93 Once upon a time...
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 00時頃
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[静かに、なった。]
(1) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[ナイフが肉を抉る音も、肉を咀嚼する音も、咳く声も、血の滴が落ちる音も、呼吸音すらもしなくなった。 ずる、と重い衣擦れの音と重いものが落ちる音だけが最後に残った。 終わった。終わった。
――終わった。]
(2) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 00時頃
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[自分が何もしないままに、終わった。 隠れて逃げ込んでいるうちに、終わった。 自分でない仲間の犠牲を出して、ずっと寝食を共にしてきた団員の命もまたなくなって、終わった。 静かになってしばらくしても、子狼は息を殺したままずっとそこにいた。 動けなかった。まだ誰かの気配があれば今度こそだめだと思ったし、動く気も、しなかった。]
(3) 2014/10/18(Sat) 00時半頃
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[キュィ、と高い声が聞こえた。 まだ猿はテントの中を動き回っていたらしい。 その声にもなにか反応する気配がないのに、ようやく布を取り去った。 猿はその動きを敏感に察知して、駆けてくる。 抱きとめれば、その身体に手紙が付いているのに気づいた。 『話をしたい、猛獣の檻の前で待つ ブローリン』]
……、
[くしゃ、と紙を丸めた。 隠れていなければならない。ここを出る訳にはいかない。 猿を抱いた手に、少し力を込めた。]
(6) 2014/10/18(Sat) 00時半頃
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[日の高いうちにやりあった。皆起きていておかしくない時間だった。 楽隊テントはあまり人が寄らないようだったが、時間の問題だろう。]
……は、
[ようやく、短くとも深く息を吐いた。 それと同時に、背中から何か上がってくる気がして、震える。 鼻の奥まで熱くなって、ふたしずくだけ、泣いた。 あとは息をゆっくり吐いて感情を押し流して、猿をぎちぎちに抱きしめて、堪える。 苦しげに泣く声が聞こえたが、すぐには離してやれなかった。]
(9) 2014/10/18(Sat) 00時半頃
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[長い息を吐き終えれば、今度は一息も漏らさぬようにきつく唇を噛み。 シェロを抱いた手を、緩める。 猿は拘束を解かれて逃げるように駆けていった。二人の血の跡をそのまま駆けて、テントを出て行く。 ちょうどこちらに向かってくるペギーの足元をも駆けて、飼い主の方へと戻るだろう。 赤い足跡。血塗れた獣。檻の方へと、駆けていく。]
(10) 2014/10/18(Sat) 00時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 00時半頃
…をよじり…に…を…ばす…
よくある…の…ませ…の…が…をよぎった…
…を…りたくば…を…してからにしろ…とか…そんな…
すぐに…される…い…の…だ…
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[目の前に、赤い水たまりがある。 喉が渇く。唾を飲み込んでも、足りない。何度飲んでも、何度飲んでも、足りない。 いけない、と思っても、止まらない。 震える指を、水たまりに浸して、口元へ運んだ。]
あま、
[甘い。けれどいけない。隠れていなければ。 二人が死に、血が流れ、生き残った一人という状況。誰が見ても、自分の生存は、異常だ。]
(13) 2014/10/18(Sat) 01時頃
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[布の開く気配がした。 慌てて布をかぶり直す。震えそうになるのを必死に抑えて、また息を殺す。 明かりの乏しいテントの中、開けてすぐに地に伏せる二人を見た上で、隅で縮こまる自分の姿が見えたのかどうか、わからない。
かしゃん、と物の落ちる音と遠ざかる足音だけ、聞いていた。]
(15) 2014/10/18(Sat) 01時頃
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ぃ…っ…
…を…らす…
…は…れて…の…には…えられなかった…
…の…から…まで…みが…け…け…が…つ…
…の…が…れた…
…から…げていく…はそれそのものが…のようで
…がひどく…いのに…は…えていく…
…れる…の…にさえ…かれる…で…
…の…を…めた…
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[人が入ってくる。布に唇を押し付けてほんのかすかな息の音すらしないよう、表面だけの呼吸を繰り返す。 尖ったように研ぎ澄まされた耳に、声がぽつぽつと届いた。 この声は誰だ。誰だ。 はじめにザックを呼んだときにはわからなかった。二度目、団長、と言うのを聞いてぼんやりと頭の中で声の主が像を結んだ。 トリノス。流石に声を出すことは出来なかった。 ただ、少しだけ、少しだけ他の団員と反応が違うのも、わかった。 こんな死に様に狼狽えない、激昂しない、涙を堪えたりしない。 団長を殺した時には、もっと狼狽えていたように思うのに。]
(29) 2014/10/18(Sat) 04時半頃
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[足音が遠ざかっていく。また、一人に戻る。 何故、団長を。その問いに自分は答えを持っている。納得してもらえるかは知らないが、持っている。]
トリノス、
[今度は細い吐息で、吐き出すように名前を呼んだ。 もし。もしもう一度彼がここを訪ねるようなら、その時は。 声を、かけてもいいかもしれない**]
(30) 2014/10/18(Sat) 04時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 04時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 04時半頃
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――楽隊テント――
[いつまでこうしていればいいだろう。 分厚い布の中、開く気配がないときは顔を出して、積み重なったふたりを見ている。 見るほどに渇きを覚えるが、ひとり食べたばかりで、それほど腹は減らない。 けれど、いずれ。二人は遺体として処理される。ここからいなくなる。本当のひとりになる。 どうしようもなくなる前に――今夜にでも、闇に紛れて抜け出そう。
夜はいつ来るのか、それすらもわからないテントの中で、震えながら時を待つ。]
(36) 2014/10/18(Sat) 21時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/18(Sat) 21時半頃
…きなものは…
…に…でいられる…が…き…
…ったら…しいものは…
…あれ…もしかしてさっきの…で…えるやつ…
ぁは…えてたかな…ずかしい…え…と…きなもの…
ちょっと…ずかしいけど…
…いものはそんなに…らないんだけど…でも…
…に…れるの…きなんだ…
…ずかしいから…では…むんだけどね…ここだけの…
ね…この…に…られるの…
それなら…し…れで…
…えたりするのかなあ…ちょっと…しみ…
…
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