64 さよならのひとつまえ
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…
…ごはんうまい
あえて…らかしておく
…んできたのをぜんぶ…にしてやる
え…
…
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―ゴミ捨て場―
[最後のごみ袋が軌跡を描き。 ぽさりと、他の袋に飲み込まれていく。]
ほい、おしまい。
[あれだけ手こずっていたのに、いざ片付け始めるとあっけないものだった。 あとはボストンバック一つ持って、旅立つだけ。 三年間が終わり、今度は四年間が始まる。 ただそれだけ。]
…全然違うな。
[今更ながらに思い知る。]
(120) 2014/03/29(Sat) 23時頃
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[袋を片手に歩く利一に>>124「よっ」と片手を挙げると、小さく頷く。]
ああ。これでありすに蹴られなくてすむ。
[一度振り返り、不要とされたゴミの山を見上げた。 今日の放送を利一は聞いていていただろうか。]
一足先に行くわ。利一も元気で。
[最後にお前にシャンプーしてもらえなかったのが、心残りだなと。 小さく笑って。]
(125) 2014/03/29(Sat) 23時半頃
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フラグ…。
[>>127やっべと少し考え込んで。]
よし。 お前に任せて、俺は先に行く。 ――なに、すぐ追いつくさ。
[どこかで聞いたことある死亡フラグの台詞を微妙に改変して、わざとらしく声に乗せる。 利一の地元の話には、「行けたら」と頷いて。]
カツオパフェ…。
[初めて聞く単語に、目を丸くして、ぱちぱち数度瞬いたあとで。]
お前の趣味、凄いな。
[ないわーと。 各方面からツッコまれそうなことを、一言。]
(132) 2014/03/30(Sun) 00時頃
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おう。じゃあ、シャンプーはその時を楽しみにしてる。 お前も次に会う時までに成長して、俺の髪を洗うに足りる、立派なシャンプー師になれよー。
[ちなみに普段は、適当に4分で洗う。]
(133) 2014/03/30(Sun) 00時頃
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…
…らかになった…のじじつ
あるよ…いっぱいあるよ…
あんまいっぱい…くのすきじゃないからしんどい
というか…あったんだ…
なんか…その…が…どうなってるのか…だよ
あれっていつの…だっけ
…ふわふわしてたから…に…けられたか…えてないや
とにかくその…がおれのいえにくるわけだな
なるほどな…
…
さんも…きっと…な…いさせてしまったか
…ほんとあいつ…だから…すぐ…に…って…てしてやりたい
…されなくてよかった
…きになってごめんなさい
…きになってごめんなさい…
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そんなフラグ立てやがって…もし本当に蹴られたら、お前が箪笥の端に小指をぶつけるよう祈ってやるからな。
[>>134蹴られとけと言い放った相手に、人差し指を大げさに突き付ける。余った片方の手は腰にそっと添え。 格好つけたポーズだが、残念ながら内容はそうはいかない。 利一とは顔を合わせればこんなやりとりばかりだったが、返って来る会話のテンポが小気味よくて、心地よかった。 これも最後だなと、そう思うのは今更過ぎる。]
ノニジュース美味いだろ。
[罰当たりめと、唇を尖らる。]
ん。じゃあ次にお前と会う時は、シャンプーとカツオパフェと…おまけにノニジュースで乾杯な。
[にやりと、唇の端をあげて。 果たされる可能性が見えない、約束を。]
(136) 2014/03/30(Sun) 00時半頃
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もう一回蹴られろって…お前。
[先程とは異なり冗談で片付けられない、切なげな笑みを見てとれば。 茶化す言葉は失われる。 いつものように言い返そうと、何度か口をぱくぱく開いたが、結局酸素を取り入れるだけで終わった。 そのまま、食堂へと立ち去る後姿を見つめれば。>>135]
痛いこと言うな。
[ぽつりと。 それは的を得ているという意味か、心を抉るという意味か。 単に蹴りの威力を思い出して身震いしただけか。 自分でもわからない。
ただ、
数日だけとはいえ、『先輩』の言葉は、ひどく重くて。*]
(139) 2014/03/30(Sun) 00時半頃
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…
…べつにいいけど
…いの…ってて…ってるの…それ
それでもいいなら…に…じ…で…てもいいよ
おれは…にしないし
あと…のこと…げてないでりいちもへやかたづけなよ
じゃぁ…うの
…が…てる…で…てたの…やらしい
…
…
…
…
…
…うだけなら…わないでしょうか
いつかちゃんと…てますので…もう…しだけ
…
…
…ぇぁ…
…はい…
…お…は…んだんで…ですよ
…
…これが…
…
いと…えば…いんだけどな…
…いや…まあ…のは…れてくれ
…けしてあの…に…うんじゃないぞ
…
…いや…どうだろう…
…に…えたら…は…が…しいんだろ…
…っていうか
…を…きな…がそうそう…
…りに…たり…な…で
お…も…なんて…うものだから…
ぶっ
…
…な…いって…え…
…いやそうじゃないな…ちょっと…ってろ…
…すみませ…
もかって…は…お…も…
…お…も…そうなのか…
…
…が…ってる…なのか…
…
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―4分間―
(やっぱ綺麗だよな) (睫毛長いな) (―…スとかしたら、)
[どんな顔、するんだろう?
目の前に無防備にさらされた顔に湧き上がる衝動が無かったと言えば、嘘になる。>>148 それでも頬に触れることを受け入れてもらえたことを思えば、その信頼を裏切るわけにはいかなかった。 単純に、怖かっただけかもしれない。
その4分間はとても短くて、あっという間に過ぎ去ったようで。 …思い出を振り返るには、十分な時間でもあった。
園芸部に入部したものの、そのこと自体に興味は無かった。 最初は部活もさぼりがちだった。男に対して「綺麗」と言う感情を抱いた自分を、認めたくなかったのかもしれない。 それでも顧問に言われて、たまに顔を出せば「そいつ」は誰よりも一生懸命で。 ―――誰よりも、花を枯らしていた。
(164) 2014/03/30(Sun) 02時頃
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花を育てるって、そんなに難しいものか? 手を出したのも単なる興味本位。 想像と違って案外容易く花弁を誇らせたことに首を傾げつつ、胸に飛来した感情は、決してそれだけではなった。 嗚呼…そうだ。]
(嬉しかったんだ、俺は。) (また自らの手で、何かを生み出せたことが。)
[同時に横で「また枯らしてしまったと」苦い笑みを浮かべる男の存在が気になった。 それから何輪もの命を芽吹かせた。その度に、新しい歓喜がじんわりと胸を満たす。
それが、いつからだろう? 開花を望むのと同じように。 隣の男が大輪の花を手に、その顔をほころばせる姿を見たいと強く思うようになったのは。
だってそうだろう? ――俺にその喜びのきっかけを与えてくれたのは、お前なんだから。]
(165) 2014/03/30(Sun) 02時頃
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…
…
…え…
…
…が…こったが…する…は…かった
わるいな…
そもそも…する…が…っている…
…が…たら…しいかも…れないが…
お…が…たら…に…うんじゃないか…
…うもの…る…には…もおかしくないだろう…
あ…そうだな…お…なもんを
こういう…く…が…い
…も…には…につけそうだ
…
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[お前と過ごせた三年間。
――――俺はすごく、楽しかった。
空っぽだった自分に、与えてくれたのはお前だったから。 きっと本人は知る由もないけど。]
ほら、あとは自分でやれよ。
[感傷の浸る時間は、もうおしまい。 ほんのり温かくなったタオルをぽいっと放り投げる。]
次からは自分でやれよ? 俺はもう、いないし。 つーか次とか作るな。一勝怪我しないで生きていけ。 …じゃあ俺寝るわ、おやすみ。
[自分でも何を言っているか分からない無茶な要求を一方的に押し付けると、顔を背けてベッドに横になる。 早寝なのはいつものことだが、それ以上に。 これ以上情けない顔を、見られたくなかった。*]
(167) 2014/03/30(Sun) 02時半頃
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―今・ゴミ捨て場―
[利一を見送り、そろそろ飯でも食うかと携帯で時刻を確認すると、メールが着ていることに気が付く。]
……。
[断髪式って、何?]
(168) 2014/03/30(Sun) 02時半頃
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