108 Persona外典−影の海・月の影−
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[扉を開いた先にいたのは、変わりもしない友達の姿。 眼鏡の所在を気にしてる所が、何処かおかしくて口元が綻びそうで]
… … … … … …なんだろ。返し物…?
… … …前から言おうと考えてたけどさ…。 … … …赤のフレームて、ちょいと微妙じゃない? 普通に、銀とか黒で良いと思うんだけど… … … 。
[上手く笑い辛い、そんな微妙な表情で、赤縁の眼鏡を外した]
(210) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時頃
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… … …リツキ… … … は … …
[シャドウなの、それとも本当の … …]
… … … … … … … 。
推理小説、何が好き… … …だったけ… … …。
[聞こうとしたけど、かすかに乾いた喉が出したのは、そんな関係の無い話]
(211) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時頃
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―埠頭―
[リボンをつけ直し、場を辞す前に少し目を細めた。 >>208そこへ背後から聞き覚えのある声がかかる]
……ふわ、……っえ、その、声……!?
[目を大きく見開いて、はっと後ろを振り返る]
五郎さん……!! 良かった、無事だったんだ……。
[前髪で半分隠れた目元が何処か影を感じさせる、微かな違和感]
……ありがとう。 あの日、すごく心配させちゃって。 でも、ちゃんと説明も何もできてなくて。 ごめんなさい。でも私、影から立季さんを取り戻せたの。
(212) namba 2015/03/02(Mon) 02時頃
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銀とか黒は、あんまり似合わないって母さんが言ったから。 …………そんなこと聞きにきたの?
[>>210外された眼鏡に手を伸ばして良いものかどうか。 迷った末に手は伸ばさず、視線を麻夜に戻す。 あれは確かに自分のものと同じ眼鏡だ。 しかし自分は眼鏡のフレームを壊した記憶もなければ、それを麻夜に預けた記憶もない。
そこまでを考えて、立季はふとある可能性に思い至る。 或いは麻夜も、抜け落ちた記憶に関わる者ならば、どうだろう。]
……シャーロック・ホームズと、明智小五郎、だけど。 二人とも頭脳明晰で、優秀な助手がいて、宿敵がいて…… 定番で王道だけど、だからこそ色褪せない、っていうか。
(213) nico 2015/03/02(Mon) 02時頃
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麻夜の、本当に聞きたいことは……何?
[立季はきちんと解答を示してから、自らの問いを口にした。 麻夜が口籠っていることは明白だ。 そしてそれは恐らく、欠落した記憶が原因のことでもある。
麻夜の話を聞けば、記憶を取り戻す一助にもなるだろう。 そう踏んで、立季はじっと麻夜の反応を伺う。]
(214) nico 2015/03/02(Mon) 02時頃
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… … … …あ… …いや… … … … …そんな事じゃ… …なく…
[逃げない、向き合う、そう決めても、どうしても口が渇く]
… … …あぁそうだっけ。 …小五郎に… …ホームズに… …まぁベターだよね…
…はは… … …いや…それは対して…関係ないけどさ…
[いえない、聞けない、口にしようとしたら伝えたい事が]
(215) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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[だけど気付かれてか、す、と刃が滑る様に問いは来る]
… … … … … … … …。 … … … … … … … …。
… … … …リツキ… … …は… …。
… …いま ここにいる… … …?
[震える声の中で、被るのは、友達の影を穿つ瞬間に聴こえた言葉>>4:363。 もう、何処にも友達である幸川立季はいない。それが深く胸に響いた言葉と]
(216) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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[そんな質問はどう聞いても、意図が滅裂になってる。
だけど、黒い霧と化して、満月の風に浚われて。 ひと粒も掴む事できないまま、受け止めた腕の中でなくした冷たい体温は生々しくて。
例え本当の立季がどれだけ自分との記憶を大事にしていたとしても。 友達、親友だと云う思いと裏腹に…
表情が俯いて肩が少し震えた気がした]
(217) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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… … … …俺… … …リツキの友達で…いいのかな…
[失くす前に、消す前に、引止めも気付きも出来なかったのに]
(218) 十六夜 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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いい、気にするな。 お前は自分の思うように動いた。 その結果がどうであれ、今はこうして無事にいる。
……俺はそれで構わない。 だから、お前のしたことを、――――全て許そう。
[謝罪を口にする少女の頭に手を置いて、男は緩く撫でる。 以前そうしたのと変わらない動きで、過去に重なる者を慈しむように]
影から……そうか。 あのポーラという女が「シャドウの海も人の心のありようの一つ」と言っていた。 「リツキ」も、海に身を委ねていたから、見つける事が出来たのだろうな。
[よくやったと褒めるように、撫でていた手で軽く叩くように触れる 男にとって喜ばしい事など一つもないが"五郎"は喜ぶだろう。 少女が無事であればそれでいいと、少女が喜ぶことならば、それでいいと。 考えぬ男の事など、手に取るように分かったから]
(219) jig 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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[結果を納得してもらえても、何らかの叱責は受けると思っていた。 いや、そうであるべきだと思っていたというべきか。 少し硬かった表情がほっと安堵するが、 同時に無意識の中に後ろめたさじみた不安が芽生える]
本当に……五郎さんは何処までも優しいんだね。 ありがとう。私、甘えてばっかりだね。
[頭を撫でる大きな手、懐かしい。 ちゃんと現世に戻ってきたんだと実感する。 少女には見えぬ場所、リボンが淡く警告の光を帯びた事は 残念ながら少女には見えない]
私ね、一度南部の実家に戻る事になったの。 その後はまだどうなるか分からないんだけど。 孤児院に行くかもしれないし、後見人が見つかるかもしれない。 どっちにしても、4月までは学校はお休みなの。
また落ち着いたら、メールで連絡するね。
(220) namba 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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…………?
[>>216問い掛けの意味が分からない。 立季は目を丸くし、表情でありありと心境を伝えた。 ここにいる、と問われるまでもなく、ここにいる。 しかし、問われたことに意味があるのだとは数秒で察せられた。
『いるのか』と問われたことを反転して考えるなら、過去に『いなかった』という事象があったと想定するのが相応しい。 立季は、今の自分とは異なる自分が存在していたことを知っている。しかし、麻夜の言葉の指す真意を知るのは、今よりまだ少し未来の話だ。]
(221) nico 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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…………僕以外の僕がどう言ったかは知らないけど、 僕は麻夜以外、友達を作った覚えがない。
[>>218麻夜の求める答えに相応しいか否かは分からない。 しかし立季は今の自分について幾つかのことを端的に伝えた。
自分以外の自分の存在があるのを知っていること。 それが今より過去の時間軸に存在していたと知っていること。 そして――。]
……僕の友人は、麻夜だけだ。
(222) nico 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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[>>209 喜色を浮かべる少女に並んで歩く、 律の表情は落ち着いた穏やかさに満ちたものだ。 ここだけは、――彼女の隣だけは、存在を許されている]
たまごやき、甘いの。 あとは、お前の得意なのでいい。
花見か……、 あ、うちの神社は却下な。 うるさいじじばばたちに囲まれて、 居た堪れない思いをすること間違いなしだ。
[こんな風に穏やかな幸福を感じていいのか、 自問はこの先もずっと抱き続けることになるだろう。 けれど、この手をとったことを間違いにするつもりは、ない。
まだ少し風は冷えるけれど繋いだ手の温もり、 炎はもう身を焼かない、ただあたたかな温度を分かち合う*]
(223) sen-jyu 2015/03/02(Mon) 02時半頃
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[淡い燐光が忌まわしい。 男の瞳に留まるそれが、反発するように光を帯びかけるが、どうにか抑えて]
ああ、なるほど…… どちらになるかは分からないが、良い方に話が進むといいな。
メールが来るのを、楽しみに待っている。 何か困ったことがあれば、今度は頼ってほしい……と、思うのは俺のわがままだろうな。
[少し困ったように苦笑して、潮風に晒される髪に触れる。 男の過去とは違う、褐色の髪。 その違いに自嘲じみた笑いを一瞬浮かべて、その手を離した]
(224) jig 2015/03/02(Mon) 03時頃
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[あの日、立季を失くしてから思い続けていた。 本当は、友達なんて口にしても、そんな資格ないかも知れない。
幾ら言葉で綴ろうが、立季の思いも知らず、既に友達はいなく、いたのはその影である事にも気付きもせず。
シャドウとの戦いが続いたから。 アカリを助けなければいけないから。 だからあの時はその思いを脇に置いていれた。
だけど、あの時から心に沈み続けていた後悔は、失くした友達の姿を見た瞬間に、噴出して>>4:376。
…違う。本当に怖いのは、友達をまた消さないといけないかも知れない以上に。 この手で消して、思いを踏みにじり、そうした友達にどんな顔で会えばいいかわからなかったから]
(225) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時頃
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… … … … …あ… …それじゃ… リツキ は。
[だけど、今この目の前にいる存在は。 自分以外の自分がいる、今此処にいる。 失くしたと思われたものが、確かにまだ、此処にある]
(226) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時頃
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[だから、友人だと、そう彼の肯定が耳から心臓に落ちた時]
… … …っ … …あ… … …ぅあ… … …
[抜け殻を残す事も赦されず、感情をぶつける物も無かったあの時とは違う。 押し殺そうとしながら泣いた声を、そうする必要はもうなくて。 それをぶつける友達は、確かに今ここにいるから]
(227) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時頃
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… ぅああっ あぁぁあああうあああっっ!!
[始めてと思える位に声をあげて涙を零しながら。 何をしたかと云えば、泣きながら立季に殴り掛かっていた。 肩口や腕、比較すると対して痛くない場所に、全然力も入らない腕で]
…りつ… き …っ… ごめ ごめ…ん…っ !!
[友達への謝罪と怒りと、それから確かな喜びと。 感情が掻き混ぜられて何をしているのか混乱しながらでも。 その腕が力なく友達を殴ったら、確かに温度を感じられる。 だから力なくても、感情が滅茶苦茶でも、腕を伸ばして、殴って、それで触れようとした。 友達が生きてる、その温度を]
(228) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時頃
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[男の内面の変化には気付けないまま]
ううん、我侭なんて……。 私が上手くないだけだよ、きっと。 お邪魔になっちゃうとか、やっぱり思っちゃったり。 私の方が我侭だったり。
うん、でも。メール、するから、ね。
[平穏な日常の約束事をするように、穏やかに笑う。 一瞬彼の表情によぎった>>224自嘲じみた笑みに ちょっとばかり気遣うように首を傾げたが]
それじゃあ、五郎さん。またね。
[ばいばいと笑顔で手を振った。 そうして男とすれ違うように町の方へと歩き出す]
(229) namba 2015/03/02(Mon) 03時頃
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[>>228突然の慟哭に、面喰わなかったと言えば嘘になる。 しかし立季は驚きながら、されるままになることを選んだ。
翔子との約束と、麻夜の行動。 その二つに関連性を見つけることは難しい。 過去の自分と今の自分という単純な二分割では無く、或いはもっと多元的な話である可能性も否定できない。 しかし仮定は全て仮定に過ぎず、他にもっと重要なことがある。]
(230) nico 2015/03/02(Mon) 03時頃
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…………麻夜、痛い。
[弱い力とは言えど、度重なれば痛いものは痛い。 殴られながらも伸ばした掌で、あやすように背中をぽんぽんと擦る。
理由もなく、こんな姿を見せる友人では無い。 その理由が今はまだ分からない。 忘れていることに対しての申し訳なさは存在する。 しかし、それも追って解決すれば良い。]
前の僕が何をしたかは知らないけど 破天荒な探偵を見守るのは、助手の仕事だ。 ……ちゃんと、やってくれるね?僕のワトソン。
[ふと軽口が口を突いて出たのは、探偵小説の話を振られたせいだろうか。 立季は意地悪い笑みを浮かべ、下から覗き込むように麻夜の表情を伺った。**]
(231) nico 2015/03/02(Mon) 03時頃
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― 南部/幸川家 ―
…………うん。 約束する。
[>>205立季は差し出された小指に、自らのそれを絡める。 前の自分についての記憶は未だ完全には取り戻せていない。 しかし、分かっていることはある。
翔子との約束が、今の自分を形作っているということだ。
翔子との約束を果たすことは、立季にとって生きることに等しい。 必ず、果たさねばならないことだ。 その決意が齎すものを未だ知らないまま、立季は翔子を見つめて、穏やかな笑みを浮かべた。**]
(232) nico 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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ああ、"待ってる"
[男も穏やかに笑みを浮かべて、赤いリボンに手をかける。 暫くすればくわえた力が、髪ゴムの紐を傷つけるだろうか。 効力がはっきされるのはいつ頃かはしらないが]
また会おう。
[すれ違うように抜けた少女の背中を追いながら、見えなくなる頃にはその笑みは大きく歪んで]
………またな、お嬢ちゃん。
[三日月のように薄い唇を更に薄く細めながら、そよ風に身を任せる。耳に届く叫びに似た呟きは、まるで呪詛のようだったが、それを子守唄にでもする*みたいに*]
(233) jig 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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[殴る腕が止まったのは、背中に感じた、掌の温度。 服の裾を掴むみたいに、服の襟元を握り締めて、両手が離せなくなる]
… … … … … …そ… …だよね…
… … …リツキは… … … …ほっとくとひとりですぐどっかいくから…
… …みまも… … … …っ見張り役とか必要だし…!
[意地の悪い笑みで、表情を下から覗き込まれている事に気付いて。 離した腕でぐっ、と顔をすり潰す様に拭って、顔に残るのは目元が赤いだけ]
(234) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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… … …だから… …はぐれたら…動かず待ってて…
… … …俺… … …ちゃんと…追いかけるから…。
[あの時とは違う形で、より、望んだ形で。まだ今の彼には解らないかも知れないけれど]
大体、ホームズが留守でワトソンだけじゃ。 迷宮入りの事件ばっかりでどうしようもないんだ。
…ワトソンは探偵じゃないし!
[…医者のワトソンは、その日に、慣れない探偵業を廃業した**]
(235) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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― その後春先 幸川家 ―
…もう俺達も二年だけど。 そういえばリツキは進路… … あ、それより。
[その後、二年生に進級した春の季節、友達の家を訪れていた時。 思い出した様に、何かの黒い表紙の本を取り出して]
… …はい… これ、前にリツキが落とした本。
… …記憶にないなら…とりあえず貰っといて… 。
[渡した本は、記憶がまだ戻らなければ不思議な感覚を引き起こすだろう。 だがその周りや、その後、友達のすぐ近くで覚えある少女の姿を見掛け出して、また新しい縁が繋がるのは、また別の話**]
(236) 十六夜 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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[最後にもう1度、頭を撫でられた――と少女は感じた。 蝶の宿ったリボンが悲鳴を上げるかのようにちかりと光る]
…………?
[すれ違って数歩、ぞわりと妙な寒気に腕をさすった。 潮風の唄が不意に重々しい響きを帯びたような気がして。 少しだけ港の方を振り返った後、逃げるように駆け出した]
(237) namba 2015/03/02(Mon) 03時半頃
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[かつての校区をひた走る内、 額にはらと風に揺れた髪がかかった]
ん……。
[普段束ねているから落ちてくるはずのない左の横髪。 おかしいな、と思っておさげに手を伸ばしたその時。 ころん、手の中に落ちてきたのは――]
……え、っ。
[まだ貰って僅か数ヶ月の大事な大事な、赤いリボン。 不自然に千切れたようなゴムに全く心当たりはない]
何で……。 今朝は、何ともなかったのに……。
[大事な、大事な宝物が壊れてしまった。 そこから一瞬だけ浮き出した赤い蝶の姿を見て、 少女は大きな瞳を恐怖に濡らした]
(238) namba 2015/03/02(Mon) 04時頃
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……う、そ……――。
[思わずリボンを両手で握り締める。 海の遠い今、蝶の警告は朧ですぐに姿は消えてしまった。 それが意味する正しいところを少女は解さない]
どう、して……。やだ、ぃや……ッ。
[足許から湧き上がる震えを堪えながら、 少女は弾かれたように走り出す。
醒めたはずの夢は、まだ悪夢の延長にあるのだろうか?
何度も手の内でリボンの存在を確かめた。 これは彼との約束であり、絆なのだから。 決して、こんなところで損なわれてはいけないのに――**]
(239) namba 2015/03/02(Mon) 04時頃
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げぼく ショコラは、メモを貼った。
namba 2015/03/02(Mon) 04時頃
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