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64 さよならのひとつまえ
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[猫相手に漫才をしている。ちょっと面白い。>>259 背後から不意打ちのツッコミを入れられている姿が見えればこっそり笑って。寄ってきた黒猫と目が合った。すらりとしたその猫は、なんとなく丞を思い出させる。 くぁ、と小さく欠伸した黒猫がゆらゆらと揺らす尻尾を見つめながら。]
犬と猫を一緒に飼うのは大変だもんなぁ。 俺も猫派だけど、飼ったことないな。
アパートやマンションばっかだったから。
[シャカシャカと、紙を擦る音が微かに聞こえる。>>260 穏やかな日常。 こうして、また明日がくればいいのに。 ふい、と黒猫が背を向けて遠くなっていく。]
(267) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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――作る方じゃないんだ。
俺、服飾詳しくないけど……マーケティングって販売とか接客でしょ? デザインもやりなよ。 今すぐじゃなくてもそのうちさ、自分で作りなよ。 器用なその手、使わないの勿体ないし。
[時折、進路についてぼやいていたのは、知っている。>>261 迷いながらもそれでも手探りで少しずつ、やりたいことを追いかけて悩む姿は存外かっこよく見えたものだ。
いつか、胸を張れるようになるといい。 その時の姿を自分が見ることはなくても。
やっぱり返される同じ問い。背中を向けたまま、そこで言葉を切る。 苦しい。寂しさだけじゃ、とっくに収まり切らない。]
(268) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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那由多てめぇ俺様の渾身の裏声に感想なしかこのやろう
[内心で残念だと思ってやがるなてめぇと心の中で続けて、>>265花を渡した那由多にワンブレスで軽口を叩く。大事にしてやる、との言葉にゆるく目を細めて、口の端をにやりと吊り上げた]
おうよ、ありがたく頂戴しとけよ 春らしくていいだろ、こっちのブーケもな 大事にしてくれっと嬉しいぜぇ
那由多ならアレンジもそうそう枯らさねぇだろうしなァ
[>>266小声で問われれば、首を傾けながら頷いて]
おう、断髪式終わったらなァ
[手の中の黄色いブーケは成斗へ渡されるときを待っている*]
(269) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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[小さく息を吸い込む。]
言ってなかったっけ。 海外に行くんだ。両親の都合でさ。
[数日前についた小さな嘘を繰り返す。 瞳が揺れる。手に頭を擦り付けてくる猫を見つめながら。声が震えないように、言葉を紡いでいく。]
あっちまだ寒いらしいし。 前にナルが編んだくれたやつ、持ってくよ。
生活に慣れたら大学行って、落ち着いたら免許もとってさ。
それから……――
[彼のいない未来を語る。今更気づいてもくちに出来ない言葉の代わりに。自分に思い知らせるように。]
えーと、それから……、
[どうしよう。続かない。]
(270) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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─ 食堂でのこと ─
いや、ちょっとな。
[>>221睦井に指摘され、スマホから指を離す。 切り替わった画面に表示されるのは、ネイビーブルーに描かれた、ボロボロのミットの絵。 そして話が昨日の喧嘩のことに及ぶと、少しだけ真摯な表情を浮かべ、箸を置き]
……出してねーよ。 あいつらにも止められたし……なんか俺、あちこちに世話かけっぱなしだよな。
喧嘩の原因は、想像はついてっけど、実際どうなんだかは知らねー。 うん、あいつらもいたな。
[余計なことは、極力伝えないでおいた。 原因はおそらく想像通りで間違いないのだろうが、ここで想像だけで話してしまえば、白辻の行為を無にするし、あちらこちらで噂を振りまいていた連中と同じになってしまう。]
(271) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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[>>222山本の様子について聞かれた時、少し考え、確かに違和感があると思ったが]
そーか。
[気のせい、と返されたので、それ以上は何も話さなかった。*]
(272) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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――――あ、もうこんな時間。
戻ろうか、断髪式始まっちゃうし。 サクとみんなが待ってるしさ!
[丞のスケッチブックあとで見せてよ、と。 震える声でできるだけ明るく言いながら立ち上がった。 手にすり寄っていた猫が、駆けていく。遠くなる。カーディガンの袖で、ごし、と目元を擦った。*]
(273) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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─ 断髪式 ─
……へ?
[白辻の登場>>263には、一体どこからそんな声が出るのだと面食らった。 こういう時、咄嗟にカメラを向けられない自分が哀しい。
そういえば、こういう場にはいつもいて、カメラを構えているはずの姿がない。 単に遅れているだけだろうかと、メールを送ってみることにした。]
(274) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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感想言って、蹴られるのはごめんだ。
[その発言自体が明確な感想になってるのは百も承知だ。>>269 本当に一生大事にしてやるつもりで。 プリザーブドフラワーや押し花の勉強をしようかなんて考えていることは、目の前の男は思いもよらないだろう。]
(…落ち着け俺、何考えてるんだ)
[その勉強は、今後の進路には必要ないはずだ。 浮かれてしまった自分を恥じる。
不思議そうにされながらも後の邂逅を取り付けられれば、安堵してホッと息を吐いた。*]
(275) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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─大浴場内脱衣場─
ん、と。これで良し。 あ、やべ。あんまり遅いと山本に殺されちゃうわ。行こ。
[選択したタオルハンカチをドライヤーで乾かして。]
(276) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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─大浴場前廊下─
♪
[締坂は歌に載せながら断髪式の会場まで歩いていく。 締坂の選んだ曲は]
(277) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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[幹央と何を話したか。 脱衣所で服を脱ぎ、風呂に入る。
こんな時間から風呂に入る者は居ない所為か、貸切状態だ。 いつもなら泳ぎだすだろうが、今日は大人しく隅に座っている。
ぼんやりとしていれば、力の入らない体は風呂に沈む。 頭まで沈みきれば、目を開けた。 ぶくぶくと上がっていく泡。 目の前が滲んでいるのは、お湯の所為だ。]
(278) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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♪
[南国出身の五人組バンド(当時は六人)がブレイクを決定的にしたバラード曲。 締坂は曲に乗せひょいひょいと進んでいく。]
(279) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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―断髪式後・3−A―
[断髪式を終え。 自室に戻ったのは自分が先か、ありすが先か。 はたまた二人同時か。 もし自分の方が早ければ、つい習慣で「ありすが来るまでの間、怒られないうちに部屋を片付けてしまわないと」となどと考えて。 空っぽの部屋に、もうその必要が無いことに気付く。]
時間とらせて、悪かったな。
[二人揃えばそう一声かけると、ありすに座るように促して。 自身は一度ベランダへと身を隠すだろう。]
(280) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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[メールを送信し終えると、隙を見るようにして、白辻に近寄った。]
ありす。
寄せ書き、世話かけた。 ありがとう。
それと、昨日の話も聞いた。 碌に事情もしらねーで、あんな態度とって、悪い。
それと、な……
[ひときわ声を潜める。]
……丞からも、礼言っといてくれ言われたから。 ありがとう、な。
(281) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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─少し前・大浴場─
あれ、明智。昨日ぶりー。
[大浴場に入ってくる明智に手を振ると]
借りてたタオルハンカチ洗ってた!汚しちゃったからさー、コレ。
[自分の鼻水で汚したとは言わない]
(282) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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[お湯越しに見える、風呂の天井。揺れる電気。 肺から少しずつ漏れていく息。
もうだいじょうぶだ。
息が出切った。 ざば、とお湯から出て、新しい息を吸う。]
あー!!!
[吸った息をまた吐き出すように、大きな声を上げた。 風呂場に反響する声が、耳に響く。]
よっし。
[ばしゃばしゃとお湯を跳ねさせながら、顔を洗うと風呂を出た。]
(283) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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[アパートやマンションばかり、という言葉>>267に、高校まで移動の多い生活をしていたという話を結び付けられただろうか。 理由は違えど、飼いたくても飼えなかった同士、それから猫派同士。 ちょっと遠目の猫カフェでも誘えばよかったなと思う。 それくらい、友達同士だって出かけるんじゃないか。男同士でも…たぶん]
ん。作るの好きだけどさ、デザインとかそんな得意じゃねーし… 誰かの作ったもんでも、客が喜んでくれんなら…それが一番、おれのやりたいことに近いかなって。
[選びたいのに選べない、学校のパンフを握りしめたこともあった。 自分でも進める範囲と、やりたいことを摺り合わせた結果が、この学校。 妥協とは思わない。それに、]
(284) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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趣味は続けるよ。勉強の合間になって、高校ん時よりは時間とれねーだろうけどさ。 てか…うん、ありがと。そんな褒めても…なんもないけどな!
[器用な手と言われて>>268、じわじわ胸が熱くなる。 鉛筆を握る手が、すこしだけ誇らしいものに感じる]
…ありがと。…認めてくれたり、喜んでくれる人が居たから、卒業まで続けられたんだ。
(285) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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…………海外。
[思いもしなかった距離>>270に、声が凍る。 シンプルな機能しかついていない携帯では、メールすら届けられない。 年賀状だって、青と赤の封筒に入れて、何日も経たないと届かない。
まだ残ったままの、スヌードの理由。 北の方行くんだろう、くらいしか思ってなかった、理由。
そうして。動きを止めそうな頭と一緒で。 ぽつんと。曖昧に、彼の声が途切れていく。
あれ?]
…まーちゃん。
(286) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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[明るい声で立ち上がった彼>>273に、のすのすと近づいた。 動かない人間の傍らで丸まっていたねこが、驚いて逃げていったけど、構っていられなかった。 目元をこする腕ごと、その表情は見ないまま、頭を自分の肩口に引き寄せた。 丁寧な所作ではなかったけど、離れようと思えばすぐ離れられる強さで]
まーちゃん。ごめん。言いたくないこと言わせたよな、ごめん。 …自分だって寂しいって、言ってたよな。ごめん。
[そんな、震える声で明るく振る舞わせてしまったのが、申し訳なくて。 逃げないのなら、何度かぽんぽんと、茶色の頭をなでてから。 遅れるのは悪い、と歩き出すつもり]
(287) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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─こっちは現在・談話室までの道のり─
♪
[「パクろうぜ!」という発言がピックアップされた彼らであったが、売れることによって、様々な葛藤があったらしい。 ボーカルの1人はこの曲が売れたあたりから、五年間ほど髪を伸ばし続けたらしい。売れたことへアンチテーゼとかなんとか。]
(288) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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─断髪式後・自室3-A─
[>>280断髪式のあと自習室を元の配置に戻すのを手伝ったりして、寮の自室へと戻ったのは那由多よりもあとだっただろう。 部屋の扉を開ければ視界に入る片された室内に、もう小言を言える理由もなくなったな、と小さな笑いが零れた。 悪かったな、との言葉に首を振って自分のベッドに腰を下ろす]
まァ時間取るっつっても同じ部屋だし? 気にすることでもねぇだろ
[そうしてベランダへと向かう那由多に首を傾ける。 渡したいものがあると言っていたけれど、ベランダに置いていたのだろうか。そんなことを思いながら]
(289) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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♪
[なんとなく、自分たちと似ているな、と歌いながら思う。 その葛藤は売れることではなくて、同性を好きになる、という葛藤だけれども。]
(290) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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[タオルハンカチを洗っていたという幹央>>282は、もういないようだ。
何をしていたかの返事には、そっか、と手を振り返した。 誰に借りたのかも何で汚したのかも聞かずに、そのまま服を脱いで浴室の方に向かったのだ。
脱衣所には今は誰もいない。 のんびりと着てきた服を着て、一度部屋に戻る。]
(291) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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─夕方・断髪式中─
[那由多へアレンジを渡し、成斗へのブーケを渡すのを待っている最中か。 >>281そっと寄ってくる頼児に視線を向ける。校庭のラブレターを消してしまったことを申し訳なく思っていたが、あのとき>>224屋上で大きく手を振り返してくれた様子からするに、怒ってはいないのだろう。 だからあまり緊張もなく彼からの言葉を待ち。トーンの落された声を聞き逃さないように、気持ち近寄る]
ん いや、こっちこそ連絡なく消したから まァあんま人目に晒すと色々うるせっつかめんどくせっつか 喧嘩後のは仕方ねぇだろ、こっちも納得させられる言葉持ってなかったし
……あんがとな それと、こういう言い方していいのか分からんが
おめでとう
[囁かれる声に応える声も、ひそやかに。 ただ、丞の名前が出れば、ああ彼か、だからあのタイミングだったのか、と心の中で思うものの、表情には出さずに頷いて小さく微笑むだけに留まる。 きっと多くの言葉はいらないだろうから]
(292) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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♪
[けれども、この歌の歌詞のように、この出会いや想いを誇れるように、咲き誇れるようになりたいと思う。 例え相手が同性であろうと。この恋を、誇りに思えるように。]
(293) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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─自習室─
ちわっす!歌の出前にきました!
[締坂は歌いながら自習室のドアを開けると]
…………あれ、俺大遅刻ってヤツ?
[断髪式終わったかもしれない、という現実に冷や汗、タラリ。]
(294) 2014/03/30(Sun) 23時頃
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[ポケットに財布と携帯を突っ込んで、外に出る。 寮から離れた場所で、漸くメールの返事を打った。
いつもより遠いコンビニへと歩きながら、のんびりと。]
(295) 2014/03/30(Sun) 23時半頃
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[利一へのメールに書かれてた名前に、何故だろうと首を傾げた。
名前を見るだけで、まだ胸が痛む。 大丈夫だ、と自分い言い聞かせて、携帯をしまった。]
(296) 2014/03/30(Sun) 23時半頃
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