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108 Persona外典−影の海・月の影−
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せん、ぱ……?
[こぼれ落ちる涙に、安堵する。 先輩は生きている。 私は、助けることができた。存在を示した。]
よかっ……た、で、す。
[そう、満面の笑みで、笑いかけた。 酷使した腕はもとより、全身が鉛のように動かない。 けれど、心は満たされていた。]
(297) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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私、諦め、なかった、の、先輩の、おかげ、です。 わた、しにしか、できない、こと……先輩が、教えてくれた、から。 それでも、ありがとう、思ってくれるなら……。
[目が霞む。体が軋む。 意識を保つのさえ、難しくなる。 それでも、笑顔を絶やさずに。]
いきのこったあと、いっぱい、ほめて、ください。
[隠者のただひとつの願いを、伝える。]
(305) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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[自分はもう動けない。 この場にいれば、死を待つばかりだろう。 一緒に生き残るためには、アカリに動いてもらうしかない。]
……は、い。
[微かに頷く。 スクナビコナが、飛ぶ。 鱗粉が見せるのは……希望と言う名の幻想。 それが現実になるかは……夢を見るもの次第だろう。]
(307) 2015/02/15(Sun) 03時頃
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[あかりに連れられ、埠頭につく。 大きな戦闘痕の存在が、ここも危険だと教えてくれる。 そして、その中心に彼がいた。]
大塚くん!
[辛うじて動き、歩み寄る。 彼に寄りかかるように、体に触れた。]
痛いところ、ない?大丈夫?
[彼と向き合う二人の人物に、視線を向ける。 少しだけ、恨みがましい、涙のこもった瞳を。]
(337) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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[あかりの名前が呼ばれると、新しい人物。>>335 見たこともない人だが、あかりの態度から、学生ではなさそうだと推察できた。 知り合いではあるようだが、それでも警戒は解かない。
静かに、あかりの服の裾を握って、警戒の意思を示した。]
……大丈夫、なんですか?先輩。
[なにが、とまでは、言えなかったが。 事件のことを知る位置だから、人間相手にも警戒はあった。]
(339) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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……信じてますから、先輩。
[彼女は知っているだろうか。 私が信頼すると言うことは、殆どないと言うことを。
先輩にしても、大塚くんにしても、なにかに、惹かれた。 だから、信頼できたのだ。]
(349) 2015/02/15(Sun) 17時頃
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高屋敷さん……楠 明です。
応急処置なら、私ができます。 もうちょっと、休めば、ですけど……。
傷があるなら、言ってください。私が治します。
[先輩が大丈夫と言ったから。 だから、力を貸すことにした。 自分でも気づいていないが、一度惚れ込むと、とことん信じきる性質が、楠 明にはあった。]
(350) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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先輩こそ、大丈夫ですか? あんなことが、あったのに……。
私は、体がうまく動かないだけです。 怪我はありませんから。
[未だに、限界を越えたことで、体は悲鳴をあげている。 それでも全く動けないわけではないし、怪我もないだけましだろう。
ただ、右手が動くには動くが、未だに感覚が戻っていないことは、伏せておいた。心配をかけるだけだから。]
(353) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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……疲れてるのは、あります。
[警戒しすぎたかもしれない。そう思うようになった。 初対面で、こちらのコンディションを心配してくれている。 それに、先輩の信頼してる人だ。 大丈夫。きっと、大丈夫。そう言い聞かせた。]
ペルソナは、動きます。 だから……役に立たせて、ください。
[存在意義を求めた献身が、そこにはあった。]
(363) 2015/02/15(Sun) 18時半頃
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いいの……見つからないってことは、無事なのかもしれないし……。 大塚くんが無事なのが、嬉しいから。
[謝る麻夜に、そう声をかける。>>367 だが、体に触れると表情を一変させる。]
なに……なにしたら、こんなになるの! じっとしてて!痛みを和らげるから!
[スクナビコナを呼び出して、鱗粉で治療していく。 顔は暗いまま、瞳に涙をためた。]
痛みはなくなるだろうけど……。 痛みって、リミッターなんだよ。 無茶しちゃいけないって、サインなんだよ。 ……お願い、一緒にいて?もう、無茶しないで……。
(371) 2015/02/15(Sun) 19時頃
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ふぇっ? ……はい、先輩こそ、むりしないでください。
怖いときは、一緒に、怖がりますから……。 だから、大丈夫です。
[心配されたことはわかっても、その原因に思い当たることができない。>>372 なにしろ、こんなに人と関わろうとすることが、はじめてだから。 自分では、違和感に気づけない。 あかりや、麻夜は、どうだろうか。]
(378) 2015/02/15(Sun) 19時半頃
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[優しいこばに、安堵を浮かべる。>>374 この人は、きっと、味方だ、と。]
はい、わかりました。 ……あ、あの! 警察官を見ませんでしたか……? 私のお父さんを探してるんです。
[休む前に、やっておくことはやっておきたかった。 父親の安否を、確認しておきたかったのだ。]
(379) 2015/02/15(Sun) 19時半頃
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なんで……こんなになるまで……。
[治療を施しながら、自己嫌悪に陥る。>>383 麻夜の怪我は、すべて自分の責任なのだ。 だからこそ、献身する。だからこそ、己を呪う。]
謝らないで。 ……もう、こんな無茶はしないで。 生きて……元気な姿で、私に、会いに来てほしいから。
(387) 2015/02/15(Sun) 19時半頃
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あ、いえ……来てるかも、ってだけ、なんです……。 でも、ここに来てたら、きっと危ないと思って……。
[特徴と言われると、携帯を取り出す。]
この写真……この、警官服の男の人です。 ……わかりま、せんか。
[多分、見られてないのだろう。 けれども、微かな希望をもって、訪ねる。]
(388) 2015/02/15(Sun) 19時半頃
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そう、ですか……。
[がっくりと肩を落とす。 携帯が通じれば、なんとかなるのだろうが……。 そんな状態だったから、次の言葉に強く反応した。]
ほんと、ですか!? おねがいします!
[やっと見えた希望。 それに、明るい表情になった。]
(393) 2015/02/15(Sun) 20時頃
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[クルーザーのなか、隅っこで縮こまる。 大塚くんも、花河先輩も、交遊があるのだ。 ……一人なのは、私だけ。実感してしまった。]
……?
[なにか、聞こえた。 声?音が、聞こえた。 ……呼ばれている、気がする。
ふらふらと、ひっそりと、ベルベットルームから外へ出ていく姿に、気づいた人はいるだろうか。]
(458) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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スクナビコナ……なに?なにを感じているの?
[ペルソナがなにかに反応する。 昆虫には、それにしかわからない超音波のようなものがあるらしい。 それと似たようなものを、スクナビコナは感じているのだろうか。]
……いりくんでる。コンテナ?だよね……。
[積み上げられたコンテナが迷路のようになっている。 一歩先すらよくわからないのは、怖くもある。 だけど、今はそれよりも、好奇心が勝っている。 例え、足取りが、ふらついていようとも。]
(461) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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……聞こえる。 わかる。誰かの声。 いや、わかってる。この声は。
「……り……あか……り……。」
お、父さん……!
[コンテナの森を、駆け出していく。 声がするってことは、無事だってことで。 今、私を探してくれているってことで。 無事を伝えなきゃ。一秒でも早く。
そうして走って、見つけた人影。 見知った、後ろ姿。]
(467) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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お父さん……!
[動きが緩慢な体に鞭打って、駆け寄る。
その足が止まったのは。
振り返ったその人影の顔が。
真っ二つに割れていたから。]
(468) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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「あか……り……りりりり……。」
[絶望が胸を支配する。 ああ、これが。 この化け物みたいなのが。 お父さんなんだって。
その場に座り込む。 もう、どうすればいいか、わからなかった。 なにに希望を持てばいいのか、わからなかった。
ゆっくりと、「お父さん」が近付いてくる。 だけど、打ちのめされた四肢は、動かない。]
(471) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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(私は、なにをした?)
[足元には、バラバラの、したい。 お父さんに酷似した、したい。
うでも、あしも、どうたいも、くびも、ぜんぶきりはなされてて。 なのに、顔は、お父さんとわかってしまう。
わ た し が こ ろ し た ?]
(494) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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いやあああああああああああああああ!
[慟哭は天をつく。 違う。自分じゃない。 自分が割ったんじゃない。 自分がバラバラにしたんじゃない。
ただひたすらに、現実から逃げて。 枯れるまで、叫び続けた。]
(498) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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あ、うあ、あああ、あは、はぁっ。
[人が見ていることに気づく。 乾いた笑いが出る。 ため息のようだ。]
ちがう、ちがう。 わたしじゃないよ。
[それは、誰に向けたことばだろうか。]
(506) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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うん、ちがうよ。
[ただ、それだけ言う。 だってそうでしょ? スクナビコナはこんなことできないもの。 私じゃない。私じゃないんだ。
ねぇ、そうでしょ?]
お父さん。私じゃ、ないよね?
(515) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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そうだよ。お父さんだよ。 ……ね?おとうさん。 そうだよね?
[明らかに命のない物質に呼び掛ける。 それは、多大な混乱を招いているからだが、他人からこの態度はどう見えるか。]
(524) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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おとうさん、だよ? ね?おとうさん。
ねえ、へんじをしてよ。 わたしのおとうさんだって。 ねえ。ねーえー。
[巡理に答えるように、壊れた少女が、駄々をこねる。 それは、二人にはどのように写るだろうか。]
(532) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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……いない、の?おとうさん。 いなくなっちゃったの? ……おかあさんみたいに。
[暗く、冷えた、無邪気な瞳。 遠い過去を写す、赤。]
どうしよう。しんぱいしてる。 おとうさんのところに、いかなくちゃ。
(535) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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……あ。 わた、し……。
[頬を叩かれて、私が帰ってくる。 同時に、恐ろしい現実を思い知る。]
おとうさん、が……おとうさんが……!
[かけられた手にすがるように抱きつき、涙をこぼす。 現実を直視できないほど、楠 明は賢くないわけではない。 かといって、現実を受け入れられるほど、強いわけでもなかった。]
(543) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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[抱き締められて、涙を流す。 ああ、自分は許されているのだと、勝手に逃げている。]
おとう、さんが……バラバラになって……。 顔を、見た。お父さんだったの……。 った一人の家族だったのに……おとうさんが……お父さんが……!
[自己保身。現実逃避。 そのために、泣きじゃくる。 いつかつけがくることを、少女はまだ知らない。 ]
(548) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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うっ、ひっく……。
[あやされながら、泣き続ける。 シャドウが人になり変わるなんて知らないから。 あれがお父さんだと、信じて疑わなかった。
それが、悲劇となるのか。 それとも、希望へのトリガーなのか。 まだわからない。]
(567) 2015/02/16(Mon) 04時半頃
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