93 Once upon a time...
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…を…うているのだろう…
…が…したいの…
…
…を…んでいるのだろう…
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 00時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 00時半頃
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[幕が下りる。サーカス・ナイトは無事にハッピーエンドを迎えた。 たくさんのきらきらした笑顔が、夜の街へ帰っていく。 灯りがぽつ、ぽつ、消えはじめた。]
……、
[終わっていく。夜が来る。 観客の最後の一人までも手を振って見送った。これがここでの、最後の公演。 ジャニスを探しに行こうかと思ったものの、もうしばらくだけ夜に浸ろうと思った。 朝は来る。]
(18) 2014/10/14(Tue) 01時頃
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[ぼんやりと月を見上げて、興奮の熱も冷める頃。 着替えて寝てしまおうと、テントの並ぶ奥へと戻る。 そこにいた人影は、夜闇では少しばかりか存在感が強かったが、すぐにナイフ投げの名手とわかった。]
サイモン。 ……終わっちゃったな。
[サイモンも公園の熱を冷ましているのだろうと、気安く声をかけた。]
(25) 2014/10/14(Tue) 01時半頃
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――夜:練習用テントそば――
うん。終わった。
[色々な寂しさがない混ぜになった気持ちでいるが、慣れたもん、というサイモン>>30に、心強さのようなものを覚えた。 大人の存在は落ち着く。割合、いつも冷静でいるからだ。 こんな風に思っているから、甘え癖も子供扱いもなかなかなくならないのかもしれないが。 こちらへ帰ってきたブローリン>>27には、まだ金環のついた片腕を上げる。]
(68) 2014/10/14(Tue) 20時半頃
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フィー? ……見てない。 鳥、も。
[>>32ムスタングという大仰な名前があの鳥の名前だというのに、まだ慣れない。呼ぶのはもっと慣れない。 許されるうちはフィリップ、すら呼べないままでいいかと、こんな調子。]
ジャニスは、おれも、探してた、けど。 見つからないから、いいかって。
[なんて言ってた>>37、に答えを持たない。あれから見ていないからだ。けれど、ブローリンがこうして褒めてくれたから、今は充分。 この時に探しに向かっていたら、最後の言葉くらい聞けたかもしれないとは、知る由もないまま。]
(69) 2014/10/14(Tue) 20時半頃
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――衣装テント――
[結局何も情報を渡せないまま、指さし忠言>>58だけもらって、ブローリンやサイモンとは別れることになった。 舞台衣装を着たままで寝るわけにいかないから、着替えという最後の仕事に阻まれたのだ。
金環を落として、タイツもシャツも脱いで、いつものぼろシャツを着る。 鈴の足音がしなくなって、ふと外したつけ毛を拾い上げる。 細い赤毛の束、ピンをズボンのベルトホールに絡めてみる。]
(70) 2014/10/14(Tue) 20時半頃
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……変だな、これ。
[皆が探す狼は、例えばこうして尻尾が生えているだろうかと、つけてはみたものの。 長さだけなら立派なものだが、猫の尻尾にすら足りないような太さと芯のなさ。これを尻尾と言うには無理があった。 なんとなく悪戯を窘められた時のばつの悪いような気になって、つけ毛をぽいと衣装の上に戻した。]
(72) 2014/10/14(Tue) 20時半頃
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[空を見上げれば、昨日より少し太い月が見えた。 死んだ人は月になると聞いたことがある。あんな団長が行ったから、月は太ってしまったのだろうか。 じっと見ていたら欠伸が目尻を濡らした。テントへふらふら戻って、寝床に潜り込む。 朝は来る。それが普通の朝だと、まだ思っていた。]
(73) 2014/10/14(Tue) 20時半頃
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――朝――
[羽根を失った子猿の朝は、いつもよりかは早かった。 いつもならずるずると二度寝をするところだけれど、今日は何故だかそのまま目が覚めた。 昨日の疲れもあったから、まだもう少し寝ていたいと身体は言うくせに、目を閉じても眠れそうになくて、テントを出る。 朝の空気はまだぬるくもならず、肌寒い。 目覚ましに水でも飲もうか、と水場へふらふら、片目擦りつ歩いていく。 噂の拡散力は高い。すでに、早起きな団員たちの戸の立たない口のせいで、空気はざわついていた。]
(80) 2014/10/14(Tue) 21時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2014/10/14(Tue) 21時半頃
…が…ち…としたのは…
…
…
…などありはしなかった…
…に…ち…とすべきだったのは…の…の…
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――炊事場――
[飲み水なら炊事場だろう。それから果物の一つでも口にしたらその酸っぱさは朝にはいいかもしれない。 そうして一人向かえば、入った途端に息を詰めるような声。]
……?
[首傾げれば、炊事班の一人が怯えたようにこちらを見て、それからがっかりしたように肩を落とした。]
何。何かあったの。
[水、と声をかけ、彼がコップに水を汲む間にすっと箱に積まれたりんごをひとつ拝借した。 ああもう、と苛立つ炊事班は、けれどもいつもみたいに叱らずに、代わりに表情を苦くしながら変わらんなあと吐息で笑った。]
(95) 2014/10/14(Tue) 23時頃
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『流石に団長の話まで、知らんわけじゃないだろう。 人狼だよ、人狼。狼の化物が出たんだ。 今朝がた早くさ、また……その、殺された、ってんだ、二人』
[だから夜、俺も殺されるかと思ってよ、と炊事班はすまなさそうに眉を下げた。 自分だって、今朝からのざわついた空気は、感じていた。 だけれど、団長の死を悼む空気に似ていたから、きっと昨日の朝の空気の延長だろうと思っていた。 違う。違う。それだけじゃない。]
……だれ、が。
[何か言いしれない感情がぞわりと身体の中を駆けていく。 誰が死んだって、]
『それがよ――』
(98) 2014/10/14(Tue) 23時半頃
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[続けられた名前を聞いた瞬間、水も林檎も放り出して、物置小屋まで駆け出していた。]
(99) 2014/10/14(Tue) 23時半頃
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――物置テント――
……っ、!
[実際の場所を、はっきり聞いたわけじゃない。 ただ、炊事場ではないところ、団員のテントではないところ、人のいるところ、辿って行ったら、ここまで来ただけだ。 ふたり、そこにいるのを見て、何故かどきりとした。]
ブロ、ドラ……
[きっと二人は何があったのか知ってここにいるのだ、と思うから。]
(104) 2014/10/14(Tue) 23時半頃
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…に…られてしまうよ…
…の…みは…なかなか…ちないから…さ…
…
…で…
…むことも…ない…
…ただ…よくよく…すれば…ることだ…
…いを…していなければ…と…のない…が…
…の…なのだから
…をするような…をしては…だって…
…
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なんで、
[ブローリンとエフェドラを見て、ようやく絞り出した言葉はその三音。 どこまで知っているか、という二人の疑問には、少し言葉足らずが過ぎる。]
どうして、
[それでも、疑問しか出てこない。 子犬の細い吠え声が聞こえた。どうして。どうして生きているんだ。二人も、死んだのに。 どこへやっても仕方のない感情が、プードルをきりと睨みつけた。]
(112) 2014/10/15(Wed) 00時頃
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…りたかった…のにね…
…
…ごめん…ね…
…
…ありがとう…
…
…に…ぎったのは…に…に…いた…の…
…でなければなにを…れるのかと
…の…の…い…けに…えるよりも…しそうで…
…こう…
…
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送、る。
[ブローリンの声を聞いて、は、と視線を上げる。 こんな風に子犬に感情をぶつけても仕方ない。 エフェドラにも諭されて、唇を湿した。]
ドラ、送る?
[お見送りはいーよ、と言われてしまった。 口説き文句とか、その後何か、というあたりまで、頭はついていかないが。 必要はないのだということだけは伝わった。]
(122) 2014/10/15(Wed) 00時半頃
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[睨む相手が違う、というのには、頷いて視線を下げた。 その通りだ。この子犬が、やったわけではない。]
……?
[送る、というブローリン。断るエフェドラ。 どちらの意見を取るべきなのか、瞬いて。]
もしかしたら、そう……?
[この歳の少年らしくない無知さで、エフェドラを見やる。 そうした知識が一切合切ないわけではないが、隠語になってしまうと、推察の力は弱く。]
(127) 2014/10/15(Wed) 01時頃
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トニーは、エフェドラを呼び止めはしない。
2014/10/15(Wed) 01時頃
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う、ん。
[なあ、と話を振られて、思わず頷いた。 エフェドラは悲しいと言った。知らないと悲しいなら、知ったふりをしておこうとも思う。 これで悲しみがなくなるなら、安い。]
それ、で、探すのか。
[探せる、とブローリンは言った。エフェドラに囁いたようだったが、球を取り出したのと微かに聞こえたその声とで、状況をつなぐ。 その水晶玉で、見つけられるのだろうか。 何が映るのか、こちらから覗き込んでも歪んだブローリンしか見えなかった。]
(137) 2014/10/15(Wed) 02時頃
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うん、ペギーは、守る。 わかった。
[男の子なんだから、しっかりしろと。 素直にわかったと言うことしか出来ない、守り方なんて知らない、が。 意識は、胸の奥に宿る。
子犬がエフェドラの元へ駆けていくのを見て。 テントへ戻るエフェドラを、見送った。]
(138) 2014/10/15(Wed) 02時頃
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