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108 Persona外典−影の海・月の影−
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[あかりに抱き締められると、あのときのことを思い出す。>>206 腕はもう痛くはないが、心の痛みはあのとき以上だ。]
いえ、私が悪かったんです……私が、おとうさんをけしかけてしまったから。 それに、お父さんのことは苦しいけど……その悲しみを、埋めてくれる存在がいますから。
[そういって、抱擁に応える。 先輩だって、悲しみを埋めてくれる存在なのだと。 はっきりと口には、できなかった。]
(217) 2015/02/17(Tue) 02時頃
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[伝言を聞くと、少しだけムッとする。>>214]
麻夜、言うの遅い。 ……でも、言われてもどうしようもなかったかも、かな。
[なにせ、あかりのことは殆ど知らない。 クラスでも知っていれば、会いに行けたのだろうが。]
(219) 2015/02/17(Tue) 02時頃
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あ……ふふ、そうでしたね。
[名前が同じことをすっかり失念していたと、苦笑する。>>222]
そうなんですが、あんまり出歩けない体なので……。 特に病院は、その。色々と。
[病院は、窓が多いことが多々ある。 患者への配慮なのだろうが、私にとって辛いのだ。]
……そう、ですか? 次の……満月。
[不思議と、かわいいと言われて、嫌じゃなかった。 それが腑に落ちないまま、作戦会議について聞いたことだろう。*]
(225) 2015/02/17(Tue) 02時頃
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はい!絶対行きましょうね!
[あかりの言葉に強く頷く。>>224 何を食べに行こうか。 一緒に料理を作るのもいいかもしれない。 そんなことを考えると、今から楽しみだ。]
(生き残って、誉めてもらわなきゃ。 約束したんだもん。)
[そう、心に決めた。]
(228) 2015/02/17(Tue) 02時頃
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「しねぃ。 俺を殺したことを、母さんを殺したことを。 後悔して死ねイイイイイイイ!」
お父さん!やめてぇっ! 殺さないでぇっ!
ザシュッ
がああああああ! あ、ああああ……。
ドスッ ザクッ
や、やだ、麻夜、助け……。
スバァッ ボキィッ グシャァッ
………………。
(241) 2015/02/17(Tue) 06時半頃
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うあああああああああああ!
[飛び起きて、目が覚める。 ここは……麻夜の部屋。隣には、麻夜がまだ寝ている。 時刻は……午後10時。そして今夜は、満月。
多分寝ている麻夜の頬を撫でる。]
夢……そうだよね。お父さんは……。 麻夜……私、私……。
(242) 2015/02/17(Tue) 06時半頃
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……後悔、したくないの。
[寝ている麻夜の顔に自分の顔を近付け。
そっと口づけを落とした。
触れるだけ。それでも、ずっと離れず。 感触を確かめるように、唇を押し付けた。]
(243) 2015/02/17(Tue) 06時半頃
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[こんなことをされても気付かない彼を、可愛く思う。>>246]
ずるい、なぁ。 あなたは、麻夜は、私の心を、持ってっちゃう。
[満足すれば、体を離し、先に着替えておく。 今夜は、何が起こるのか。]
(267) 2015/02/17(Tue) 20時半頃
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─満月の夜─
[作戦会議には、あまり参加していないまま迎えた二度目の夜 行き先は麻夜に任せたが、麻夜と行動する、それは譲らなかった。]
スクナビコナ……。
[ペルソナの鱗粉が、麻夜の腕にまとわりつく。 それは痛みを和らげた上で、防護壁にもなるだろう。]
……無理させないからね。麻夜。
[そう、語りかける。]
(268) 2015/02/17(Tue) 20時半頃
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うん、無理しない……。
[みんなのペルソナが探索しているのを確認する。 >>278 また、私はなにもできないのだ。 まだ、出番ではないだけ。]
(ちがうでしょ?)
……えっ?
(ほうほうはあるじゃない。)
なに……う、あ、あ……っ!
[突然、心が辛くなる。 いや、楽になっていく? なにも考えなくていいような、そんな感じ。 そんな気分と裏腹に、体は頭痛と吐き気に、苦しみ始める。]
(327) 2015/02/17(Tue) 23時頃
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う、うん、だいじょ……う……。
[伸びてくる腕に。 支えられるように回される手に。 既視感を覚えたとき。]
(ほらころさなきゃ。 あのときみたいにさ。 じゃないと、しんじゃうよ?)
[そんな声が聞こえた。]
(352) 2015/02/17(Tue) 23時半頃
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[フラッシュバックする、なにか。]
「しねぃ。」
ザシュッ
ドスッ ザクッ
ズバァッ ボキィッ グシャァッ
[嫌にリアルな、からだの痛み。]
(354) 2015/02/17(Tue) 23時半頃
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いやああああああああああああ!
(まかせておいてよ。あかりにさ。)
[叫び声に呼応し、スクナビコナが殻を破る。 容姿端麗な姿はなくなり、昆虫のような顔と体に羽化する。]
うわあああああああああああああ!
[咆哮のままに、スクナビコナから出されるのは、無数の糸。 それが、一瞬で麻夜を囲むように伸びた。]
(ほら、だいじなひと、とじこめたよ。)
……っぁ!だめっ!動いちゃダメえええええ!
(355) 2015/02/17(Tue) 23時半頃
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あ、ああっ……だめ、麻夜!動かないでっ!
(なんでとめちゃうの? ころさなきゃ。ほら、あのときみたいに。)
[声が反響する。 いくつもの光景が、フラッシュバックする。
糸は伸びきったものの、隙間を空けて麻夜を囲む。 ただ、囲むだけで、一切麻夜の動きを制限しようとしない。 しかもその糸は、とても細く、触れれば切れそうなものだった。 それでも、本能が告げている。]
動いちゃダメっ!お願いっ!
(わからないの?わるいこだなぁ。じゃあ。)
(364) 2015/02/17(Tue) 23時半頃
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[スクナビコナが、糸を残して消える。 そして、新たに、黒い装束と仮面に身を包んだペルソナが表れる。]
(こうしちゃえっ☆)
[そしてそのペルソナは、明の首を絞め始めた。]
……っ!か、はっ。っ!
(あはは、いいひょうじょう。 つらいよね?くるしいよね? でもね、それはおわらないよ。)
[苦痛の表情を浮かべる。 苦しい。苦しいのだが。 不思議なことに、肺に空気は染み渡っている。 なのに、呼吸のできない苦しみがある。 そして首を絞められる、痛みも。]
……ぁっ……。
(368) 2015/02/17(Tue) 23時半頃
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「………………。」
[黒衣は、動じない。 それどころか、見てわかるほどに明の喉を締め付けている。]
っっっっ!
[その表情から、激痛がわかるだろうか。 そして一瞬見開かれた目は。 ごくあっさりと、閉じた。]
「………………。」
[黒衣は、表情をなくした明を降ろし……否、落とし。 飛んでくる石片に、背負っていた鎌を振るった。 すると、石片はもとの石畳となって、その場に落ちていく。]
(385) 2015/02/18(Wed) 00時頃
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[敵が現れても、黒衣は動じず、不動の構えだ。 何故なら、「理解していた」から。 その糸が、結界だったこと。 目の前の標的が、決壊させたことを。]
「………………。」
[黒衣は、鎌を背負った。 もう戦いは終わったと言わんばかりに。
そして。]
(408) 2015/02/18(Wed) 01時頃
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[麻夜へ向けて、白く光る、細い物体が。 全方位から、無数に、飛び出してきた。
それは、糸。 しかし、尋常な硬度ではない。 最早、極細の針と言える無数の糸が。
麻夜につきささらんと、襲い掛かった。]
(412) 2015/02/18(Wed) 01時頃
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「………………。」
[見事だと、言わんばかりに。 黒衣は、頷いて見せた。 そして。]
ぱちぱちぱちぱち。 すごいね、やるじゃない。 きゅうしょにあたらなければしにようがないものなんだよね。 まぁ、いたいだろーけど。
[軽快な拍手と共に、明るい声音が響く。 その出所は、倒れ伏した少女で。 あっけらかんと起き上がると、語り出した。]
(425) 2015/02/18(Wed) 01時頃
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このこ、あなたがきにいったって。 だから、こんなのでいびりころすのはやめにするの。 しょーめんから、このこがあいてするから。 そのときをまってるといいよ。
[少女は明るく、宣戦布告をする。 そして、黒衣が動き出す。]
「………………。」
[背負った鎌で麻夜を切り裂く。 すると、肌に刺さった糸はひらりと剥がれていき、刺さっていた傷口は消え去っているだろう。 さらには、動かなくなっていた腕も、完全に修復されたはずだ。]
おんじょーはここまで。 つぎは『あかり』があなたをころすから。
(429) 2015/02/18(Wed) 01時半頃
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きゃはははははははは! わたしはわたし、『あかり』だよぉ。
もうふらふらなんじゃないのー? わからないならわからないまましんじゃっ……ぅ?
[少女の笑い声が急に止まる。 見れば黒衣が、少女を小突いて止めたようだ。
さらに黒衣はふらついた麻夜の頭に鎌を振るう。 それは首を刈り取らず、ただすり抜けた。 最も、頭は唐突に覚醒へ持っていかれただろうが。 黒衣により麻夜は、どれだけ頭に負担がかかっても決して倒れない、倒れることは許されない体へと、一時的に変化……いや、進化したのだ。]
(447) 2015/02/18(Wed) 02時頃
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っ、つくづくきにいらないなぁ! たおれるのながめてほっときゃいいじゃん! くろ……や、『世界』はあなたにせつめいをきいてほしいそうよ。 いいよいいよ。せつめいしてあげる。
わたしは楠 明のじんかくのひとつ。 もっというなら、せいかくのいちぶぶんがペルソナとしてじんかくにうまれかわったそんざい。 だから、わたしは『あかりであって明でない』。 わかりにくかったら、たじゅうじんかくだとおもうのね!
楠 明はあなたをころそーとしないでしょ? だから、このわたしが、あなたをころすの! あーはっはっはっはっ!
[少女は高笑いをすると、ニヤリと口許を歪めて麻夜を見た。]
(449) 2015/02/18(Wed) 02時頃
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でも、わたしがでてこれるのはこのじかんだけ。 だから……ころされたくなければ、わたしが楠 明のうちにころしてみれば?
さいごにいっておくわ! わたしのアルカナはうらぎりの『悪魔』! このこのアルカナはかんぜんなる『世界』! あなたがわたしたちとたたかうゆうきがあれば、またあいましょう!
[そういい終えると、黒衣は消え、少女は再び表情を失い、崩れ落ちた。]
(450) 2015/02/18(Wed) 02時頃
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