108 Persona外典−影の海・月の影−
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―満月の夜・市内中央部、崇神駅―
[高屋敷家を辞し、律とも別れて家路を辿る。 崇神駅のホームで電車を待つ。
時刻は既に夜。空には赤く輝く月。 滴り落ちる血のような月明かりを浴びていると、傷跡がずくり疼くのを感じた。
疼きはすぐに、立っていられなくなる程の痛みに変わった。 誰かに助けを求めようにも、苦しくてまともに声が出せない。 胸元を押さえ、喘ぎながらホームのベンチに座り込む。
閉じかけた傷を無理矢理に抉じ開けられるような不快感。 あかりは獣のように呻きながら、その痛みに耐えることしか出来ない]
(45) 2015/02/14(Sat) 15時半頃
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―十二時・異界―
[時計の針がかちりと音を立て、十二時を示した時。 世界は変貌する。 存在するものは赤と黒――そして、影。
異界と化した崇神市を跋扈する異形の影に、人間達は為す術もなく蹂躙され、存在を乗っ取られていく。
座り込んだまま苦痛に呻くあかりの近くにも、数体の異形の影が姿を現した。 捩れた棒のような容をした影たちは、次々とホームにいた犠牲者に襲い掛かり、彼らの影を奪い取っていく。
そのうちの一体が、身動き出来ずにいる少女を獲物と定めたのだろう。 するり音も無くベンチに近付いて来る]
(54) 2015/02/14(Sat) 16時頃
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[涙で滲んだあかりの視界に、捩れた棒のような異形が映った。 突然の異変について行けぬまま、瞬くことしか出来ないでいると、 異形の影がするり伸びて少女の影と交わろうとする。
異形が何をしようとしているのかは分からない。 けれど影に触れられた場所から、花河あかりの存在が器の外へと吸い出され貪られるのを感じた]
や、嫌だ。やめ、て……。
[苦痛と恐怖、嫌悪感。 危難に何も出来ないでいる、無力な自分への嘆き。 そして、襲い来る理不尽への怒り。 あかりの裡で混ざり合った様々な感覚は、イドの水底に眠る、 もう一人の彼女を呼び起こす]
(60) 2015/02/14(Sat) 17時頃
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[あかりの影の左の鎖骨から胸元にかけて、傷跡をなぞるかのようにざくりと割れた]
『我は汝。汝は我――』
[脳裏に語りかける声が聞こえた。 そして降り注ぐ鮮血のような月光の下、捩れた棒のような異形とは別の――もう一体の異形が異界に顕現する]
(64) 2015/02/14(Sat) 17時半頃
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[あかりの裡から現れたもう一体の異形。 それは赤銅の肌に上臈蜘蛛のような紋様刻む裸身の女だった。 頭部から首を覆う帽子(もうす)と襟巻きを合わせたような被り物の奥には、八つの鬼火のような目が煌々と輝いている。
突如現れたもう一体の異形を脅威と感じ、少女の影を奪おうとしていた捩れた異形が慌てて離れようとする。 しかし赤銅の女の鋭い爪は離脱を赦す間を与えぬまま、捩れた棒の影を容易く引き裂いた]
……貴女が、私? [自分を庇うように異形の前に立つ赤銅の女。 その背に問い掛けながら、あかりは胸の痛みがいつしか薄れていたことに気付く*]
(65) 2015/02/14(Sat) 17時半頃
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[いつの間にか、右掌に青いカードが握られていた。 赤銅の女はいつでも異形の影と対峙したまま、あかりの命令を待っている。
今、この世界で何が起きているのかは分からない。 けれど、何をすべきかは理解できた。 そして――この手の中には、その為の力がある]
行きなさい! 土蜘蛛!! こいつらを、斃して!! [あかりはカードを掲げ、叫ぶ。 カードに描かれているのは『正義』 それは正しくありたいと願う心の現われだった。
赤銅の女――ペルソナ『土蜘蛛』が主の意志を受け、捩れた影たちに襲い掛かる]
(91) 2015/02/14(Sat) 19時半頃
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[崇神駅に出現した異形たちを土蜘蛛が一蹴する。 けれど未だ月は禍々しく輝き、赤い世界は終わらない]
原因を何とかしないと駄目か。 ……けど、今はまず、出来ることからだね。
[きっと、他にもあの異形の影に襲われている人がいる。 だからあかりは行く。行って、皆を助けるのだ。 かつて高屋敷氏がそうしたように、今度は自分が正しいことを為す番だから。
土蜘蛛と共に地を蹴り、夜の街に飛び出す。 やけに体が軽くて、今なら何でも出来そうな――そんな気分になっていた]
(100) 2015/02/14(Sat) 20時頃
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[体が軽い――それは、決して比喩だけのことではなかった。 土蜘蛛を操り、異形たちと戦ううちに、自分が一介の女子高生というには、過ぎた身体能力を獲得していることに気付く。
確かにペルソナがどんなに強くても、持ち主が倒されてしまえばお仕舞いだ。運動があまり得意ではないあかりには切実な問題ではある。
――だが、聊か都合が良過ぎはしないだろうか? そんな違和感を覚えて、ふと足を止めるが] 「絶対、いやああああああああああ!」
[商店街へと続く道から少女の悲鳴が聞こえた>>117]
……考えるのは、後。 いかなきゃ。
[ショートカットの為にアーケードの上へと飛び上がり、悲鳴の聞こえた方へと駆け出した]
(135) 2015/02/14(Sat) 21時半頃
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―商店街・路上―
[商店街の間の路上に少年少女の姿を見つけた。
その片割れの少女には見覚えがある。 一年生の白い少女――たしか、楠と言ったか。 少年の方には見覚えが無いが、自分や楠と同年輩のようだ。
二人の様子から、どうやら少年は怪我をしているらしい。早く安全なところへ連れて行かないと拙いだろう。アーケードから商店の二階を蹴って、二人の傍らに飛び降りる]
二人共、大丈夫? ――って、……楠さん、貴女もペルソナを?
[少年を癒すように見える、白い少女の蝶の羽持つペルソナを見て、少し、驚いたように尋ねた]
(142) 2015/02/14(Sat) 22時頃
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アカリは、カリュクスを一方的に知っていることに気付いていない。
2015/02/14(Sat) 22時頃
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[少年の足元にペルソナがいることに気付き、無意識に片眉があがる>>148知り合い? と怪訝な表情を向けられて]
……そっか、私が一方的に名前を知ってるだけだけか。
私は花河あかり。 そっちの子は大塚君ね。
[明が口にした少年の名を確認し、自分が崇神高校の学生であることも告げる]
ねえ、楠さん、落ち着いて。 行かなきゃいけないって、何処に? 今、街はこんなだし、独りで行かせるわけにいかないよ。
良かったら事情を聞かせてくれないかな。 [狼狽する様子の少女を落ち着かせようと、尋ねてみた]
(152) 2015/02/14(Sat) 22時頃
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……お父様が。
[明の必死の言葉>>164 に目を瞠る。 家族を失うことの辛さは誰よりも良く知っていた。 けれど、怪我をした麻夜を置き去りにもできない。
僅かに逡巡してから]
わかったわ。 でも、楠さん、私も後から行くから。 無理はしないでね。 [それで、良い? と麻夜に尋ねる。 彼が動けないようなら、何処か安全そうな場所に彼を連れて行ってから。 そうでなければ、彼をエスコートしながら明の後を追えば良いと判断する]
(169) 2015/02/14(Sat) 23時頃
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[じっと、目を細めて麻夜を見つめる。 彼の言葉が強がりだとしても、明のために動こうとする意志は尊重したい>>172 そして心配で気が急いているだろうに、麻夜の身を案ずる明の言葉>>176]
……じゃ、こうしようか。
[麻夜に背を向けて屈む]
さ、乗って。 それで、楠さんの後を追いかけよう?
あの化け物たちと戦うことになったら、大塚君にも力を貸して欲しいから、それまで体力温存ってことで。
[麻夜を背負えば機動力は落ちるだろうが、それでも今の人間離れした能力ならいけるはずだ]
(185) 2015/02/14(Sat) 23時頃
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アカリは、オスカーを制止することができなかった。
2015/02/14(Sat) 23時半頃
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ちょっと、大塚くん!
[制止も間に合わず、麻夜の姿は赤い街の中に消える>>187 ”アカリ”と彼の残した呼びかけに一瞬目を丸くするが、それは白い少女への言葉だと気付く]
……ほんと、男子ってしょうがないなあ。
大丈夫。楠さんを止めるつもりはないよ。 でも、大塚くんに頼まれちゃったから、エスコートはさせてね? 行き先は埠頭だっけ。
[麻夜に『よろしく』とは言われたが、明を制止しろとは頼まれていないのだ。 涙に潤む赤い瞳を真摯な面持ちで見つめる]
(198) 2015/02/14(Sat) 23時半頃
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[>>205明の白く華奢な手を握り返し、体温を伝える。 零れかけた涙を止めるのは、あかりの役目ではない]
大塚君も、楠さんのお父様も心配だしね。急ごう。 ――行くよ、土蜘蛛!!
[ペルソナに露払いを命じ、白い少女と二人で異界を駆け出した]
(210) 2015/02/15(Sun) 00時頃
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[スクナビコナの鱗粉で動きを止めたシャドウを、土蜘蛛の爪が切り裂いていく>>213 この調子なら埠頭に辿り着くまで、それほど時間は掛からないだろう] ……疲れてない? 大丈夫? それにしてもさ、楠さんのペルソナ良いね。 すごく、やりやすいよ。 [何より可憐なのが羨ましい。 同じ”アカリ”でも、どうしてこんなに違うのだろう。 ペルソナが心の裡にいるもう一人の自分であるならば、この淫らがましい姿の上臈蜘蛛があかりだというのか。
そんな埒もない思いを否定するように、ふるり首を振った]
(231) 2015/02/15(Sun) 00時半頃
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……でもさ、それは楠さんにしか出来ないことじゃ、ないのかな。
さっき、大塚くんの手当てしてたでしょ? あれは私の土蜘蛛には、無理なことだよ。
[>>241体力に乏しい明を庇うように、土蜘蛛を動かす。 含みのある視線に気付くことはできないが『こんなことしか』と卑下の色を孕んだ彼女の言葉を受け止めて、本心の言葉を向ける]
(244) 2015/02/15(Sun) 01時頃
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私は私、楠さんは楠さん。 同じ"アカリ"でも、違うから良いんだと思う。
[つい先刻、抱いた思い>>231を否定するように言葉を連ねるが。
自分のイドに嫌悪感を抱いたせいだろうか。 土蜘蛛との繋がりが一瞬途切れ、その隙を突き、新たに出現したシャドウに気付くのが遅れる]
しまっ――
[次の瞬間、あかりの身体は頭上から降り注ぐ、波のような姿のシャドウに飲み込まれた]
(247) 2015/02/15(Sun) 01時頃
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[シャドウの内側の果て知れぬ昏き水底に、あかりは引きずり込まれていく。鼻や口から入り込む黒い水に噎せ返り、ごぼり、肺の中の酸素を吐き出してしまう。 窒息しそうになって、もがくほど、シャドウはがっちりと少女の体を押さえ込む]
――……、う。
[こんなところで終わってしまうのか。 悔しさに涙が滲むが、それも束の間。やがて意識を手放しそうになったとき、黒い海が震えた。
恐怖、後悔、絶望。 負の感情に揺らされて、水の拘束が緩む]
たす、けて、
[最期の力で顕現した腕だけの土蜘蛛が、しゅるり解ける。そして救いを求めて、嘆きと怒りの声>>258の聞こえる方へと伸びていった]
(264) 2015/02/15(Sun) 01時半頃
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[スクナビコナの鱗粉に攻撃されて震えるシャドウの海を 土蜘蛛の糸が水面を切り裂いて、明があかりを助けるための、最初で最後の機会を作るだろう]
(269) 2015/02/15(Sun) 01時半頃
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「うあああああああああああっ!」
[薄靄の掛かる意識の向こうで、咆哮が聞こえた>>279 強い力に腕が引かれ、シャドウの海から引き上げられる。 明に抱きとめられ、共に倒れたまま起き上がることも出来ぬまま、黒い水を咳と共に吐き出す]
はぁ、はぁ、……はぁ。
[新鮮な空気を求めて、幾度も呼吸をするうちに、ぼろぼろと零れた涙が明の上に落ちた]
(290) 2015/02/15(Sun) 02時頃
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ごめん。……ごめん、ね。
[死に直面した恐怖で体が強張り、倒れた明の胸に縋るような体勢のまま動けない]
いか、ないと。 行かなきゃ。……いけない、のに。
[涙と涎で汚れた顔を明に見せないように顔を伏せる]
(293) 2015/02/15(Sun) 02時頃
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助けてくれ、て、あり、がとう。 諦めないで、くれて、……ありがとう。 もし、楠さんがいなかったら、私、……死んでた。 [意識は朦朧としていたが、明の声は確かに聞こえていた>>280 それから呼吸を整え、ようやく半身を起こす]
(298) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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……今度は、私が楠さんを助ける番。 [決意を込めて呟くと、震える膝に力を入れて立ち上がり、力を使い果たし倒れた明を抱き上げようとする。
自分の失態で費やした時間のせいで、明の父や麻夜の身に何かあったら、きっとあかりは自分が赦せないだろう]
まだ、スクナビコナを使えるなら、私にも幻を見せて。 恐怖を忘れて、……走れるように。 [赤い瞳を見つめて、請願する]
(306) 2015/02/15(Sun) 02時半頃
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……うん。 後でいっぱい褒めてあげる。
約束、するよ。 [>>305力を使い果たしても笑顔を絶やさない明に、あかりも柔らかい笑みで応えた。ささやかな、けれど大切な願いを叶える為には先ずは生き残らなければならない。
スクナビコナが舞い、あかりに希望と言う名の幻想を見せる。 例えそれが偽りであったとしても、人は希望があるから立ち上がることが出来るのだ。
華奢な体を負ぶうと、消耗しつくし戦いの役には立たない土蜘蛛を解いて、背から落ちないように結びつけ、埠頭へと脇目も振らずに走り抜けた]
→埠頭へ
(311) 2015/02/15(Sun) 03時半頃
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アカリは、シャドウの群れを遣り過ごし、異界を駆け抜ける**
2015/02/15(Sun) 03時半頃
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―埠頭・港区画―
[二人のアカリが港に着いときには、既に戦いは終わっていた。
一面に散らばるコンクリート片。 潮風に乗って流れてくる焼け焦げたような臭い。 遠目にも、埠頭の一角が大きく陥没しているのが分かる。
まるで戦場のような無残な光景を目の当たりにして、あかりは息を呑む。
ペルソナ能力者とは言え麻夜は怪我をしていたし、明の父親はシャドウに抗う術があるか分からないのだ。 そんな二人がこの場に居合わせて、果たして無事でいられるだろうか?]
(332) 2015/02/15(Sun) 15時半頃
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[もし――二人の身に何かあったら?
最悪の想像に胃の辺りが締め付けられ、冷や汗が滲む。 背中の明の重さが、まれで身を縛る鎖のように重く感じられた]
大塚くん!! 楠さん!! いますか?
……大塚くん、無事だよね? ――返事して!!
[麻夜と楠の父の名を呼び、狼狽したまま戦場跡へと駆け出した]
(333) 2015/02/15(Sun) 15時半頃
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―港区画―
[戦場の中心だったと思しき埠頭の陥没跡。 傍らには三つの人影があった。 そのうちの一人が探し人だと気付くと、息も絶え絶えにそちらに走り寄る]
……大塚、くん? よかったあ! 無事? 痛いところ、ない?
楠さんのお父様は!? ご無事なの?
[あかりは麻夜の鬼神の如き戦いぶりを知らない。 だから今にも泣き出しそうな顔で、無事を確かめるよう、彼の全身をぱしぱし叩きながら、矢継ぎ早に問い掛ける]
(334) 2015/02/15(Sun) 16時頃
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律っちゃん!? ……なんで、ここに?
[此方が気づくか律に声を掛けられるのが先か。 何れにせよ、幼馴染の姿を見つけて目を丸くする。 ――だが、もう一人。 崇神市でも指折りの有力者の息子がいることに気付くと、やや表情を改める]
もしかして、絹代さん……ですか? お久し、ぶりです。 [かつて律が慕っていた気儘な少年とは、あかりも面識があった。 年上だった彼と格別仲が良かったわけではないが、律からよく話を聞かされていたのだ。
五年前に家族を失ってから、律と高屋敷父娘くらいしか地元とは繋がりはなくなっていたが、絹代が事故で片腕を失ったことは聞いていたから] ――……。
[袖と手袋に隠された義手に、気遣わしげに視線を落とした]
(336) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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[麻夜たちと言葉を交わしていると、市街からやってきたセダン。 扉が開き、降りてきたのは見知った顔>>335]
……真弓さんも、ですか?
[『もしかして』と言う問いに頷き、答える。 青い部屋は夢で見たきりで、記憶の底に眠ったままだが、 さすがにこの状況下で活動していられるのは、能力者だけだと気付いていた]
(338) 2015/02/15(Sun) 16時半頃
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……うん。大丈夫だと、思う。 [真弓を警戒する明の服の裾を握る手に、そっと手を重ねる。
彼女がシャドウに乗っ取られていない保障はないが、 少なくともあかりには普段の真弓との違いは見つけられない。 疑い始めれば律も絹代も、麻夜ですら――ずっと行動を共にしていた明以外、本物であるか怪しくなるのだ]
私たちが来たときには、もう、この有様でした。 やっぱり、真弓さんたちも怪物に襲われたんですか?
[こちらがどうであったかは、ぼろぼろの征服を見れば、一目瞭然だろう]
(343) 2015/02/15(Sun) 17時頃
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私の方も怪我はないですけど、大塚くんが。 ……楠さんは大丈夫? 我慢したら駄目だよ。
[>>344真弓に視線で麻夜が怪我をしていることを示し、それから明に問う。 埠頭への移動中、戦闘を避けるためにかなり無茶な逃げ方をしたから心配はしていたのだ。けれど、消耗はしているようだが、怪我のない様子に安堵する]
(351) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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ありがとう。 [明に信頼の言葉を寄せられ、やわらかく微笑む。
知り合って時間が浅かったから、彼女の言葉に込められた重みは未だ分からない。 けれど、自分の身に危険が及ぶことも厭わず、あかりを救ってくれた明をあかりは信頼している。
だから彼女の期待に応えたい。 その想いが伝わるように、重ねたままの手を軽く握った]
(352) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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ん。 律っちゃんも、……無事でよかった。
[>>345案じるような言葉をかける幼馴染に笑いかけ、ふらふらしてたのは、そっちもでしょ? とか憎まれ口の一つも叩くが。 スクナビコナの見せる幻が効果を失ったせいだろうか? 膝からかくり力が抜けて、座り込んでしまう]
……あー、実はあんまり、大丈夫じゃないかも? ごめん。迷惑かけてばっかりだね。
[律と、あかりを案じる明>>353の顔を交互に見て、苦笑を浮かべてみせた。シャドウに飲み込まれたときの恐怖は、未だ生々しく残っていた]
(356) 2015/02/15(Sun) 17時半頃
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[普段なら「体がうまく動かない」などと聞かされれば、世話焼きの性質が全開になるところだ。 ……だが、今のあかりにその余裕はない。
自分を助けたせいで明の右腕が不調に陥った事実に 気付けなかったことは、後にあかりに後悔をもたらすことになるだろうか?]
(357) 2015/02/15(Sun) 18時頃
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私"は"違うよ。 [真弓に続き、車から降りてきた少年の思いがけぬ言葉>>348 そんな風に誤解されたら、麻夜に悪いではないかと思い、 冗談か本気か判断の付け難い様子の彼に、生真面目に答える。
『は』と強調したことで明と麻夜の関係を、少年に誤解させる可能性のあることには気付いていない]
(359) 2015/02/15(Sun) 18時頃
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青い部屋、ですか。 ……どこかで見た憶え、あるような。
[律と真弓が口にした青い部屋。 心の水底に沈む、記憶の残滓が浮上する]
え、あれって、……夢じゃなかったんですか?
[こちらは座り込んだまま、しゃがみこんで、気遣わしげに視線を合わせてくる真弓に瞬く。 青い部屋がどんな場所であれ、休める場所があるなら移動するのは吝かではない。
――そう思えるくらいに消耗していたのだ]
(361) 2015/02/15(Sun) 18時頃
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そうだね。……わかったよ。
[既に明に迷惑をかけていたから、律の言葉>>360に素直に頷く。 座っているよう促されるのにも従う。
ペルソナが自分であることを否定し、繋がりが弱くなった状態での酷使は、自分で思う以上に肉体に負担を掛けていた。
そのせいだろうか? 真弓に協力を申し出る明>>363の態度に僅かに危うさを感じても、その理由に思いを致す余裕はない。 ましてや自分の言葉が彼女に影響を及ぼしていることにも気づけない]
明ちゃん、無理は、だめだよ。
[麻夜は明の父親を見つけられなかったと言う>>370 きっと耐え難いくらい不安だろう。 だからあかりは労わりの言葉を何度でも口にするのだ。彼女の名を呼び親愛を添えて]
(372) 2015/02/15(Sun) 19時頃
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[実際に訪れてはいなくても、あの青い部屋は共通認識として存在するのだと、真弓の返答で理解する>>373
ペルソナにシャドウ。 突然現れた危難はとにかく、対抗するための手段があらかじめ用意されているなんて。 あまりに都合が良すぎ、仕組まれているかのような胡散臭さすら感じたが、口にするのは別のこと]
ネコミミつけた、あの女の人。 本当にいるんだ……。
[アニメか漫画のキャラクターだと思っていた青い女――ポーラ。 イタい格好だなと思って見ていたが、感想を口にしなくて良かったと思うのだった]
(385) 2015/02/15(Sun) 19時半頃
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[>>373真弓の視線の先にあかりも顔を向ける。 ちらほら見えるボールのような影。あまり猶予はないようだ。
今の自分では何の役に立てないことも分かっていたから、 一刻も早く青い部屋に移動するため、重い身体を叱咤して歩き出した**] →ベルベットルームへ
(389) 2015/02/15(Sun) 20時頃
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―埠頭―
[単独行動をするというリツキを見送り、線の細い少年――櫻井 智晶というらしい、と麻夜の交わす言葉を聞いたりしながら、青い部屋があるというクルーザーを目指す]
あの人も能力者? ……それとも。
[目的のクルーザーからこちらへ向けて歩いてくる長身の男>>381の姿を見止め、同行者たちに囁きかける。 もし、あの男がシャドウなら、ペルソナを使えない自分には何も出来ない。 今は役には立たない『正義』のカードを握る手に汗が滲む]
(422) 2015/02/15(Sun) 22時頃
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―クルーザー付近―
……あなたも、ペルソナ能力者ですか?
[青いカードを示しながら、長身の男に呼びかける。 真弓や律たちと違い、素性の知れない相手に緊張を隠せない。
彼はどう答えただろうか。 何れ、会話をしているうちに、彼の目的が青い部屋を目指す仲間との合流にあると知れば>>381 名を告げてクルーザーに乗り込むだろう]
どうなんでしょうね。 でも、年輩の方がペルソナ使いって、想像しにくいかも。
[外で見張りをするという真弓の呟きに、小さく首を傾げた>>424]
(426) 2015/02/15(Sun) 22時頃
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―ベルベットルーム―
[クルーザーには三人の先客がいた。 そのうちの一人は、またしても知人だ]
……花咲さんもかあ。 何だか今日一日で、一生分の驚きを使い果たした気がするよ。
[それから部屋の主(とあかりは思っている)のポーラに入室の許可を取ると、緊張の糸が切れたのかソファの上に崩れ落ちてしまう]
(428) 2015/02/15(Sun) 22時半頃
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そこ、小さな子にいらない言葉、教えない。
[リツキという少年にやられた意趣返しでもあるまいに、と>>430巡理に続き、ソファに倒れこんだ姿勢のまま、麻夜に突っ込みを入れる。 普段ならこんなだらしない姿、絶対に他人には見せないが、いろいろ限界だった]
……気をつかわせちゃって、ごめんね。
[いきなり崩れ落ちたあかりと麻夜に、少女は狼狽してしまったらしい。慌てて外に出ようとする少女に申し訳なさそうに声を掛けた>>439>>442]
(443) 2015/02/15(Sun) 22時半頃
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アカリは、オスカーがこちらに視線を向けたことに気付けない。◇
2015/02/15(Sun) 22時半頃
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[倒れたあかりを見かねて、痛みに耐えて歩み寄る巡理に顔を向ける>>444]
心配してくれて、ありがとう。 ……それにしても、大変なことになっちゃったね。 [額に添えられた柔らかな手の感触に身を委ねる]
(460) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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―ベルベットルームに入る前・埠頭―
[真弓の車に同乗していた青年をじっと見つめた。 同じ金髪でも律とは違い、剣呑な雰囲気を纏っている。 一瞬、躊躇いつつも声を掛けると、思いがけず気安い感じで片手を上げてくる>>453]
……イサミさんですね。 花河あかりです。よろしくお願いします。 [自己紹介をされ、サムと呼んでくれと言われても、初対面の青年をいきなり愛称で呼ぶのには抵抗がある]
もうここも、危ないですし、 イサミさんも私たちと一緒に行きませんか?
[ロリーポップを銜え、真弓の車にもたれかかったまま動く気配のない青年に問うた]
(474) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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……そっか、じゃあ少し休ませてもらおうかな。
[青い部屋を出た女の子を気にかけて、後を追おうとする巡理に顔を向け辛そうに口にする。 自分だけではなく、きっと麻夜も明も限界だろう。
当然、明も青い部屋で休んでいると思っていた。 だから彼女が他の誰にも聞こえない声に呼ばれ、ふらり姿を消したことに気付くのはしばらく後のことだ>>458]
(481) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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そっちの二人も崇神高校の……、私と同じ、二年生だよね。 自己紹介、遅れちゃったね、
[と馨一と智晶、二人の転校生に声を掛け、自分の名を告げた]
そう、仲間になるのかな。
[「皆、ペルソナ使い、って事か」 呟く馨一に倒れたまま、宜しくねと顔を向ける。 さぞかし横着な奴と思われるだろうが、実際に体が動かないのだから、どうしようもない>>466]
(487) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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……ねえ、ポーラさん。 ペルソナって使い過ぎると身体に支障が出たりしますか?
[この疲労が尋常ではないことには気付いていた。 思い当たるとすれば、ペルソナを酷使したことかシャドウの海で溺れかけたこと。その二つだが。
試しに青いカードを翳してみるが、何の反応も得られない]
(490) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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私がそんなこと言ったら、 高屋敷のおじさまが慌てて飛んでくるだろうなあ……。 でも、その怪我だと、大塚くんは言い訳が難しいよね。
[病院行くなら、などという問いに首を傾げながら答える>>486]
(495) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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―ベルベットルームに入る前・埠頭―
……一回行けば充分って、 そういうことじゃないと思いますけど。 [からかわれていることに気付き、僅かにむっとした表情。 けれど、彼にも彼なりの理由があるのだろうと思い至る。 そうでなければ、こんな命の賭かった状況で口にする台詞ではない>>497]
私を気遣いの子だって思ってくれるなら、 気が向かなくても、危なくなったら合流して下さいね。
[最後に一つお節介を焼いて、敢の前を立ち去った*]
(509) 2015/02/16(Mon) 00時頃
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賀来くんも、櫻井くんもみんな戦ったんだね。 ……そうだね、お互い死ななくて何よりだよ。
[馨一の言葉>>500に、死の淵に立たされた事実を思い出し眉を顰める。彼が視線を落とし苦々しく笑うのもたのも、きっと辛いことがあったからに違いない]
人型のシャドウ? ……何よ、それ!?
[情報交換をするうちに、麻夜が表情を歪めて衝撃的な情報を口にした>>499 あまりの内容に思わず声が上ずるが、彼の内心を慮って一度口を閉じる]
(513) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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[言葉を連ね、試すように青い部屋の面々を麻夜は見つめる]
私は、正しくありたい。 だから、為すべきことをする。 ……それだけだよ。
[それはきっと荊の道。 けれど、それが出来るのはペルソナの力を手にした自分達だけなのだ。 例えどんなに危険で、恐ろしい目に遭うことが分かっていても、足を踏み出す以外の選択肢はあかりにはなかった]
(528) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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―ベルベットルームに入る前・埠頭、律>>445―
[幼い頃、あかりは滅多に泣くことも、弱音も吐くこともなかった。
生来の強情さもさることながら、物心ついたときには弟が産まれていて、周りの大人たちは跡取りの弟ばかり構って、あかりを顧みることはなかったからだ。
勿論、両親はあかりに我慢を強いることはしなかったけれど、子供なりに自分の置かれている立場は理解していた。
「……律っちゃんは、良いなあ」 [いつだったか、一度だけ、幼馴染に呟いたことがある。 あかりにしてみれば、転んで泣くことの出来る彼が羨ましかったのだ。
そんな愚痴に律がどう答えたのか、あかりは憶えてはいない]
(541) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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……それ、褒め言葉じゃないよね。
[呟かれた感想>>540に、わざとらしく眉を顰める。
正しくありたい――そう、あかりが願うのは、人間が醜く愚かなものでしかないと信じていたから。 そして、無意識下に自分の本質が善性ではないと理解していたからだ。 そうでなければ土蜘蛛のような、あんな淫らがましく不吉な外見のペルソナを心の裡に持っているわけがない。
だから、馨一と麻夜の内心のあかり評>>539>>540を知ることがあれば、きっと複雑な表情を浮かべることだろう]
明ちゃん? そう言えばいないね、どこ行っちゃたんだろ。
[麻夜の言葉>>547に明の不在に気付き、首を巡らせる。 彼女の様子がおかしかったことに気付いていれば、すぐにでも探しに出かけただろう。 けれど極度の疲労の為、気付くことが出来なかった**]
(552) 2015/02/16(Mon) 01時半頃
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