93 Once upon a time...
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[音は誰よりも先にステージ上から消える。 潔い終幕と共に、奏者は闇へと消え か細い遠吠えをちゃんと捉えて、一礼をした。
観客の拍手を背に、奏者はステージ裏の隅に座り込み 微かに震える指を酷使して、楽器をなんとか革袋へとしまい込む。
御伽噺は終わらない。ハッピーエンドは、まだやってこないのだ]
(87) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[口上が済み、踊るマリオネットが舞台に上がる。 いつもと変わらぬ様子でその演目が進むのを 女は舞台裏からじっと見つめていた。
けれどこれまで記憶にない無音の時間が訪れて。 マリオネットにより紡がれる『アヴェ・マリア』>>63
少しだけ驚いたように女は目を瞠り そうして最後の一節を聴き、祈るように目を伏せる。]
(88) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[次に奏でられた陽気な音楽>>65に 女は再びたぐいまれなる踊る人形へと目を向ける。]
――…こわくない。
[同じを舞台裏で微かに紡ぎ一つ深い呼吸をして]
(89) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[二羽の鳥が飛ぶ、次の演目。 次々に始まるメルヘンの世界を、舞台袖から見守った。
余興を終えた子犬は、腕のなかに迎えて 余興を終えた子猿は、ブローリンが居れば、彼の元に。]
………、お疲れ様。
[犬をひとつ撫でて、視線を舞台に近い袖から 飛び立っては、戻って来る者も居る、団員に向けた。 二人がかりで運ばれたマリオネット>>66が震えている。その傍に、演目を控えたアントニー>>74の姿も、在った。メルヘンの世界を壊さない為に、表情も、声も、視線も、控えめに。]
歌う、マリオネット。 ……… 君には何時も、驚かされるよ。
[思い描いたものとは、異なったけれど。 舞台袖に居た自分にも、ほんの微かにしか届かなかったけれど。 短く労い、目を細め、伏せて―――、視線は、鳥を追い掛けに。]
(90) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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――現在演目後/ステージ裏――
あひゃ、ひゃ。アントニーく、ん。いいこーだねぇ……。 ありが、と。
[土人形に触れた片手はそのままに、置かれた水瓶>>74に手を伸ばす。 震える手ではうまく飲めなかったけど、いくばくか喉を通った水分により、ほっと小さく一息をつく。 団長には怒られたとしても、演目の成功>>75に手ごたえはあった。 仮に、それが誰かの何かの琴線に触れてしまっていた>>76のだとしても、エフェドラにはうかがい知れぬこと……]
ドラねーちゃんはー、だいじょーぶ。 それより……盛り上げ。経験あさーきお猿やワンコに負けたりしたら。 ねーちゃんしょーちしないかんねー。
[落ち着き、整った呼吸で、様子を見守るアントニーに告げる。 お猿とワンコ。指し示しているのはもちろん、調教師の手により舞台を華やげた、あの2匹>>79>>80のこと。 出番はまだかもしれないが、気合い入れてこー、と細い腕でガッツポーズを決めといた]
(91) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[これにて奏者の出番は終わり。 ラストの大団円にはライトの下にいるだろうが、 それまでは、邪魔をしないよう、息を潜めるのが、仕事。
か細い遠吠えが、未だ脳裏で鳴り響く中 祈りを捧げる歌声が、その声量には比例せず、力強い響きをもって奏者の中を響き渡った。
音楽の、力。 もしかしたら、それは]
魔法みたいだ ……
[ステージ裏へと戻ってくるエフェドラの姿に呟いた]
(92) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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―― 大テント:ステージ裏 ―― [“芸人殺すに刃物は要らぬ。 雨の三日も降ればいい。”
それなのに団長は死んだ。 雨も降らない日に。 リングでもなんでもない場所で、公演日に死んだ。 >>63>>64これまでの公演になかった、人形の哀悼歌。 微かすぎるそれを聞き取れることはないが]
……、――ゥン こりゃ二人して怒られるなあ。
[とは言っても、 団長は新しい人形芸を一方では褒めそうだ。
>>80子犬の上げた遠吠えを思い出せば、 並ぶ二人の横に、ちょこんと虹色が映えるかもしれない、 なんてそんなことも考える。]
(93) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[>>70袖に戻った際の視線の訳、 クラウンには掬い取れるものではなく だからこそ、前口上を、 ――団長の代役を勝手に引き受けたことを 咎める視線かとそう思い、]
…… [団長以外にも怒られる準備をしなければ、 とクラウン・メイクの下でそう、思った。 とまれ、舞台だ。 演目は順に行われ、ストーリーは紡がれる。
道化の視線は、開場中の音楽を引き受けた、 あのバンドネオンの奏者を探し]
(94) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[とはいえ、ステージ上の演技は 奏者にとってはいつだって、魔法のようなもの。 唯一現実から離れられないのが、想いを表しただけの音、で]
うまく、できたかな
[とは共演者への、小さな伺い。
空も飛べない。 歌も、自分ひとりでは歌えない。 何もできないのに、できないから 欲しいものは沢山ある。
観客の拍手も、そのひとつ]
(95) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[2羽の鳥が、はばたいている。 観客が息をのむ音さえもが、ここまで届いてくる気がする。 飛翔する2羽。 観客たちは、その織りなす美しさに心奪われ……もしかしたら彼らが様々な感情を持った人間であることさえも、忘れてしまっているのかもしれない。 観客にとって……夢を演じる住民たちに対しては、それでいい、とも思う]
どーいたしましてー。 それよりキミも、いい声してたねー。 センセーの教えに従い、よく頑張った!
[ジャニス>>90と、抱えられた名無しの犬>>82にそう告げた]
歌は……ジャニスが気づかせてくれたおかげだよ。 ありがと。
[ちなみに、余興の最中に告げられた「羨ましい」>>82についてはうまく意味が飲み込めなくて、あの時、曖昧に肩をすくめただけだったけど]
(96) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[強すぎる照明と視線を受けて 鳥たちに散りばめられたスパンコールがきらめいた。
その眩しさを先に厭がったのは、蛇だ。 ―――…毎度のことだが、この蛇は 空中ブランコの手番になると、いやいや、身を捩る。]
……… 仕方ないね。
[裏方としても、観客としても 最後まで同じ場所に居られた試しのない男が、袖を離れた。 舞台の端も見えない、位置。音だけが、メルヘンを追い掛ける。]
Yes. Bravo.
[共演者>>95の小さな声を、拾い上げた。 繊細な指の織り成した、動物たちへの、軽快な音楽を。 拍手のかわりの賞賛もまた、小さなこえで。]
(97) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[演者へと向かっているのか、 ステージ裏へいる奏者を見つけ、 常のように、ゥン、と頷いた。 届きようもない声だ。
会話はさほど、得意じゃない。 だから謝礼も――それこそ的外れのような礼も、 その仕草一つで終わりにしてクラウンは良かった。]
[まだ続いていく舞台を、 飛び交う人を、ナイフを、 舞台上でしか成立しないメルヘンを見ようと 客席側にほど近い袖幕へと足を向け]
(98) 2014/10/12(Sun) 22時半頃
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[周囲のフライヤーの事を、鳥モドキは知らない。 トリノスが何を行っていようとも>>84 興味すらも無い。
描くのは、観客の為の物語? それとも―――]
[物語のシナリオ通りに動く鳥。 他の団員が、団長の為に様々な手を尽くして哀悼を示している中 いつも通りの演技、いつも通りの流れ。
だからこそ、鳥の演技は、真に観客に響くことはない。 哀悼の、悲しみの、その奥に秘められた熱には敵わない**]
(99) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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エフェドラは、ジャニスに礼を言った
2014/10/12(Sun) 23時頃
エフェドラは、ザックと2人で怒られ組みだろうか
2014/10/12(Sun) 23時頃
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[子猿と犬の余興は可愛らしいもの。 己の演技を前にして少しだけ心が和む。 程よい緊張感の中、か細い鳴き声に女の肩が微か揺れる。
そうして空中ブランコの演目になれば トリノスが空を舞うのを見上げ見詰め。 鳥の如きその姿にほぅと感嘆の息を吐いた。]
(100) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[共演者の小さな声には頷き返し、 少しだけ、いつもよりも眉尻下げて、短い金髪を揺らした。
「いつもより」
皆の演技は輝いているように見える。 団長がいなくとも――団長が、いないから?]
(101) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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―― ステージ裏:>>22客席近く ――
[いつもならばフライヤーの陣取る場所 彼がリング上に上がっている間、 クラウンが場所を借りた。
ステージが臨める。 客の顔がおぼろげに照らされて浮かび上がる。 その更に上を、無尽に飛ぶ姿。]
(102) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[ステージ裏を見渡す。 ステージ上にいる仲間を想う。
一人一人の顔を思い浮かべる。
ついさっき「皆のこと、好き」と言った。 その言葉に偽りはない。 事実、奏者はこのサーカス団メルヘンのことを愛していたし 団長にたいしてもは特に感謝するようなこともなかったが 恨み辛みがあるわけではなかった]
(103) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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―― 綱渡り ――
[練習では梯子を使った。 けれど本番でそれは使わない。 女がこれから披露するのは綱渡り。 サーカス団が魅せる『メルヘン』の一幕。
ピンと張られた綱には傾斜がついている。 左右へと伸ばした手は爪先まで神経が張り巡らされたように形よく。 綱のぼりゆく足取りはゆっくりなれど確かなもの。 凛とした横顔には未だ笑みはなく。 メインとなる平行な綱を結ぶ台に辿りついた時、漸く表情を綻ばせる。]
――――……。
[紹介のアナウンスにあわせて流麗な仕草で一礼すると 綱渡りのスーザンは華やかな笑みを浮かべた。]
(104) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[台から綱へと伸びる足先。 地面と平行に張られた綱を慎重に女は進む。 途中でふらりとよろめきバランスを取るのは無論パフォーマンス。 半ばまで来たところで、女の動きはぴたりと止まった。
曲調が変わる。 アップテンポな曲に合わせて細い綱の上で女は軽やかにステップを踏む。 不安定な場所で踊る女短い曲の終わりにつ、と片脚を上げてポーズをとった。
ふと地上に視線を向ける。 音楽を奏でるバンドネオンの彼をちらと見る。 再び音楽が響き始めるにあわせて女は両足が綱の上で揃えた。
ゆると膝を折り綱の上に腰かける形となれば 下肢はそのままに頼りない一本に背を預け仰向けになる。 大テントのてっぺんを見上げ、そうしてゆっくりと身体を起こし 女は危なげなく立ち上がる。]
(105) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[綱を渡りきろうとしたところで、 その先の台にいる人影にぴたりと足を止めた。 プログラム通りの動き。 黒くしなやかな鞭を持つのはアシスタント。 ――そのはず、だった、けれど。 スーザンの眸に映り込むのは隻眼の指導役。 舞台に立つ事のなくなった男が其処に居た。]
――……。
[くちびるが彼の名を紡ぐけれどはっきりとした音にはならない。 対面に居る指導役がにっと口の端を吊り上げ笑った。 そうして次の動きもまた相手は違うがプログラム通り。 指導役は手にした鞭をスーザンの足元へと振るう。]
(106) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[しなやかな軌跡描く鞭をぴょんと綱の上でジャンプして避ける。 ふらりとよろめいたのは僅かな動揺が滲んだせいだった。 ひやりとしながらも手筈通りの動きが続く。 もう一撃、今度は顔を狙うように振るわれる鞭。 女はしゃがんで避けて、また立ち上がりバランスを取りなおす。
ゆらりと、白く細い腕を横に伸ばして。 再び歩み出そうとした女の腕に鞭が絡む。 取られた腕を見て、それから対面の指導役を睨みつける。]
――…っ。
[ぐ、と腕に力を込め、引き寄せる。 指導役の手からするりと鞭が抜けて それは女の手許へとすんなりおさまる。]
(107) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[隻眼の彼もまた綱の上に来ればいいのに。 二人で立つ事はなかった舞台。 それは誰かのはなむけのような予定外の演出。
女が鞭もつ手を掲げる。 向こう岸に居る隻眼に向かい鞭を振るえば 今度は予定通りにアシスタント代わりは台から下りて舞台裏に引っ込む。
女は滑らかな動きで綱を渡りきり先程まで隻眼が居た台へ。 ライトに照らされる中、客席へとお辞儀して。 いつものように愛想よく笑んで手を振りつつ退場した。**]
(108) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[この公演が終われば。
漏れる光を丸い眼球に泳がせて、 クラウンは思った。
日常に帰るわけではない。 団長の死んだ、非日常に帰るのだ。 公演のためと追いやってきた全てに手を伸ばし 腕に抱え、ケリをつけなければいけない。 なんで団長が死んだのか もしくは、誰が団長を殺したのか。]
(109) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[常のように頷きをくれたクラウンの背中が目に入る。 ステージ裏の特等席。 フライヤーがステージに上る時だけ、メルヘン内の子どもたちがいつもとりあっている場所にいる、クラウン。
音もなく――ステージ裏で足音をたてぬ技くらいはだれもが心得ている――歩み寄り、少し後ろで鳥が飛ぶのを眺め]
悲しいの
[短く、背中に問いかけた]
(110) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[撓むネットから起き上がりまた登って、 再びブランコの上になんとか到着する演技。 成功させればきっと拍手喝采だろう、お決まりのパターン。
見えるように笑顔を浮かべて手でも振れば、もっと湧き上がる。 応えるように頷いて宙で回転するような大技を披露する。 団長に褒められたことのあるそれを、 フィリップは行わない演技をしたのは常にある対抗心と 恩人である団長への追悼の心。]
(111) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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[普段はブランコのバーしか見えないのに、 今日は不思議と見上げる人が、見える気がした。
そこまで視力は良くも無いはずだが、不思議なこともある。 まさか団長がそこに居たりして?]
(112) 2014/10/12(Sun) 23時半頃
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[嫌だな、とクラウンマスクの下に過る。 この照明の煌めきも、 観客が、演技技術に誘われ一斉に息をのむ空気も、 舞台上で作り出される何もかもが、奪われるのが。
クラウンたり得る場所が 無くなってしまうのは――――]
ニコラス、
[声は突然降ってわいた。 肩を跳ねさせることはない、けれど、 自ずと開いた眼が知らせる。驚いたと。 だから次の一言は、意識的に眦で弓を描く。]
(113) 2014/10/12(Sun) 23時半頃
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そう見える? 見えたらクラウン失格だなあ。
[場所を少しずらし、 望むならステージ上が見えるように譲りながら 小さな灰色の瞳がひょいと跳ねた]
ニコラスはどお。 いつもと、違う、音で今日の客入れだったけど。 ……マァ 音のこと、よくわかんないんだけどさ。
(114) 2014/10/12(Sun) 23時半頃
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[舞台裏、観客も、団員の姿も、―――…おとも、少し、遠い。
初舞台の緊張ゆえか 腕のなかで震える子犬を抱え直して、マリオネット>>96に目を。 人形の震えは幾分か治まっただろうか。 指摘をしないまでも、視線が、懸念を物語る。]
……… 『当然だ、わん。』
[初めて口にする、子犬の真似。 男の口を閉じたままに告げる声は高い。]
………僕は、なにも。 あれは、我が儘、だよ。
[告げられた、ありがとう、に、首を振る。 本当に、告げた理由が、我が儘だったから。]
(115) 2014/10/12(Sun) 23時半頃
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んーん、大丈夫
[あけてくれた場所、少しだけ塞ぐように半歩前に出た]
皆、悲しいのかな、って思って ……ザックの前口上、かっこよかったから
だから、俺は悲しくないと 思う
[いつもと違う音。 いつもと違うざわめき。 自分ひとりに向けられた意識。 悲しみは、きっとほんの少しだけ、あったけれど 朝が来る前に何処かへ行ってしまったのだ]
(116) 2014/10/12(Sun) 23時半頃
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