84 Es 3rd -Test days-
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[だから、何故苛苛したのだろう? 自分の嫌な気持ちにたどり着くのを無意識に押さえつけたその時、一際強い匂いの発生源…着物についた血を見つけた。
その微妙な場所と量を見て、はっきり理解した。 そして、大体どこを噛まれたのかも見当がついた。 肩口だ。]
…〜〜!!
[自分の気持ちを理解したくない。 なんだか泣きたくなるような気分で肩に伸ばされた藤之助の手を勢い良く払い、血のついた着物の襟を思い切り横に引っ張った。
胸元から肩までが露になる。 傷口は恐らく既にふさがっているだろうが、血の香りの強いところはすぐわかった。]
(82) wallander 2014/07/31(Thu) 20時半頃
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俺のことはどうでもいい。 お前には、何をしていたか聞いているんだ。
[自分は明らかに獲物を追い詰めている側のはずなのに、どうしてこんなに頭がぐるぐるするのだろう。 言葉は静かだが、冷笑は自嘲気味の笑いになり、目の前が少し滲んだ。 荒い息のまま、血の匂いの強い肌に顔を近づけ、一度舐めた。
ああ、ぞくぞくする。 これが、藤之助の血の味だ。]
(83) wallander 2014/07/31(Thu) 21時頃
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わかってるよ。 噛まれるのが気持ち良いんだろ。
[その部分を軽く噛んだ。 血が、流れ出すのが見えた。 それを舐め取ると、もう歯止めが利かなかった。]
フジ…
[少しだけ顔を上げて、彼に笑いかけると、次の瞬間、首元に深く牙を食い込ませた**]
(84) wallander 2014/07/31(Thu) 21時頃
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ーカリュクス邸ー
[いとも容易く門は開かれ、手を引かれて屋敷に足を踏み入れる。思いがけない着流し男の行動に鳥はバランスを崩し、頭のうえでよろめいて咄嗟に羽根を広げ一端空中に飛ぶ。定位置の肩に鳥を携えれば、着流し男の肩の例のヒヨコが目に入った。小さくも誇らしげに王冠を乗せた雛鳥に思わず笑みがこぼれる。]
…ふはっ! 見ろよ、お前より随分な貫禄だと思わないか?
[悪戯っぽく肩の相棒にそう声を掛けると、鋭い嘴攻撃を喰らった]
あの、僕、このお屋敷の人と面識ないんすけど 勝手に入っちゃってよかったんでしょうかね?
[嘴攻撃にイテテ、と小声で悲鳴をあげながら、着流し男のあとをついて歩く。徐々に漂ってくる甘い香りが強くなり、その先にはテラスで数人がテーブルを囲んでいるようにみえる。まさか、あの中へ?ー]
(85) 波平 2014/07/31(Thu) 21時頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
sane 2014/07/31(Thu) 21時頃
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[少しずつ蘇るセシルの身体 普通の炎で炭化した肉体とは異なり 赤い雫が落ちる先から波紋のようにその身体が復元していく それはまるで表面を覆っていた幻が消えるかのようで 組織を吸血種の回復力で再生するのとは異なっていた]
(…? セシルの炎は… セシル自身を消す事は出来ない…?)
[そんな事を思いながら口元に落とした雫が セシルの青白い唇に吸い込まれるのを見る
>>59不意に腕の中の身体に熱と…呼吸と…生命の鼓動が蘇り 閉ざされていた瞳が開かれる
セシルの唇からかすれたような声音が耳に届く]
(86) nannan 2014/07/31(Thu) 21時頃
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[安堵と喜びと後悔と 色々な感情が己の中で蘇り セシルの瞳に映る自分はきっと情けない顔をしているだろう
そっと自分の肩から羽織を滑らせると セシルの頭を膝に乗せたまま 身体を覆うように被せ じっとセシルの顔を見つめた]
[こちらを見上げる瞳と視線がぶつかり …綺麗な目をしている…と思いながら
頬を撫でるように手を滑らせ赤く染まった自らの手首を その口元に運ぶように動かすが…裂いた手首の傷は もう殆ど塞がっていて 与える雫は落ちなかった
>>59 「望んだ事だろう?」
その問いかけに…苦い笑みが浮かぶ]
(87) nannan 2014/07/31(Thu) 21時頃
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そう… 僕の望みは 叶った… 叶うとね… 違う事にも気づくんだよ…
[そう告げて 自らの舌を牙で裂き 赤い液体を滲ませる そのままセシルの唇に重ねると セシルの乾いた口腔内に送り届けた
セシルが動けるようになるまで 与える事をやめるつもりは無かった*]
(88) nannan 2014/07/31(Thu) 21時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
nannan 2014/07/31(Thu) 21時頃
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[>>81自分の言葉に束の間の沈黙を経て、ミケは考える様子を見せる。 藤之助は戸惑いながら彼の語る言葉を聞いていた。]
…? え、……。
[自分がミケのもの? どんなに嫌がったって無理矢理にでも手に入れる?
ミケは気付いていないのだろうか。 それらの言葉が独占欲と受け取られても仕方がない事を。 これで先輩後輩の間柄だと言うのなら、己は彼を恨むだろう。 こんな言葉を紡がれて、何とも思わない筈がない。
――誰かに血を吸われた己が、 酩酊状態だった己が、彼の目にはどう映ったのだろう。]
(89) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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[>>82そんな事を考えていると、彼の視線が何処かに止まる。 それを辿り、藤之助も己の着物についた血に気付いた。 あの時のものだろう。 自由にならない身体を押し倒されて吸血された時の口惜しさが蘇って来た。
ミケは突然肩に伸ばした己の手を払い、着流しの襟を強く横に引っ張る。 僅かに手が痺れ、背中辺りの縫い目が少し裂ける音が聞こえた。]
…っ…。
[外気に晒された上半身。 血も傷跡も残っていないだろうが、吸血種であれば漂う血の匂いには気付くだろう。 藤之助はミケから目を逸らし、唇を噛みしめる。]
(90) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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[>>83彼の声は激高するような性質ではなかった。 笑みからは氷のような鋭利さが消え、自嘲のような色が混じる。]
――…、 言ったら、貴方は素直に信じてくれるんですか。
…んっ…、
[ライジには進んで差し出したわけではないのだと。 絞り出したようなその声はミケには届いただろうか。
ミケの顔が近づけば、彼の荒い吐息が、ぬるりと柔らかな肉の感触が肌に触れる。 その刺激に藤之助はぴくりと肩を震わせて、身動ぎした。]
(91) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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…や、
[>>84肌を軽く噛まれ、そこから真紅の血が流れる。 じわりとそこが血以外の熱を持つのを感じた。 疵口から流れる真紅を猫のように舐め取り、少し顔を上げたミケが微笑む。]
――…っ、うあ、ぁ、
[間を置かずに己首元に牙が深く穿たれ、走った痛みに藤之助は顔を顰める。 その裏で背に走るのは快楽。 漏れさせるのは嬌声めいた声。
藤之助の手は縋るようにミケの服を掴んだ。**]
(92) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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―カリュクス邸・テラス―
[>>85大きな鳥と漫才を繰り広げているフィリップを伴い、 邸内を歩いて行く。
>>79テラスへと近付くにつれ、ふんわりとした数々のお菓子と、 ハワードが淹れた豊かなアールグレイティーの薫りが周囲に漂ってきた]
あ? さっき声かけられてたし、良いんじゃねェの? 変わり者みたいだし、気にせんだろ。 俺だってあの子とは、昨日知り合ったばかりだしな。
[知り合ったというか――、突撃お前が晩御飯状態だった訳だが。 そんな事はおくびにも出さず、フィリップへと振り返る。 慣れていない為、肩で暴れるナナコロを手で抑え]
そういや、……あんたも吸血種なのか? ――あんまヒトに、慣れてなさそうだ。
[そんな事を、聞いてみた]
(93) goza 2014/07/31(Thu) 22時半頃
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保険調査 ライジは、メモを貼った。
goza 2014/07/31(Thu) 22時半頃
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―自宅客間・夜更け―
…が…っ。
[>>70>>71朱色に身を包んだライジ身体を床に引き倒した瞬間、身体に電流が走り、 藤之助は身体を弓なりにしならせてライジの上に倒れ伏した。
咄嗟に身体を動かそうとしたが、痺れてまともに動けない事に気付く。 ライジの押しのけるままに、藤之助の身体は床に転がされていた。 とんでもない、という評価には顔を歪め。 己の失態に舌打ちをしようとしたが、舌が縺れて上手く出来なかった。
床に倒れ込んだ衝撃で僅かに机がずれたが茶器は何とか机の上に留まっていた。 床に敷かれた絨毯が音を吸い込んだ所為で、別室にいる従者は意識を失ったままだっただろう。]
(94) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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…な、に…
[さっさと済ませる、という言葉に掠れた声を漏らす。 動けない状態であれば抵抗も儘ならない。 此処で初めて焦りが藤之助の顔に浮かぶ。]
(95) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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[>>72ライジがしゃがみ込み、己をうつ伏せに転がす。 状況が読めないままに髪が横に流され、着流しの襟を掴まれて背を肌蹴させられる。 無防備に背中を晒した状態。 この状況で一体何をしようというのか。 身動ぎしようとしたが叶わず。]
――っやめ、
あぅ、ンン…っ。
[覆い被された気配。 口が近付いたのか、ライジの吐息が肌に触れる。 肌が泡立つような心地がして、制止の声を出そうとしたが掠れて儘ならず。 痛みが走った事で肌に牙が立てられたのを悟った。
血を吸い上げられる感覚。 喪失感と痛みと、その裏に走る快楽。 声が漏れそうになって、牙が刺さるのも構わずに唇を強く噛みしめた。]
(96) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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ふざけ、ないで。
…うっ…。
[自分の血はバーのワインのように誰かに供するものではない。 あんたの血も、というライジの感想にはそんな言葉を返し。 不意打ちで更に喰い込まされた牙には息を呑み、耐える。
首を捩った視線の先に、白いものがちらついたように思った。]
(97) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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…っ…。
[>>73採取。仕事。 自分の親族の為、という言葉には疑問しか浮かばなかったが、彼の狙いは最初から自分の血だったという事か。 してやられた、という思いが強くなる。 けれど、それならば口で吸わずに注射器ででも採取すればいいものを。 恨みがましい視線にライジは気付いただろうか。
吸血の影響か、身体に熱が宿り、悦楽は身の裡で渦巻くよう。 まだ身体は痺れていて、上手く動かせそうにない。]
…次に会った時には覚えてなよ。
[掠れ声でそんな台詞を吐いて、大人しく回復に努める事にする。 身体が動く様になればのろのろと起き上がり、ソファーに身を預けた。>>23*]
(98) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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―少し前・亀吉と―
[やっと意識を取り戻した体は、未だ自分の自由に動かすことは叶わず。 与えられている状況を甘受するしかない。 どうやら、自分は亀吉に膝枕をしてもらっている状況のようだ>>87。
見上げた先には、様々な感情をない交ぜにした亀吉の顔がある。 その中に後悔を見つけて昏い悦びが胸を満たす。 それと共に、安堵を見つけ、胸を満たす喜びに水を差す。
自分もまた、再生途中なのも相まって、酷く情けない表情を浮かべたいただろう。
頬を撫でる思いのほか気持ちよくて、そのまま体を預けたくなる。 が、それが向かった先。鼻腔を濃厚な香りが刺激して、血に飢えた体は本能的に舌を伸ばした。 けれど、既に固まりかけたそれしか得られない。
牙を突き立てる程の力はなく、舌の上で凝血塊を弄びながら相手の意図を問う。]
(99) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 00時頃
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[亀吉の顔に浮かんだ笑みと、もたらされた言葉に内心で首を捻る。 その真意を考えようとして、再び濃くなった甘露の香りに本能が引きずられてしまう。
それを無理やり得ようとする前に、望むものは与えられた。 始めは与えられるままに、体が少しでも自由を取り戻せば、夢中になって血がにじむ彼の舌を自身の口腔内に引き込み、舐めとる>>88。血が止まりかければ彼の舌を甘噛みして、更に得ようとしただろう。]
ん……っ、は、ァ……
(100) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 00時頃
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[夢中になって甘露を体内に取り込んでいれば、徐々に思考も戻ってくる。 以前ケムシに聞いた時、これは罪の味と聞いたがまさしくそうかもしれない。 そんな事を考える。
この胸を満たすものは甘く、苦い。
ようやく四肢を何とか動かせるまで回復した時、亀吉からは大分血を奪っていた事だろう。 その時になって、その事にやっと気付いた。 重い腕を伸ばし、近くにある青白さを増した顔にそっと触れる。]
もう、大丈夫だ。ありがとう。
[そう告げて、再び亀吉の目を覗き込む。 先ほどの言葉>>88の真意を推しはかりながら。]
(101) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 00時頃
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[美味しい。 牙を差し込んで、啜った瞬間、その何とも言えない濃厚な味に陶酔し、ため息をつきそうになる。 しかし、血を零さぬよう口を離さぬように彼の傷を吸い続ける。 段々、酔いが醒め、意識がクリアになっていく気がした。
彼が自分の服を掴む>>92 軽く血を吸う度に彼が漏らす声が聞こえる。 素直に可愛いと思った。 愛しいと思った。]
(102) wallander 2014/08/01(Fri) 00時頃
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[さっき彼は何と言っただろう。 進んで差し出したわけではない>>91、と。
もう牙を差し入れたときとは違い、少しずつ、傷から血を吸うようにしながら考えた。 そして苦笑した。 やっぱり進んでだろうがそうでなかろうが苛苛する。 もう認めたい。 自分は嫉妬深いのだ。]
(103) wallander 2014/08/01(Fri) 00時頃
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ケムシは、洗い場で茄子が洗われているところを覗いている。
presage 2014/08/01(Fri) 00時頃
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ふぅ…
[ある程度血を啜った後、流れる血を舐め上げて、顔を上げた。 彼はどんな様子だっただろうか。 横たわる彼の顔に、自分の顔を近づけて、苦笑して呟いた。]
なあ、唇からは、どうやって血を吸われたんだ?
[一番最初の時のように、唇を舌で舐め上げた。 次に、唇を軽く啄ばんだ。 彼の頭を抱えるようにして、何度も何度も唇を啄ばむ。 彼を抱きしめた。 抱きしめたまま、歯に、もっと奥に舌を入れた。
別に、血が流れてなくたって良かった。 もはや、血を吸いたいということが言い訳になっていた。**]
(104) wallander 2014/08/01(Fri) 00時頃
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[けれど、彼が何かを言う前に、]
引っ掻き回して、ごめん。
[そっと、目元を指先でなぞる。 ごめんで許されることではないけれど。 自分の行動を振り返れば癇癪を起した子供と大差ない事に気が付く。
自分は、愚かな行動でどれだけこの優しい人を傷つけただろう。 そうして、また、傷つける。
本当に、しょうもない生き物だ。
口元に歪んだ笑みが浮かんだ*。]
(105) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 00時頃
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―数日後・洋上―
[一曲を弾き終え、さあ次の曲を。 そう考えた時、ある意味無遠慮とも言える派手な拍手が食堂内に響き渡る>>74。 ここに居るのは、格式を重んじる客層ばかりなのに珍しいと音の出所を見れば、緋色の世界でずっと話していた時とほぼ違わぬ男がそこに居た。 洋装ばかりの客が占める中彼は酷く浮いていたのに、今まで全くその存在に気付かなかった。]
……え、は?何故……?
[理解が追い付かず、目を見開きその場に固まる。 自分の様子がおかしいことに気付いた楽団員の一人が妙な気を利かせて、客の興味を彼と自分から逸らすように次の演目やらそのエピソードを話し始める。]
(106) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 01時頃
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[その間、自分は1人では全く動けなかった。 何故、緋色の世界でしか言葉を交わさなかった彼が此処に居るのか。 その疑問だけが頭をぐるぐるとまわる。
他の楽団員に促されるままに舞台から降りた事にも気付かなかった。。 そうして、いつの間にかライジが目の前に来ていた事にも。 耳に彼の言葉>>74が飛び込んでくれば、知らず、びくりと肩が揺れた。 恐る恐る彼の顔を見れば、睨みつけられているようで>>75益々萎縮する。彼の中の複雑な心境に気付けるほどの余裕はなかった。
彼の言葉を耳は拾えど、頭にそれが入らない。 それでも呆然としながら彼を見つめていたら、唐突に手が伸びてくる。 肩を揺らすのを、目を咄嗟につぶることを自分では止められなかった。]
(107) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 01時頃
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[けれど、想像していた接触は起きず>>76。 こわごわと目を開けば、空中で留まる手。 その意を考えていると、彼があの日の事を話す。
まさか、見られているとは思わなかった。]
見ていたのなら、何故追いかけてきた……。
[自分がしでかしたことを知っているだろう。暗にそう言いたかったのに、構わず言葉は続けられる。 その内容に軽く眉を寄せ、頭を振る。それは痛みを堪えているようにもみえたかもしれない。]
そうじゃない。言っただろう。相応しい良い相手を見つけろ、と。 私は、そんなに善人じゃない。 自分の我儘で人を酷く傷つけた、愚か者だよ。 逃げた…、事も否定はしないが。
(108) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 01時頃
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[寧ろ自戒のため、という言葉は続けられなかった。 頭に優しく乗せられた手に>>77、口を噤ませられる。
まるで、宣言のように告げられた言葉に、向けられた笑顔に知らず顔に朱が上る。 何となくそれを見ているのが気恥ずかしくて、視線を逸らした。]
観念て、そういう問題じゃ……。 というか、お前には還る場所があるだろう。 そのために血液を採取したんじゃないのか? 早く、居るべき場所に帰った方がいい。待つ人もいるだろう。
[最後の方は最早早口で、口の中で呟く程の声となっていた。 彼の理性を促すようで、その反対を望む浅ましさに眉根が寄る。 これ以上この場所にいたらボロが出そうで、彼を振り切るように食堂を出る。向かうのは自分の部屋だ。鍵を掛ければなんとかなるだろうか*。]
(109) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 01時頃
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ケムシは、てぬぐいもって台所をふよふよ ぱさり ふきふき
presage 2014/08/01(Fri) 01時頃
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[>>102縋る手は振り払われる事はなく、藤之助は彼に与えられる快楽に酔いしれる。 漏れる声も抑える事はない。 もっと彼の体温を感じたいと、縋る手は彼の背中に回った。]
…は…、
[>>104ミケの顔が、牙が首から離れていくのを昴とする頭で見上げる。 藤之助の頬は紅潮し、紫紺の瞳は欲に揺らめいて見えただろう。 苦笑交じりの彼の顔が近付いて、問われた言葉の内容には目を丸くし。]
(110) 蒼生 2014/08/01(Fri) 01時頃
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…んっ、ふ…。 唇からは吸われてません、ってば。 声が出すのが厭で、噛みしめていたんですよ。
[啄むような口付けに応じながら答える。 きっと例え身体が痺れていても抵抗していただろう。
口付けの合間に頭が抱えられるように腕が回され、藤之助もミケの背中に回す手を強くする。 結果、深く抱き合う形となり、身じろぐたびに衣擦れの音が響くだろう。
ミケの舌が己の歯をなぞれば口を薄く開けて迎え入れ、誘うように舌に吸い付く。 捕えるように舌を絡め、彼の口腔の中にも押し入ろうと。]
(111) 蒼生 2014/08/01(Fri) 01時頃
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