28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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[そこにいる「誰か」が少々間抜けな声を上げても、 窓の外からこちらを覗いていても>>@19。
姿を見ることが出来ない。 声を聞くことも。
ただ、誰もいない場所の窓が開いた。 それは事実。
住人の誰かと一緒にいて、 自分に向けてではない言葉を、 何度かは聞いたような記憶もあるが……。
一年以上このわかば荘に住んでいて、 こんなことはこれが初めてで。]
(201) 2013/09/01(Sun) 23時半頃
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[温い風がまたふわりと流れ込んで来て、 それが「彼」の侵入>>@20を意味するのも知らず、 窓の辺りをじっと見つめていた。
翠眼を褒めてくれる声も、 挨拶も、耳には届かない。
どれぐらいの距離にいただろう。 それを報せるのは、 香りと共に近づいてくる珈琲カップ。
ふわふわと、 けれど危なげなくこちらに寄ってくる珈琲カップに見入ってしまって。
悲鳴すら出せないまま、 ついには目の前に置かれたカップ、それを覗き込んでいた。]
(202) 2013/09/01(Sun) 23時半頃
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[香りから予想はついていたけれど、 中には琥珀色の珈琲が揺れていて。
体を起こしながら、 ここにカップを置いたならそこにいるだろうという場所を、 翠でじぃと見据えた。]
……貴方、は?
[「飲まないの?」と「誰?」の二つの質問が一つになってしまったが、 はて、その答えは自分の耳に返ってくるのだろうか。
既に声を掛けられている事に気付いていないから、 緊張した面持ちで、「声」を待った。]
(203) 2013/09/01(Sun) 23時半頃
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[ 始まりはいつだったか。若い頃、論文が生み出せずに苦しんでいた時、少しでも筆者の気持ちに近づこうと着始めたのだが、それ以来気に入ったのだった。 夏は風通しが良く、見た目よりもずっと過ごしやすいのだ。夏用の着物があると知ったのは、私も彼より年老いてからだったが。]
私もお賃金を頂かないと生きていけないからねえ。 好きなことをやっているだけなんだが、先生と言われるのは今でも擽ったいよ。
[ 論文を書いているだけで生きていけるのなら、ずっとそうしていたい。時代を駆けた作者たちが綴った文学は、どこまでも私を駆り立てるのだ。 宝生君>>198の呼び名に苦笑を落とすと、淡々とした様子を気にした風もなく言葉を続ける。]
猫は私たちよりずっとか弱い生き物だからねえ。 身体の中に虫を飼ったりしないように、私たちが面倒を見なければ。
……嗚呼、学生たちに聞かされたんだよ。 あの時は一コマが猫談義で潰れたっけなあ。
[ 教えるという行為に向いていない自覚のある私の授業は、学生の横槍によってよく脱線する。 この前はなぜか、きのこの山対たけのこの里でディスカッションをしたんだよ、と宝生君に打ち明けた。]
(204) 2013/09/01(Sun) 23時半頃
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[結局彼はネコの姿を追うことを諦めて、四つん這いになりかかったところから三角座りへと姿勢を戻した。 きちんと揃えられた両膝の上にちょこんと顎を置き、目を細めても遠くが見えないことをやはり不可解に思いながら、少しだけ首を傾がせる。
丁度その頃。 >>197 201号室に降り立った灰色の「ネコ」もまた、差し出された人差し指を前に首を傾げていた。 それからアイスブルーの目を瞬かせ、ふわふわの毛を揺らしながら指の先に近づいて、額を擦り寄せる。 飼い主である彼とは対象的に「ネコ」は大変に人懐こいのだ。 それを「ネコ」自身も自らのウリであると認識しているかのように、指先に擦りよったまま上目遣いで植頭を見つめる。
飼い主の傍を離れた「ネコ」は、時折このように人懐こさを前面に押し出してわかば荘の中を散歩する。自分の姿を見て恐れる者があっても、我関せずだ。]
(205) 2013/09/01(Sun) 23時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/09/02(Mon) 00時頃
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[ライチゼリーを前に、どうしたものかと逡巡していれば、初見に声をかけられた。>>164 学者としては中堅所の年齢であろうが、どこか達観した風の先生。研究費を越えて自費でも書物を蒐集しているという噂なのだから余程の本狂いと見受けている]
ええ、もちろん。 お口に合えばよろしいのですが。
[和の出で立ちが馴染む初見には緑茶のイメージが強く、けれど満足げに頷く姿を見れば目を細めた。 さて、自分の目の前にあるライチゼリー。今この場にいる面々で収まれば充分に足りるのだがら、このアパートに住む最大人数を考えると心もとない。 自分の分を箱に仕舞おうとしたところで、初見から声をかけられて]
いえ、美味しいものは後に取っておこうかと思いまして。
[そう答えたものの、初見は言葉通りには受け取ってくれなかったらしい。さすがの洞察力である]
(206) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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……あ、
[まるでバーカウンターのレディーキラーの如くゼリーを寄こされ、目を丸くする。ご満悦な初見の様子を見ると、思わず口許綻ばせ]
ええ、ええ、ありがとうございます。 次にこの店へ寄った暁には、先生と僕の分をこっそり買って献上するといたしましょう。
[カップを持って縁側へと出る初見を見送りながら、そっと紅茶に口をつけた]
(207) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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フッ、俺の肉体をその綺麗な翠であまり見つめないでくれ 恥ずかしいだろう?
[>>203国谷を見つめてくる白栖の瞳に吸い込まれるように、目の前にとんと正座をした]
どうした、飲まないのか? もしかして、ブラックは苦手か?
[首を傾げれば生温かい風がそよぐ]
俺……? 自己紹介したことはなかった、か? 俺の名前は国谷利右衛門信綱、いずれ世界を大幅に縮める男だ
[胸を張り、そう答えた]
(@21) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[>>204先生と呼ばれるのは、あまり嬉しそうではない。 はあ、と迷った音で応え。]
気をつけます。 …… 大学って、結構緩いんです ね?
[猫の話をしているだけで過ぎるものもあるのか。 高等部で体育専科に進んだ男には、学業の話はさっぱりだ。 印象よりはゆるい話に瞬き、お菓子の話になればますます目を丸くする。]
…… っふ、
[吹き出した。 すいませ、と謝るも肩の震えは収まらない。 笑い声を耐えようと、片手で顔を覆ってそっぽむいた。]
(208) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[そうこうしているうちに、乙女たちは落ちつきを取り戻したらしい。 ゼリーに注がれる越智の視線に、目を細めて頷いて]
どうぞ、冷たいうちに召し上がれ。
[ポットの紅茶は時間が経ってもう渋いかもしれない。 新居が新しく淹れるならば、その言葉に甘えようかと]
(209) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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にゃ、にゃーご?なぉ?
[郵便配達で街中を走る際、野良猫を誘う子供たちや 女性の姿を見た事がある。 あの時猫にどんな風に声を掛けていたか、彼らを思い出し、 怖がらせない様にと恥かしいので他にばれない様に 小声で猫を呼んだ]
ぉ? ぉぃで?
[近寄って来る灰猫>>205に、ドキドキしながら息を潜めた。 人差し指に触れる毛玉の柔らかさと温かさは いつも触れている乾燥した紙とはまるで違うもの。 思わず抱きしめそうになったが、ものの本によると 猫はそう言う事は嫌うらしい。 一生懸命耐えて、少しだけ指を動かして頬を撫で 目線を合わせるように首を傾げた]
お前のご主人様は、どうしてるんだ?
(210) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[ニール>>196>>200の姿は、紛うことなき男性でも 越智に対する母性溢れる受け答えは、矢張り自分に真似出来ないもので。 何やら自分の服装を顧みている姿に、へにゃりと締まりのない笑みを送った。
そして、輪から離れた後は、使った食器を洗って。 食器要れの中に、裏に引っ繰り返して収めて。 席に残したライチゼリーを、美味しく美味しく胃に収めて。 全部、全部一通り終えたかなって、部屋を見回してから。]
ご、ごちそうさま、でした!
[やっぱり、気合い入れると上手く言えなかった。 それでも気持ちだけは如何にかこうにか舌に乗せて 当初の予定から大分遅れてしまったけれど――…うきうき、日課の為に、談話室を後にした。]
(211) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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あー……
[ようやっと笑いをおさめ、深呼吸。 これほど笑ったのは久しぶりだ。 腹筋の震えを、腹を押さえて落ち着かせる。]
っと……初見さん。
[人生経験が深そうなこの相手なら、と男は思考する。 至極深刻そうな表情で、両膝へ両肘をつき、手を組んで其処へ顔を伏せ。]
(212) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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…… 例えば、ですけど。
[男は悩んでいた。]
初見さんって、 女装したいと思ったりすることって、ありますか。 もしくは……するとしたら、みたいな。 事情とか、そういうの…… 思いつきます、か。
[男物の下着をつける趣味のある女の子か、男が女の格好をしているのか。 先ほど見てしまったものがどっちかがわからないくらいに驚いて、そしてどっちにしても、やはり見ていいものではなかった、と。
どう受け取ったものか扱いかねて聞いてみたが、急にこれを聞かれて人がどう思うかまでは思い至らず。]
(213) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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はい。 無理、しません。
[>>196顔色の悪さを指摘する新居に、 ゆっくりとした調子で答える。
脅威の対象が自由に動けずにいることで、 少しずつだけれど、顔色も元に戻りつつある。]
宝生さんは、悪くない、です。 わたしが、猫、苦手なのが悪くって。
だから……、 あの猫も、わかば荘の一員なら わたしが、慣れなきゃ。
[喉元を見られたことには気づかず 両拳を握って、決意表明。]
(214) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[初見との話はどう転んだか。 ともあれそれを終えれば、ありがとうございますと伝えてから一度自室へ戻ることとする。 涼みもできたし、まず落ち着ける場所はやはり、長く暮らした自室だった。**]
(215) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[>>194立花に綺麗だと言われた途端、 裕の顔は真っ赤に染まる。
口をぱくぱくとやって、 何か、礼などを、言おうと試みるけれど 何も言葉にならず。
恥ずかしそうに俯いてしまった。]
(216) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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―――わかば荘:玄関―――
[口の中に残るライチと、一口のミントティーと。 洗剤の柑橘類の残り香と、楽しい雰囲気の名残と。
そんなこんな、浮き立つ心で足取り軽く。
わかば荘の玄関を抜ければ、頬を抜ける風も、少し涼しい。]
今日は、商店街周回コースに、しようかな。
[何時もより少し長めのコース。 でも何だか、走れちゃいそうだし、素敵なスタート、切れた気がするし。ついでに買い物も、出来ちゃうし。]
せ、晴天、良きかな。
[一人でも噛んじゃうから始末が悪い。]
(217) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[>>200ゼリーもお茶も、自分の分はあるらしい。
真っ赤な顔を上げて、 嬉しそうにふわふわと笑う。
>>199カップを洗いにゆく立花の背中を見送り 戻って来るのを待って、共に席についた。]
いただきます。
[改めて、ゼリーを前に両手を揃える。]
ん、 つめたい。 ……美味しい。
[ひとさじ掬って口に運び 用意してくれたジャニスを見て、笑顔を見せた。]
(218) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[ 惑った様子の宝生君を見て、まだまだ若いなあと僅かに口角を上げる。 私など、教授を心の中で狸爺と呼んでいたがために、思わず本人の前でもそう呼んでしまい、笑いを堪える学生を前にしても、素知らぬ顔ですましていられるというのに。 しかし私の印象を落とす必要はあるまい。これは私の胸の内に仕舞っておこう。]
好きに呼んでくれて構わないよ。 最近は皆、先生と呼ぶくらいだしね。 年を取ると自分の名前も曖昧になってくるからねえ、便利なものだ。
[ 授業の話をすれば、宝生君が肩を震わせる姿が目に入り、目を丸くした。私としたことが、不覚だ。 あれからきのこ派とたけのこ派の買収で、研究室の冷蔵庫に山盛りのお菓子――当然きのこたけのこのみである――が常駐するようになったなんて話もしつつ、おそらく珍しいであろう宝生君の姿を目に焼き付ける。]
(219) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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― わかば荘・屋根の上→自室 ―
[彼にとっての不思議は、他の人にとっての普通。 では普通とは何だろうか。彼にそれを語る言葉は無い。 生来何故だか出来ない事は一旦諦めて、彼は大人しく自室のベランダに続く梯子を降りる。 軽い体重に見合った軽やかな音は、>>210他人の部屋にいる「ネコ」の耳にも届いたようだ。]
……なーん。
[にゃ、ではない。 「ネコ」は少し訛ったような鳴き方をする。生まれつきだ。 問い掛けに応えるようにちらりと飼い主の部屋の方角にアイスブルーの瞳を向け、すぐに興味を失ってふいと逸らす。 頬を撫でてくれた植頭の指先にすりすりと擦り寄って、数歩距離を詰めた。腕にすっぽりと収められるには、丁度良い位置。]
(220) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[ナルシストめいた言葉>>@21も聞こえないので、 恐怖と驚きが混ざった、 複雑な顔が向いていたことだろう。
けれど、植頭に貸した本のように、 ……母の逸話のように、
幽霊だと言われるものが、 怖いものでなければいいという思いはあって。
見つめた先から生ぬるい風が吹けば、 つと、珈琲カップに視線を落として、白い手を添えて持ち上げた。
どう見ても珈琲だ。 いったい、どこから持ってきたのだろう。
首を傾げながらも、恐る恐るカップに口をつけた。]
(221) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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君もそんな風に笑うんだねえ。 いいことだ。 若い内に思う存分、感情を揺り動かしておくといい。
[ 眼鏡越しに目を細め、満足そうに頷く。 嗚呼、そういえば。彼はまだ、笑みを見せてくれるだろうか。]
その時貰った猫の飼い方の本があるよ。 躾の仕方も載っていたから、今度持って来よう。
[ 学生から貰ったものだから、整理の際に処分する訳にもいかず、軋む床の一因として未だ私の部屋に鎮座ましましているのだ。 私の手元にあるよりも、きっと彼の方が役立ててくれるだろう。 本棚を頭に思い浮かべて、お目当ての一冊を探す――嗚呼、そこにあったか。]
(222) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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[眩しい太陽見上げながら、先程の越智との会話を思い出す。 熟れた林檎みたいな、真っ赤な顔。
仕種が大人びていても、矢張り何処か少女らしくて。
引っ越して間もない越智のことを、何かと気に入っている。 此処に居るひとも、私の後に越してきたひとも 面白いひとばかり移り住んで来るのは、管理人の人徳だろうか。]
よッし、 ―――…!?
[走るぞ!
気合いを入れて逸れた視線の先。 屋根の、自分が居る角度からちょうど、少しだけ見える位置。 人影>>205が見えて、思わずの後ろ走りだ。]
(223) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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あら先生。 今日もステキね。
[戻れば初見が宝生と何か話していて、それも随分盛り上がっている。 その話の内容まではわからずとも、元いた場所に戻れば、すっかりぬるくなった残りのミントティーを飲み干した。]
お茶、アタシのに全部入れちゃってよ。 淹れなおしてくるわ。
[ティーコゼーありとはいえ、麗しの乙女には淹れたてのお茶がよく似合う。 飲み差しを渡していた立花の分も淹れようかと思っていたが、彼女は先に行ってしまったよう。
ともあれ、立ち上がってキッチンに向かおうか。]
(224) 2013/09/02(Mon) 00時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/09/02(Mon) 00時半頃
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……ん、やっぱり。 大人のあじ。 あたしには苦い、みたい……。
[どうぞ、とカップを元の位置へと置いて、 そのカップがどう動くのか眺めることにした。
差し出された飲み物に口をつけるなんて、 幽霊の意のままに動いてしまっているのかもしれないが、 不思議と恐怖心は薄れていて。
珈琲を口に運ぶ間に自己紹介されていたのも耳には届いておらず、 耳に手を翳して、小さな物音を拾おうと。
その格好は「何を言っているの?」 とでも聞き返すようにも見えたかもしれない。]
(225) 2013/09/02(Mon) 00時半頃
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あ、 あぶ、 危な、
[あわわ、あわわ、と右往左往している間に 人影――…病沢>>220の姿は、部屋に吸い込まれた。
もうその姿が見えなくなるまで わかば荘の玄関から離れたところで、家政婦は見た、ばりに私は、見ていたのです。
我に返って、一人マラソンを始めるのは15分後**]
(226) 2013/09/02(Mon) 00時半頃
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[冷たいライチゼリーを食べ終わる頃には 頬の赤みもひいていて 縁側で初美と語る宝生をちらりと気にしつつ]
ごちそうさまでした。
[礼儀正しく手を合わせるのは、身についた他愛ない習慣。 ちょうど、立花の挨拶>>211とハモることとなった。]
とっても美味しかったです。
───…、
[ちらりと縁側を見て、また視線を室内に戻す。]
お部屋に戻ります。 ごちそうさまでした!
[再度、感謝を言葉に変えて、 談話室を出る。]
(227) 2013/09/02(Mon) 00時半頃
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[ 宝生君の笑いが収まるのと私が件の本を見つけるのは、そう変わらない時間だっただろう。 ふと深刻そうな声>>212に首を傾げ、僅かに意住まいを正す。学生の相談は時々受けるが、彼のような立派な青年に声をかけられるのは初めてだ。]
ふむ……それは君が、という……いや、深くは聞くまい。 嗚呼、いいんだ、いいんだよ。
[ 宝生君>>213の相談は、想定外のものだった。思わず聞き返そうとしてしまうが、繊細な問題だ。深くは触れるまい。 それにしても、宝生君のような男性が女装願望があるとは、世間は何とも広いものだ。私ももっと見聞を広めなければならない。]
(228) 2013/09/02(Mon) 00時半頃
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そうだねえ……私は思うことはないが、文化祭で学生たちがそういった姿になるのを見たことはあるね。 彼らは何と言っていたのだったか……いつもと違う自分になるのが楽しいなんて言っていたかな。 自己を形成する殻を破りたい、と言ったところではないだろうか。
――人と言うものは文学と同じ、感じる者の数だけ解釈があるものだ。 私は決して、悪いことではないと思うがね。
[ 事情を尋ねるなんて、と僅かに疑問が過ったが、それよりも宝生君が女装をするということの衝撃が大きかった。 偏見はないつもりだが、彼を傷つけない回答が出来ただろうか。 宝生君が立ち去るのであれば手を振り、しみじみと噛みしめるように紅茶を口に含む。]
小説より奇なり、とはこのことかねえ。
(229) 2013/09/02(Mon) 00時半頃
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