64 さよならのひとつまえ
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─ 4-M ─
[寮室に戻り、スケッチブックを昼間より更に時間をかけて箱詰めする。 時折、折った膝の間に置いたスマホを見るのだが、メールの着信はなく、溜息をついた。 退寮したばかりで忙しいだろう相手に、何を求めているんだ自分は。]
う〜…… ッえ?!
[分かってはいるはずなのに、もだもだとばかりしていたから、不意の着信>>+1に心臓が鳴り、ビクッと小さく跳ね上がった。]
(4) 2014/03/31(Mon) 01時頃
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……ッるせーよ!
[メールの着信がこんなに嬉しかったのは、どれくらい振りだろう。 誤字の指摘に悪態をつきながらも、顔はつい笑ってしまう。]
……、そう、だよな。
[けれど、またあいつを心配させた。 それが心苦しくて、スマホを握りしめたままで下唇を噛んだ。]
(6) 2014/03/31(Mon) 01時半頃
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─ →シャワー室 ─
[昨日の夜更かしもあったので、今夜はひどく眠かった。 残るスケッチブックをすべて段ボールの中に収めると、封はせずに置いておいた。
寝る前に、汗くらい流しておこうと、着替えを持ってシャワー室へ向かう。 ジャージを脱いで、リストバンドを外し、籠に入れようとして……]
……なんだこれ。
[濃紺色の内側に、黒い糸で、こっそり刻まれていた文字にやっと気付いた。]
なん、っ……
[また増えた。 自分は、なにひとつできていないのに。
リストバンドを握ったまま、隠し切れぬほどに赤くなり、その場にべちゃっとしゃがみ込んだ。 震える指が、スマホの画面を滑る。]
(11) 2014/03/31(Mon) 01時半頃
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[やはりまどろっこしいことは苦手だし、現状では絶対にまた誤字る。 結果、短絡的な手段に出た。
つまり電話をかけた。
何度目のコールで出たか、それともかけ直す羽目になったか。 かなりのテンパり気味では、あまりまともに記憶にない。]
(13) 2014/03/31(Mon) 01時半頃
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─ 翌朝・食堂 ─
[リストバンドは、しっかりとつけたまま。 折角返してもらったハンカチは、結局、ジャージのポケットに突っ込まれたまま、洗濯されることになりそうだ。
放送>>2を聞いたのは、朝食中のことだった。 睦井と山本。 ふと窓に視線をやれば、今にも雨が降りそうだった。 何か、屋内で、彼らを送り出せるイベントはないものかと考えながら、トマトスープを飲みこんだ**]
(20) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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─ 朝の食堂 ─
[山本と睦井の退寮にあわせて出来る事といえば何だろう。 食堂で簡易パーティーくらいしか浮かばない自分の発想力がちょっと悲しい。 皆にも相談してみようかと、スマホを手にした時、逆に山本からのメールが来て、驚いて水のグラスを倒しかけた。]
……っと。 え?
[内容を見て、顔を顰める。]
何やってんだこいつは。
[これは、皆で山本の部屋の大掃除をしろという啓示かと。 箸を進めながら、勝手なことを考えていた**]
(32) 2014/03/31(Mon) 11時半頃
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[朝食を食べ進めつつ、昨夜の、明智からの返信を確かめる。 彼からにしては、やけに簡素な気もするが、メールなど基本的に用件が伝わればそれでいい。 最近になって、そうでないメールもあるということを知ったけれど。 それらのメールは、すべて、保護がかけてあるあたり、我ながらムズムズする。]
ダメ出し大会かな、こりゃ……。
[用件はきっと、昨日の断髪式の写真のことだろう。 画像を開いて見るが、なかなかにひどい。 何を言われるやらと、内心少しハラハラしていた**]
(38) 2014/03/31(Mon) 14時半頃
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─ バス前・見送り ─
んーじゃ、成斗も那由多も、元気でな。
[門出の日に相応しく、さっぱりとした頭のふたりに、笑いかける。]
あぁ、そうだ。 お前らこれ食う?
[ポケットから取り出したのは、絵柄が364種類もあることで有名な『にゃんこのマーチ』の小袋だった。]
何か片付けしたら出てきたからさ……って、そんな古くねーからな! 正味期限まだヨユーだから!
[そんな微妙な餞別は、はたして受け取ってもらえたろうか。]
(40) 2014/03/31(Mon) 18時半頃
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[バスの自動扉が閉まり、クラクションを鳴らした後、走り出す。 ……や、否や、バスを追いかけ始めた鳥塚>>42を見て、驚いて目を見開いた。
保科と小熊に向け、叫ぶ声は聞こえるが、何を言っているかまでは曖昧にしか分からない。 やや遅れて追いかけて行くが、鳥塚が崩れるように蹲り、アスファルトに寝そべる>>46のを見て、速度を落として彼の元へ近寄った。]
環……大丈夫か?
[起き上がれるかと、片手を伸ばす。 秘やかな告白の声は、走り去るバスのエンジン音に紛れ、聞こえなかった。*]
(51) 2014/03/31(Mon) 19時半頃
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いきなり猛ダッシュするとか、お前何やってんだよ。
[あぶねーなーと呆れるように呟きながら、伸ばされた左手>>65を掴み、引っぱり起こす。]
本当にな。 ベースだって、あれ結構体力使うんだろ。 しっかりやっとけ運動。
[駄々っ子めいた笑い声に、つられるように笑いを零すと、ひよひよな髪を、撫でる程度の強さで軽く叩き]
甘えてんじゃねーよ。
[けれど、彼が立ち上がる為の腕は貸そうか。*]
(67) 2014/03/31(Mon) 22時半頃
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─ バス見送り ─
そーか、小腹空いたら食ってくれ!
[>>+73にゃんこのマーチを受け取ってくれた保科に、笑顔を向ける。]
あぁ、じゃぁ……
……善処は、する。
[だがシジミを出されると、少し頬が引きつった。 なんとか克服しなくてはと思ってはいるのだが、まだまだ先になりそうだ。]
成斗、も……って、ぉうわっ!?
[>>+80がしっと手を握られて、今まで見たことのない程の笑顔を向けられ、少しばかり気押された。]
い、いや、こんなんで喜んでもらえんだったら、もっと買っときゃーよかったなー!
つかまぁ、二人とも、元気でな。
(72) 2014/03/31(Mon) 23時頃
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─ 中庭 ─
[バスを見送り、鳥塚を助け起こし、寮に戻ると、そのまま中庭へと向かった。]
そういや、中庭のどの辺で待ってりゃいいんだ?
[明智の姿はあるだろうかと、フラフラ散策するように歩く。 見つからなければメールをするかと考えながら。]
(83) 2014/04/01(Tue) 00時頃
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[>>85やはり探すよりメールした方が早いなと思いかけたところで、後ろから声が聞こえ、振り返った。]
智明ー!
いや、分かるだろ?
[ちょうど手にしていたスマホの、送信済メールを開き、確認する。]
……悪い。 行こうかなだ、多分。
[ごうかなはなかった。]
で、なに。 やっぱ昨日の断髪式の件?
[とりあえず、画像フォルダを開いてみる。 何度見ても我ながらひどくて、失笑した。]
(88) 2014/04/01(Tue) 00時頃
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えーっと、こう指を滑らせて……
[>>90おそらく「い」が反応しなかったことは分かる。 だが、何で「こ」に濁点をつけたのかが分からない。 何かの予測変換が暴走したか。]
ハイ、気をつけます。
[友人間でならこうして笑いもできるが、たしかに明智の言うとおり、球団関係者にこれではまずい。 これからはもっと注意しなくてはと、画面を真剣に覗き込む。 眉を下げたままでちらりと見た明智の顔は、いつも通り、明るく見えた。]
(92) 2014/04/01(Tue) 00時半頃
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ほんとな、ムービーなんてあれ俺の声がメインになっちまってさー。 宗介から40点って言われちまった。
[しかし見返せば、40点でもかなり甘い採点だったようにも思える。]
んー、だから……って、え?
[だから教えてくれるのかと思いきや、やけに立派なカメラを渡された。 普段目にするデジカメとは、何か違う。]
智明、何かこのカメラすごくね?
[シャッターがどれかは分かるのだが、迂闊なことをして壊してしまいやしないだろうかと、おっかなびっくり、渡されたカメラに触れた。]
(94) 2014/04/01(Tue) 00時半頃
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宝物……って。
[>>95所謂レンズ付きフィルムなら、何度か使ったことがある。 しかしフィルム式のカメラを触るのはこれが初めてだ。 どうしたものかと、何度も明智の様子を窺って]
……ピントとかって、これ、勝手に合うのか?
智明真ん中にして撮ればいいんだよな?
[かなりの緊張した面持ちで、明智にカメラを向けた。]
じゃ、撮るぞ、とるぞ……!
(97) 2014/04/01(Tue) 00時半頃
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ライジは、フィリップは、あのあとちゃんと部屋に帰れたろうかと、ふと。
2014/04/01(Tue) 01時頃
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ンな大事なカメラ……
[>>100そんなもの素人に触らせるなと、まだ萎縮気味ではあるが、普通通りシャッターをきればいいだけなのだからと、頷いた。 覗き込んだファインダーは、デジカメと少し雰囲気が違う気がしたが、多分なんとかなりそうだ。 向けられている明智の表情が一瞬真剣なものに見えたのは、やはり、手並みを心配されているからなのだろうか。 けれど、すぐに笑顔になったのを見て、フッと肩の力が抜けた。]
んじゃ…… はい、ちーーず!
[───カシャリ。
思いのほか大きく聞こえたシャッター音に、少しだけ驚いた。]
(102) 2014/04/01(Tue) 01時頃
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[シャッターをきる瞬間は、程良く力が抜け、多分よく撮れたのではと思うのだが、デジカメと違って確認の手段がない。 ぐるぐると手の中でカメラを弄り、レンズを覗き込んでみたが、当然、見えるはずもない。]
んー、多分、ちゃんと撮れたと……思う!
[けれどきっと大丈夫なはずと、笑顔で、明智にカメラを差し出した。]
なぁ、折角なんだから俺も一枚撮ってくれよ!
(103) 2014/04/01(Tue) 01時頃
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いきなりハードな修行させるなー。
[>>105やれやれと、わざとらしく肩を竦めて明智を見て]
あー、言ったなそういえば。 だってお前さ、いっつも撮る側ばっかだろ。 俺らの写真スゲー沢山あんのに、智明のだけ殆どねーとかさー、やっぱ寂しいだろ。
……あ、やっぱ見えねーか。
[>>106レンズを覗いてもダメだと指摘されると、笑いながら、彼の手にカメラを返す。 そして、近くの桜の木を背景にするように立ち、まっすぐに明智を見て]
んじゃ、プロの先生のお手並み、よろしくお願いします!
[少しだけふざけたような、楽しげな笑みを浮かべ、右手をゆるく突き出してVサインを作る。 その手首に見えるリストバンドの色が、よく部でつけていた、深緑色のものではないことに、カメラマンは気付くだろうか。]
(107) 2014/04/01(Tue) 01時半頃
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ふーん、そういうものなのか。
[>>110野球は見るのもやるのも大好きだけどなと、全くジャンル違いのことを考える。]
ん? そうか、好きな人……
[好きな相手を撮る時が>>111と、明智は言った。 コツを聞き、成程と小さく頷く。
いつもより随分時間がかかっているように思えたが、やはり彼でも、フィルムのカメラはデジカメより扱い難いものなのだろうか。 レンズの向こうの表情は、読み取ることができぬまま]
(……絵も、同じだったりすんのかな……)
[沢山のスケッチブックを脳裏に思い浮かべた瞬間、笑みは、作られたものではなく、自然なものに変化する。]
(115) 2014/04/01(Tue) 02時頃
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[シャッターをきる音>>113に紛れるように、気のせいか、自分の名を呼ばれた気がした。 数度瞬き、何だろうと明智を見たが、好きな相手を撮るつもりで……などと言われたものだから、少々自意識過剰になっていたかと、すぐに思い直して自嘲を向ける。]
サンキュー、出来上がり楽しみにしてる。
[>>114カメラがおろされ、笑みを向けられると、少し恥ずかしそうに手首に触れた。]
あぁ、これな……。 丞からもらった。
(116) 2014/04/01(Tue) 02時半頃
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あぁそっか、フィルムだと、全部撮んなきゃ現像できねーんだもんな。 撮り直しもきかねーし、不便だな。
[>>118けれど、出来上がりを待つ時間も悪くないかもしれない。 他にはどんな写真達が、自分と同じフィルムに刻まれることになるのだろうと。]
現像したらさ、送ってくれよ。 チームの寮はいったら、住所メールで送っから。
………。
[けれど、彼の口から零れた小さな音は、なんだか、少しいつもと違う気がして。 距離をつめて、自分より少し低い位置にある顔を、心配げに見つめた。]
(122) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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─ いつの頃か・廊下 ─
[部屋に戻ろうとすると、2通のメールが届いていた。 1通目のメールには、先を越されたかと舌打ちしながらも笑い、2通目は、画像を何度も見なおして、眼を点にした。]
なんだ、これ……!
[おそらく返信文を作成している間も、表情はかなり怪訝なものだったろう。*]
(123) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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ライジは、明智の様子をうかがいつつ、その肩に軽く手を乗せた**
2014/04/01(Tue) 03時半頃
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─ 中庭 ─
……智明?
[俯く明智>>125に、少しだけ胸がざわりとして、肩に触れたばかりの手を離した。]
コツ、あぁ……好きな奴をって……。
俺が撮る写真で……
[ふと脳裏に浮かんだのは、十文字だった。 おそらく明智が言っているのは、すごく良く撮れた風景写真とか、集合写真とか、そういう意味ではないのだろうと思った。
眉を下げ、行き場をなくした右手を宙に浮かせたまま、一歩退く明智を視線だけで追いかける。]
(137) 2014/04/01(Tue) 11時頃
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[なぜか、いつもの明智と違う気がして、こんなに近いはずなのに距離を置かれているような気がして、少しだけ下にある顔を見下ろしながら、瞼を震わす。 けれど、向けられた笑顔>>126に、ただの思い過ごしかと]
あ、あぁ。 俺の方こそ……
……ッ、智明?!
[安堵を浮かべた矢先、走って離れてゆく明智に、やはりいつもとは違う雰囲気を覚えずにはいられずに、逡巡の後、追いかけた。]
(138) 2014/04/01(Tue) 11時頃
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─ 4-O ─
[自分の部屋の2つ隣、角部屋の扉を、数度叩く。 そういえば何日か前も、こうやって部屋に逃げ込まれたことを思い出した。]
智明ー!
なぁ、智明。 どうした、何かあったのかー?
[原因には、まだ思い至ることができぬまま、ドアを叩いて呼びかけた。]
(139) 2014/04/01(Tue) 11時頃
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─ いつの頃か・廊下 ─
[鳥塚の余興に、どんな曲をリクエストしようか。 そも自分の歌える歌はそんなに多くないが、この季節らしい歌なら、アイドルっぽくないバンドの応援歌なら、多分歌える。 部でも、よくあの歌でエールを送ったし。
歌詞をちゃんと思い出そうと、検索をかけていると、朔太郎からのメールが来た。]
(140) 2014/04/01(Tue) 11時半頃
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……朔太郎!?
[放送が流れ出したのは、メールを確認し、何をする気かと考え始めた矢先のこと。 驚いて、間近にあるスピーカーを探し、足を止める。]
何やってんだ、あいつ……!
[夏を思わせるナンバーを聞きながら、唖然とする。 唖然としたまま、告知まで全て聞き終えると、弾かれたように中庭へ向けて走り出した**]
(141) 2014/04/01(Tue) 11時半頃
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─ いつ頃かの廊下 ─
[立ち止まってメールを作成している時の表情は、笑っていたり、少し拗ねたり、やたらコロコロ変わっていたかもしれない。
研修頑張れがダブっていたことに気付いたのは、送信ボタンを押したあと。
しかし、いえない。 カビバラは、なんか顔のあたりにカビっぽい髭が生えた、「バラ」という生き物の種類だと思ってただなんて、言えない。]
……とーる、この時間いんのか?
[とりあえず早めにと思い、元エースへも、電話をかけてみることに。]
(157) 2014/04/01(Tue) 19時半頃
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[元エースの声は、相変わらずややテンション高めなものだった。 一番目立つポジションに、ハーフを思わえる風貌と、生来のものと思われる明るさが相俟って、あいつの周りにはいつも人が絶えなかった。 特に女子。 しかし、当人、案外奥手なのかストイックなのか、実は彼女ができたのは、卒業前のあの告白が2度目らしい。 実際どうかは知らないし、噂がどうなっているかは知らないが。]
怜二にも、礼言っておかねーとな。
[多分、彼からの助言がなければ、連絡していなかったかもしれない。 切欠をくれた紐井屋にも、報告がてらお礼のメールをしておかないと。]
(158) 2014/04/01(Tue) 20時半頃
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