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64 さよならのひとつまえ
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…
…
…やっぱこっちあそびにきなよ
なんかいろいろ…しいよ
こんどおいで
おれも…したいけど…ひとりだとやっぱ…しいし
…はもんじゃたべた…
…
…
…
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[朝食を食べ進めつつ、昨夜の、明智からの返信を確かめる。 彼からにしては、やけに簡素な気もするが、メールなど基本的に用件が伝わればそれでいい。 最近になって、そうでないメールもあるということを知ったけれど。 それらのメールは、すべて、保護がかけてあるあたり、我ながらムズムズする。]
ダメ出し大会かな、こりゃ……。
[用件はきっと、昨日の断髪式の写真のことだろう。 画像を開いて見るが、なかなかにひどい。 何を言われるやらと、内心少しハラハラしていた**]
(38) 2014/03/31(Mon) 14時半頃
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今日、窓を開けたら 季節の足音聞いたよ
[微かに歌いながら、指先はボタンをかつかつと押し。 もう一通認めるのは、遠く離れた元同室相手。 世紀の大告白を残していった、勇気のある小鳥谷へ。]
あぁ 君の仕草や笑顔が …僕の
[歌詞は曇り空に吸い込まれて消えていく。 空から小さな雨粒が落ちてくる。 細やかな音で、声を掻き消してしまうように。]
(39) 2014/03/31(Mon) 15時頃
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…その…のうちに…に…ると…まずは…ちょっとぶりの…が…と…っても…と…だけの…だけど…
…に…かう…にただいまを…げて…
…から…いにいくとみおくった…
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─ バス前・見送り ─
んーじゃ、成斗も那由多も、元気でな。
[門出の日に相応しく、さっぱりとした頭のふたりに、笑いかける。]
あぁ、そうだ。 お前らこれ食う?
[ポケットから取り出したのは、絵柄が364種類もあることで有名な『にゃんこのマーチ』の小袋だった。]
何か片付けしたら出てきたからさ……って、そんな古くねーからな! 正味期限まだヨユーだから!
[そんな微妙な餞別は、はたして受け取ってもらえたろうか。]
(40) 2014/03/31(Mon) 18時半頃
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というのは…だよなという…に…はいと…いて…
…は…なりに…ものわかりのいい…らしく…る…おうとしたのであろう…
…く…しい…をした…まあお…くらいの…の…は…や…れを…と…いしやすいからと…を…された…
…を…げつけておいた…
にて…
…
…えるように…ったら…ないだろ
…に…られたら…いが…わなくなる…っていうのはなんか…うか…
…
いや…
…は…が…に…いてたやつだし…
…だって…が…きたいから…
…ってるだろ…ちゃんと
…
どっちも…はあるが…
…は…いたら…も…たくなった…
…なら…で…いから…ったら…なり…なり…くれ
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―― → 見送りへ ――
[息切れして荒い呼吸のまま、バスに乗り込む那由多と成斗を見送る。 かける言葉は、出てこない。]
……飛んでっちまったから、 俺はしらねー。
[成斗>>+51の声に、ふい、と視線をそむけながら答える。 そんなもん持ってんじゃねえ、出掛かった言葉は飲み込み、ただきつく握った右手に更に力を込めた。]
(41) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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[これでいい。 何も言わずに。 ただ、“友だち”として見送れば良い。]
……、っくしょ、!
[それでも、バスが出発し、走り出したなら。 足は自然と、追いかけるように走り出していた。]
(42) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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成斗!那由多!
[エンジン音にかき消され、聞こえないかもしれない。 窓の外を見ていなければ、気がつかないかもしれない。 けれど男は二人の名を叫ぶ。 バスと並走するように、懸命に走り続ける。]
(43) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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那由多! ……同室、楽し、かった! また、頭……、撫でさせ、……ろ!
[味覚が変で、ちょっとぶっきらぼう。でも育てる花は綺麗で、思いやりのある那由多へ。 息を切らしながら、頭によぎる思い出を慈しみながら叫ぶ。
バスはどんどんと加速して、抜かされそうになりながらも、必死に駆ける。 あと、ひとつ。]
(44) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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成斗! ひよこ、大事に、……すっから! ……ッ、……
―― お前も、元気でッ!
[スマートフォンにつけた1羽のひよこが、腰元で羽ばたくように揺れている。 息が苦しい。脚がもつれる。 それでもぐっと、右手で作った拳を振り上げた。
大切な“友だち”を見送る、笑顔を浮かべて。]
(45) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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[がくん、と足が折れた。 転びそうになって、その場に蹲る。 バスは容赦なくそのスピードを上げ、走りさってしまった。
その車体は遠くなる。遠く、遠く。]
っは、……っはぁ、ちっくしょ、
[荒い息のまま、全身の力を抜いた。 道端であるのも気に留めず、アスファルトに寝そべる。 もう、それを咎めるものは、いないのだから。]
(46) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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[眼前に手を翳し、振り上げてそのまま握りしめていた右手を、そっと開くと]
―― ばっかやろ。 好きだよ、成斗。
[フェルトがふわふわと毛羽立った、 今の男の髪にそっくりなひよこが1羽。 1羽は持っていて欲しい、そう、思ったのだけれど、できなかった。
この想いは一方通行。 交わることのない、環。]
(47) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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好き、……だったよ、成斗。 ―― さよなら。
[だから。 泣き出しそうな曇り空に、自らを取り巻く円環に。 今度こそ、別れを告げた**]
(48) 2014/03/31(Mon) 19時頃
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―― 回想・昨夜のこと ――
[1つ、2つめはまだ良かった。 しかし4個食べ終える頃には味の区別が出来ないくらいまでになっていた。]
……つえーじゃねーか、プリンよ。 俺はもう……限界だ……
[腹を摩りながら、智明>>36に笑みを向ける。 お互い顔は冴えずとも、いつものような騒がしい夜。]
(49) 2014/03/31(Mon) 19時半頃
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ん?
[智明の声>>37にふと、彼の表情を伺った。 視線を落とせば、その手は震えているようにも見える。]
ちー。 俺は知ってんぜ、お前なら大丈夫だ。
[その意味は、まだわからないけれど。 いつか彼が話してくれるそれまで待とう。 ただ今は、茶化でもなく、笑みを向けた。 彼を元気づけるように**]
―― 回想・了 ――
(50) 2014/03/31(Mon) 19時半頃
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…
…く…まれる…
…
…に…が…ない…に…する…かに…け…った
そうか…か…お…れさま…は…かないと…ってた…なんとなく
…ち…いたら…えろよ…しに…く
…で…なにかしてほしいことあるか
こんなことを…く…は…だぞ…なにか…っておくといい
…
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[バスの自動扉が閉まり、クラクションを鳴らした後、走り出す。 ……や、否や、バスを追いかけ始めた鳥塚>>42を見て、驚いて目を見開いた。
保科と小熊に向け、叫ぶ声は聞こえるが、何を言っているかまでは曖昧にしか分からない。 やや遅れて追いかけて行くが、鳥塚が崩れるように蹲り、アスファルトに寝そべる>>46のを見て、速度を落として彼の元へ近寄った。]
環……大丈夫か?
[起き上がれるかと、片手を伸ばす。 秘やかな告白の声は、走り去るバスのエンジン音に紛れ、聞こえなかった。*]
(51) 2014/03/31(Mon) 19時半頃
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