28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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[新居>>1:312が戻る頃にも、 私は、手や口を駆使してじたばたしていた。
ふわりと届く柔らかく刺激的な香りは、 彼の持つボウルが運んで来たもので。 二人>>1:316とは当然、ジャニスと病沢だろうと、視線が偏る。]
や、病沢さんが!
[会話の渦の中に居るので、先程頭を撫でてくれた 不思議なお皿さん―――… 国谷の話に繋がっているとは、露思わず。 私は主張をするわけですが、既に新居がキッチンに戻った後のことで。
声は果たして、届いたものかと。]
(2) 2013/09/05(Thu) 01時頃
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[離れてゆこうとした指先を指先で捕らえて 爪先立ちで、届く場所まで、上に、上に、ボトルを押し上げる。
眉を絞ったのは、不安ではなくて、久しく忘れていた衝動。]
……… う、
[ふ、と見上げた宙の上。 ぽろぽろ零れ落ちて来た、微かな笑み声と、瞠られた目。 どちらとも、この8日間の中で――…恐らく見たことがないもので。 押し上げる指の力が、つい、弛むのです。
そうして、懸命に手を伸ばしても触れられなかった ジャニス>>0の頬に、冷えたボトルが触れて、微かに弾力が返って。]
うあ、ああ、ジャニスさん、が。
[―――笑った! その衝撃に、如何致しまして、と告げる筈の唇が。 へにゃりと雪解けの、締まりのない笑みを返すことに。]
(14) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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[ワインボトルの攻防を繰り広げつ 一度、二度、三度と言い含める温度で告げられる『ひと』>>1:311
ボトルを抱き締める病沢>>4の指先は矢張り白くて 何かを恐れているような、我慢しているような、 ――…隣人の私に、その多くを理解することは出来ない。]
ね、ねこのようでも、猫ではない、です。
[例え話の領域を出ない筈だった、話。 いつもより口数の多い病沢に、如何してか 頭の中に浮かんだのは、膨らみ過ぎた風船。
割れてしまいそうな、勝手な想像に慌て、寝転んだ彼と視線を重ねようとするのです。]
……… ちゃんと、ひとですよう。
[繰り返す。病沢の母親を如何こう言う権利など、私にはないのですから。]
(22) 2013/09/05(Thu) 01時半頃
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あ、あたし、もうご馳走になったのに
いえ、その、エリちゃんと、頂きます!
[謙虚と言えば聞こえは良いが 一瞬断って、意見を180度変えるのは昔からの癖だ。 新居>>12に釣られて口にしてしまった"エリちゃん"
あたしはその間違えに気付かないまま、ととと、テーブルに戻るのです。]
頂きます。
[本日二度目。 スープに口を付ける前に手を合わせて、 今日の贅沢を再び口に運びます。 ジャンクフード三昧の舌に、ほろほろ、卵。]
(24) 2013/09/05(Thu) 02時頃
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[残暑だからと言って 食欲減退するような柔な身体ではなくて。
テーブルを陣取る一部オムライス、一部スープボウル。 スプーンも用意されていれば受け取って なければ、ちゃんと断りを入れてスプーンを取りに行くのです。]
む。 ぐ。
[お行儀悪く金属を噛んでしまったのは ジャニス>>26と病沢の会話に耳を傾けている最中。
目が口ほどに、ものを語ってくれたら良いのに。 そんな思いに揺れて、病沢>>27と少し、視線が重なった。 聞こえた、いただきますは温かくて。 私はまた、嬉しくて、笑ってしまうのです。]
(28) 2013/09/05(Thu) 02時頃
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[ほろほろほろほろ
温かい具材が、スープが、胃を温める。 温かい食事に、一人暮らしをして久しく囲っていない 団欒とも呼べるひと時。 不思議な経験を得ても、わかば荘を出てゆくビジョンが浮かばないのは、きっと此処に住む住人のお陰。
でも。]
じ、自分でも作れるようにならなきゃ、だめ、ですよね。
[ふと、底に残ったスープを眺めながら溢した。 新居の温かい食事を口にしたことで、一人暮らしに甘えて、料理を碌に覚えてない自分自身が、急に恥ずかしく思えたのでした。
そんな密やかな一念発起は兎も角として とつとつと語られる病沢のことばに、視線を上げました**]
(35) 2013/09/05(Thu) 02時半頃
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―――102号室―――
[ゆぅら、ゆぅら、病沢>>31の身体が揺れる。
一瞬だけ、先程のぐったりと崩れ落ちた病沢の姿が重なって ボウルを両手で包んだまま、懸念を隠さず、顔色を窺う。 ―――…でも、大丈夫。 か細い声で、口にしたことばは、優しかったから。]
病沢さんが倒れられてしまう、ような、ことは もう……… いや、です。
[ ぽろり、
感じたことは、そのまま、毀れた。 新居>>37のことばも、ジャニス>>40のことばも、優しい。 『声』その単語に引っ掛かりを覚えるひとは多いようで、私もその一人で。また誰かが、あんな風に倒れてしまったら。想像の域を出ない不安は、しかし確かに、根を張っているように感じました。]
(77) 2013/09/05(Thu) 21時頃
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[テーブルに着いてからも 普段――たった8日間――あまり崩れないジャニス>>40の面差しが、笑う。
もう 今度は 大丈夫なんだって
勝手に安堵を覚えて、最後の一口を飲み干しました。 ひとつひとつ、知らない表情を知るなら、ふわふわ心が浮き立つような、楽しいものの方が。嬉しい。 そう、嬉しい。
そうして話は、『声』から国谷の話>>45にも移る。 白栖に、後で会いに行く、と口にしていた彼は。]
あ、あたしも、お話しました、けれど。 いいひと、だったんです。 走るのが、好きだって。
[関わらない方が、国谷の為なのだろうかと。 ジャニスと新居の会話に、じっと身を硬くして、自己責任――…で締め括られたことばに、あからさまに弛む。]
(80) 2013/09/05(Thu) 21時頃
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あ、新居さんは、最初から、お料理が上手だったのですか。
[小さく頭を出した一念発起に、届くアドバイス>>37 魔法の手が織り成す料理は、如何様にして鍛えられたのか。
おず、おず、お伺いを立てまして 差し出されたフライヤーカード>>41を受け取れば、ぱ、と表情が華やぐのです。店の住所も名前も、知るのは今日が初めてで。 前から知っていたのは、お酒を呑む場所である、ことだけ。]
お、お、お金を貯めて、お邪魔します!
[多少なりとも貢献しようと、気持ちだけが身体ごと、前のめり。]
(83) 2013/09/05(Thu) 21時頃
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[そんな風に、一喜一憂―――主に、喜をして、]
何で、ほ、欲しいのでは、ないのでしょう。
[とつとつと語られる病沢>>65のことばに、姿勢を正す。
誰かが大切にしているものを欲しがるのではなくて、壊したい、と願うもの。その心理を掴めるほど、聡くはなくて。 でも、矢張り、優しいなと、思うのです。]
昨日までは、そんな声、聞いたこと。 なかった、ですし。 理由。 今日、なにか、あったのでしょうか。
[視線が空の、ボウルの底に滑り落ちる。 そわそわとすぐに居ても立っても居られず 空いたお皿やボウル、食器があれば手に取って、洗い物を申し出ました。働かざるもの食うべからず、それが世の理でして。]
(86) 2013/09/05(Thu) 21時頃
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[少なくとも、スープボウルは手に持ったまま。]
あ、頭は、駄目です。
[頭を下げるジャニス>>69の姿が目に飛び込むと、眉間が寄る。 彼自身、頭を下げる理由が、心を寄せぬ理由があるのなら ぶんぶんぶんぶん、左右に、脳味噌が揺れてヒットコンボ。]
な、なにか、出来ることが、あれば 困ったときは、あの、そう、お互い様です。
[足りない口を懸命に動かして、 けれど最後は新居>>67のことばを借りて。 出来ること――…正確には、手を伸ばさない方が良いこと、耳を貸さない方が良いこと、口にしない方が良いことを。やれることは少なくても、それくらいは、出来るのです。 ととととと、そして足取りは*キッチン*]
(94) 2013/09/05(Thu) 21時半頃
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[空いているお皿を探して、手許に引き寄せながら かくり、かくりと首を傾ぐ病沢>>105を窺う。
先程の今、懸念をゼロに巻き戻すことなど出来ないから。
如何したら、問う声に、ジャニス>>108に視線を戻す。 脳裏を過ぎるのは、今日の、以前から聞こえていた国谷の声。 日課の後には、精が出るね、と掛けてくれた声。]
あの、その、認識したのは、今日が初めてです。が。 おはようからおやすみまで、あの、挨拶を。
[その行為も、誰かの歯車を狂わせているのだとしたら。 "知らないこと"の多さに不安を覚え、伏せられた表情を斜め下から見上げるのに、表情も曇ります。]
………壊された、者。 もし、そうなら、あの声は悲しくて、
[悲しくて、怒っている、その先が言えずに尻窄み。]
(128) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[それから、新居>>95の問う声は 勝手知らないキッチンに潜り込む前に、耳に届いて。 一文字に唇を引き結んで、ととと、短い距離を駆けます。
答える声は、聞こえる声は、もう途切れ途切れ。
病沢>>110の配慮を知ってか知らずか 蛇口の水を捻って、洗剤でスポンジを泡立てて、そんな細かい生活音で会話は耳から遠ざかってゆくのです。これがもし、聞こえていたら、詮無い話。]
(136) 2013/09/05(Thu) 23時頃
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[台所に籠もる前の話。
駄目だ、とジャニス>>129に告げるのは 自分の中では一本細く筋が通っていたが、伝わったかは、表情を確かめるに怪しい。それでも首は左右に揺れるのです。]
お互い様、ですよ。 そ、そうしたら、返せるものが、出来て。 素敵です。
[有難う、と告げることばまでは聞き届けて。 首を左右に振ったのは、否定ではなくて、 投げ返しがちな礼を受け取る為のワンクッション。]
(141) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[潜らせた泡がシャボンになって、油汚れを落とす。
それを水で流して、濡れた手をそのままに ととと、戻る足取りはちょっと重い。 ミイちゃんの鳴き声でも、ネコちゃんの鳴き声でもない声。 とっくの昔に終わったビジョンを思い出させる、不思議な声。それはもしかしたら、もしかしなくても、私だけではなくて。]
あ。 お、お皿。持って行くね。
[依頼の細かい内容は、耳に届く前に終わっていたようで。 膝を抱えた病沢>>138の前の、スープボウル。
手を伸ばして良いかな、良いかな、でちょっと躊躇って。あたしの手のなかに。]
(152) 2013/09/05(Thu) 23時半頃
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[三毛猫の幻影―――…囁く声を台所に置いて来た。
誰の傍にも、今は在る、大切なものを引き摺り出す声。 新居が、病沢が、ジャニスが、近付けばまた声が聞こえてしまうかもしれないわけで。それは多分、今のあたしには、まだ許せないわけで。 伸ばした指先で、病沢>>158のボウルを攫ってしまってから もしかしたら気分を害したかも知れないと、表情を窺うのです。]
あ。
[是、と頷くような声。一文字の安堵。]
あ、洗い物は、任せてくだされば、良いのですよ。 その、お皿、割りませんので!
[談話室で危うくカップを落としかけた過去は、除外する。 目の前で不安定に揺れる視線。最後は床に滑り落ちてしまって、白い髪が、視界に残る。如何したのかな、不安になって、身を屈めて。病沢の視界の中に、じっと潜り込んだ。]
(171) 2013/09/06(Fri) 00時頃
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[ところで流石に電話の内容は 此処に戻って来た身には、耳には、聞き耳立てずとも 多少なり届いてしまって、多少なり気に掛かる単語があって。
きゅう、と唇引き結んで、病沢>>174の視界に、斜め下。 女性の声にも心を砕こうとしている彼。ぐるぐる、ぐるぐるする間を空けて、私は口を挟まないことに成功しました。]
は、はい! 割れたお皿は、戻りませんから、き、気を付けます!
あ、あの、もしものときは、動いちゃいけませんよ。
[割れた食器を踏んだ時の、 足の痛みは、子供の頃に経験済みで。 最悪を想定してしまうのは小心者の常だけれど 病沢から差し出された、気を付けて、にへにゃりと笑みが崩れます。心配してもらって、笑うなんて、不謹慎でしょうが。]
(189) 2013/09/06(Fri) 00時半頃
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[覗き込んだ病沢>>174の面差しが、顰められる。
ちょうど相好を崩したタイミングだった為 慌てて表情を、私なりに引き締めるのですが、ボウルを持った指先に、病沢の白い爪先が触れました。条件反射で肩が跳ねて、それから、それから。]
ふ、へ。
[ボウルを胸元に引き寄せて、締まりのない笑み声が一。 締まりのない笑み声に相応しい、締まりない笑みが二。 かわいらしいおまじないに、頭の隅で爆弾が爆発するのが、三。]
有難う、ございます、! 今日一日、け、怪我なんて、しませんよ。
(199) 2013/09/06(Fri) 01時頃
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[電話と、話し声以外は、恐らく窓一枚隔てて鳥や猫が鳴く程度。
だから今は、病沢>>197の掠れた声も拾い上げることが出来て 覗き込む視線の先――…思案げに、難しい表情を溢す彼が 再度口を開くまで、そっと、膝を折って待つのです。]
はい。
あの、手、も、おまじないをかけて、くださいましたから。 ……… 何だか私ばっかり、い、頂いてますね。
[嬉しい、と満たされる気持ちを。
そうして、へにゃへにゃ弛んでいた私ですが 電話口に出ていたジャニス>>203の、緊張感ある声で、我に返る。 壁越しに、誰かが怒鳴るような声も、重なって聞こえて。私は、立ち上がる前に、手を伸ばしました。病沢の手の甲に、して頂いたのと同じように、爪先で触れて。] 病沢さんも、お、お怪我 しませんように。
(205) 2013/09/06(Fri) 01時頃
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[怪我をするような危ないことを、するのだろうか。 出遭うのだろうか、分からない―――…けれど。 病沢から貰ったおまじないを、半分こ、気持ちだけ籠めて。]
裕……… 越智、ちゃん。
[耳に届いた誰かの名前。合致する苗字を、思い出す。 本当はそのまま、立ち上がろうとした。 スタートラインに立とうとした。 それが中腰で留まってしまったのは、病沢>>207の言葉が在ったから。食器と越智では、天秤にかけるまでもなく片側に傾くのに、私の心を占めたのは、此処は見送るべきだという確信。 手の甲に触れた指先ごと、拳を握り締める。]
いってらっしゃい。
[いつも空回る舌が、滑らかに、それを告げた。]
(221) 2013/09/06(Fri) 01時半頃
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―――庭―――
[そこからの私の行動は素早かった。
抱いていた皿ごと、転がるようにキッチンに潜り込み 蛇口を捻ってボウルに水を張って、洗剤を数滴垂らして。 新居の姿はまだ残っていただろうか―――…残っていたなら、]
あ、あたし、行って来ます!
[ととととと、と猫に追われた鼠の素早さで、部屋を駆けた。 向かうのは二階へ続く階段ではなくて、庭に続く窓。 部屋に上がる際に靴を脱いでいたので、裸足で 騒ぎの204号室の、ベランダの真下側に。
いざというとき受け留められるよう両手を空にして、宙を睨み付けておりました**]
(226) 2013/09/06(Fri) 01時半頃
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―――庭―――
[ベランダの下に辿り着く時間軸は、ふわりふわりと空の下柔らかいドレスの色、ベランダに手を掛けた誰かがが、ベランダの内側に隠れてしまった辺り。 複数のひとの声が頭上から降り注ぐ。
ほんの少し垣間見た、短い黒髪、あれは、誰だったっけ。]
うあ、 はい、!
[新居>>241の声に、背筋が伸びる。
空から、おんなのこが―――
そんな億が一の可能性に、空の両手を胸に当てて、はらはら。 傍らに新居が居なかったら、抱えた懸念に押し潰されていたかも知れない。新居の手は、私よりも力強いから。]
(253) 2013/09/06(Fri) 21時頃
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[ ふ と 、]
[頭上のざわめきに混ざって、聞こえたのは、声。 壊したいと言った、女性の声>>#2 搾り出すような、怒った、悲しい声が聞こえたのです。]
返して………
[耳に届いたことばを、繰り返す。 首が痛くなるほど空を見上げた視線、傍らの新居に移して 彼にも聞こえたのだろうかと、その表情を窺って。
騒ぎは、ゆるやかに、収束するのです。]
(254) 2013/09/06(Fri) 21時頃
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[頭上から注ぐ声が、少しずつ、聞こえなくなる。
この場所から詳細を窺うなんてどだい無理な話。 悲しい、不安、寂しい、小さな声が頼り。 大事なものを壊したいと思うひとは、大事なものを壊されてしまったひと。一般論で伝えられたあのことばも、ああ、と私の胸の内に収まる。]
こ、恐くないです。 もう。
[対話の出来る、生きている、生きていたひと。 声しか聞こえないけれど、あの声も、国谷も、確かにここに居るひと。恐がってしまって、ごめんなさい、声にはならなかった。
それでも、しかし、心臓が痛い。 行ってらっしゃいって言った、決めたことと 心配する、しないは別の話で、私は首を下ろせない。]
(261) 2013/09/06(Fri) 21時半頃
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[柔らかい夏の茂みに、腰を落ち着けて。
ありがとう>>#9
最後に耳に届いたことばのおとは、悲しくはなかった。 元の鞘に、在るべき声に、戻ったのだろうかと。 安堵する反面、身体を弛ませる薬みたいなもので、立ち上がるまで回復するのに時間が掛かりそうで。情けなくも、ベランダの方角を見上げていると、此方を覗くジャニス>>268の影。]
だ、誰も、怪我などは、されてませんか。 倒れられたり、は、……… あ、これは、違うのです!
[庭とベランダの遠い距離、目が合う。 眉を下げた、少し弱弱しい笑みに、思わず声を掛けて。後半は、腰を抜かしてしまった自分はカウントしないでくださいという、恥ずかしい意思表示。]
(285) 2013/09/06(Fri) 23時頃
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そ、空からおんなのこが降って来たら あたしも、受け留めます。
[一人では恐らく大惨事だけれど、新居>>275の腕も在れば! そんな気持ちで漸く、事態が収束してからことばを返す。 抱き留める! という気持ちを表すべく、両腕を広げて。 そんな未来は―――…空想で思い描くだけで、良いのですが。]
あ……… と、その、吃驚させてしまって、すみません。
[『返して』 聞こえた声を繰り返した際の、新居の表情を思い出す。 険しいその表情、思い出して強張る頬は、両手で揉み。彼が傍に屈んでくれた頃、見上げる表情はいつも通りだった。]
は、はい、 恐くない、のですが。 これは、その、安心してしまった、だけなんです。 よ。
(289) 2013/09/06(Fri) 23時頃
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[そして、奥に引っ込んだジャニスと入れ替わりの、管理人>>276
淡々と、気付くと視界の何処かに居る。 相変わらず立ち上がることが出来ないので、手を振るに留め。]
な、何にも、出来てません。
[左右に首を振って、けれど有難うはちゃんと、聞き届く。 その次の――… 何だか夏みたいに、過ぎてゆく声>>283も。]
お茶請けが、ひ、必要ですね!
[102号室に残した駄菓子の出番である。 あたしはじたばた、茂みに手を着いて、生まれたての子牛よりは確りと。立ち上がりました。]
(290) 2013/09/06(Fri) 23時頃
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―――庭からベランダに―――
[ベランダの柵の向こう側の状況を 庭に居る自分が知るには、誰かの声が必要なので。 その声>>294が『無事だ。』と言うのなら、誰かが床に伏したビジョンを、描かずに済んだ。]
ご無事で、何よりです。 あと、あの、 ……………
[はくはく。 唇が何事か紡ごうと、開閉を繰り返すのですが。 頭上から本日二度目の笑み声が、ころころ、毀れて来て、言いそびれてしまった。手の先から羞恥に染まっていく心地。ぼん、何度目かの、爆発音。]
ううう、う、もうちょっと後に、か、顔を出して下されば…
お茶…… ジャニスさんほど上手には、無理、ですが。
[上手く淹れる前提ではない筈だ。多分。きっと。 首を横に振る理由はなくて、精進します!で締め括った。]
(301) 2013/09/06(Fri) 23時半頃
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―――そして現在軸:庭―――
新居さんの、う、腕なら、 ばっちりですよ!
[事故ではなくて、ロマンチックなシチュエーションなら。 新居>>295も一緒になって腕を広げて 嬉しくなって、私の頬はふにゃふにゃになっている。]
だ、大丈夫ですよ。 その、声が聞こえて、それで、それに あたし、今日は怪我をしないって、決まってるのです。
[病沢に掛けられたおまじない。 必然事項、と言うように笑って――…いたら、頭に掌が触れて。 反射的に頭を下げると、輪ゴムで結んだ毛束がぴこんと揺れる。]
きょ、今日は、新居さんにたくさん撫でてもらう日ですね。
[頭の両脇に掌で触れて、矢張り、笑う声交えて。珈琲、には勢い良く頷き、よたよた立ち上がるのです。]
(303) 2013/09/06(Fri) 23時半頃
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い、いつもは、もっと早く走れるんですよ。
[よた、よた、腰に芯が通るまで残り4分。 開いたままの102号室の窓を潜り ――…自分が土足だったことに気付いて、謝るまでワンセット。
駄菓子の袋を抱えて、新居>>298の準備を待って。]
クッキー、ですか? あ、いえ、その、 有難うございます。 ご飯、とっても美味しかったです。
[お茶請けを気にしながら、談話室に向かう頃には 流石にちゃんと前を向いて歩いている。ととと、ととと、談話室。]
(308) 2013/09/07(Sat) 00時頃
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―――談話室―――
[新居と共に、お茶請けと共に、ご到着。 談話室には既に、管理人の姿と 二階から降りてきた福原たち>>307の姿も在った。 その無事な姿に――― まず安堵して、]
あ、あたしも、お砂糖とミルクで! おやつも、ええと、何だかたくさんあります。
[ととと、大袋はテーブルに置きに。 たくさんで端折れるくらいには、ラムネやらチョコやら、フエラムネはもう売り切れてしまいましたが。]
(312) 2013/09/07(Sat) 00時頃
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な、夏ですよう。
[最初の一言目は、あたし、大真面目でした。 道すがらの新居>>310に、目がぱちぱちと瞬いて。 段々と、後ろに向かうにつれ、おちゃらかされていることに気付き。先程の不安とは異なるぐるぐる具合で、漫画なら湯気くらいは立てている顔色で。]
……う、うう、新居さんが意地悪、! でも、その、冬はまだまだ先、ですよ。
[春と夏の境目辺りに居るのですよ、と経験豊富そうな新居に 根拠のない、ついでに経験も浅い返し文句をして。
談話室にぞくぞくとひとが集まれば、駄菓子も、新居のクッキーも、ちょっと数が心配で。人数数えに忙しない目が、ぱちり、宝生>>314と重なりました。 正確には、お茶請けと。]
ほ、宝生さんの分も、あります!
(320) 2013/09/07(Sat) 00時半頃
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[宝生から視線が若干ずれて、プロテインが入っている――… とは露とも思わず、あの箱はお茶請けと違うのだろうか、と注ぐ目。
次に、福原>>317に。]
あ、あたしまで、良いのですか?
[ととと、テーブルに駄菓子を置いてから、180度ぐるり。 近付くだけでも分かる、誕生日の所為で学年だけは年下の 大人っぽい福原に似合う、綺麗なチョコレート。
漂う高級感に、手を伸ばす前に、躊躇してしまうのです。]
ふ、福原ちゃんみたい。
[思ったことは、次の瞬間には口を突いてる。 端っこを選んで、一粒。]
(321) 2013/09/07(Sat) 00時半頃
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え、ええ、お名前で呼んで良いの、ですか。
[自分の中で、何時の間にか決まっていたルール。 隣人のことは等しく苗字で呼び掛けていて でも、此処の女性は、福原も、白栖も、そして越智も。 可愛らしいから、つい、『ちゃん』が後を付いて来る。]
で、では、瑠美ちゃん!
[福原>>325の棘は、不思議と心に刺さらなかった。 おことばに甘えて名前を呼んで、頂いたチョコを一口。 綺麗に造られたそれは、舌の上で溶けてしまう。]
(337) 2013/09/07(Sat) 01時頃
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[福原からチョコを頂く為に、お茶請けから離れてしまった私は 宝生>>326が頷くだけで動かないことに気付き、ぱち、瞬きます。
もごもご、綺麗な、柔らかくなったチョコを奥歯で噛んで。
ととと、ビニール袋の元に。 ラムネ系を退けて、パンダのかおをしたクッキーの詰め合わせを手に、戻ります。袋の尖った部分を指で摘まんで、半分に裂いて。]
さ、差し上げます。
………と、
[知らないお顔>>@46があることに気付き、彼にも差し出しますが。 自己紹介>>@48の辺りで、唇が、まあ阿呆みたいに半開きで。]
(342) 2013/09/07(Sat) 01時頃
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ち、違いますよ、夏に向かって走っているのですよ! 越智さんは、だって、夏のようですし。
[ぼそぼそ、後半は尻窄みで、肌色を見ていた。 それから、それから、クッキー缶が開くのを待って 珈琲が淹れられるのを待って、談話室の入り口を見て。
病沢と、ジャニスの姿に気付くのです。 姿が見えたら、伝えようと思っていた一言、あたしは唇を開いて。]
おかえりなさい。
[そう、あとは、笑って。]
(345) 2013/09/07(Sat) 01時頃
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