人狼議事


28 わかば荘の奇々怪々な非日常

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視点: 人


良家の末娘 ポーチュラカは、メモを貼った。

2013/09/03(Tue) 01時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[幼い頃、母親は裕に女の子の洋服を着せて
写真を撮るのが趣味だった。
童顔で可憐な容姿を持つ母に似て、
裕はまるで女児のように愛らしい顔立ちをしていた。

可愛らしいドールを集めて、手作りの洋服を着せて
同じ趣味の仲間にお披露目をして楽しむ。
そんな趣味を持つ母だったから、
女っぽい容姿の息子に少女の格好をさせたのも
ほんの他愛ない戯れだったのだろう。

それがまさか、
後の裕の性癖に影響を及ぼすなんて
きっと、予想もしていない。]

(38) 2013/09/03(Tue) 02時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[実際、小学校、中学校と進学するにつれ、
少し華奢で中性的な顔立ちは相変わらずだったけれど
変わった趣味を持つこともなく、
裕は真っ当な男の子としての道を歩んでいた。

ある時、母親がアルバム整理と称して
過去の写真を広げているのを、
──偶然、見てしまうまでは。]

(39) 2013/09/03(Tue) 02時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[真っ白いレースを重ねて作った
ひらひらふわふわと揺れるワンピースを着て
長く伸ばした髪にリボンを飾り
カメラに向かって無垢な笑顔を見せる、幼い自分。]

それを見た瞬間、裕の胸の奥で
何かがキュ、と甘く疼いた。

女の格好をした写真なんて
恥ずかしいから広げるなと母親には頼み、
すぐにしまわせた、 けれど。

自分でも気が付かないうちに、
裕の手は、写真の一枚を抜き取り、
そっと、学生鞄に忍ばせていた。]

(40) 2013/09/03(Tue) 02時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[それから、だ。
裕が時々、自室で化粧をしてみるようになったのは。

鏡に映った自分は、まるで本当の女の子のようで
ずっと鏡を見つめていると、ドキドキした。

そのうち化粧だけでなく、
女性の洋服も買ってみることにした。
たくさん買ってはしまう場所に困るので、一着だけ。

洋服の次は、子供の頃伸ばしていたような、長い髪。
自前の髪は、もうそこまで伸ばせないので、
通販でウィッグを購入した。


すべてを身につけて、再び鏡の前に立った時、
そこに、越智裕という少年はいなかった。]

(41) 2013/09/03(Tue) 02時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[自分だけが会える、

     鏡の中の少女──。


それを他の人にも見て貰いたくなるまで
そう時間はかからなかった。]

(42) 2013/09/03(Tue) 03時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[中学を卒業して高校に入学し、
何食わぬ顔をして仲間たちと過ごす毎日。

少女に会えるのは、
鍵のかかった自室の中でだけ。

どこか満たされぬものを感じながらの日々を変えたのは
友人が聞いて来た、あるアパートの噂。]

(43) 2013/09/03(Tue) 03時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[変わったアパートがあると言う。

不便だけれど、見晴らしが良くて、
街中からは離れているからひと気は少なくて、
それでいて建物は小洒落ていて、リフォームも自由。

隣が墓地になっていて、
そのせいか、不思議な声が聞こえたり
物が勝手に動いていたりするという、
曰くつきの物件だそうだ。

肝試しに行くか?
と、一緒に話を聞いた友人は笑って言った。
この年頃の男女は、こうした怪奇現象に目がない。

けれど、裕が注目したのは、別のポイント。

そのアパートの管理人は、
どんな事情の者だろうと、
深く詮索せず、受け入れてくれるのだと言う。]

(45) 2013/09/03(Tue) 03時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[そのアパートの名前は、『わかば荘』。


そこなら──。
もしかしたら──。

鏡の中から出て来れない、“少女”の自分を
誰かに、見てもらえるのではないか──。


期待に胸膨らませた裕が、
驚くほどの熱意で両親を説得するまでに
それから、さほどの時間は掛からなかった。]

(46) 2013/09/03(Tue) 03時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[ただ──裕は一つ失念していた。

高校から通えない距離ではないわかば荘に、
同じ高校の生徒が住んでいる、可能性を。**]

(47) 2013/09/03(Tue) 03時頃

良家の末娘 ポーチュラカは、メモを貼った。

2013/09/03(Tue) 03時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[夏休みの終わりは間もなく。

12時の鐘が鳴れば、
シンデレラの魔法は解ける。


学校と、わかば荘との
二重生活は送れない。

白栖黎湖という生徒が
二つの空間を繋げてしまう。

新学期を目前に、裕は懊悩の中にいた。]

(62) 2013/09/03(Tue) 19時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[──まぁ、それはひとまず置いておく。]

 誰か、勝手に部屋に出入りしてるひとがいるのかな。

[今はそれより、濡れた浴室の謎を解き明かすのが先決だ。

鏡の中の少女から目を反らし、洗面所のドアを見る。]

 鍵を持っているのは、わたしだけ──

[管理人なら自由に出入り出来るだろうけれど、
あの人が、そんなことをするだろうか?]

(64) 2013/09/03(Tue) 19時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 
 うーん……………………。

[長い沈黙。

考えても答えは出ない。]

 誰かに聞いてみるか……。

[他にも自分と同じように
部屋に侵入された人がいるかもしれない。

うん、と頷き、
鏡の前でウィッグのずれがないか確認して部屋を出た。]

(65) 2013/09/03(Tue) 19時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[廊下に出て、しばし迷う。

どこへ行こうか。
誰に聞こうか。

突然尋ねて行っても迷惑がらずに
話を聞いてくれそうなひとは誰か。]

 …───、

[ふわり。

浮かんで、消える。
あのひとの顔。

微かに頬が赤くなる。]

(67) 2013/09/03(Tue) 20時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

─204号室前─

[別に、顔が見たくて行くわけじゃない。]

 ……────。

[不法侵入者がいるかもしれないと、
警告した方がいいから。

自分の部屋に誰かが入ったのが容姿のせいなら
きっと彼女も、危ないから。

理由があるから、突然尋ねて行ってもおかしくはない。



……よね?]

(77) 2013/09/03(Tue) 21時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[尻窄まりになる思考を奮い立たせるのは
不安と、心配と、すこしの(?)邪な想い。


きっと、これは、
チャンス──なのだ。

自分に言い聞かせて、そのひとの部屋へ向かった。]

(82) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[ピーーーン


          ポーーーン。






呼び鈴を押して、待つ。
無意識に握り拳を作って、ドアの前でじっと待つ。]

(83) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 ──────……  、


[返事は───ない。]


 ……。


[もう一度。



ピーーーン


          ポーーーン。]

(84) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[やはり、返事は、ない。]


  ……────〜 ッ


[知らぬ間に止まっていた息を、どっと吐く。

どうやら彼女は、いない、らしい。]

(87) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[葉がしおれるように、眉がへにょりと下がった。]


 ……どっか行ってるのかな。


[いつもは部屋にいることが多いのに、
珍しいな、と思う。

なんだか、とてもがっかりして、
そのひとの部屋のドアの前で踵を返す。]

(89) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

─一階廊下─

[睨みつけるようにチャイムを見ていたせいで
猫が廊下を空中浮遊しているのに気付かなかったのは
裕にとっては僥倖と呼ぶほかない。

気付いていたら、パニクって、
窓を割って逃げ出そうとしていたかもしれないから。

裕には見えないし感じられないものが、
102号室の扉を開けて>>@18中へ入ると
その瞬間だけ、まるでドアが開いているかのように
部屋の中の物音が聞こえて来た。]

 ……ん、

[なにやら、102号室が騒がし──い?]

(93) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 …………

[感じた複数の気配に首を傾げて
102号室のドアに目をやった時には、
もう、声や物音は聞こえなくなっていて。

裕は不思議そうに、首を傾げる。]


 あ。


[それより、誰かがわかば荘へやって来たようだ。]

(95) 2013/09/03(Tue) 22時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[見えたのは、談話室へ入って行く福原の背中と、
少し遅れて彼女のあとを歩く、金髪の男の子>>@16

二人に遅れて玄関をくぐってやって来たのは
小学生くらいの男の子>>@22だろうか。]

 ……──こんにちは?

[誰だろう。と思いながら、身についた礼儀が
よどみない挨拶をするりと口に上らせた。]

(100) 2013/09/03(Tue) 22時半頃

良家の末娘 ポーチュラカは、メモを貼った。

2013/09/03(Tue) 22時半頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[>>98男の子に声を掛けたのと、
植頭に声を掛けられたのと、

どちらが先だったろう。

初めて見る男の子の顔を、
不躾にならない程度の間じっと見てから、
振り返って植頭に挨拶をする。]

 あ……こんにちは植頭さん。

[見知った大人の登場にほっと緊張を緩ませて
ほわりと笑いながら軽く膝を曲げて淑女の挨拶。

これはここへ来てから身につけた仕草。]

(105) 2013/09/03(Tue) 22時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[礼儀正しいと言ってくれる植頭に、
裕の頬は嬉しそうに綻ぶ。

可愛い。 と言われるのも
礼儀正しい。 と褒められるのも

どちらも同じくらいに嬉しいのだ。

見慣れぬ顔の男の子を気にしつつも
ややあって植頭の方へ歩み寄る。

少し見上げる形で植頭と視線を合わせ──]

 ……ひぇ!?

[>>112訊かれたことに、
瞬時に頬を赤く染めて、素っ頓狂な返事をした。]

(113) 2013/09/03(Tue) 23時頃

ポーチュラカは、初見にも植頭にしたのと同じ挨拶をし、出てゆく姿を見送った。

2013/09/03(Tue) 23時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 うん、そうだよ。
 先月越して来たばっかりで、まだ一ヶ月経ってないけどね?

[>>@27緊張している気配の少年に
植頭に近寄る前の裕は、その緊張をほぐすように
少し膝を屈めてにこりと笑いかける。]

(120) 2013/09/03(Tue) 23時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[少年の通う小学校は、
裕の実家から高校までの通学路の途中にある。

グレーのブレザーとスラックスを身につけて
普通の高校生のように友達とじゃれあいながら歩く裕の姿を
彼も何度か見たことがあったかもしれない。

宝生のことを尋ねられたときには、
植頭にみっともなく取り乱す声を聞かれた羞恥で
裕の顔は赤く染まっていたけれど、
両手を頬にあてて熱を冷ましながら少年を振り返り]

 ごめんね、わたしもわからないの。
 あなたは宝生さんのお部屋、知ってるの?

 わからなかったら案内してあげようか?

[と、訊いた。]

(125) 2013/09/03(Tue) 23時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 あ、うぅん──…、 その……、
 嫌なことって言うか、
 わたし、あの時、混乱してて──、
 とても取り乱してしまって、みんなに迷惑、かけたから。

 ちょっと、恥ずかしいなって、思って……。

 わたし、実は猫が苦手で──…。
 遠くなら平気なんだけど、
 急に目の前に飛び出して来たりすると、怖くて、
 すこし、パニックになっちゃうんです……。

[>>122苦笑浮かべる植頭には、
えへ、とすこしバツが悪そうに笑う。]

 …──ありがとう、ございます。
 困った、こと───…、  あ、じゃあ、

 その、すこし、相談したいことがあるので、
 この後、お時間いただいてもいいですか?

(129) 2013/09/03(Tue) 23時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[侵入者がいる可能性について、
話すなら、年の近い女の子と思っていたけれど
それは話しやすさを優先したからで。

年輩の、頼れる大人が話を聞いてくれるとあって
裕は素直に甘えることにした。]

(135) 2013/09/04(Wed) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 まもるくんって言うんだ。
 わたしは、おち ゆたか。

 裕だよ。

[男の子みたいでしょう?
と笑う声に、一抹の自虐。

おそらく、誰にも気が付かれない程度の。]

 ミ、

[その名を聞いて、一瞬顔が戯画めいて強張るけれど]

 ……ッ、 そ、そっか。
 うん、行ってらっしゃい。

[目の前にいるわけでなし。
落ち着け落ち着け、と呪文のように心のなかで唱えて
少年明智を見送った。]

(140) 2013/09/04(Wed) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 わたし、珈琲はブラック派、なんです。

[>>141快諾してくれた植頭に、
秘密をもうひとつ打ち明けて、笑う。]

 はい、 あの、
 じゃあ、それまで談話室で待ってます。

 戻ったら、教えてもらえますか?

(143) 2013/09/04(Wed) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 

         [    幸せだね、ミィは    ]

 

(151) 2013/09/04(Wed) 00時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 



           [植頭が呟いた一言は、
        妙に印象的に、裕の耳に残った。]

(152) 2013/09/04(Wed) 00時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[101号室へ向かう明智を見送り、
玄関へ向かう植頭を見送り、
膨らみのないまっ平らな左胸にそっと拳をあてて。

なにか考えこむように、唇の内側をやわく噛む。]

 ────。

[けれど、今はそれ以上何も得られるものはなく、
無駄な思考を放棄して、談話室へと入った。]

(156) 2013/09/04(Wed) 00時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 

 ──────……。


[談話室を開けた途端、
聞こえた声>>@37に、フリーズする。]

(158) 2013/09/04(Wed) 01時頃

ポーチュラカは、ドアを開けたまま硬直している。

2013/09/04(Wed) 01時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 福原さん、


[人間の雄、飼うんですか?]


 ────。


[脳裏に浮かべた文字を、
言葉にすることは出来なかった。]

(161) 2013/09/04(Wed) 01時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 
 ……、ぁ


 こ、  こんにちは……。

[福原に視線で促され、
福原のペット(?)に手で挨拶され、
絞りだすように挨拶を返す。]

(164) 2013/09/04(Wed) 01時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[女子大生と、女子大生に飼われる男。

レディコミにでもありそうな関係は
思春期の男子高校生にとっては、
いささか刺激が強すぎる。

とても見てはいけないものを見ているようで
わずかに俯きがちに、赤らんだ頬を下向けて
二人のいる位置を回避するように視線を迂回させ、
談話室にいるもう一人の住人を見た。]

(168) 2013/09/04(Wed) 01時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[もう一人の住人──病沢エリは、
どう見ても人間の男である福原のペット(?)に、
犬猫に与えるように平皿でミルクを与えていて。

もう、裕は何をどうしていいのかわからなくなって
そのままドアを閉めて逃げ出したくなった。]

(171) 2013/09/04(Wed) 01時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[いつまでもドアを開けっ放しにしていると
冷気が逃げて行ってしまい、せっかくの冷房が無駄になる。

仕方なくおずおずと中へ進み、
誰からも離れた位置に、所在なげに立る。]

 わたしは、多分、壊れてはいない、……かと……。

 え、
 あー……えぇ、と

 さすがに、その── 子? 人? を、飼うのは
 宝生さんでも難しいんじゃ、ない、でしょうか──…。

[>>172福原の問いにはなんと答えたものか。

情けない顔で、素直な感想をもらす。]

(176) 2013/09/04(Wed) 01時半頃

ポーチュラカは、猫(汗)の低い鳴き声を聞き、頬をひくりとさせた。

2013/09/04(Wed) 01時半頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[会話を盗み聞きするつもりはないけれど
同じ部屋にいればおのずと話し声も届く。]


 にんげんふぜん。


[人間不全。

音が、頭の中で文字となって像を結ぶ。]

(181) 2013/09/04(Wed) 02時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

         [あぁ、それはまるで──…



      男の癖に女の格好をして法悦に浸る、
       己のことではないのだろうか?**]

(184) 2013/09/04(Wed) 02時頃

良家の末娘 ポーチュラカは、メモを貼った。

2013/09/04(Wed) 02時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

─談話室─

[ものおもう、ぼんやりとした視線。
裕の心はここにあらじと顔に書いてあったけれど
福原の一言でぎょっとして現実に引き戻された。]

 そ

[れは、さすがに、危ないんじゃないか。

一人暮らしの女の部屋の鍵を
得体の知れない若い男に渡すなんて──。>>186

合鍵でも作られたらどうするんだろう。
くりっとした目を福原に向けて、小綺麗な顔を見つめる。]

(210) 2013/09/04(Wed) 11時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 

 ───〜〜…、


[けれど言葉はまたも音にならず、
空気と少量の唾液と共に裕の胃に飲み込まれた。]

(211) 2013/09/04(Wed) 11時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[える、と名乗った男は、
裕から見てあまり無害そうではなかった。

いかにも今風の、バンドでもやっていそうな容姿。
遊びに慣れていそうでもある。

名前は本当にペットじみていて、本名か冗談かわからない。

会ったばかりの男を住処まで連れて来て、
鍵を渡して部屋にあげる。

というのは、つまり──ソウイウコトなのだろうか?]

(212) 2013/09/04(Wed) 11時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[越して来てひと月と経たない裕には
まだ福原のひととなりまでは掴めていない。

もしかしたら、こうしたことはよくあるのかもしれない。
だったら、自分が口を挟むことではない。

至った結論に、裕は口を閉ざした。]

(213) 2013/09/04(Wed) 11時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[大学生って、スゴい。


たった二年の差が、
裕にはとてつもなく広く大きく感じられた。]

(214) 2013/09/04(Wed) 11時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[裕が妙な感心をしていると、
リピートしなかった病沢が無言のまま近付いて来て
水の入ったコップを差し出す。]

 え

[戸惑い、水と病沢を交互に見る。すると、
病沢はコップを持っていない方の手で裕の手を取り、
強引にコップを握らせた。]

 え、ぁ、え──

[だってこれは、飲むんじゃなかったのか。
困惑し、口篭る裕の前で]

 ……!!

[病沢はぽろぽろと涙をこぼし始め
狼狽えた裕はもともと大きな瞳をめいっぱい開いて
病沢の顔を凝視した。]

(215) 2013/09/04(Wed) 11時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[涙を流しながら小さく咳き込む病沢に]

 水……

[飲んだほうがいいんじゃないかと、
渡されたコップを差し出してみるけれど、
それは受け取られることはなかった。


大丈夫なのかな──。


心配そうに、談話室を出てゆく病沢の後ろ姿を見送る。]

(216) 2013/09/04(Wed) 11時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[追いかけて声を掛けるべきか迷い、
結局その場に留まったのは、
人前で泣いてしまった時、
自分ならそっとしておいて欲しいと思うからである。

可愛い女の子になら、慰められたい気もする。


                            だけど

                           素の自分は
                        そうでは、ないのだし。]

(217) 2013/09/04(Wed) 12時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[音にはならない言の葉が、降り積もり、自分を責める。

心配そうな表情のままその場に立ち竦むように佇んだ裕に
福原のペット(?)から、何かが放り投げられた。]

 え? あ

[慌ててコップを持たない方の手を伸ばしたら
何とか上手くキャッチ出来た。

見ればそれは2

 1.コーラ味
 2.ラムネ味
 3.プリン味

のチュッパチャプスで──]

(218) 2013/09/04(Wed) 12時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 ぁ──、 ありがとうっ

[爽やかな水色の包装紙をまじまじと見つめた後、
顔を上げて、えるに礼を言った。]

(219) 2013/09/04(Wed) 12時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[病沢とえるが出て行くと、
談話室には福原と裕の二人きりになる。

別に、福原が苦手とか、そういうのはないけれど、
“最近の女子大生の性の乱れ”を目の当たりにして、
その直後に何を話したらよいか、すこし悩む。]

 ───…飼う、の?

[なにをいいだすんだ、おまえは。
いや、ぼくは。

あまりに正直に口をついて出た言葉に硬直する。]

(222) 2013/09/04(Wed) 16時半頃

良家の末娘 ポーチュラカは、メモを貼った。

2013/09/04(Wed) 23時頃


【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

─談話室─

[飼えなくとも部屋の鍵を渡した時点で
“最近の女子大生の性の乱れ”を感じている16歳、女装子は

あれ?

と、思った。]

 飼いたい、 の?

[笑っている福原の言葉が
なぜだかとても寂しそうに聞こえたから。]

(276) 2013/09/04(Wed) 23時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 いて、 欲しい、 の?

[彼に?
それとも、誰でもいい?

どうしてそう思ったのかわからない。
けれど、どうしてもそう思えてならない。]

 いなくならない──よ?

[える、じゃないのが申し訳ないけれど。]

 …──わたし、は。

[誰でもいいわけじゃないだろう。
それでも、言葉は口をついて出た。

淋しげな言葉を、彼女が繰り返さなくていいように。]

(278) 2013/09/04(Wed) 23時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[福原の返事を聞く前に、談話室のドアが開き、
宝生が──

宝生と、宝生に抱えられた仔猫が見えた。]


 ……ぁ、 宝生さん……と、


[──ミィ。

口の中で、小さく小さくその名を呟く。
反射的に体が硬直し、半歩、踵が後ろに下がる。

けれど、まだ猫までの距離はあって、
宝生と猫はドアの前に留まったまま。
裕も、そこで踏み止まった。]

(281) 2013/09/05(Thu) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[宝生に堰き止められる形で、
ドアを開けたまま立ち止まった上頭も見えた。

宝生──と言うより、その腕の中の仔猫を気にしつつも
耳は、意識は、福原の言葉を注意深く拾おうとする。

飼えない。
飼わない。

──飼いたく、ない?]

 いなくなるから?

[福原の育って来た家庭を知らない。
辿って来た人生を知らない。
負った傷を知らない。

だから裕の言葉は、無造作に、真っ直ぐに発される。]

(286) 2013/09/05(Thu) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

 え……、と、

 ───……ッ   ど、うぞ──?

[>>284強気な表情。
いつも通りの福原瑠美の顔。

なんとなく。
これ以上、今はこの話は聞けまいと悟る。

宝生が、裕に遠慮して入り口に留まっているだろうことも。

宝生の方を向いて、
声が震えないよう精一杯の虚勢で、中へと促した。]

(294) 2013/09/05(Thu) 00時頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[少し遅かったか。

あからさまにこちらを気にした動きと視線で
壁際をじりじりと移動した宝生は、
バッグに仔猫を入れると、同じ動きでドアへ戻ってゆく。

ありがたさと申し訳なさを同時に感じながら
その不自然な動きを目で追っていると、
気にするという以上に注がれる視線と目が合った。]

 ……?

[わからん?

何が?
頭の中にはてなが乱舞する。]

(297) 2013/09/05(Thu) 00時半頃

【人】 良家の末娘 ポーチュラカ

[問いただすことも出来ずに談話室を出る宝生を見送り
やっと植頭の方へ挨拶を返した。]

 お帰りなさい、植頭さん。
 おいしいお茶菓子、見つかりましたか?

[しょうっじき。
猫を置いて出て行くなら、
宝生も留まってくれた方が安心だったり、する。

だってほら、もしあの鞄が破れたら
誰が猫を止めるというのだ。

いや、破れないだろうけど……さ。
破れない……よね?]

(301) 2013/09/05(Thu) 00時半頃

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