108 Persona外典−影の海・月の影−
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[賀来の前に立ち、雛宮をじっと見つめて口を開く。]
……ライラプス。救いの手を。
[巡理の傍らに黒銀の毛並みが寄り添い、高く吼える。聖なる光が世界を包み込みすべてを癒していく。]
ヒナミヤ。……こんなん。 あかりちゃんが悲しむよ?
[尋ねられる問い>>388に返す言葉なんてなくて。頭に浮かんだ言葉を静かに告げた。]
(391) 2015/02/22(Sun) 03時頃
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[胸元で握りこんだままの拳が、ひやりとした手に包まれた>>383。 人の体温と無縁な、一月の空気通りに冷えたその手の冷たさ]
…え… … 。
庇った… それって…。
[大事に抱えられていた記憶。それはとても昔の。 自分にとっては、切欠の中のひとつでしか無かった昔の思い出。
冷たい手で、拳には強い力がぐぐ、と込められていた>>384]
(392) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[どういう想いが、その指先の力に込められていたんだろう。 それは影が込めた物か、それとも、リツキの。
影の背後に現れた血塗れの剣士は、その剣を薙ぎ]
… … … … !!!
[次の瞬間に、影の首は過たず刃を受けていた]
(393) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[例え影でも、友達の姿で、これ以上無く明確に。 死の瞬間をみせつけるみたいに、自ら断ち切ったのは何故だ]
… あ … …
[首が飛んだと思った。だけど肉体の外傷は全くなかった。 剣士の姿は掻き消え、影は消えたのだろう。
…始めの満月の晩、倒した人型のシャドウを見た時から無意識に。 シャドウを倒せば、後には何も残されないと思い込んでいた。 だから、その肉体も、死と同時に消えると]
(394) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[だけど、残されたのは抜け殻の様な身体ひとつだ。
とても重い、その身体が伸し掛かる。 受け止めて支えるのにも、すこし気を抜けば倒れそうな位に。 冷たくて、重くて、ぬくもりの残されていない身体だった。
重すぎる位に重い。リツキの身体だった]
(395) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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… … … …ぁ … …ぅあ… … …。
[覚悟はしていた。殺し合う事、友達の心を踏んでいく事。 理解していたけど、身体の重さを感じた途端、震えが止まらなくなった]
(396) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[音もなく降りてきた円盤から放たれる、幾条もの銀色の光線。 円盤の攻撃は無秩序に行われているように見えて、その実、獲物を的確に追い詰める合理的な動きをしていた]
きゃあっ!!
[転がる様に逃げる回る先が死地とも知らずに 誘導されたあかりは、遂にマユミの前に狩り出されてしまう]
(397) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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――――――グ、ぁ
[斬り伏せられたペルソナが、淀む地面へと倒れる。
背に庇うその姿は女神。 神殺しの剣なれば、その生命は一息で散るもおかしくはなく。
虹色の粒子となって空へと散るのと同時に、それを自身とする男もまた、黒き海へと倒れた]
(398) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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――っは、
[>>391 遮るもののない距離、 己に向けられる言葉に影は微笑う。 守られるべき存在が、守られることなく沈む、 それはまさしく遺された者に痛みをもたらすだろう。 ――雛宮律に充溢をもたらすものだ]
あかりが? そう、それはとても――……、
[剣霊がその刃を振りかざせば、 黒い闇に滴り落ちる血と焔、振り下ろされれば、 それは血しぶきのように飛び散る]
(399) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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はっ……。 羨ましい、か? ざまぁ。
[溶けて消える火烏>>382の主に一瞥をくれながら。 焔に身を晒したせいか、かすれ気味の声は、僅かに嗤いを含む。]
お前、の。 我が儘に付き合う気はねーよ。
[ああ、目の前にいるのは。 不条理に潰されて、荒れていたあの頃の僕に近いのかもしれない。
それでも。
同情なんてしてやる気はさらさない。 他人の痛みを正確に理解なんて出来ないって、知ってるのだから。
ならば自分で選び続ける為にも、我を張るのみ。]
(400) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[新たに現れたペルソナは焔と血が絡む剣霊>>388。 やはり相性はよろしくない。
内心舌打ちしつつも。
先よりも冷静さを取り戻した彼は、守りの壁を作ろうと*命じるけども……*。]
(401) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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―西部:ショッピングセンター―
――っ、 !!!
[>>384 血塗れの騎士が、影の首をはねる。 今度こそ、血の気がひく音を聞いた気がする。 膝をついていたイサムは、前につんのめりながら、駆け寄っていった。]
……っ ば っか……!!なんで…!
[唇震わせ、声を落としても最早 届かぬと知れる死のにおい。記憶鮮明に蘇る。
今、傍らにあるは友を抱きかかえるマヤ、 その震える肩に>>396 幾度か、ためらいを見せてからそっと手を添えた]
(402) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[のし掛かった重みが、麻夜に何をもたらすのか。 既に消え失せたシャドウは、それを知らず。
影だけでなく、存在すらシャドウに奪われたものの末路は、 ペルソナを奪われたものとは些か異なる。 その場に留まるかに見えたリツキの身体は、 指先から黒い霧と化し、跡形も残さず崩れていく。
最期に残るものは、黒い本と、砕けた眼鏡の欠片のみ。**]
(403) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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やっぱりペルソナを使えないんだね。 ……最後は呆気ないな。少々僕の買い被りすぎだったかな?
[自分の前に出てくる形になったあかりを見て、いつまよりも薄ら笑いを顔に浮かべる。あかりの前に出て、その顔を懐中電灯で照らし、近づいていった。周囲にはフー・ファイターが浮かんでいる]
まあ、ペルソナが使えないなら死んでもらう事もない。 君もシャドウの海に沈んでもらおうかな。 最後に何か言っておく事はあるかい?
(404) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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……――。
[ゆっくりと瞳を閉じる。 胸の中に還った2羽の赤い蝶の片割れが朽ちた。 もうそれは痛みも警告も発しないけれど、 確かに少女の中で生きていて。
そっと海の底の渦に寄せていた手を離す。 月塞は何処へ消えてしまったのだろうか]
(+37) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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[無様に膝をつき、獣のように喘ぐ。
怖かった。 あの、真弓の顔をしたマユミに、すぐにも消されてしまうのだ。 痛いのは厭だし。苦しいのも厭だ。
でも、あかりは知っている。 本当に怖いのは、自分が自分でなくなってしまうこと。 だから、幼いころからあかりを殺し続けてきた、正しさという檻から逃げだしたのだ]
……どうして。
マユミさんは、どうして、シャドウを受け入れてしまったの? リツキくんみたいに壊してしまいたいくらい、世界が嫌いだったの?
[末期の言葉を聞かれて、あかりはマユミに問いを向けた]
(405) 2015/02/22(Sun) 03時半頃
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もう。 哀しい事も、苦しい事も。 なくなる、のかな。
[体中に纏わりつく闇達を手慰みに撫でながら、 何故だかやっぱり少しだけ涙が零れるのだった**]
そうだったら。 良い、ね……。
(+38) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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……、 …――
[こういうとき、何と謂ったらいいのか、分からない。 ただ黙って、側に、傍らに、立つ。
イサムの背後、 くるくると、首無し騎士の前でカードが廻る。 月のアルカナはそのままに、 蒼い燐光、は一度首無し騎士の姿を包んで輪郭を失わせ、次に、ジャッカルによく似た大きな漆黒のペルソナへと姿を変えた。 死者を守る、とある神の似姿だ。
其れは散り散りになる身体に、 鼻先を押し付けるような仕草を見せた。]
(406) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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っう、ぁっ!?
[雛宮がその刃を守りの女神に振るった>>390瞬間、袈裟懸けにされたペルソナと同じ位置に痛みが走る。 同時に秋山>>398がその身を傾げ闇へと倒れるだろうか。それを見ることなく、荒く呼吸を繰り返す。胸元を押さえて悪魔の様に笑う。]
っ……雛宮にとって、一番の悲劇、はっ ソレじゃ、ないん……っ?
[剣霊>>399が刃を振りかざせば、自らも対抗しようと叫ぶ。]
ライラプス!
[迎え撃つように無数の剣へと炎が襲いかかる。炎を飲み込み、飲まれ、刃を打ち落とし、打ち漏らし、その火は本体である雛宮にも届くであろうか。 巡理自身も首と心臓の前で腕と鉄扇を構え、防御の姿勢をとる。身体を切り裂く痛みに悲鳴を飲み込むが、やがて攻撃の手が止んだ瞬間、その場へと崩れ落ちた。それでも、朦朧とする意識の中、もう一度自らのペルソナを呼ぶ。]
ラ…ラプ、ス。癒、し……
[黒銀の獣は望みに応じてその場にいたものたちの傷を癒していく。それを見届ける前に、巡理は夢の中へと落ちていく。
傍らに、ひらり、ひらり。カードが二枚*落ちた*。]
(407) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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[リツキの身体を抱き止めていた肩に、そっと、後ろから手が触れる>>402]
… っ あ 。
[それに連動する様に、留まると思われたリツキの体が崩れていく。 その重みを残して、黒い霧の様に、指先から消えていく。 重みは失われていき、やがて跡も残さず、ゼロになる]
(408) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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ま… … リッ !!
[サァ、と夜の風に浚われて、黒い霧が満月に融けていく。 その黒霧のひとつぶを追いかける様に手を伸ばしたが。手は空を切る。 黒い本と。リツキが掛けていた眼鏡の欠片だけ残して。 死者を見守る似姿に、静かに見送られて]
(409) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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[結局、跡には何も残されずにいた。何故身体は少し遅れたんだろう]
… … …ね… サム。 …これで… よかったよね… …。
…呑まれたく…ない…。 …これ…以上呑ませたくもない…。
…だから俺…リツキ…"消した"よ… … 。
リツキの云った通り…俺…追いかけ…たよ… … 。
…俺しか…できな…て… …俺が…やらな…と…て… …。
[重みも何も残されない。逆にスカスカな気持ちの両腕を眺めて。 震える、声も心も、目に映る景色も、震えている]
(410) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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世界が嫌い、か。 それは、たまには世界が滅びればいいと思ったこともあるんじゃないかな。でもそんなの誰だってあるだろう?
高屋敷真弓の場合は…そうだなあ。 彼女は要するに自分が嫌いだったんだよ。 父親も嫌いなら優等生と言ってくる周りも嫌い、議員の娘だからと言って腫れ物に触るような扱いをする人間も嫌い、自分に色目を使う男も嫌い。 ……だけど本当はそういう自分を一番嫌っていたんだ。
だから、僕に自我を明け渡すことになった。 僕は有象無象のシャドウとは違う、高屋敷真弓自体のシャドウなんだよ。 別に表に出られたことに彼女に対する感謝なんかないけれど、まあ、彼女の抑圧していた分楽しくやらせてもらいたいって気持ちはあるな。 だから、この今の世界はそのためにも変えないとね。 その点は立季と同じかな?
(411) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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…ちゃんと…友達の…こと……止めた…よ… … っ。
[決壊した感情の中から、ぼろぼろ零れていく。 ぺたりと地面に、黒いマフラーの裾が情けなく垂れた。 ペルソナは気付けば消え、膝は地面に崩れて、何も無い両腕を眺めて]
(412) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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…あぅ……ぅぁぁ… …ッキ… ……うあ……ぁぁ……ぁ……
[黒い霧は風に紛れ夜に紛れ、どこへ伴い月の影へと流されて。 頬に飛んで汚していた黒い液体が、最期に、涙に流されて、薄れて云った。 ただ黙って立つ、男の傍らで、押し殺す呻きが、漏れ続けていた]
(413) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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[――… 一月の末。寒い雪も積もりかけた、十六歳の日に。 俺は、大事な親友を、失くした… …**]
(414) 2015/02/22(Sun) 04時頃
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メアリーは、アカリちゃん……ごめん。雛宮が。…逃げ、て◇
2015/02/22(Sun) 04時頃
ゴロウは、フィリップと意識の沈む巡理の様子を苦悶に満ちた表情で*見ている*
2015/02/22(Sun) 04時頃
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察しがいいね。
[>>407 彼女の笑みが悪魔の様なものであったとしても、 返した笑みは変わらず穏やかなものだった。 ゆえに歪みはそこにある、影は愉悦を覚えている]
……炎では俺に適わないと思うよ。
[>>407 己のペルソナの纏う炎は、 制御なく無差別に焼き尽くす性質の炎だ。 その剣が屠った火神の纏う炎もまた同じ。 ――ゆえにその神は生まれてすぐに殺されたのだ。
自身のものかそうでないのか区別もつかない炎の中、 剣はただ断ち切った、真にその剣が斬るべき存在にふるわれて*]
(415) 2015/02/22(Sun) 04時半頃
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……真弓さんも私と同じで逃げたんだね。 でもね、私も逃げてみて、初めて分かったことがあるんだ。
どんなに逃げたって――結局、自分は自分でしかないって。 自分が嫌いなら、自分を変える以外に救われる道はないんだってこと。 やっと、分かったんだ。
[巡理の言葉、明の信頼、リツキの呪詛――あかりがこれまで得たものは、全てあかりの行いが呼んだ結果だ。 善果も悪果も、自分の行いに相応しいものが降り掛かるのだ] 今、あなたに屈したら、――私は私でなくなる。 それが私にとって本当に怖いこと。
きっと、死ぬより怖いことなんだ。 [跪いたまま翳すカードは『正義』 深く傷つき折れてしまっても、正しさは屈しない]
(416) 2015/02/22(Sun) 05時頃
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――ペルソナ。
[あかりの前に少女の形をした闇が降りてくる。
それは、彼女が恐れていた恐怖のかたち。 イドより這い出で、ペルソナとシャドウのどちらにも成り得なかった未分化のこころ。
真弓なら、分かるはずだ。 そのペルソナの仮面の下から覗く貌が、 出会った頃の花河あかりのものであると。
闇はもう嗤ってはいない。 恐怖と不安を乗り越え、己の主となった召喚者を守るべく、 黄金の雷を身に纏い、シャドウの前に立つ**]
(417) 2015/02/22(Sun) 05時頃
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――……うん。
[そ、とマヤの肩を、撫ぜて。]
―――うん。…… がんばったよ。
オマエは、…… ただしいこと、 した。 ……マヤ君にしか、……できなかった、こと。
――……えらいよ
[そっと、寄り添いながら、肩をなでて。 出来ることは、其れだけ、で**]
(418) 2015/02/22(Sun) 06時頃
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