打ち、火の輪の列を指し示すと 獅子はそこまで駆けてゆき するりするりと、全てを潜って戻って来る
男は鞭を鳴らしして礼をする
拍手喝采を浴びている獅子はのんびりそれを見て 男と共に、舞台から去って行く
拍手がおさまる頃合いに、楽団の音楽が 余韻を覚まさぬように響いていた*]
(270) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[呼び掛けた名前に対する反応と、異なって ――― 誰、と、問いかけに返る声は早かった。
覚えのある声だ。 フィリップ>>267の声である、筈だ。]
青い鳥。
[調教師の口は、鸚鵡の口に。 繰り返す。]
……… 青い鳥の名前は、フィリップ?
[名前を告げない、倉庫の影に、重ねた。 定めた狙いを、避ける決定打を、貰えないので。]
(271) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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まだ中にいるようだよ 見つけたら……教えて
[月を見上げる瞳に赤が混じる。 揺れる赤。 瞼を伏せて――それを隠す]
(*20) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[次は来る。 細い月が傾いて、明日が来るのと同じように、いつも通りに次は来る。 団長を失ったことの、本当の意味を、まだ知らない。
例えば、その"次"はどこへ向かうのか――なんて、誰が知るんだろう。 そんな安易なところにも思考が行かないのは、ステージの余韻で興奮しているから、だけじゃない。 団長がいないなんて経験を、したことがなければ、想像もしたこと、なかったから。]
(272) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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…………いる。聞こえる。
[どのくらい時間が経っただろう。 聞こえる。少なくともエフェドラにはそう感じる。 仮に違っていたとしても、フィリップの幻影をおった時>>193のように、自覚の症状は持っていない。 聞こえるんだ。足音が。獣の荒い息使いが。 足を止め、その場で荷物を解くと、中からフルーツナイフを取り出した]
いるんでしょ!? きなよ。さぁ、こいよ! 殺してやる。団長の仇。殺してやる。殺してやる!
[ガタガタと震えながらフルーツナイフを両手に構え、闇の中を凝視する。 あぁ。もっと早く、サイモンから使い方を教えてもらうべきだった。 それは、思ったところで何の意味もないはずのこと]
こいよ! あんたを、殺してやるから――――!
[妄執を誓うマリオネットの声が、闇の中で木霊した*]
(273) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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[明かりに浮かぶ、猟銃>>266
サーカスの物語に、ハッピーエンドに、銃は無い。 凶器もせめてナイフと鞭。 それも、美しさを纏うもの。
加害者の存在が消せる銃は、サーカスには不釣り合い]
俺は、フライヤー。
[再度、繰り返した。
向けられる銃口に、怯える事は無い。 何故それが向けられているのか、分からない。 それが何か、分からない]
(274) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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わかった。
[中にいるらしい。 見つけられるだろうか、不安はあるが。]
(*21) 2014/10/14(Tue) 00時頃
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