64 さよならのひとつまえ
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そっか、そっか。 お互い難義だな、俺達。
[何とか表面だけでも落ち着きを取り戻すと同時に飛来したのは、 驚きと安堵と…失恋への苦しみ。 拒絶されなかったからと言って、思いを告げられるわけは無く。 彼が同性を想っているというのなら。
瞳に映るのは、彼の''ダーリン''に決まっている。]
…よし。ありがとな、ありす。
[今だけは、その眼を逸らすことなく自分に向けてくれたことに。 どうしようもなく感謝して。]
(93) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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俺もお前が初めて。 仕方ない、初めて同士の縁で黙っていてやるよ。
[何なら指切りでもしてやるぞと、冗談めかして掲げた小指をすぐに仕舞い込む。 一息で怒涛のように送り込まれた苦情に>>102、自然と笑みが浮かぶ。 変わらない態度が嬉しかった。 だから今はそれで満足する。 それ以上望むのは過ぎたる願いだと。
―利政と。>>102 今しがたまで思い浮かべていた名前に、どきりと心が跳ね上がる。
恋愛感情が無いと言われて沸いた心に、あさましいなと苦々しく笑って。]
(…朔太郎、か。)
[彼が「ちゃん」付けで呼ぶのを赦している存在。 ああ。畜生。 あいつも――いい奴だ。]
(130) 2014/03/27(Thu) 21時半頃
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まあ、誰がお前の『ダーリン』でも、応援してやるよ。 どっちにしろ、俺は失恋してるし。俺のことはあんまり気にするな。
ルームメイトのよしみだ。お前はせいぜい幸せになれよ。
[口角を少しだけ上げて―――さあ、笑え。 一世一代の演技は伝わっただろうか。]
(131) 2014/03/27(Thu) 21時半頃
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知ってるよ、おせっかい。
[俺が馬鹿なのも。お前がお人よしすぎるのも。
…前言撤回。 嘘の笑顔に素直に騙されてくれないなんて、 お前、やっぱ…俺にも厳しいな。
だから嫌だったんだ。 告げたらお前、困るだろ。 困らせたくなかったのに、そのまま黙って退寮の日を迎えるつもりだったはずなのに。 きっぱりとした拒絶を選べないのは、――未練か。
掴まれた箇所がひどく熱い。 そこから鼓動や体温がすべて相手に伝わって行く錯覚を覚え、気恥ずかしくなる。]
(191) 2014/03/27(Thu) 23時頃
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じゃ…お言葉に甘えて。 嫌だったら、遠慮なく蹴り飛ばせよ。
[言うが早いか。繋がった手をぐっと惹き寄せ>>147、腕の中に招き入れる。 抵抗されるようなら素直に開放する。 樹央ほど身長にこだわっていた覚えはないが、少し見上げなければいけない位置が、少しだけ悔しい。 暗闇の中、母を求める子のように。腕の中の体温に、必死に縋りつく。]
(192) 2014/03/27(Thu) 23時頃
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の…
…ん…
…ん…きなさい…は…いちゃったから…は…するの
…だから…が…わりに…いて…ね
…
…い
…
…えてよかったじゃん
…えらいえらい…をあげよう
…
…きな…いいよ
…
ち…いかどうかとか…にもよくわかんないから…せるけどさ
…ば…
…じゃないよね…
…
…
…
…うるせ…
もう…っちゃったよ
…り…しやすいとこにおいとけばか
…
…
…
…いてました
…ったこと…っても…してくれるかな
おれ…えてなかったんだよね
すすむもごめん
…は…なんだけど…は…えちゃうんだよな
…いてたらまた…する…なんか…しいもん…べにいこうよ
…
…
…
…
…の…
…は…ついてからでいい…
まだおぼえてない
…が…っぽく…ってる…ちょ…だい
いっぺんに…の…が…くらい…けそうなやつ
…
…そう…そうなのですよね…
…きになってしまったものは…もう…
…
なんぞするやつは…だと…っておりました…
…いまでも…っております…
…がした…
…ですが…この…は…
…ったより…くありません…
…かなりいま…しい…です…
…
のほうが…だよ…と…
…は…えらいねぇ…
…
…よし…ったら…る
…くらい…る…そんで…らして…がせる
…
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[5つ年上の兄は何でもできた。
幼い頃は人並みにやりたいことや、夢といったものがあった気がする。 でもすぐに何も無くなった。兄の方が全部上手にできたから。 才能に愛された兄と残りカスの弟。 両親の期待が集中するのも必然だった。
例え兄が失踪した後でも、ありがたいことに、彼らが俺を見る目は変わらなかった。
『今更、あなたには何も期待していない』
優秀な跡継ぎを失った後でさえ、「親」と呼ばれる二人は、はっきりと言い切った。
―――でも、みっともない真似だけは、しないで頂戴ね。
高校に行って、大学に行って、会社に入って、結婚して。 ごく平凡に暮らしなさい。 貴方に望むのは、それだけだからと。
――それ以外は、認めないからと。
(221) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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改めて言われるまでもなく、選びたい道なんて存在しなかった。 高校に入って真っ先に選んだのは帰宅部だ。 それに苦言を呈したのは園芸部の顧問だった。 部活に入るのを望まなかったのは、自分以外にもいたけれど。 彼らはそれぞれ、他にやりたいことを持っていたから。
『見学だけでもしてみないか』
提案を受け入れたことに深い意味は無かった。 見学したうえで断ればいいと思った、それだけ。 なのに結局三年も居続けることになった。
(224) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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夕暮れの部室で、 黄昏に照らされながら、
花を愛でるその姿が、
『いや…綺麗だなって思って。』
今更あれは、お前のことだったなんて。 とても言えないけど。
(225) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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ありがとう、ありす。
[拒まれなかったことにもう一度感謝して。 更に少しだけ力を込める。 零れ落ちた自分の名前を>>206、宝物のように心の中に大切にしまいこむ。]
お前は、立派な花屋になれよ。
[耳元で小さく囁いて。 美しい人の身体をそっと放す。]
(227) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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ナユタは、ライジとススムの噂は大丈夫だったのかと考えた。
2014/03/28(Fri) 00時半頃
じゃぁ…されたら…
…は…りたらどうすんの…
…は…だけど…るん…
…
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おう、愛してやれよ。
[>>234俺の分まで――と続けることはできなかった。 これでおしまい。 夢も、花も、恋も。 高校生活と言うモラトリアムが与えてくれたひと時の幻。 それが終わったら全部捨てるのだと、最初から決めていた。]
ああ。ちゃんと片付けるさ。 全部、片付ける。
[辺りに散らばる祭りの名残と。 艶やかにほほ笑む愛しい人。 キラキラと色鮮やかに輝く夢のような時間は終わりにしよう。]
さようなら、ありす。
[ぱたん、と閉ざされたドアに告げるのは。――まごうことなき別れの言葉。*]
(242) 2014/03/28(Fri) 00時半頃
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―花壇―
[結局、博のようにはなれなかったけれど。 これでよかったと、自分を納得させる。]
だから、知ってるって。
[また一つチューリップが花を咲かせた。色は白――。 お前ら、俺のこと嫌いかと。 苦笑交じりに問いかける。
それも当然かもしれない。 花達を口実にして、自分はずっと彼の側にい続けたのだから。]
分かった、悪かった。 今日は一日中世話してやるから。 ――機嫌直してくれ。
[降参、と両手をあげると。 食事をとるのも忘れて、土いじりに没頭する。]
(251) 2014/03/28(Fri) 01時頃
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[途中で無造作に伸ばしっぱなしだった前髪に気が付けば。 かつて浴場で利一に言われたことを思いだす。>>2:288
ズボンから携帯を取出し。 メールを一通。]
(257) 2014/03/28(Fri) 01時頃
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ぎの…
…
…
…いてました
…した
…に…びに…く…した…しないと
あのとき…ごめんなさいって…ったら…なんかお…われた
すすむもお…っていいよ
すすむがほんとうに…な…になりそうで…はいまから…です
なんかあったら…しろよ
…はことしで…つです…り
つぶやいた…ってそんなことできんの…すごいね
はじめてみよう…がんばろう
はこってなに…
…
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[メールを返信して眉をしかめる。 なんとなくあいつは、人一倍手を大切にしている印象があったから、怪我をしたとは穏やかではない。 乱闘騒ぎがあったとは知らず、嫌な予感に警鐘だけが鳴り響いて。]
寄せ書きか。
[さてどうしたものかと、土が混じり込んだ爪先を眺める。]
(344) 2014/03/28(Fri) 08時頃
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