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28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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─談話室─
[ものおもう、ぼんやりとした視線。 裕の心はここにあらじと顔に書いてあったけれど 福原の一言でぎょっとして現実に引き戻された。]
そ
[れは、さすがに、危ないんじゃないか。
一人暮らしの女の部屋の鍵を 得体の知れない若い男に渡すなんて──。>>186
合鍵でも作られたらどうするんだろう。 くりっとした目を福原に向けて、小綺麗な顔を見つめる。]
(210) 2013/09/04(Wed) 11時頃
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───〜〜…、
[けれど言葉はまたも音にならず、 空気と少量の唾液と共に裕の胃に飲み込まれた。]
(211) 2013/09/04(Wed) 11時頃
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[える、と名乗った男は、 裕から見てあまり無害そうではなかった。
いかにも今風の、バンドでもやっていそうな容姿。 遊びに慣れていそうでもある。
名前は本当にペットじみていて、本名か冗談かわからない。
会ったばかりの男を住処まで連れて来て、 鍵を渡して部屋にあげる。
というのは、つまり──ソウイウコトなのだろうか?]
(212) 2013/09/04(Wed) 11時半頃
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[越して来てひと月と経たない裕には まだ福原のひととなりまでは掴めていない。
もしかしたら、こうしたことはよくあるのかもしれない。 だったら、自分が口を挟むことではない。
至った結論に、裕は口を閉ざした。]
(213) 2013/09/04(Wed) 11時半頃
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[大学生って、スゴい。
たった二年の差が、 裕にはとてつもなく広く大きく感じられた。]
(214) 2013/09/04(Wed) 11時半頃
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[裕が妙な感心をしていると、 リピートしなかった病沢が無言のまま近付いて来て 水の入ったコップを差し出す。]
え
[戸惑い、水と病沢を交互に見る。すると、 病沢はコップを持っていない方の手で裕の手を取り、 強引にコップを握らせた。]
え、ぁ、え──
[だってこれは、飲むんじゃなかったのか。 困惑し、口篭る裕の前で]
……!!
[病沢はぽろぽろと涙をこぼし始め 狼狽えた裕はもともと大きな瞳をめいっぱい開いて 病沢の顔を凝視した。]
(215) 2013/09/04(Wed) 11時半頃
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[涙を流しながら小さく咳き込む病沢に]
水……
[飲んだほうがいいんじゃないかと、 渡されたコップを差し出してみるけれど、 それは受け取られることはなかった。
大丈夫なのかな──。
心配そうに、談話室を出てゆく病沢の後ろ姿を見送る。]
(216) 2013/09/04(Wed) 11時半頃
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[>>186ルミから部屋の鍵を放られれば、ひょいっと受け取る。]
一応、深夜の公園で毎日水ぶっ掛けて キレイキレイしてんだけどな。
[秋口とはいえ、まだ残暑の続く季節。水浴びで特に不自由はなかった。 そこで、ハタリとルミの言葉を脳内反芻する。 『撫で心地』つまり――]
風呂入ったら、撫でてくれんだ。 んじゃ、入ってくる。
[心なしか軽い足取りで部屋を出ようと動き始める。 >>216水を持ったまま佇む女の子の横を通りざま、ポケットからチュッパチャップスを出して放り投げた。 一人だけまだチュッパチャップスをプレゼントされてないから先ほどから一人悶々としてるんじゃないか、と見当違いの結論で。]
ほら、あげる。
[だから、落ち着いて。]
(@55) 2013/09/04(Wed) 12時頃
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[追いかけて声を掛けるべきか迷い、 結局その場に留まったのは、 人前で泣いてしまった時、 自分ならそっとしておいて欲しいと思うからである。
可愛い女の子になら、慰められたい気もする。
だけど
素の自分は そうでは、ないのだし。]
(217) 2013/09/04(Wed) 12時頃
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[音にはならない言の葉が、降り積もり、自分を責める。
心配そうな表情のままその場に立ち竦むように佇んだ裕に 福原のペット(?)から、何かが放り投げられた。]
え? あ
[慌ててコップを持たない方の手を伸ばしたら 何とか上手くキャッチ出来た。
見ればそれは2
1.コーラ味 2.ラムネ味 3.プリン味
のチュッパチャプスで──]
(218) 2013/09/04(Wed) 12時頃
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ぁ──、 ありがとうっ
[爽やかな水色の包装紙をまじまじと見つめた後、 顔を上げて、えるに礼を言った。]
(219) 2013/09/04(Wed) 12時頃
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― 廊下→102号室 ―
[稼働を止めた機械は夢を見るのか。 彼は恐らく夢を見ていた。或いはそれが夢ではなく過去のいずれかのワンシーンだったとしても、今の彼にとってはそれはただの夢である。
黄色の屋根の家を出て走る内に、道に迷ってしまった。家を意図して出たのだから、家に戻るわけにはいかない。かといって何処に進めば良いかも分からない。 途方に暮れる彼に優しげな声が掛かる。柔らかく、花の匂いのする女の人の声だ。目と鼻と口のある、至って常識的な人の外見をした彼女が緑の屋根を指差す。 「困った時は、あそこに行けばいいのよ」と。そう告げた彼女の声は、常識的な女性のものとは少しだけ違っているように、彼には記憶されていた。 怒鳴るような荒々しいものでもなく、嘆く様なか細いものではなく、狂ったような尖ったものでもない。ふわりと包み込む毛布のような。]
(220) 2013/09/04(Wed) 12時半頃
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[>>200抱き上げる腕に、平均よりも随分と軽い体重を預けてされるがまま。水のペットボトルだけは片手に掴んだまま離さず、道連れに。 >>201>>203 寝かされたソファーの柔らかい感触に甘えるように寝返りを打って、まだ夢うつつの意識の中、何かを探すように細い指先だけがふわりと宙に伸びて、ぱたぱたと所在なさげに上下に動いた。]
………… ……
[薄い唇が微かに動いて何かを呼ぶ。掠れた音は聞き取るには明らかに不十分な音量で。]
(221) 2013/09/04(Wed) 12時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/09/04(Wed) 13時頃
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―わかば荘への帰路―
ふぅん、こんなものか?
[買い物は至って順調だった……気がする。 それは手に持つ籠が証明しているだろう。
籠は病室で入院患者のベッドサイドにある台に置かれているおみやげの果物の詰め合わせが入れられているようなものだった。 中にはメロンやリンゴ、巨峰が詰められておりどれも美味しそうに見える。 その果物の上にいくつかの包装された箱が乗せられていた]
(@56) 2013/09/04(Wed) 13時頃
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[何を買ったかは良く覚えてはいない。 気付いた時には薄い財布の厚みが零になっていた。
レシートもなく、果物以外は全て闇……いや、箱の中]
……フッ、覚えていないくらい夢中とはな
[恋は盲目というが、本当のようだ**]
(@57) 2013/09/04(Wed) 13時頃
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[病沢とえるが出て行くと、 談話室には福原と裕の二人きりになる。
別に、福原が苦手とか、そういうのはないけれど、 “最近の女子大生の性の乱れ”を目の当たりにして、 その直後に何を話したらよいか、すこし悩む。]
───…飼う、の?
[なにをいいだすんだ、おまえは。 いや、ぼくは。
あまりに正直に口をついて出た言葉に硬直する。]
(222) 2013/09/04(Wed) 16時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/09/04(Wed) 19時頃
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―102号室―
ご厄介になります。
[ドアを開けた新居に会釈を返し、部屋の中へといれてもらう。 ソファへと病沢の体を寝かすと、傍に膝をついて様子を窺う]
……中(あ)てられたか。
[頬に涙の痕跡を残したまま、病沢が寝がえりを打つ。 霊障の残っていないことを確認すると、さきほど初見に施したように病沢についた「穢れ」を払い、ようやっと息を吐く]
お騒がせして申し訳ありません。
[部屋の主である新居に改めて詫びを入れて。 ソファの上、ぱたぱたと動く病沢の指先に、微かに首を傾げる。何か懐かしいものを思わせる仕草。 唇がつむごうとする音を聞き取ろうと、ソファに手をつき、その口許へ微かに耳を寄せた]
(223) 2013/09/04(Wed) 19時頃
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[(>>192)続かない言葉はそれ以上は促さず。
病沢の逡巡が露わに見える表情変化に注視して。 コップが越智に譲渡されるまでをすべて見る。 またしても零れる涙に濡れた頬も。
静かな世界を纏って泣く病沢が、 談話室から出て行ってしまうまで。 瑠美はどうしてかその姿から目が離せなかった。
不規則的な水面の揺らぎに魅入るような。 そんな心地。
ほんの少しの感傷的な心の内も、 頑なな表情に阻まれて誰にも知れる事はない。 瑠美の中だけのもの。]
(224) 2013/09/04(Wed) 19時頃
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そ ……… ?
[(>>210)愛らしい目に見つめられる。 越智の無垢な瞳を見つめ返す目を細くして。
またしても途切れた言葉。続きを求める。 首を少しだけ傾がせて見せて。
その目も、呑気な絵流の言動にほぐれる。 棒付き飴を放る絵流の手と、 それを受け取る越智の手と。 視線で追いかけて。]
(225) 2013/09/04(Wed) 19時頃
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……撫でないわよ。 ……撫でないけど。
良いから、キレイキレイしてきて。
[前向きなのか、頭のネジが緩いのか、何なのか。 どこか本物の猫のように思える絵流。自由そうで。
困ったね? と。言いたげに。 越智の目を見たまま肩を竦ませる。]
(226) 2013/09/04(Wed) 19時頃
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―――…飼えない。
きっとすぐに出て行くわよ。 私の前からは。居なくなる。
[(>>222)眼差しを向けるのは廊下へ続く扉。 絵流が出て行ってしまったのを確認してから。
“最近の女子大生の性の乱れ”の ご期待には添えなくて申し訳ないけれど。 あっさりと、笑って否定する。
越智が硬直している事にも気付かず。**]
(227) 2013/09/04(Wed) 19時頃
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―――102号室でのこと―――
[宙をふわふわと揺蕩う、かおの見えない国谷>>@29の声。 懸命に見当を付けて声を掛けてみるも 生霊の立つ場所とは、角度も、視線も重ならなかった。
正に、傍目から見ればエア会話>>145をする私は 黙りこくった宝生の視線に、我に返るのです。]
あの、えと、うう………
[咽喉の奥から声が出て来ない。ぐるぐるする、頭の中で。 温かな風が頭に触れて―――…搾り出したのは、一言。]
(228) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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好き、です、 大好きです、!
[両の拳を握り締めて、答えました。 唯一、はっきりと確信を持って、これだけは告げられるのです。
その答えに、国谷>>@35から反応が返ったか、如何か。 するりと消える薄水色の瓶は手品のようで。 ふわりと宙を漂う皿は手品のようで。 テレビで見るような怪奇現象の、怖気を感じない、まま。
そして 視線は ふと 困り顔の白栖>>153に。]
(229) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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[宙に浮いたお皿―――…ではなく 国谷が告げたのは、白栖に対してだろう。
確信と、不安が、ふあふあ、半分。]
あ、あの、ね。 白栖ちゃん。
待ってて、って………
[物知り風であったのに、 不思議と、国谷の声は届いていないようで。 告げて良いものか、声量に迷いを含みましたが 届けられずに宙ぶらりんにぶら下がったことば>>@40を摘み取って。
それから、それから
きゅ、と唇を引き結び、私は綺麗に平らげたお皿を手に取るのです。]
(230) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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ご、ご馳走、さまでした! あの、その、お邪魔じゃなければ。 お店、い、いつか。
[行ってみたいです、って、新居>>187に主張するのはきっと自由。 幽霊に対する説明は、真剣に頷くけれど 恐怖感がどこか明後日の方に、置いてけぼり。]
ゆ、油断は、禁物ですよう…
[夜道は危険だから。 真面目に告げた忠告が功を奏さないと気付くと がおお、と私の精一杯で、狼が牙を向ける真似をしました。
あんな、そんな、こんなで過ぎる時間。 宝生が、お皿さん……国谷>>@40が行ってしまって。 私はと言えば、白栖>>175と一緒に洗い物を手伝わせて頂きました。]
(231) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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― 101号室前 ―
[宝生の部屋の前、ドア横の呼び鈴に右手を伸ばし、人差し指でぽちっとな。
ぴんぽーん ……
今から行く、とメールをしたし、すぐにドアが開かれるかと思ったが、反応はなかった。ちょっとの間が空く。]
……あれえ?
[僅かに眉を寄せて、首を傾げる。
ケータイを取り出そうとバッグのポケットに手を回した時、視界の端に何かが映った。顔を上げてそちらに視線を向ける。
丸っこい大きな三毛猫だった。>>#0]
(@58) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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あ。
[見た事のない猫だ、とまず思った。 わかば荘にミィの他に灰色の猫がいる事は知っていたし、見た事もあったけれど、この三毛猫は見た事がない。]
―――…ッ!?
[三毛猫に見据えられて、顔が強張る。猫とか犬は好きだけれど、その三毛猫の、こちらを見つめる目つきになんとなく悪意のようなものを感じて。
と同時に、頭の中に流れ込んでくるように女性の声が響いて>>#1>>#2、首の後ろに氷を当てられたような気分になった。膝上丈のズボンから伸びる白いハイソックスを履いた足が竦む。 無意識にメッセンジャーバッグのショルダーベルトをぎゅうっと握り締めた。]
(@59) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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[金縛りに遭ったように三毛猫を凝視したまま、頭の中で言葉を反芻する。
たいせつなもの。 なくしたくないもの。
それを―――壊したい?
やがて三毛猫がのそりと動き出しても、身動きがとれずにいた。 なんだか酷く恐ろしくて、心細いような心地がした。表情は硬く強張ったまま。]
(@60) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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[宝生から不意に声を掛けられて>>208、はっとして振り返る。 少し驚いたような顔に、安堵の色が滲んだ。]
宝生さん。 お隣さんに用事だったの?
[張り詰めていた空気がほろりと解けたかのような気分。]
どこ、が?
あっ、ぼくミィのごはん買ってきたよ!
[きょとんとして首を傾げてから、餌がまだ>>209との言葉に、スーパーのビニール袋を掲げてみせ、101号室の部屋の扉が開けられるのを待って中にお邪魔した。]
(@61) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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[ふわふわと、浮かぶ洗剤の匂い。
油汚れをきゅきゅっと落として、タオルで手を拭いて。 先に102号室を出てゆく白栖>>196の背中を追い掛けようと 一歩―――…キッチンから離れて。
くら、と一瞬、目の前が暗転。 窓の方角から、誰かが耳元>>#1で囁いた。
大事なもの 大事なもの あたしのだいじなもの は。]
(232) 2013/09/04(Wed) 20時半頃
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