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108 Persona外典−影の海・月の影−
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―年明け― [翔子とそれから智晶が満月の夜に倒れたことを確認したのは新年早々の事だった。外傷はそう酷くもなかったのだろうか、特別新聞を騒がせたとかそういう事はなかったように記憶しているけれど、自分も正月の間はあまり外に出ず過ごしていたのだ。]
……あかりからメールが返ってこない。
[あかりへ、家への誘いのメールは入れたのだけれど、どうもなしのつぶて>>26だった。マンションにいるのかどうかも分からない。]
あ、父さん。……いえ、何でもありません。ただ、花河さんと最近連絡が取れないから、心配になっただけ。父さんもしばらく会っていないでしょう。
[家で父親と顔を合わせ、少々気まずそうな表情で口を開く。市長選が近いとあって、準備に余念もなく、年が明けて早々だというのに真弓の父は精力的に動き回っていた。]
雛宮君に聞いた方がいいのかな。……崇神神社のあの子の事。 他でもいいのだけれど。
(27) 2015/02/20(Fri) 22時半頃
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―中央部・崇神病院―
[目を覚まさない櫻井は、そのまま病院へと搬送されただろう。 共に病院へと向かうことにした巡理は、その時に知ってしまう。 小さなペルソナ使い、翔子も同じ満月の夜に倒れ伏した>>3:482ことを――。
病室の中で静かに眠る少女の傍らで、巡理は濡れたガーゼを彼女の頬へ当てる。 優しく顔を拭いて、髪を撫でる。]
昨日、お風呂入れてもらったん? 綺麗になっとる。良かったねぇ、翔子ちゃん。
[微笑もうとするけれど、うまく笑えなくて。視界は歪み、唇を噛む。 妹の様に、思ってた。 妹が居れば、こんな感じかなって。 ずっと、そう思っていた。 大事な人は、いつもそう。いなくなる。 誰も自分の傍にはいてくれない。 そんな馬鹿みたいな感情が浮かんでは、否定する。そんなものは、ただの偶然にすぎないのだと。 ぽたり、涙が落ちるのを指で払った。]
(28) 2015/02/20(Fri) 22時半頃
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[あかりが本当に恐れ逃げ出したかったのは、 自分自身という檻だった。
家族を失ったあの日から、あかりは愚かさと欲望を憎み続け、 正しくあろうと振舞い。 家族を亡くした少女のそんな在り方を高屋敷氏は嘉し、 周りの大人たちはいじらしいと褒めてくれた。
これまで、あかりの存在を認めてくれたのは両親だけだったから 彼らを亡くした今、存在することを認められるため、大人たちの望むようにひたすらに努力を重ねるしかなかったのだ]
(29) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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[だから、あかりは正しいことのために生きる――謂わば理性の怪物を演じ続けてきたけれど。
芝居を続けるうちに、自分が本当に望んでいたものが何であったのか、分からなくなってしまった。
気が付けば、あかりに残されたものは、『正しくありたい』という目的だけ。
――他には何も無かったのだ]
(30) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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もしくは……
[そう言うとスマホを手に取り、短くメールを送信する。]
------------------------------------------------ From:高屋敷真弓 To:賀来馨一君,雛宮律君 件名:お疲れ様です。
あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします。 この間の事、聞きました。お疲れ様。 無事でよかったと思っています。
ところで、花河さんと連絡が取れないのだけれど彼女は大丈夫かな。もし連絡が取れるようだったら教えてください。 この次も、宜しくお願いします。 ------------------------------------------------
(31) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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―満月の夜― [掌の冷たい人は心の温かい人、 そんな言葉には少しだけ意外そうに目を見張った。 駆けた先、市外を見下ろすクレーンの上手はまだ繋がったまま。
じわりと影の蝕んでいく町の姿を、 雛宮律はなにか慈しむような表情で見下ろした。
迷い、苦痛、悲しみ、憎悪、後悔。 抗うものたち痛みの雫はシャドウの海へと溶けて流れ込み、 満たされぬ影で作られた身に、一時的な充溢感を齎すものだ。 そしてそれは――傍らからも>>21]
……今のお前に何が出来んの?
[花河の心のうちと同じことを口にした]
(32) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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[>>22 逡巡するように続いた言葉。 彼女が今、何を言おうとしているのか、 そしてどうしてそれが口にし難いのか、 雛宮律には分かってしまう、そして分かってしまうから、 彼女には言わなかったことが、今までもたくさんあったのだろう。 沈黙の静寂は、いつだって安寧を導いた]
お前がここにいるなら、行ってもいいけど。
[自嘲のように口にされた言葉は、 きっと彼女が思うよりも律には意味のある言葉だった]
そうだなあ……、 もし今、俺がみんなを助けに行ったら死ぬとする。 そしたら、みんなが助かるのと、俺一人だけが助かるのと。
どっちがいいかな?
[それは少し意地の悪いトロッコ問題のもじりだ。 答えを聞かずに繋いだ手を解いて、かつん、とクレーンの上から一歩踏み出す、黒く焼けた火烏の翼が大きく広がってその姿を隠した*]
(33) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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―年明け・自宅マンション― [けれど、もうそんな日々も終わりだ。 三度目の満月の夜に、あかりはあかりであることを辞めたのだから。 もう、正義には消すことのできない傷が刻まれてしまった]
――……。
[もう、幾度目になるのか分からない、着信を知らせるガラケーのLEDの明滅に気付く。 ベッドに丸まったまま、床に放り投げてあったガラケーに投げやりに視線を向けると、開きっぱなしのディスプレイには『高屋敷 真弓』と表示されていた]
(34) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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―中央部・崇神病院―
[しばしの時を翔子の病室で過ごした後、櫻井の病室へと向かう。病院内は静かすぎる。特にこの病棟は、意識不明者を集中して集めているのだろう。TVの音なども聞こえず、人の気配は医療従事者か、見舞い客のもの以外無い様にすら思える。 櫻井の病室へとたどり着き、扉を開ける。彼がいるベッドのカーテンを開けば、そこには誰もいなかった。]
さっくん、おはよう。…もう夕方じゃけど。
[ベッドの傍へ行き、顔を覗き込む。傷を負い、ただ眠っているかの様なその様子をしばし眺めて。誰もいないそこでぽつり呟く。]
……ごめん、ね。
[何に対して謝っているのか、巡理自身にも分からなかった。 だが、非力な己を悔いる事はあれど櫻井を信じた事は間違ってはいないと巡理は思う。 間違いがあるとすれば、それは。]
……敵はとる。絶対に。
[巨大シャドウに向かった時と、同じ決意を胸に抱く。 その敵が間違っているとは、未だに気付かないまま。*]
(35) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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― 中央部 崇神病院 ―
[その日訪れたのは搬送された者達の見舞い。明は。日当たりの良い病院は苦手だろうから、無理しないで、と気遣ったがどうしただろうか。 あの日、翔子と呼ばれていた小学生と共に、智晶が喰われた事を知ったのは誰からの情報だろうか]
…神社の被害は凄かったんだって。 それでも…皆の御陰で、かなり抑えられたんだろうね…。
…チアキ…もしかして… …巻き込まれる他人の心配とかして…ヘマしちゃったの…?
[シャドウは人の影を呑み、何を為す気なのか。 所詮人間でしかない身にはわからないけれど。
そこは重体で昏睡する智晶の病室だった。瞼も揺らさない横顔。 やがて智晶の病室を辞して、もう傍らの病室へ足を向ける]
(36) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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― 崇神病院 ×××号室 ―
[部屋のプレートには、下部翔子、の名前がある。 未だに、あの満月の夜、リツキの手で喰われたろう少女と、その子を掻き抱く様にしながら涙を落とすゴロウが記憶に焼きついている。 嫌な記憶を振り払いながら、ガララ、と病室の扉をあけると]
… … …あっ 。 … …花咲 せん… … …。
… …さっき。チアキの様子… みてきた。
[病室にいた人物に、微かに表情を引き攣らせて、平常に努める。 そこには、あの夜倒れた子供の枕元で、甲斐甲斐しく接している巡理の姿。 気まずさに、思わず視線を逸らしていた]
(37) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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[仲間たちからのメールには目を通していたから、 彼らの状況と前回の満月の夜に起きたことは把握している。
彼らは連絡に応えようとしない、今のあかりをどう思うだろうか。 心配しているだろうか。 それとも呆れ、軽蔑しているだろうか。
のそりと、顔を上げてカレンダーを確認する。 一月になり早くも一週間以上が過ぎていた。
例年なら年始の挨拶のために、高屋敷家を訪れていたはずだ。ぼんやりとそんなことを考える]
(38) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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ひとまず、送っておいたから。 連絡が取れるといいのだけれど。 ……あら、家政婦さんはもう帰ってしまったの?
[そう言って辺りを見回し、その場にいるのが自分と父親だけである事を確認すると、初めてにこりと笑みを見せた]
(39) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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……そう言えば、”父さん”。あなた自身は花河あかりとはまだ対面していなかったんだっけ。いや、人間としては真面目な良い性格の方だと思うよ。ペルソナ使いでさえなければ僕達とも良い付き合いができたかもしれないのにね。 前のあなたも随分目をかけていたようだから、”父さん”、きっとあなたも気に入るよ。
……それより、選挙も近いみたいだ。まだいろいろ慣れないところだとは思うけれど、あなたが頑張ってくれると僕達もいろいろとやりやすくなる。しっかり頼みますよ、”お父さん”。
[他に誰もいない部屋の中で、父と娘はくすりと笑みあっていた。]
(40) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 赤い月が消えた後・病院の屋上 ―
[あれから、花咲とともに病院へと付き添い、櫻井の家族への連絡を済ませた。 同じくして入院した翔子の元へと花咲が向かったあと、彼は屋上へと向かう。]
……。
[新年にふさわしい晴れやかな空の下。 コートのポケットからスマホを取り出して、2通のメールを送った。]
(41) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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------------------------------------------------ From:賀来 To:ペルソナ使い 件名:(No Title)
櫻井と翔子ちゃんが入院した。 二人共意識不明。 ------------------------------------------------
(42) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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―あかりのマンション―
[年明け前に送ったメール>>3:301へは未だ返事が戻らない。 きちんと会って話しておきたかったけれど、ざっくりとした伝達はメールで行っておいた。 けれど、常ならすぐに返信がくるあかりから、メールが返らないのがおかしかった。 学校が始まっても、あかりは学校に来ない。 これは、明らかにおかしい。 学校の先生から住所を聞いて、直接マンションへと赴く。制服姿でマンションの管理人に事情を伝えてエントランスを通してもらい、彼女の部屋へと直接足を運ぶ。 インターフォンを押して、声をかけた。]
あかりちゃん、おるー?
(43) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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------------------------------------------------ From:ケーイチ To:MAYA 件名:Re:心配かけてる
自覚があるならいいさ。 僕も大丈夫。 リツキと会えればいいな。
じゃぁ、また学校の屋上で、かな? ------------------------------------------------
(44) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 繁華街/雑居ビルの屋上 ―
[少年は、フェンス越しに下界を見る。 影の無い世界。ただの人間に擬態せざるをえない世界。
少年はゲームセンターの辺りを見る。 何度かその近辺で遭遇した姿を探すも、見当たらない。 日の下では人の足元に幾つも影が伸びている。 それらが重なり合い、暗がりを生み――。]
…………つまらないな。
[全部奪ってしまいたい。 本屋から強奪した黒い本は、未だ1頁も読み進んではいなかった。]
(45) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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―夜明け前・祟神神社前―
へえ、この状況ならひとおもいに、 取り込んでしまえると思ったのだけどな。
[リツキがシャドウ、 その情報が向こうにペルソナ使いをひきつけてくれると思っていたが、どうやらそういうわけにはいかなかったようだ]
すこしくらいは、仕事をしようか。
[火烏の容がしたたり落ちて闇に溶けた。 影と同化したそれは混戦の最中まで赤黒い暴虐の翼を広げる。 ――その日奪われた影、櫻井智晶の痕跡には、やはり相馬絹代の時と>>3:6同じように、憎悪の業火が刻まれただろう*]
(46) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 崇神病院 ×××号室 ―
[扉の開く音に、落ちた涙を拭い振り返る。久しぶりに見る顔>>37に、安堵して微笑んだ。]
麻夜くん。……なんか久しぶりじゃね。
[何が、とは言わずに曖昧に問いかける。 ちあき、と名を聞けば少し表情を硬くする。]
そっ…か。あたしもこれから行くつもり。 ……麻夜くんの方は、大丈夫だった?
[巡理は以前のいざこざを延々引きずる様な性格ではない。視線を逸らす意味が分からずに、問いかける。]
(47) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 満月の夜・祟神北小学校前 ―
[新たな気配>>4に気づいても、振り返るには、まだ足りない。 腕を離してしまえば、この細い息が途切れてしまう気がして。 無力を知りながら、それを認めたくない男は、無様な悪足掻きを続ける。
けれど、ああ。 男は誓いを思い出したのだ。
側で震える少年の叫びに、顔を向けたその時に。 手にした本から、垣間見た名前で。
友への誓いを、思い出したのだ]
(48) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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―――――――……
[男の瞳に、赤が宿る。 それは揺らめき、炎のカタチを成して、世界を彩る赤に溶けた。
小さな身体を抱きかかえ、 ようやく立ち上がたった頃、世界が赤から藍に染まる。 人気のないこの場所でも、木々のさざめきは、過ぎる風の冷たさは、人の世界の帰還を告げ。
少女の髪飾りに止まる紫の蝶は、 その燐光を再び青に染めた後、何処かへと舞う]*
(49) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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[木の根元に少女の身体を預けた時、携帯の端末が震える。
着信は花咲巡理。 今日は神社の方へ向かうと、聞いていただろうか。 通話をオンにし耳元へと寄せれば、聞こえてくるのは雑踏の音、悲鳴、人の気配、そして吐息]
………、どうした?
[短い沈黙の後、告げられた言葉に返すように問いかける。 その問いかけに、少女はなんと答えたのだったか。
涙を流す少女の傍らで、力なく倒れ伏す少年の頬に、青き蝶は佇ずみ、その姿を消した]*
(50) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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[やはり、高屋敷家に挨拶だけでも行くべきか逡巡していると、インターフォンが鳴った。 誰だろうとモニタのスイッチを入れると、そこには巡理の姿>>43 どうやらエントランスを抜けて、直接部屋の前に来てしまっているらしい]
『あかりちゃん、おるー?』
[久しぶりに聞く友人の声に、辛そうに眉を歪める。 居留守を使おうとも考えたが、どうせなら、今の自分の醜態を見せて、さっさと見切りを突けさせた方がお互いの為だ]
……今、開けるから。入って。
[そんな思いで巡理を部屋へを招き入れる。 ……だが、心の奥底に眠る、本当の願いにあかりは気付かない]
(51) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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はは……大丈夫、か……。
[スマホをポケットにしまいながら、視線を落として力なく笑う。]
……大丈夫じゃねぇよ。
[目の前で力尽きた櫻井。 リツキに襲われた翔子。 そして守れなかった人たち。
怖いという感情に囚われて、ぐるぐるぐると落ちていく。 ]
ちくしょう。 ふざけんな。
[苛立ちは、シャドウと、そしてなにより恐怖を覚えた自分へと*。]
(52) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 中央部・崇神病院 ―
[翔子の側で話しかける巡理の姿>>28を部屋の入口から見つめる。 巡理から見舞いに行くのだと聞いた時、共に行くと告げたのは男の方だった。 会社の人間も何人か倒れて、病院に搬送されていたため、その社員を尋ねる名目で休みを貰う。 病院へ共に向かう巡理は、車の中では借りた猫のように静かで、掛ける言葉を考えれない男もまた、静かに道を走らせた]
―――……。
[あの日以来、日常の中でも違和感を覚える事が多くなった。 無気力な者も増え、見れば目立つ程であるのに、それに気をかけない人も増えた。
人の世界は、着実に―――――海に飲まれ始めている]
(53) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 崇神病院 ×××号室 ―
[久しぶり、その言葉にも勝手に含みを感じて視線を逸らしてしまう>>47]
… … …うん… 。 なんとか、元気には。
[巡理の目元が赤い。それを察して、非常に気まずさと居心地悪さを自分で勝手に感じていく]
俺の方は… … …。 …ごめん、間に合わなかった。
[応えたのは唯それ。つい、と向けた視線は今も昏睡する少女に]
(54) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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[まだ事情を話すワケにもいかない、リツキの事も解決していない。 巡理に対して、神社での事を引きずる自分は、結局その位で病室の扉を見るだろう]
…俺が来たのも…その子の経過…見にだから…。
…それじゃあ…俺…もう行く…
…あ… …花河センパイみたら…よろしくとか適当に… 。
[最後に、花河の名前を、そうぼそぼそする様な小声で引き出して、半分逃げる体で病室を辞するのだった*]
(55) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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[側の扉が開く音がして、そこから覗く顔>>37を見る。 二人が話し始めるのを見て、席を外すべきかと思ったが、タイミングを逸してしまった。
どこかぎこちなく交わされるやり取りに居場所を失くし、なるべく息を殺して、外へ出るタイミングを再び伺う]*
(56) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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