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64 さよならのひとつまえ
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この中で何が一番旨いと思う? 甘いもん食べないから、よく解んなくてな
[色んなケーキ、シュークリーム、プリンアラモード…それらを前にわざわざ小熊に尋ねたのは、可愛いもの好きなら甘いもんも好きだろうという俺の勝手な偏見と憶測に過ぎない。 帰りに寄って預かるつもりだから、小熊が選んでくれた商品は後で取りに来る心積もりで。
此処まで突き合わせた駄賃に、一番安いブリンでも奢ろうか*]
(357) 2014/03/28(Fri) 13時頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/03/28(Fri) 13時頃
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でもその友達の友達がさー、煮え切らないやつでさー、酷いんだぜ? 実は俺の友達、失恋したのさ。こっびどく。その失恋したのがー実は友達の友達にラブレター出したのに、そいつ返事も返さねーの。酷くね? あ、あくまで俺の友達の話なんだけどさー。
[あくまで、の部分は強調する。]
(358) 2014/03/28(Fri) 13時頃
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挙げ句、フラレた相手に「よろしく伝えといて」だって。デリカシーないと思わねー?そんなん誰も幸せにならねーじゃん。
[気がつくと、紐井屋の傍にまで来ていた。それは、無意識のうちに。]
(359) 2014/03/28(Fri) 13時頃
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[画面の中に浮かぶ月は、あまり、写りがいいとはいえない。 それを、スマホの壁紙に設定する。]
俺、粉まみれなっちまったから、ちょっとシャワー浴びて着替えてくんわ。 時間までにはまた来るから。
じゃ。
[ついでに、今のうちに残る荷物も片付けて、幾つかは運んでおきたい。 そう言い残し、一旦、校庭を離れた。*]
(360) 2014/03/28(Fri) 13時頃
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だから、絶交したワケよ。友達同士だったけど。それでいいと思ってたワケ。友達は。
[そこまでつげて、締坂の口が*止まる*]
(361) 2014/03/28(Fri) 13時頃
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─ 4-M→シャワー室 ─
[部屋に戻った時、そこには十文字も締坂の姿もなく、安堵のような、寂しさのようなものが、胸を掠めた。 しかし今は感傷に浸りにきたわけでもない。 さっさと着替えを用意して、シャワー室へ足早に向かう。
熱めのシャワーを浴びながら考えるのは、これからの、半日少ししかない時間のこと。 明日の朝がくるまえに、やらなくてはいけないこと。
───今を逃せば、後悔だけが残る。]
(362) 2014/03/28(Fri) 14時頃
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─ →4-M ─
[ちょっと変な柄のブルーグレーのTシャツに、オレンジ色のジャージを羽織り、部屋へ戻る。 汚れたジャージは、丸め……畳んで、実家送りにする段ボールへ詰め込んだ。ついでに、適当に洗って干しておいた、コーラを被ったジャージも詰めた。]
……っし、これでこの箱は完了!
[実家へ送るもの3箱、球団の寮へ送るもの2箱。 残りは、退寮前日まで使うだろうものが大半なので、まだ送らない。
いっぱいになった段ボールに封をしようと、机の上に置いていたガムテープを取ろうとして]
あっ!
[落っこどす。 転がったガムテープは、ベッドの下へ。]
(363) 2014/03/28(Fri) 14時頃
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[掃除や整理整頓は苦手な部類だ。 正直、寮室の掃除はしても、ベッドの下まで気を回したことがない。 ホコリまみれであろう場所を覗きこむのは、あまり気分のいいものではないのだが、仕方がない。 寝そべるように身を屈め、ガムテープを拾おうと、おそらくかなり汚いはずのそこを見る。]
……あれ。
[ベッドの下は、案外きれいだった。 そうか締坂や十文字が当番の時は、ここまでやってくれていたのか。 感心しつつ、ガムテープに手を伸ばせば、その奥に何か薄い本のようなものが積まれていた。]
ンだよこれ、まさか丞のエロ本か?
[廊下での話>>249を思い出し、隠してんのお前じゃねーかと内心ツッコミを入れながら、興味本位で一冊だけ、ガムテープと一緒に引っ張りだした。 けれど、それはエロ本ではなくて……]
何だよスケッチブックじゃねーか。 あいつ、これ持ってかなくていいのか?
[捨てるにしても、紐で括って出すなりしておかないとダメだろうに。]
(364) 2014/03/28(Fri) 14時半頃
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[十文字が絵を描いているのを見るのは好きだった。 適当な線かと思っていたものが、いつの間にか形になる。 犬と猫の描き分けもままならない、絵心皆無な自分には、あれが不思議でならなかった。
このスケッチブックの中には、まだ見たことのない、十文字の絵があるのだろうか。 この3年間、何を見て、何を思い、何を描いてきたのだろうか。 ページを捲れば、もしかしたら少しでも、それが分かるような気がして]
……ぇ、 あ……?
[表紙を捲ると、そこには、背番号2のユニフォームを着た自分の姿があった。
瞬きして、目を疑う。 いや、偶々自分が1ページ目なだけで、他の皆もきっと……! 少しの動揺とともに、次を捲ると、マスクを外して笑った顔。 次も、その次も……他は描かれていない。]
なんだ……なんだこれ……!!
(365) 2014/03/28(Fri) 14時半頃
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[鼓動が早まる。 スケッチブックを閉じると、更に2冊、ベッドの下から引っ張り出した。 そうだきっとこの一冊は自分用、残りは他の皆の絵が描]
…………こ、れ…… ッ
[描かれては、いなかった。
試合中の姿だけではない。 部活中のもの、部屋でトレーニング中のもの、何故か授業中のものまである。 ネイビーブルーのキャップを被って笑っているこの絵は、たしか、育成での採用が決まったと、食堂で報告した時のものじゃなかったか。]
って、おい…… ちょ……っ!
[いつの間に描いたのか、眠っている時のものまである。 横向きで、布団の一部を抱え込むような寝相は、明らかに自分だ。
自分でもはっきり分かるほど、顔が熱い。 どういうことだ、これは……!]
(366) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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→ むっちゃんとこ ―
おおう…なんか、悪ぃな。 エビで鯛を釣ったっていうか。…ありがと、まじで嬉しい。
[1枚くらい貰えたら、のつもりだったので。 予想以上にしっかりとした封筒の厚み>>356に驚くも。 喜ばないわけがなく、しっかり茶封筒を抱え込んで、へへ、とついつい顔が緩んだ]
分かった。明日まで楽しみにしとくよ。
針と黒い糸…? 携帯用のちゃっちいセットでいいなら、今ある。
[返さなくてもいいし、ドア前にでも置いておいてくれてもいいし、と手のひらほどのプラ容器を十文字へ渡して。 とくに何処へ行くんだと聞くこともなく、自転車の彼について行く。
穏やかな日差しに照らされる十文字のあたまを、 見上げればわずか首に角度がつくあたまを、 なんとなしに見つめながら]
(367) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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個人的な好みでいいなら、ここはシュークリーム旨いよ。 ただ、クリーム大目だから、きれいに食べるのむずいかも。 あんま甘いもん食わねーヤツになら、こっちのレアチーズのがオススメかな…
[以前は何度か来たことがあったが、最近はとんと訪れなくなっていた甘い匂いの店。 入っていいんだろうか、と無駄に緊張しつつも。 尋ねられれば>>357意外なほど滑らかに口は動きだし、オススメを推薦していった。
久しぶりの洋菓子店でテンションが上がったのもあり。 ブリン奢られたら、しばらく顔がゆるみきってただろう*]
(368) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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― 食堂 ― [頼児の後について、食堂まで行く。 食堂前の自販機で、頼児が選んだ飲み物>>345に首を傾げた。]
らいじがコーヒーって珍しいねー。
[ぱしゃり、と一枚写真を撮ってから、なんとなしに言う。 彼がコーヒーを飲んでいる姿を見たことはあまりない。 手の中で転がるコーヒーに焦点を合わせてまた一枚撮る。]
んー? 僕の用事、一個済んだし、平気ー。 あとは利政探して伝言ゲームするだけだし。
[幹央に写真を渡すという用事は済んだわけではなかったが、一応伝えたということで、ほぼ完了しているものとしている。 隣の自販機でパックの珈琲牛乳を買い、ストローを刺した。]
(369) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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朔たろー、なんだったんだろーね。
[甘い珈琲牛乳を飲みながら、ちらりと頼児の顔を見る。 顰めっ面>>346でコーヒーを飲んでいるが、苦いのだろうか。 どうしてコーヒーを選んだのか、理由までは聞かずにその顔をじっと見つめる。
こうして傍にいられるのは、あとどれくらいだろう。]
(370) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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[改めてカメラを構え、レンズ越しに頼児の顔を見る。
相手に恋しているつもりで撮れ。
頭の中でぐるぐると、その言葉が回っている。 結局シャッターを切ることも出来ないままカメラを下ろした。
メールを確認する頼児につられ携帯を確認して、返信を打つ。]
(371) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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[何度も何度も深呼吸を繰り返してから、スケッチブックは、またベッドの下へ隠しておいた。
そんなばかな。 別れ間近に、こんな都合のいい話、それこそ漫画でもありえない。 これはただの白昼夢で、夜になって覗いたら、そこにはもう何もないとか、今朝抱きしめられたのだって、ただの幻想だったとか、そんなオチが待っていやしないか。]
くっそ……! 何なんだよもぅ!
[逆ギレ気味に吐き捨てると、段ボールを2個抱え、立ち上がる。 顔はまだ耳まで赤いし、鼓動だってうるさいけれど、荷物抱えて4階と1階を往復すれば、そんなものきっと誤魔化せる**]
(372) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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[メールを送信し終え、携帯をしまう。]
よーし。 じゃあ、やっぱ僕、利政探してくるー。 僕、鬼ごっこもかくれんぼも苦手なんだけどねー。
[飲み終えた珈琲牛乳のパックをぺこぺこ鳴らして、食堂を出た。**]
(373) 2014/03/28(Fri) 15時頃
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でもさ、そいつさ、
[しばらくしたのち、締坂が口を開いたのは]
(374) 2014/03/28(Fri) 15時半頃
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遠くに行っちゃうらしいんだよ、近いうちさ。で、俺の友達マジバカだから、
(375) 2014/03/28(Fri) 15時半頃
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仲直り、したいんだってよ、俺の、友達、バカだからさ、本当に馬鹿だから、言葉見つかんねーの。
[絞り出した声が、掠れる。時折締坂の肩は、小刻みに揺れて。]
(376) 2014/03/28(Fri) 15時半頃
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あんなんされて、仲直りしたいってるだけでも馬鹿なのに、仲直りの言葉が見つかんねーとか、どんだけ、馬鹿の重ね塗りなんだよ。 マジ、つける薬がねーよ。今世紀最大級の、バカだよ。なぁ、紐井屋。お前から、も、その最大級のバカになんか言ってやってくれよ。なぁ。
[所々、声に詰まりながらも。締坂の感情は止まらず。紐井屋に縋るように、身体を*寄せて*]
(377) 2014/03/28(Fri) 15時半頃
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―少し前のこと>>341― [もう一度宗介にメールを送信し終えたところで扉が開いた。不法侵入の自覚はあるので一瞬ぎくりと体を強張らせて。戻ってきた部屋の主の顔の痣に気付くと更に表情まで強張った。]
…は? 怜二…お前何やってんの…?
[軽く咎めの声音になったのは、その傷が殴られてできたものだとわかるからだ。伊達に3年間、生傷作り続けてはいないのだ。]
…取るけど。つか、待って。 俺んトコに湿布あるから持ってくる。
[そのまま部屋まで湿布を取りに行く予定だ。治療は手伝うつもりだけれど誰かと会う予定を聞いたのならそいつに頼めと湿布を押し付けただろう。**]
(378) 2014/03/28(Fri) 17時頃
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[怜二の部屋を出た後も、校庭に戻ろうとはしなかった。 寄せ書きに何を書いていいのかわからない。白線の大文字を見せてどういう顔をすればいいのかわからない。 これで最後なのに。――…これで、最後なのに。]
…サボっても、そんな変わんねーだろ…。
[きっと誰かが成功させる。自分がいなくても。足は企画から逃げるように西寮から遠のいていく。中央棟、辿りついた先は誰もいない自習室で。 入るのはパーテーションで仕切られた奥、半個室のように隔てられた席。ここならきっと誰にも見つからないと。このまま消灯時間まで、ここで時間を潰してしまおうと、そのつもりで。**]
(379) 2014/03/28(Fri) 17時頃
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─→自室・3-A─
[>>340怜二から返って来た言葉に、にやりと口の端を吊り上げて]
顔への打撃は勲章だろォ 俺も一発、右頬にもらっちまったけど
[言い置いて屋上へ続く階段から下りる。いつも通りを装って開ければ、そこに那由多は居なかった。クラッカーの星屑は未だ足元で煌いたまま。 溜息を吐いて、枕元に置き去りにされていたスマートフォンを手にする。メール受信の点灯。開けば朔太郎から>*10「本日のイベント」と題したメールが届いていた。 先程の「アレ」とはこれのことか、と小さな冷蔵庫から何かのおまけでついてきた保冷剤を取り出して、右頬に当てる]
寄せ書きって……なに書こう 校庭にってことは複雑なのは難しいだろしなァ
[ほつり考えていると、部屋に戻ったのであろう朔太郎からのメール>*25が届く。 開けば、いつもと同じ調子の文面。 また綺麗って書かれてる。お前ほんとに俺の顔好きだな。いや最初に綺麗って言われたのは髪だっけ。そんなことを思いながら。 やはり救急セットを探しに行かないとダメか。 ほっとくのはこれだけ言ってくれる朔太郎に悪いし。 そう考えて、足は中央棟の談話室へと向かう**]
(380) 2014/03/28(Fri) 17時頃
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─ 食堂 ─
[プルタブを起こし缶を傾けようとしたころで、シャッター音>>369に気付き、横目を向ける。]
んーまぁ、たまにはな。
[撮られるのは嫌いではない。 だから2度目のシャッター音の時には、明智の方を向いていた。]
伝言ゲームってーと、怜二の眼鏡、ちゃんと戻ったんかなー。 つか俺のハンカチどこ行った。
[別になくても構わねーけどと付け加えつつ、改めて缶を傾ける。 2ヶ月前、外出先で皆と引いた籤引の景品であるそれは、隅っこに、よく分からない自元商店街のマスコットキャラらしいものが描かれている。 別にそのまま、紐井屋が持っていても全然構わない程度のものだ。]
それより、ボールペン返さねーと……
(381) 2014/03/28(Fri) 18時頃
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[>>370話が山本の事へ移れば、缶を両手で包み込むように持ったまま、テーブルへ視線を落とした。 話したくないことなど、きっと、誰にでもある。 些細な失敗から、深刻なものまで。 自分にだって、幾つもある。 それでも、あんな光景を目の当たりにすれば、心配にならないわけがない。]
さーな。 いいよ、無理には聞かねーって決めたし。
……?
[カメラが向いたような気がして、顔を上げる。>>371 けれど、シャッター音は聞こえなかった。 視線はまたテーブルへ落ちる。]
なー智明、……写真、さ……
……や、いい、後で。
[十文字の写真が欲しいなど、言いたくても、言えない。*]
(382) 2014/03/28(Fri) 18時半頃
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[楽しいと思っていた世界が180度姿を変えてしまったのは何時だっただろう。あれは2年の年越し前だ。 寮の食堂で彼女から言われた言葉が切欠だった。
「利一はさ、女の子が好きで彼女を作ってるわけじゃないよね。」
はじめは言われたの意味がわからなくて、首を傾げた。よく言われる「愛が足りない」の派生だろうか。そうじゃないと、彼女は言う。「欲しいのは彼女がいるって形だけ。はじめから好きになろうとしていない。」のだと。
その言葉にムッとして彼女から視線を外した。好きになろうと努力はしている。そも、好きというのは努力をしなきゃいけないものなのだろうか。わからない。目の前の彼女といるのは楽だけど、好きかと言われると恋ではなくて。
(じゃあ…俺って誰が好きなんだよ。) 「…利一、余所見しないで。」
ふと思い浮かんだ考えと、彼女の言葉と、食堂に現れたひとつ頭の抜きん出たそいつの姿が合わさってしまったのはその時で。
カチリ、とピースが嵌るような感覚―――…焼き付いていく。 気付いてしまった。一瞬にして世界が…あの時変わったのだ。]
(383) 2014/03/28(Fri) 18時半頃
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[叩きつけられた正解をすぐに受け入れることはできなくて。 混乱する頭の中に拒絶の言葉がいくつも浮かんだ。
嘘だ。違う。ありえない。だってこんなの普通じゃない。 気持ち悪い。
浮かんだ言葉に、頭を強く殴られたような衝撃を受けた。 そうだ、こんなの…こんな気持ちは普通じゃない。 気持ちが悪い…知られればそう思われるに決まっている。
ならどうすればいいのだ…隠すしかない。 気付かれてはいけない。誰にも。家族にも。 友達にだって。誰にも。―――――…誰にも。]
(384) 2014/03/28(Fri) 18時半頃
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[幸いそいつと喋る機会はないから、 そいつには気付かれることはないと思っていた。 だから3年のクラス替えで同じ紙の中に並ぶ 自分とそいつの名前には嬉しさと恐さが綯交ぜになった。
顔を合わせたら表情で勘付かれてしまうかもしれない。 話をしたら、うっかり言葉でバレてしまうかもしれない。 嘘をつくのが下手な性格だとは自分でよくわかっている。 気付かれてはいけない、気付かれては―――…
それから、
そいつとすれ違う時には表情がばれてしまわないよう 一歩後ろに引く癖がついた。 向けられる言葉に返す声が上擦らないか心配で、 言葉を短く返す癖がついた。
折角、同じクラスになれたのに。 折角、近付ける理由ができたのに。 折角、――――――…でも、それも今日で。終わりだ。**]
(385) 2014/03/28(Fri) 18時半頃
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― 洋菓子屋 ―
[伊勢海老で鯛を釣ったなら等価交換なんじゃないか、と笑いながら。>>367 携帯用のソーイングセットもそのまま借りる事にし、返却はバスに乗る前にはする、と伝えた。]
ふむ……
[クリームを零しまくる同室者の顔を思い浮かべたが。>>368 まあいいか、と結局どっちも買い置きする事に。 小熊にプリン、俺は相変わらずホットコーヒーを頼んで、白を基調とした店内で食べて行く事にし]
あ、そうだ 小さいのでも構わないから、ゴールデンウイークまでにもう一個頼めないかな
住所教えるから、着払いで送ってくれたらいいし
(386) 2014/03/28(Fri) 18時半頃
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