84 Es 3rd -Test days-
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ー回想・路地裏ー
[名前を尋ねたのはこちらの方なのに、置き去りにしてしまった。>>1:73孤独を拒絶するが故の衝動とは言え、随分無礼なことをしたものだ。あの可笑しな格好の黄色い雛鳥は空腹を満たすことが出来たのだろうか。]
お前のビスケット、分けてやれば良かったな。
[両手で覆ったあの銀髪の人の体温を思い出したくて瞼を伏せた。自分はこんなにも人の温もりに飢えているのかと、偶然出逢った見知らぬ誰かにすがりたくなる浅ましい欲望に己を恥じ、同時に再会の手段を思考の片隅で必死に探っていた。]
また、あえるのかな、 もうどこか知らないとこへ行っちゃったのかもな。 …はっ。何を言ってるんだ僕は。
[時折自身を嘲笑するのはどうやら癖らしい。]
(58) 2014/07/29(Tue) 02時半頃
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ー芸術劇場跡ー
[何故その姿を妖精と言ったのだろうか、佇んだまま人の手から逃れる様を見つめ、それを何と認識するかは自由ではないか、と心の中で呟いた。誰に向けての言葉だったのかは、本人すら判っていない。]
妖精、だな。僕がそう思うならそれでいいや。 お前も僕を馬鹿な奴だと思っているか?
[ポケットに入れていたビスケットの袋から小さめの欠片をひとつ、肩の相棒の口元へと。微かな翅音に気付いたのはそのあとのこと。近づいてくる小さくかつ繊細な色を纏った妖精は、ぴりぴりと空気を張り詰め、ある主の覚悟のようなもを携えて其処に居た。>>16]
鳥、苦手か? ビスケット食うか? そんなに。…なにを思い詰めてるんだ…?
[言葉が通じるのか否かは考えることはなく。矢継ぎ早に問いかけてみたが返答を望んでいたのは最後の質問だけだった。]
僕は、君を殺さないし殺せない。こいつも同じ。 ごめんな。 …ビスケット、食うか?
[先程と同じ質問を投げ掛け、ビスケットの、大きめの欠片を雑草だらけの花壇の縁に置けば、半焼の建物に寄りじっくりと見たあと、妖精には一瞥もくれず広場へと続く道へ。]
(64) 2014/07/29(Tue) 03時頃
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