108 Persona外典−影の海・月の影−
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― 満月の夜 ―
[恐らく待ち合わせた場所は、相変わらず繁華街だろうか。 既に傍らにサムはいただろう。そして、満月の夜は赤黒く反転する]
… … …さ。行こうか、サム。 我らが影の教授はお待ちかねみたい。
[冗談めかし、昨日の犯人からのメール>>189を見せる傍らに、明はいないだろう。
あの日、花河の元から帰ってきた明は、決意を込めた表情で花河と行動を共にする事を告げたから>>201。 …理由の事情は聴かされただろうか。 例え事情を知り難色を示しても、でも、明が自らの意志で誰かを守る、誰かの力になりたい、そう決めた思いを前にして、結局は程なく明を尊重する事になったのだけど]
(206) 2015/02/21(Sat) 17時半頃
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[満月の夜の下、「彼」を見つける探知を巡らせようとした、その時>>197。 ふわふわと子供の幽霊みたいなシャドウがひとつ。けたけた嗤うだけで害意は無く、そして、ぽんぽんと鞠みたいに弾みながら、途中で何度も自分を、麻夜を振り返る]
… … … …はは… …
そう…うちの教授は滝のシーンまで…頁を読み飛ばしたいと。
[何処かへ誰かへ案内するシャドウ。意外と云えば意外な案内だが]
サム、今日はメンドくさい探索は不要とさ…。
よかったね。あのバカを殴り飛ばすのが早くなった。
[探索用に顕現していたテンモクイッコを消失させてそう笑った。 導かれるままに、唯ひたすら、付いて行くつもりだ。 それはまるで、読み進める本の、大好きな、胸の熱くなる場所を読み進める時の胸のどきどきした高鳴りみたいに。
小さなシャドウを追いかける胸もまた、確かな高揚を覚えていた]
(207) 2015/02/21(Sat) 17時半頃
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(>>204) ------------------------------------------------ From:高屋敷真弓 To:花河あかり 件名:Re:Re:Re:ご心配をおかけしました。
ええ、今年は選挙が近い事もあるし結構挨拶回りに忙しそう。 本当はもう少し早めに会いたがっていたんだけれど……
ああ、そうそう。送っていくから多少遅くなっても大丈夫という意味でさっき伝えたけれど、父は一緒に食事もしたいみたい。 だから、普通に夜来てくれれば大丈夫。 帰りは私が車で送るように伝えてあるから、心配しないで。
まずは土曜に公民館で会いましょう。気を付けて。 ------------------------------------------------ [念のために一言添えて返信しておいた*]
(208) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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― 満月の夜/西部・ショッピングモール ―
[既に連ねた頁は幾許か。 臙脂色の本を読み終え、次の本に差し掛かっている。 >>207跳ね回る幽霊は繁華街を抜け、更に西へと進路を取る。
交通手段は沈黙している。 長く歩むには、ペルソナの助けを借りることは必須だろう。 そうして辿り着いた先――ショッピングモールの広大な駐車場の真ん中に、少年は立っていた。
その場には未だペルソナはなく、シャドウもいない。 ただ、静けさだけがその場を包み込んでいる。]
(209) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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------------------------------------------------ From:花河あかり To:大塚麻夜 件名:ご心配をおかけしました。
今日、明ちゃんが家に来ました。 彼女には(もちろん大塚くんやみんなにも) 迷惑をかけてしまって、心苦しく思っています。
土曜日の集まりには参加するつもりなので、詳細はそのときにお話します。
P.S 前回の満月は雛宮君と一緒でした。 ------------------------------------------------
(210) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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[明がマンションを去った後、麻夜の元にメールを送る。
文末に彼からの言伝への回答を添えた。 リツキのことを思えば、麻夜が仲間のはずの律を疑う気持ちは理解できる。
>>206 明に対して事情を口止めはしなかった。 命を賭す覚悟の明と、 三度目の満月の前、信を寄せてくれた麻夜とに、 フェアではないと思ったからだ]
(211) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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―ある日の放課後・図書館―
[花咲巡理が図書館へと足を運ぶ頻度は極端に少ない。本を読むより身体を動かす方が性にあっているのもあるが、静寂と知性が支配する空間が、あまり好きではなかった。 それでも学校の課題やテスト勉強で利用することはあり、貸出カードは流石に所持していた。カウンターで仕事を行う真弓の姿>>202に、わずかに安堵する。 仕事中に話しかける事は彼女にとって良いことではないだろう。特に借りたいものも無い。 が、ふと気が向いて占いのコーナーを探す。 適当に一冊、タロットの本を棚から取って、カウンターへと歩く。真弓に本を差し出しながら、微笑んだ。]
真弓さん、こんにちは。 貸し出しお願いします。 ……あの、真弓さん。 年越しの時、どこにいました?
[聞きたいことはそれだけだ。頭が良さそうな彼女と、索敵能力のある彼女のペルソナなら、あの夜危機にうまく対応していたのではないかと、巡理は思う。 たった一つだけの質問を終えれば、貸し出し手続きを終えた本を持って、頭を下げて礼を口にし、立ち去るだろう。]
(212) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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[公民館での会合の時に、大晦日の満月の夜の事についてはいろいろと聞かれたかもしれない。 もし聞かれたらそれについては少々誤魔化しておいたろう。]
いえ、……そうね。年末は家族で泊りがけでね。 崇神市の外に出ていたの。久しぶりだからどうしても断れなくって。 大事な時なのにごめんね。その分今回はきちんと頑張るから。
[そんな風に。少し苦しい言い訳ではあるけれど、誤魔化すのも多分あと少しの事だろう。そんな風に思っていた。]
(213) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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― 満月の夜/西部・ショッピングモール ―
[跳ね回りただ導くだけの意義を与えられた幽霊に従い、それを追跡する。 距離は長い、その内、最も早くそして肝を冷やす移動手段を行使したろうか。 その乗り心地は、まあ、二度目なので割愛。
そして訪れた場所は駐車場。西部ショッピンモールの広い場所だ。 その真ん中。まるで舞台上で幕開けを待機していた様に静かに。 その身ただひとつで佇む少年を遂に見つけた>>209。
静かに、でも靴音をコツコツとハッキリ響かせて、その少年の元に歩む]
(214) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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…やあ… … … … 追いに来た。 モリアーティ。
[友達を追う、その為にあの日から満月で行方を捜していた。 あの満月では後すこしで届かなかった。そして今回は、その手を引き寄せられた]
(215) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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―土曜日の朝・自宅マンション―
おはよう、律っちゃん。 こんな時間に、どうしたのかな?
[>>141 土曜日の早朝。 訪れた律に尋ねながら、彼を部屋に上げる]
行くことにしたよ。 ……ちょっと、怖いけどね。
[珈琲を出しながら問いかけに答える。 三度目の満月の夜から、姿を現さなかったあかりを、 皆はどう思うだろう。 まだ、智晶と翔子の見舞いにも行っていないのだ] 律っちゃんも、私と付き合ってたせいで、 世話焼きになっちゃった?
[気に掛けてくれる彼への照れを、いつぞや巡理が口にした冗談>>119 で隠した*]
(216) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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[>>110>>183>>198 いくつかメールが届いていたが、特に返信の必要はないだろう。 高屋敷真弓の所在を確認する内容は少し気になったが、実際どこにいたかなんて知らない。]
……あの子以外にも勘のいいのがいたのかな?
[差出人の名前を、つっとなぞった。 あの時、炎以外の痕跡は残さぬようにするつもりが、 どうやら一筋縄ではいなかった、彼は他のペルソナ使いたちと関わりのなかった相馬とは違う。]
少しは用心、しないと、ねえ?
[薄闇の影に囁いた]
(217) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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― 満月の夜/西部・ショッピングモール ―
[少年がこの場所を好むようになったのは、影と入れ代わってからのことだ。 郊外の広大な敷地は、遮るものもなく辺りの闇を見渡せる。 その奥には、赤く輝く美しい月がある。 少年はその輝きを見つめながら、>>214響く足音に耳を傾けていた。
目的地に辿り着き、少年の目の前で小さなお化けは霧散する。 黒い霧状に崩れた身体は、吸い込まれるように少年の影に溶けた。]
久しぶり。 それとも、初めましてという方がいいかな? 親愛なるシャーロック・ホームズ。 ……サムがワトソンというのは、悪くない人選だ。
(218) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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―土曜日・公民館―
[その日、公民館に集まったペルソナ使いたちの顔を見るなり、あかりは深々と頭を下げた。
そうして、巡理や明、麻夜。 事情を知る者たちの顔に視線を向けてから、 前回の満月の夜、何も出来なかったことと、ペルソナが使えないことを告げた。
罪を告白して楽になりたい。 そんな感情があったことは否めない。
――未だ、花河あかりは立ち直れずにいたのだ。
仲間たちの相談を、あかりはどこかぼんやりとした様子で聞くだろう*]
(219) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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―図書館―
[いつも通り仕事をしていると、花咲が尋ねてきた。普段は高校に行くこともないし、学生組とはそう顔を合わせることもない。]
あら、花咲さん。久しぶりね。本の貸し出しかな。
[カウンターに出された本を取ってバーコードを読み取る。タロットに関する本。ペルソナ使いなのだから大して不思議はない。 ただ、さりげない質問>>212には少し口ごもって答えた。]
年越しの時…ね。父に連れられて泊りがけだったの。 ……温泉。 ごめんね、だから崇神市の中にはいなかったんだ。 手伝えなくてごめんなさい。その分今回は頑張るから。
[申し訳なさそうに苦笑して、花咲に答えたのは、公民館での時と同じ答えだった>>212]
(220) 2015/02/21(Sat) 18時半頃
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…たぶん始めまして…なんだろうね…
…確かにお前はリツキ。 だけど…それは所詮、見た目と便宜上でしかない。
…どれ程リツキに近くても。 …近い…は…同じじゃない。
どれだけ俺がお前をリツキと呼ぼうとしても。 …結局のつまりは、本当の意味でのリツキじゃない…。
(221) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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…リツキは… …なんでこんな事になったの…?
[それは複合的な意味での問いかけ。 こうして影と入れ替えられた経緯も、人間に敵対する事も。 そしてあの満月の晩、幼い子供をその手に掛けた理由も。 全部ぐちゃぐちゃに混ざり合った末の質問がそれだった]
(222) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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―四度目の、満月の夜―
[約束の日、あかりは高屋敷家を訪れる。 明には事前に説明をし、後ほど真弓と一緒に合流する旨を伝えてあった。
崇神駅の化粧室で薄い化粧を整え直し、ブラウスのリボンを真っ直ぐにする。さすがに高屋敷親娘との夕食に、赤い月に備えたジャージ姿と言うわけにはいかない。
鏡に映る顔は、緊張で酷いことになっていた。 高屋敷氏の前で、上手く振舞えるだろうか。
――いつものように笑え。 あかりは、鏡の中の歪んだ笑顔を浮かべる自分に命令する。 自分を救ってくれた後見人に、失望されるのが怖かったのだ]
(223) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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[そうして――花河あかりは自分を何が待っているのか知らぬまま、高屋敷家を訪れた**]
(224) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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[図書館で聞いた真弓の返答>>220には、困ったように笑って。 それでも、どうして事前に連絡してくれなかったんだろうと、そんな事が頭に浮かんで。頭を振ってそんな考えを消す。]
こちらこそごめんなさい!お仕事頑張ってくださいね
[それだけ言って、その場を立ち去った。 勝手な期待などしないと、何度言い聞かせても。 それでも悪魔は心の裏側から顔をのぞかせては囁きかける。
土曜日の話し合いの時の事を思い出す。 久しぶりに顔を合わせたあかりの顔はやはりどこか浮かないように見えて、巡理の胸を軋ませた。 千の言葉を重ねても、一つの事さえ伝わらない。 毎日かける電話は今も、留守番電話のメッセージ。 それでも、いい。好きだ。愛してる。 …胸を張って、心からそう言えたらどんなに良いだろう。 未だ世界は闇の中。きらめく星もただ見えず、それでも夜明けはやってくる。日常と言う名の不変の定理。檻の中には誰もいない。]
(225) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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―土曜の朝― [>>216 一人住まいにはだだっぴろい部屋、 部屋に上げられることに対しては、律は少しだけ躊躇いをみせる。律が一人になった彼女の元を訪れがたがった理由]
……一人暮らしのくせに、簡単に男を部屋にあげるなよ。
[出されたばかりの珈琲に視線を向けながら、 問いかけの答えとは、全く関係のない言葉を口にする。 砂糖とミルクをかき混ぜるスプーンの音がやけに響いた]
行くなら付き合う、――どこへでも?
[心変わりなら今のうちだと示唆をして、 それこそ今日はどこへでも彼女に付き添っていくのだろう。 冗談交じりの言葉に何を言ってるんだかと笑う、 世話焼きなんて言葉は雛宮律の自覚からはほど遠い。 いつだって、律は自分のことで精一杯だった]
(226) 2015/02/21(Sat) 19時半頃
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世話を焼くのは、お前にだけだな。
[どうにかこの世界で存在しようと、 ただ足掻くだけで律は精一杯だったのだ。
そして言葉と共にカップの中身を飲み干す*]
(227) 2015/02/21(Sat) 19時半頃
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[真弓の所在を問うメールには、いくつか返信がきた。 あかり>>196、巡理>>193、麻夜>>205…… 他からも返信があっただろうか。 けれど、律から返信がくる事はなかったが。
返信が返らない人物の名を片隅に記憶し、男は返事を返す。 あかりと麻夜には「土曜日に所在を問いただす」と返し、巡理には「一緒ではなかった」と返した。
真弓が実際は何者であるかは置いといて、単独行動気味であった自分も含め、大体のペルソナ使いの所在は知れている。
だからこそ、そこに違和感を感じて。 けれど、それをを拾い上げようとする行為は、沼に足を踏み入れるようだと思った]*
(228) 2015/02/21(Sat) 19時半頃
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……まやからすれば初めましてなんだろうけど、 俺にとってはそうじゃない。 気付いてた? 高校に入った時から、俺はもう、俺だったよ。
[>>221彼との付き合いはそれよりも長い。 でなければ、リツキが彼を友人と評するわけがない。 少年は理解しながら、言葉を選び、口にする。 意地悪く、煽るように。]
なんで……俺がこの身体を乗っ取った理由なら、 説明するには少し時間が掛かる。 でも、そうだな…………端的に言うなら、基本的な原因は 『寂しさ』だ。
(229) 2015/02/21(Sat) 19時半頃
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― 北部・公民館食堂 ―
[当日、真弓の口から告げられる弁明>>213に、男は納得がいかないという顔をしていただろう。 何処か子供が嘘をつくような言葉の軽さに、違和感が深まったとも言えた。 けれど追求できる証拠があると言うわけでもなく、その場はそれで流れてしまったが。
その場にいなかったのは、麻夜と敢くらいだっただろうか。 男は巡理や馨一に話した事>>172>>173>>174を、再度説明した。 求められれば背中の傷さえも見せたに違いない。
正直な話、「リツキ」のような「格上のシャドウ」が、複数居る可能性を示唆するだけでも上々と言えた。
男は一度感じている。 胸が詰まるほどの吐き気を感じる、異質な存在>>3:421を。 そしてその数が、一つではなかったことを。
これからの戦いで、更に犠牲が増える可能性は十分にある。 多少過剰と思えても、それぞれの心に留めておく必要があるだろうと、男は考えていた]*
(230) 2015/02/21(Sat) 20時頃
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… … さびしさ …。
[意外。だ。そんな感情をリツキが抱いていた事がほんの少し。 理解はすぐに出来た。何故ならリツキはいつも、普通の人間とは線を引いているから]
そう。リツキは。 …最低でも一年近く、気付かない俺をみてきたんだ…。
[意地の悪い言葉、だけど怒りや憎しみとは別の複雑な感情が訪れた>>229]
(231) 2015/02/21(Sat) 20時頃
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― 北部・公民館食堂 ―
[話し合いが終わった後だっただろうか。 男は巡理と馨一に、病院では聞きそびれていた事を問いかける。
「雛宮律に似たシャドウ、若しくは父親に酷似するシャドウ」を見ることができたのか、と。
見ていない旨の返答が返るなら、 今度は自分も調査に参加しようと声をかけて。 二人の中で、まだ調査する気があるのならば誘うだろう。
二人にその気がなかったとしても、 男は律に声をかけ、調査に協力して欲しいと言葉をかけたか]**
(232) 2015/02/21(Sat) 20時半頃
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そう。リツキは寂しかった。 まや以外に、誰もいなかった。 ……彼の両親も、彼の理解者にはなれなかった。
[さて、傍らでサムはどんな顔をしているだろう。 ちらりとそちらを伺い、少年は黒い本で口元を隠す。 これはリツキにはない、影特有の仕草だ。]
もうそんなに経つかな? 俺が彼を選んだのは、彼が初めて高校に向かう時だった。 リツキは、本当は行きたくなかったんだ。 ただ、彼の母親が行けというから、行かざるをえなかった。
……と、俺の事情を話すだけで良いのかな。 他にもっと知りたいことは?
(233) 2015/02/21(Sat) 20時半頃
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―満月の夜>>223>>224―
ああ、いらっしゃい花咲さん。入って入って。
[高屋敷家を訪れたあかりを玄関で出迎え、中に案内する。薄く化粧が乗ったブラウス姿は、いつもより入念に身だしなみを整えてきたのだという事がわかるものだった。自分はと言えば、そう気構えるでもなく白のニットをブラウスに重ねている。いつも通りだ。
真弓の父母はすでに座っていて、出迎える。食卓には寿司の詰まった寿司桶とかに鍋が揃えられていた。]
(234) 2015/02/21(Sat) 20時半頃
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こういうの、嫌いじゃないかな。はい、お醤油。 ガリもあるからね。取って頂戴。うん…私はすごく好きなんだ、ガリ。
[自分からおたまを取って、鍋の取り分けをしていく。最初は少し緊張もあったけれど、真弓の父も酒が入ると上機嫌になったか、日ごろの様子をいろいろと尋ねていた。]
年末は少し体調を崩していたみたいだけれど、もういいんだって。 花咲さん、高校何年だったかな…
[真弓自身も、普段と変わりない、むしろいつもより打ち解けた様子で様子であかりや父と会話をして。 気づけば、かなり遅い時間になっていたかもしれない]
……あれ、もうこんな時間。結構、遅くなっちゃったかな。
(235) 2015/02/21(Sat) 20時半頃
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