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28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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ちょ と、まっ……
[>>2:341慌てたふうに、初見の前に手を出す。 左右へぶんぶんして]
ちが、う。 趣味じゃない。 こいつの……ブーム?
うちで、預かるだけ、だから。
[なんと言い換えて良いものやら迷いながら、ともあれ人間をペットなどと、そんな趣味だと思われたらやばい。 心の警鐘に従い、真剣に否定しておいた。
けほ、と喉が掠れる。 今日一日、日頃ないくらい喋りすぎた。]
(5) kokoara 2013/09/07(Sat) 07時半頃
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[病沢を誘ったから。 言い訳などではない。
急に視線がいたくなった気がする席からたち、牛乳パッケージを取りにミニキッチンへ。
コップとふたつ、手にして戻ろうとすれば、>>2見慣れない少年がやってくるのが、見えた。]
………………? 誰だ。
[疑問符を向けたのは、近くにいたジャニスへ。]
(6) kokoara 2013/09/07(Sat) 07時半頃
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…… 他の趣味って、なんすか。
[>>14初見の頷きに、やっぱり男は苦い声。 この流れで出てくる言葉だ。 嫌な予感しかしない。
なんだかんだ、面倒見の良い人であるし、絵流がここに馴染むかどうかといった心配はしていないのだが。]
(17) kokoara 2013/09/07(Sat) 16時半頃
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…… 後で 少し。 時間ください。
[>>18初見の言葉に嫌な予感が消えない。 皆がいる前で言えないような趣味なんて男は持ってない。 少なくとも自覚的には。
ここで言えないようなってどんな趣味を持っていると思われているのか、問いただすのもやや勇気が必要だった。]
(25) kokoara 2013/09/07(Sat) 21時半頃
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…… 越智、か。
[>>13立花の声に、男はああ、とイメージを繋げていった。 見てしまったもの。 初見と新居の話。 繋がってしまえば、疑問を挟む余地も残らない。
当人から言葉があるだろうか。 これまで着ていた女の格好をやめた心境はどんなものだろうと思うも、言葉で以って急かすことはなく、ただ視線を向けた。]
(26) kokoara 2013/09/07(Sat) 21時半頃
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[越智と一緒にやってきた植頭が、>>23>>24数が限られているらしいお菓子の登場に、男の目が輝い]
…………
[たのをなかったことにしようと逸らした。 こういう場合、優先権は年下にある。 その次は女性。 男は甘いものでなくともおいしくて腹が膨れればいいわけで、だから下がって大人しく珈琲を飲んでいる。]
(27) kokoara 2013/09/07(Sat) 21時半頃
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──少し後──
[暖かな談話室を、男は一人先に出た。 猫のきもちがわかる本はおいてきたし、仔猫もそこに残してある。 自分が居ないことで、仔猫が喚くこともないだろう。
部屋へ戻ろうと扉へ手をかけ、]
…… あ?
[ひらり、とおちる>>1:260紙片があった。 急いで手に取り、まじまじと見つめる。]
…………
[涼やかな金魚の絵柄と、書かれた内容。 署名を見て納得した。 こんなことをするのは、あの人くらいだろう。]
(56) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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[返事の手紙のようなものを書くべきか。 室内にそれらしいものを探しても、一筆箋どころか便箋も見つからず、あってもチラシの裏。 さすがにそれはない。 ノートをちぎるのもまた、もらったものに不釣り合いすぎて悩ましい。 直接口で返事すればいいのだと気付くまで、少しかかった。
いつの間にか積み上がった新聞を処理しないとと心に留めつつ、室内の片付けを始めた。 これから、もう一人を迎えるために。
もう一匹なんて絶対に呼ばないつもりの彼の、「捨て猫」になる前を想像して渋面になった。]
(57) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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[いろいろと物入りになるだろう。 そういえば尻ポケットに入れっぱなしの財布がある。 出かけるならついでに卵を買ってこようと、談話室を覗きかけて]
………… ……
[ふと。手が止まった。
その場所が談話室でなかった頃が、視界にぼんやりと浮かぶ気がした。
墓地側の壁へ背を預け、扉の向こうの世界をぼうっとした顔で見つめている。]
(58) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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─ 少し後:202号室 ─
本、ありがとうございます。 と、こういうの、さすがと、思いました。
[男の姿は、202号室にあった。 初見から渡された本を手に、ゆっくり頭を下げる。 一筆箋も、ひらりと振って見せて。 そういう小物を持っていて、こう使えるというのが、大人だなと感じていた。]
いえ、一応ネットで調べはしたけど、こういうのちゃんとは、まだ。 勉強、します。
[知識なしで仔猫の世話をしていたわけではない、と否定もした。 初見に譲ってもらった他に、植頭の本もある。 仔猫を正しく可愛がれるだろうと、仔猫の愛らしい仕草を思い出して頬をゆるめた。]
(87) kokoara 2013/09/08(Sun) 23時半頃
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…… それで。 あの………… あの場で言えない趣味、って。 なんのこと、ですか。
[思い出して、尋ねる。 これをやってよかったと思うか、やらなきゃよかったとおもうかはさておき。]
(88) kokoara 2013/09/08(Sun) 23時半頃
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ちょ
それ は、 ない です!
[思わぬ勘違いに引きつった声を上げることになる。 否定が意図した通り伝わるかどうか。 越智が己の秘密を明かしたから、越智の秘密(ぱんつ)を見てしまった件についても口にすることができる。 女装について尋ねた理由も、これで伝わるだろう と 思いたい。
越智が男物のぱんつを履くのが趣味の女の子でなかったことに、内心深く安堵していたりしたのは余談だった。**]
(89) kokoara 2013/09/08(Sun) 23時半頃
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―夕暮れに―
[買い物から帰ってきた。 手の袋の一つは、卵。 今回使った数から彼の常備を考え、落とさせてしまった分も込みで3パック。 新居は卵が好きなんだろうかと思いながら、礼とともに]
うまかった。 また頼む。いつものやつとか。
[ちゃっかり次回への期待も添えた。
休みの楽しみのひとつだ。 拒否されない限り、甘えるのをやめるつもりはない。]
(135) kokoara 2013/09/09(Mon) 12時半頃
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[手の袋の一つは、生活雑貨。 歯ブラシだとか、絵流が持たない生活必需品が入っていた。 絵流が買い物に同行して、かつ衣類ももたなければ、数点追加で。]
捨て猫になる前のとこから、持ってこれないのか。
[言ったが、持ってこられるのかどうか。 あまり期待はしていない。 衣服のセンスはないから、選出は予算だけ伝えて当人に任せた。
ともあれ、そういった外出を済ませ、自室で寛いでいるところに、来客があった。]
(136) kokoara 2013/09/09(Mon) 12時半頃
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[>>95機嫌の良くなさそうな福原の登場に、男は小さく首をかしげた。 どうした、と聞けば告げられる要件に、ぱちぱちと瞬きが入る。]
………… ……
[どうかな、と、見上げられる視線。]
(137) kokoara 2013/09/09(Mon) 12時半頃
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…………ん。
世話に、なる。
[無意識に考えていたものを、放棄して。
伺う視線と重なった男は、どこかくすぐったそうで、嬉しそうと形容できるものだった。]
期待する。
(138) kokoara 2013/09/09(Mon) 12時半頃
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あいつのも、頼んでも?
[>>148ついでと繰り返す福原へ、今日から生活を共にする少年のことを付け加えてみる。 自分一人いい思いをするのは、なんだか悪い気がした。]
……
[つい数時間前に決まった同居人を、もう随分と受け入れているらしい自分に驚く。]
ん。
[去り行く少女へ頷きで答え、それまでの時間をどう潰すか考えながら、大きく伸びをして、
肘をドアにぶつけたのだった。**]
(157) kokoara 2013/09/09(Mon) 22時半頃
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── その後の話/越智と ──
………… そうか。
[>>143あの日、一世一代の告白を聞き、男はさっくりと頷いた。 どこかホッとしていた理由は、聞かれても口に出さないが。]
黒髪なんだな。
[そんな大したこと無い感想を残し、その場では、それきり。 責めるでもなく、あっさりと他の者に場を譲る。]
(166) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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[翌日。 >>146ごく当たり前のように女装で登場した越智に、男はその姿をとっくりと眺めた。 ふむ、と一つ頷く。]
おはよ。 やっぱ、似合うな。
[男性としては言われたら微妙だろう感想をぽろっと口にした。
それから、一瞬だけ通りすがりざま、「少女」の耳元へ顔を寄せ]
…… 昨日、 すまん。
[ささやき声を、ぽとり。
男だったからパンツ見たことは別に謝らなくてもいいか、と思っているが、怖がらせたことは事実だ。 猫が原因とまだわかっていない男は、すぐにそそくさと離れていった。*]
(168) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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── その後の話/灰色猫と ──
[病沢が、いなくなった。
いつの間にか姿を見なくなって、管理人に聞いてみれば、退出したのだと。 ただ、部屋を引き払ったわけではないらしい。]
…………
[それ以降も、男はたまに、外へ出て屋上を見上げている。 そこに動く影がないか、落ちてくる影はないか。
ない。
普通、ないが。]
(171) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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[ある日、屋上へ上がってみた。 そこにいた灰色は、あの「猫」ではなく、ネコ…… ではなく、今は違った名で呼ばれているのだったか。]
「なーん」
[悠々と鳴かれ、男は肩の力を抜いた。 屋上へ寝そべり、空を見上げる。
空が落ちてくるような感覚に、思わず目を閉じた。]
(172) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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[またある日、屋上を見上げた。]
………… ?
[影が、よぎった気がした。
そこからは早かった。 上へ。使い慣れたと言えるはしごを登った先に、
大きくなった「猫」がいた。]
(173) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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………… おかえり?
[行ってきますやただいまがないところに、この言葉はおかしいだろうか。 言ってから気づいたが、気にしないことにした。
髪の伸びた姿の横へ座り込み、今日もまた、空を見上げた。*]
(174) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時頃
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── その後の話/植頭と ──
[昔のあれでそれなことを、彼には随分と知られている。 それは近づきたくもないだろうと、半ばあきらめていた男ではあったが]
……ん。 ミィ。あっち。
[>>150談話室で、植頭と一緒に過ごしているなど、あの時は誰が想像しただろうか。 かすがいとなったのは、ミィとネーベル。 絵流もそこに入るだろうかと思えるのは、彼を預かった際の説教もまた、植頭という男をまっすぐ見るきっかけになったからだ。 一時荒れていた男を見ていた両親は、すっかり男を見ると萎縮するようになっていたから、あんなふうに正面から叱られたのは本当に久しぶりだった。]
(181) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時半頃
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すごい な。
[じゃらしている姿を見るともなく見ながら、しみじみと呟いた。 抜けた主語は植頭のことだったが、猫の事だと言っても通じるだろうか。
珈琲を一口含めば、独特の苦味が鼻へ抜けていく。 嗜好品にこだわりのなかった男だが、豆の種類を少しずつ、覚えている。 豆の挽き方も、じっと見ていたから覚えてしまった。 実践したことはないが。]
…… あっち、戻れ。
[いつの間にか、男をじっと見ている灰色のネコに、植頭を指さして見せる。 教えてもらったのんびりした時間を、もう少し楽しんでいたかった。*]
(182) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時半頃
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── その後の話/飼い猫?と ──
Tシャツくらいなら俺の適当に使っていい。 ……でかいかもしれんが。
[戻った部屋で、男から細々説明するつもりはない。 突然の来客(来猫?)に好きにさせるのは、慣れていると言えるだろう。
着替えを買ったのも、服が少ないと困るという思いから。 筋トレでしょっちゅう服を着替える男の発想だった。
福原や絵流が困っているように思えて、そのとき男は手が空いていたから。 家に居たくないなんて思いは、あの日あの時、痛感していたものだし。 まあいいか、という考えで許可していたのだから、>>@22それを聞いても、ん、と頷くだけだった。]
(188) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時半頃
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言っとくが、1ヶ月っつったからな。 連絡なり、なんなり。 適当に、考えとけ。
……今は、深くは聞かんが。 話聞くくらいならーってのは、お前もだからな。
[男は福原と違って、例えしゅんとして見えても撫でたりしない。 ぽんと言葉だけ放り投げ、そうして退屈とは縁遠そうな、新しい日常生活が始まる。
その矢先に、優しい「お父さん」のお説教が待っているとは、この時は思ってもみなかった。*]
(189) kokoara 2013/09/09(Mon) 23時半頃
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── その後の話/明智と ──
『TO:明智 衛
件名:解決
本文:この間の、もういなくなったらしい。』
[>>156管理人が教えてくれた顛末は、結局幽霊っぽいような、くらいの軽い話だったから、連絡もそれなりにふんわりしたものになった。]
……
[まあ、通じるだろう。送信。]
(193) kokoara 2013/09/10(Tue) 00時頃
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[明智は、家族と楽しい時間を過ごしているだろうか。
彼の家族愛あふれた言葉を思えば、もう男を見ると萎縮してしまう、男からも距離をとってしまった家族を思い出す。]
……
[大事にしないと、壊れてしまう。 気づいた頃には、遅いものだ。
とはいえ、男は周りを見回す。 隣の談話室には今日も人が集まっているだろうし、反対隣の新居はやかましいが一番気安い相手で、話しやすい。 あれやそれや、ここの住人の暖かさを思えば、孤独を感じることはなかったなと思う。
近くに転がって何かしているらしい絵流も、すぐにここに馴染んでいくだろう。]
(194) kokoara 2013/09/10(Tue) 00時頃
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『TO:明智 衛
件名:あと
本文:猫の本が増えた。読むか?』
[たまには、こちらから誘ってもいいか。 増えたメールは、気まぐれの思いつきだ。
ずいぶん大きな猫を飼うことになったと知られれば驚かれるだろうと思い、携帯電話を見つめて小さくわかりにくく、笑った。*]
(195) kokoara 2013/09/10(Tue) 00時頃
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