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28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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― →階段 ―
[まだ眠そうな「ネコ」を抱き上げて部屋を出る。 しなやかで柔らかい体温を胸元に抱き寄せている時だけが、彼にとっては生を実感できる時間でもあった。灰色の毛は、「ネコ」とお揃いにしたつもりだ。勿論、それを誰に話したこともないけれど。 階段を下りる最中に>>90>>97足音が二つ聞こえれば、歩みを止めて階段に座って、それが止むのを待った。 「ネコ」はじっと、彼の様子を窺っている。それが気遣いでないというのは昔読んだ本の中に書いてあった。]
…………「ネコ」 は、ここに いる?
[なーん。と返事が返ってくる。青色の「ネコ」の目は階段の上を見上げた。そこに生活のアテがあるとでも言いたげに。 いずれにせよ、ここを出るならば彼が「ネコ」を連れていくことは出来ない。一度、背中の豊かな毛に頬を寄せる。くすぐったい。]
…………今まで、 ありがとう。
[まだ、ここを出るには暫く時間があるけれど、最後まで一緒にいて、なんて言葉は彼には言えない。 「ネコ」には「ネコ」の幸せがあるのだ。]
(101) nico 2013/09/09(Mon) 00時頃
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部屋にもう一揃いありますので。 ……あのティーセットは、このままあの談話室に置いていこうかと。
[仕事のために、談話室で時間を潰す必要があった。 そのためには紅茶が一番手頃だった。 かくして珈琲党の管理人が根城とする談話室に、ティーセットと茶葉の缶が持ち込まれた]
どうぞ。
[104号室は談話室からほど近い位置にある。 扉を開けると、立花に入室を促し、自分が先だって室内へ]
(102) heinrich 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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―104号室―
[部屋の中は、生活の温度がほとんどない。 最低限の家具とカーテン。入居からそのままの段ボールが数箱と、トランクケース。 台所にはケトルがひとつと、ティーセットを仕舞った白い箱]
座布団のひとつもない部屋で申し訳ない。
[箱からポットやカップを出しながら、立花に先に詫びを入れた]
(103) heinrich 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[さて、一方の「ネコ」はというと。 満腹で眠気をおしての道中である今現在、求めているのは勿論眠りである。
部屋のベッドで大人しく寝ているのは許されない。 ならば、今日見つけた寝床はどうだろう。 あの慣れていない抱き方は少し頂けないが、慣れの問題だ。 それに撫でる手の感触は、決して悪くはなかった。 餌の心配も無さそうだし、何より「ネコ」などという紛らわしい名前からようやく解放される可能性がある。
「ネコ」は「ネコ」らしく空気を読む。 そして、あくまでも「ネコ」として、 次の一手を考えているのであった。]
(104) nico 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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フッ――それが俺たちの願いならば……
[>>98 今にも泣き出しそうな声。 翠の瞳に溜まる雫はいつ崩れ落ちてしまうことだろうか]
辛い思いをさせてしまうんだ……恨んでくれて構わない
でも、俺は必ず迎えに来るから
[>>100 見上げてくる黎湖に向ける表情は、作られた微笑み――]
(@14) rusyi 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[怖さはまだ残っていた。 しかし、同時に勇気も貰ったのだ]
だから、出逢った時には――
[戻ろうと決意した。 精神が身体に引き寄せられ――生霊の身体が薄れていく]
とびき、りのえ、がぉ……
[国谷は最期まで微笑みを浮かべたまま、宙空に消え去った]
(@15) rusyi 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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―――104号室―――
……、?
[ととととと、足の長さが何しろ違うので 必然的に小走りにジャニスの後を追いながら、口を噤んだ。
小さな違和感
どのことばに、今、あたしは引っ掛かりを覚えたのだろう。 眉間を分かり易く引き絞り、開いた扉の先、104号室。 がらん>>103とした部屋。 まるで、引越し初日のような、あるいは、]
置いて、行く、のですか?
[あ、違和感>>102の正体、ことりと小骨が胸に落ちる。]
(105) mo_om 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[詰まれた段ボールに自然と視線を吸い寄せられて 口を滑らせてしまってから、あたしは、首を左右に振りました。 謝罪に対する否定の意味もありましたが、それ以外にも。]
あ、あ、と、お淹れします、! い、一からでないと、駄目です。
[ティーセットの準備を始めたジャニスに慌てて 段ボールやトランクケースに躓かないよう気を配りながら 滑るように、小走りで、身を寄せて。伸ばした空の両手は、お預かり致しますの意味も籠めて。]
(106) mo_om 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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―国立病院―
[瞼を開く……いや、開こうとするが上手く開かない。 身体を起こそうとしても身体は動かず、手も鉛のように重たかった]
……ぁ゛っ……ぃ゛っ……
[軋みの音が聞こえそうなほどに動かぬ身体。 声すらも上手く出すことができないでいた]
(@16) rusyi 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[瞼を閉じたまま、わかば荘での出来事を思い出す。 夏のまだ暑い日。 あそこで出逢った美しい翠の瞳の少女のことを――]
(@17) rusyi 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[時間を掛けて、ゆっくりと瞼を開く。 目に入るのは白い天井。 眼球も上手く動かない]
お……れ゛は――ぇ゛……
[世界で一番速くと約束した]
ぐっ……んっ……――
[神経に電流が走るビリビリとした感覚。 身体に、腕に、手に、腰に、右の足に……。
左の足の感覚は、存在しない――
それでも、歯を食いしばり、時間を掛けて、ナースコールを押した*]
(@18) rusyi 2013/09/09(Mon) 00時半頃
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[立花は、遠慮がちではあるが、その分周囲をよく見ている。 だから不器用なように見えても、こういう時にとても敏い。 尋ねる言葉に、微笑みながら目を伏せる]
ずっと、心苦しく思っていました。 皆さん良い人ばかりで、心を開いてくださるのに、僕は同じだけを返せない。
[首を振って打ち消す立花に、それでも言葉を返す。 いつでもふらりと消えられるような、生活感のなさ。 仕事が終わるまでの滞在であり、遠からず立ち去る身。そう思えば生活の場を作ることより、離れやすさが先立った]
同じ住人として受け入れてくれる手を、裏切っているような気がしていました。 ……でも、それでも怖かった。
[伸ばされた手に、ポットを乗せる。預けて、そして彼女の手の甲に、手袋嵌めたままの黒い手を重ねる]
皆さんが優しければ優しいほど、手を取るのが怖かった。
(107) heinrich 2013/09/09(Mon) 01時頃
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[「ネコ」はひらりと彼の上から離れて、階段を上っていく。ちらりと彼が「ネコ」を見上げれば、「ネコ」もまた彼を振り返って尻尾を揺らす。 今生の別れでは無い。二度と会えないというわけでもない。「ネコ」は暫くじっと彼を見つめてから、再び階段を上っていく。
足音の止んだ廊下を素足のまま歩いていく。向かう先は談話室の傍にある104号室。 やりたいことを実現する為に、必要なことがもう一つ。]
………………。
[扉が開くのに邪魔にならないように、少し離れた壁際を背にして床に三角座り。暫くは、待つ体勢だ。]
(108) nico 2013/09/09(Mon) 01時頃
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[―――…今日、この一日だけで 何度も目に留めた、困惑したような、弱い微笑み>>107 表情、ことばの端々、そんな些細が、小さくて細い骨になって、咽喉に詰まって。その理由を、あたしはこの場で漸く理解したのです。
落ちた小骨が胸を刺して、すこしだけ、痛い。]
き、気に、なってたんです。 ずっと。 ジャニスさん、時々、とても、遠くを見られるので。
[眉が下がるのと同じ角度で、目線が下がる。 気掛かりを全て口に出来るわけではないから、それを直接口にするのは、今が初めて。]
……… で、では、今もお辛いですか。
[両の掌に、ポットの重みが圧し掛かる。 それに重ねられる手袋越しの手、驚いて跳ねたりも、しない。ただ、受け入れる。 『恐い。』と口にする彼に、躊躇っていた視線を戻した。]
(109) mo_om 2013/09/09(Mon) 01時頃
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[自分が恐れる優しさの、かたまりであるかのような彼女。 やはり気付かれているように思ったのは、気のせいではなかったらしい。 懺悔のような言葉を、重ねた手のひらごと、立花は受け入れてくれて]
怖い、です。僕の手は、穢れている。
[重なる視線に、少し怯んだ。けれど、受け入れようとしてくれる彼女の前で、視線を逸らすことはできない。
そっと手を離して、片方の手袋を脱ぎ落とす。 祓い屋であるということは102号室で聞いていただろうが、この手を見せるのは初めてのはずだ。紋様の刻みこまれたこの手]
仕事のために、ここへ来たのです。 でも、思いがけず、温かな人たちに出会い……、
自分の手が、とても穢れて見えました。
[事実として穢れているわけではなくとも、手袋なしでは触れることもできない。それが自分の、潔癖症の正体]
(110) heinrich 2013/09/09(Mon) 01時半頃
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[まだ、その笑顔が>>@14作られたものだか、 心からのものかを見分けられるほどの時を過ごしていなかったから。
彼が笑ってくれた、 その事実に、自分も笑っていることが出来た
……はずだったけれど。]
―――ぁ、 …………っ
(111) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 01時半頃
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[いざ国谷の身体が薄れ、 腕の中の空気抵抗も弱くなって行くと
意思とは関係なくボロボロと涙が溢れてきてしまって。
とびきりの笑顔での再会を望む声>>@15には、 「うん、うん」と首を大きく縦に振るしか出来ず、
遂にその姿が消え去ってしまえば、
抱き着いた姿勢から、
支えを失ったようにその場に崩れ落ちた。]
(112) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 01時半頃
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― 夏の終わり・103号室 ―
……うん、決めたから。 ………そう 理学療法士、目指したいの。
え、だめだよ。学費は働いて……だめだったら、返すから。 うん……うん。じゃあね、……今度学校案内持って行く。
[通話を終えて、卓の上に携帯電話をコトリと置いた。
高校二年生の夏休みも終わり、 進路希望調査のプリントが配布された。
これまでは「就職希望」と書いてきたそれに、 今回は「専門学校進学希望」と記入する。
このわかば荘から通えそうな場所に、 良さそうな学校があったので、学校名まで埋めることもできた。]
(113) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 01時半頃
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[あれから、叔父夫婦にも「我儘」を言った。 断られるかと思っていたのだけれど、 予想に反して喜ばれてしまって、拍子抜けしたりもして。]
は、ぁ………。
[ため息の原因は入試。
入試の学科は得意の現代文で受けるとして、 小論文も恐らくどうにかなるだろう。 問題は――、]
面接、………ね。
[高校入試でも経験したけれど、 あれで受かるならやらなくてもいいのではないか、 というくらい無残なものであって――。]
(114) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 01時半頃
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[小心者故に、他人の表情の機微は特に、気に掛かる。
例えば、見上げた視線、揺れる瞳の色だとか 触れた掌よりも、今はそちらの方が気になった。]
けがれ。
[必死に意味を理解しようと、繰り返した。 除霊をその場で見ていない所為もあるが、所謂一般人、に分類されるであろう私は、ジャニスの仕事についての知識が圧倒的に不足していた。 するりと離れた指先。黒が、解けてゆきまして。 肌に刻まれた不思議な紋様に、軽く、目を瞠るのです。]
あ、あの、上手く言えないのです、が。 ジャニスさんの手は、お、お仕事をなさる手です。
汚くなんて、ありませんよ。
[潔癖症だとは、談話室で耳にした気がして。 触れても良いものか、戸惑う間を空けてから、おずおずと手を伸ばした。爪先は、指先に、軽く触れようと。]
(115) mo_om 2013/09/09(Mon) 02時頃
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[けれど、まだ一年以上時間がある。
世界最速がそれよりも速いかもしれないけれど、 これは、国谷の為だけで決めた進路ではないから。
あれから怪我をしたアスリートの手記などを読んで、
運動の苦手な自分でも、 そういう人たちのサポートが出来たなら……と願うようになり。
アスリート以外の患者さんおいても、 出来るだけ以前の生活に近く戻れるように、 それを手伝える仕事で、目指したいと強く思ったから。]
あ、まどかさん。 今日も走って……?
[部屋を出て、談話室に入って行く立花を捕まえた。 中へ入れば、他にも何人か集まっていたか。]
(116) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 02時頃
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[それから、躊躇うような、間。]
皆さんのことが、大好きなのですね。
[彼の心に深く根を張る理由。 それを知ることは出来ないけれど、このわかば荘の住人に触れて、好きで、だから辛いのではないかと。 あたしはそう、感じまして。]
(117) mo_om 2013/09/09(Mon) 02時頃
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[患者のリハビリを担当するのだから、 話すのが苦手などと言ってはいられないだろう。
苦手意識を克服するために 談話室に頻繁に顔を出すようになっていた。
キザな王子様は驚いてくれるだろうか。 昨今のお姫様は、ただ待つだけでないのだ、と。
もしも「完治しなかった」と恨み言を言われても、 責任を負うことが出来る職業であるのが少し。
沢山戸惑わせられたので、 彼の顔が驚きに崩れるのも見てみたいのが少し。
自信満々の顔に、 自信の光が灯った翠を向けられるといいと思うのが大半。
―――そんないつかの未来を夢見て。**]
(118) ぶんちゃん 2013/09/09(Mon) 02時頃
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[立花の表情を平静には見られない。彼女の瞳が何を思って見開かれているのかも、今の自分にはわからない]
……っ、 けど、
[反駁の声は、続かない。 あの時見ていなかったからだ、なんて浅い言い訳は何故か言えなかった。 手が伸ばされると、体が強張る。爪の先ほどの控えめさで、それでも立花の指が指先に触れた。
触れた場所から、体中に広がる熱。 ひとが、この手に触れたのは、いつ以来のことだろう]
(119) heinrich 2013/09/09(Mon) 02時半頃
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[そして少しの間のあとに、零された言葉。 息を呑んだ。指先が震えている。 体に広がる熱が内側を満たして溢れだす]
…… す き ?
[声が震えて掠れる。けれど痞えはしなかった。 立花のくれた言葉が、すとんと胸に落ちて、満ちたものをさらに溢れさせる。あぁ、そうか、と。茫漠とした心地で思う]
すき、です。
[指先に触れる、彼女の薄い爪の先。 縋るように、指をその先へと伸ばす]
好きです。
[彼女を見つめて、くしゃり、不器用に笑った]
(120) heinrich 2013/09/09(Mon) 02時半頃
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お仕事を為さる手、です。
[畳み掛けるように繰り返す。
そうしないと、今にも否定されてしまいそうで。
彼の口から否定されてしまえば、私はもうそれ以上強く出ることなど出来ないと、知っておりましたから。如何か届きますように。 不思議な紋様の描かれた、綺麗な指先。 必死に、控え目に、触れる。ちゃんと、温かい。]
ど、どうか、嫌わないであげて、ください。
(121) mo_om 2013/09/09(Mon) 02時半頃
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[ポットを片手で押さえているから、必然的に触れる手はひとつ。
彼は、"同じだけを返せない"と口にしましたが。 この目で見たもの。 ゼリーを皆に振舞ったり、病沢を気に掛けてくれたり、他にも沢山、沢山。この目で見たものを、あたしは、信じるのです。指先の体温を、不器用に笑う表情を、信じるのです。]
はい。
[眉を下げたまま、口許が綻ぶ。 今出来る精一杯の笑みは、ジャニスと似て、不器用。]
はい。 ちゃんと、知っているのです。
[絡まる指、彼の方が年上で、背丈も異なって でもどこか縋るようで、自然と此方からも絡めて。 少し声が震えてしまったのは、大目に見て頂きたいのですが。]
(122) mo_om 2013/09/09(Mon) 03時頃
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―七か月後:翌年の春―
[熱い排気ガスを噴き出して、緑色のバスが去っていく。
わかば荘があるのはこの小高い丘の上。 見上げれば、視界一面が桃色に染まっていた]
桜並木か……
[カツリ――杖を着いて一歩目を踏み出した]
(@19) rusyi 2013/09/09(Mon) 03時頃
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[カツリ、カツリ]
(@20) rusyi 2013/09/09(Mon) 03時頃
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[心は逸るが歩く速度は遅かった]
待っていてくれよ、お姫様……
[額に汗が滲む。 七カ月という短期間で驚異的なリハとトレーニングを積んだ国谷は無理やり退院して懐かしい坂道を歩いている]
すぐに、行くよ――
[下は見ない。 上を見ていれば、わかば荘が見えてくるのだから**]
(@21) rusyi 2013/09/09(Mon) 03時頃
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