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108 Persona外典−影の海・月の影−
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…いくよ 。 ペルソナッ!!
[炎が零れる月下に、青い輝きが砕けて、北霊の玄武が現れる。 畏れさえ手懐けて。約束を握り締めて、そして『世界』にさえ牙を剥いた]
(164) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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― 北部・埠頭付近 ―
[ベルベットルームを後にして、さほど時間は経たなかったか。 今にも飲み込まれてしまいそうな、大きな大きな月。
あの日見た血のように、――――赤く、黒く。
世界は絶望の色に染まってゆく。 徐々に広く、深く、全てを覆うように。 吐き気を催すほどの気分の悪さは、相変わらず変わらない]
(165) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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………アレは、なんだ。
[群れを成して街へと進むモノを睨みつける。 背に走る悪寒は、恐らくそれらのせいだろうか。
あの日以来、『節制』は応えない。 いや、正確には、像を結ばないだけなのだが。 律の振るう剣に切り裂かれたことで、男の中にある心象を傷つけられたのだろう。 完全な形として姿を形作る事なく、己の中で霧散してしまう。 朧気に力の片鱗を扱う事はできても、今までのようには振るえない。
男に今残るものは、怒り、憎しみ、そして―――――]
(166) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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とりあえず、アレが来た方向に行ってみるか。
[数を見るに一人での処理は厳しいと判断して、大元がいないか探る事に決める。 向かう先は石油コンビナートや造船ドックが並ぶ工業地帯。
もし、人の姿を認めるならば、用心深く近寄るだろうか]*
(167) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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―満月の夜・神社― [人の気配に足元のシャドウが鎌首をもたげる。 振るい手の姿の見えぬ剣霊は、ぬらりと空を裂くように、 その禍々しくっみえる刀身をあらわにした。 変わらず焔と血を滴らせている、それは三つに斬られて殺された火ノ神の臓物だ。
その銘は天之尾羽張――アメノオハバリ、
母を焼き殺してこの世に生まれ、 父の怒りのままに殺された火之迦具土神を斬った剣。 ――これもまた雛宮律の絶望の形]
待ちくたびれた。
[黒く染まった柱に寄りかかり、>>160姿が見えれば身を起こす]
(168) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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------------------------------------------------ From:ケーイチ To:MAYA 件名:Re:さっきの事
こっちこそありがとな。 ちょっと気が軽くなったかも?
そだな。また屋上で。 例の本、なんだかんだで貸せてないしなw ------------------------------------------------
(169) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[月は満ち欠けを繰り返す。 外界と繋がる時、それが唯一シャドウの海から潮が引く時。 波打ち際はきっと最もそれが顕著に感じられる場所なのだろう。
満ち引きは導きと似ている――]
(+42) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[>>+34問題の答えは正解。 しかし、彼女のリアクションは予想していたものとは違った。 >>+35思わぬ問い掛けに、立季は驚いたように目を見開く。 それからゆっくりと数度、瞬きをして。]
……僕は、帰れない。 翔子たちの身体はあっちにあるけど、 僕の身体は何処にもないから。 現実に戻ったとしても、……端的に言うなら、多分、 幽霊、みたいなものにしかなれないと思う。
でも、翔子は……ペルソナ使いの皆はそうじゃなくて、 精神さえ現実に戻れば、多分また元の生活に戻れる。 それに、僕は翔子のことをすごく心配してる人を知ってる。
(+43) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[影の海に侵食される拝殿。 蠢く影たちを従えて、雛宮律はいた]
律っちゃん、……来たよ。 [幼馴染の影に声を掛け、 お互いに触れることの出来ない距離を空けて、足を止める]
(170) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[立季は極力私情を挟まないように、説明口調を心掛けて話そうと試みる。 しかし、>>+36翔子の言葉を聞けば、それは容易く揺らいでしまう。考えるように、視線を辺りへ彷徨わせながら]
……影の欲望は、僕の欲望でもある。 ちょっと極端だったけど、影のやろうとしてたことは、 僕が心のどこかでずっと願ってたことで…… それは、影が僕になっても変わらない、っていうか……
……つまり、翔子の寂しさとか、苦しさとか、 そういうのを何とかしてあげたいって思ったり、 一緒にいたい、って思ったのも、僕の本当の気持ち。
(+44) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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……その呼び方はやめてほしいわ。 もう、その子いないんだから。
[同じように中身の無い缶を空に放り投げる。 クロノスがその缶に向けて鎌を振るうと。
缶は文字通り消えた。 チリ一つ残さず、跡形もなく消えたのだ。]
絶望する間もなく、消してあげる。 いきなさい、クロノス。
[黒衣は声に合わせて、ゆっくりと歩き出す。 右手に、鎌を掴みながら。]
(171) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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でも……
[立季は、翔子と視線を合わせる。 片手で柔らかな頬をそっと撫で、目を細めた。] 翔子は現実に戻って、大人になることも出来る。 もしかしたら、現実の世界で、僕よりも翔子のことを 大切にしてくれる誰かが現れるかもしれない。 僕は、翔子の可能性を捨てさせたくないんだ。 このまま、ここに居続けることが、 翔子にとって良い事かどうかが分からない、 って言うべきかも知れない。
…………僕にとっては、その、 翔子がいてくれるのは、とても良い事だけど。
[最後の一言を付け足したのは、蛇足だったかもしれない。 少なくとも立季自身の考えを明かすには必要の無いものだ。 思いがけず漏らした言葉に、立季は困ったように笑った。]
(+45) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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― 満月の日の夕方・病院 ―
[幸いな事に、秋山とほぼ同じ時期に退院は出来た。 しかし、花咲の意識は戻らぬまま、満月の日は訪れる。]
花咲、櫻井……これ、借りるな。 ……扇なんて、僕には似合わないかも、だけどさ。
[鉄の扇は、焔の熱は伝えるけども、そう簡単には焼け落ちる事はない。 そしてグローブさえはめておけば、多少の熱なら耐えられるか。
腕を軽く奮えば、ぱん、と音たて扇は開く。]
絶対に取り戻すから。待ってろよ?
[再び扇を閉じながら、彼は一人出て行った。]
(172) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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……おや、誰か来たみたいだね。
[車から背を起こし、満月の下で読んでいた本を胸ポケットにしまって歩き始める。白のブラウスにブルゾンを着こみ、マフラーを巻いた姿。 高屋敷真弓の姿には似つかわしくなく、ポケットに無造作に手を突っ込んでいた。オペラグラスでやってくる人影を視認する]
……秋山五郎かな。久しぶりだね。もう随分長い間会っていない気がするよ。でもまさか君一人ってわけじゃないんだろう?
(173) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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さあ、答えを聞こうか。 ……どちらでも構わないよ。
俺は今も、あかりと話すのは愉しいんだ。
[>>170 雛宮律は笑う。 影の身にしてある程度の充溢感はすでに得た。 花河あかりは憐れにも雛宮律の為に傷ついた。 雛宮律などの為に――それは影に歪んだ愉悦を齎すものだ]
(174) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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[破片すら残さず缶は消去され、後には無音]
… … やめないっ!!
[右手に鎌を掴み、全てを刈り取る黒衣が歩き出すより速く]
先手必勝… 。 殺されるつもりは、ない!
[その覇気に合わせて、玄武の咆哮は光を身体に纏わせる。 鎌の懐に飛び込む様に一気に距離を詰めて。 石畳が砕ける様な、注力された拳を黒衣に放った]
(175) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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…お前はいつからアカリの中に生まれたの。
はじめて見た時からアカリの心は不安定で。 人に、何かに、怯える様なそんな所もあった。
…だけど、アカリの傷を抉る事ができなくて。 あの日より前のアカリに踏み込みきる事はできなかった。
…いつから…お前は… …。
(176) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[虚空に浮かぶ剣霊。 その焔と血を滴らせるおぞましき姿に、あかりは悲しげに視線を伏せる。
アメノオハバリの由緒も、 何故その剣霊が律のペルソナになったのかも知らないが、 あれが彼の心の形なら、それが象徴する絶望の深さは、 どれほどのものだろう。想像するのも悲しかった]
……絶望するなら、いっそ、 私も連れてってくれれば、良かったのに。
[あかりが隣にいることで、律がもっと深く絶望すると言うのなら。 共に堕ちて行きたかったよ、とあかりは呟いた。 垣間見る彼の闇は深く、一人沈むにはあまりに寂しすぎたから]
(177) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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―ベルベットルーム―
…おや、随分と面白い事をお聞きになる。
[埠頭の船の中で何も変わらないかのようにタロットを並べていた女は五郎>>162の言葉に不思議そうに答えた]
戻るなら戦う、戻らなければ退く、そういうものだというのなら構わないけれど。実例がないので私には何とも言い難いところ。 しかし、何であれ一つ確かなことがあるとするなら、一度失ったものを取り戻すことは極めて難しいという事。それは確か。
もっとも、シャドウもペルソナも本質的には同じもの。シャドウの海も人の心のありようの一つには違いない。それはお忘れなきように。
(@0) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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―満月の夜・崇神神社―
[鳥居にたどり着いた時には、花河は既に奥へと向かっていた。 教えてくれたのは白を待つ黒。 またな、と軽く扇持つ手を振って、彼も奥へと進んでいく。
ぽっかり浮かぶ月は、もずっと赤く大きく見えて。 夜の闇すら飲み込んで染めてしまいそうにも思えた。]
(178) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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帰れない……。 もう、魂の入る器がない……んだね。
[今度は少女の方が少年の表情>>+43を注視していた。 深い影を持つ者ほど本音を押し隠している。 この数ヶ月でそう学んでいたから]
私を心配してくれる人、私も知ってる。 その人はリツキさんと会う私を止めてくれた。 満月の前に会いに来てくれた人もいた。
私、確かに甘かったんだと思う。 でも、もしこうなるって解ってたとしても 私はあの日……あそこへ行った気がするの。
[少しの動揺>>+44、視線が彷徨う様を見詰める。 次に視線が合った時>>+45、 口許は穏やかな笑みを形作った]
(+46) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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−満月の夜:図書館前−
……なんだありゃぁ
[>>161 町を影が覆っていく。 満月の夜の大潮が、そのまま影の群れとなって>>#0人の世界を飲み込もうとするのだ。
マユミがシャドウであるとマヤづてにき居てから、 何度か図書館に訪れようとして、 確かめるのが恐ろしくてただ挨拶しただけになるなど、繰り返す幾度かの寄せては返す日々の中。
思い心持ちを引きずったまま、 赤い赤い、満月の夜を、迎えたのだ。]
(179) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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私も、きっと一緒なんだよ。 寂しいのはもう嫌だった。 何処かへ逃げてしまいたかった。 でも、だから。 立季さん達の寂しさも解る気がしたの。 放っておきたくなかったの。
誰かを選んだら、他の誰かが悲しんじゃう。 でも、そこに私が選んだ事はちゃんとある。 他の誰かを悲しませない事を選んでたら、 私の月塞はきっともっと抵抗したよ。
月塞は抵抗できなかったんじゃない。 ……しなかったの。
[頬を撫でる手、その手首に触れる。 何かを確かめるように優しく両手で包み込んだ]
(+47) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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…………。 リツキさんのペルソナを見た時、すごく痛かった。 あの傷が、立季さんの傷に見えた。 手首から涙みたいに血を流して。 体中串刺しで。
私は……確かに大人になれるかもしれない。 でも、立季さんをここに置いて出て行ったら、 私はきっとずっと立季さんを忘れない。 それは、やっぱり寂しい……よ。
[影に先に出会えた事を、今なら嬉しく思う。 立季が口にしなかったであろう望みでも リツキは躊躇なく言葉にしてくれたから]
(+48) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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……ちっ。
[苛立ちを隠そうともせず、呼び方に嫌悪感を示す。
黒衣は襲い来る拳に、左手で真正面から撃ちあう。 それはおよそ、悪魔ではなく、世界としての戦い方。]
世界の力は……使用者が完全な状態であるほど、上がる。 あの子がいない体で扱うクロノスは、あの時より、強い。
[とはいえ、衝撃はくるようで。 思ったよりも強かったのか、黒衣は左手を見つめる。 そして楽しそうに、鎌を両手で構え直した。]
(180) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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……あなた、何も知らなかったの? あの子から、何も聞いてなかったんだ。
よっぽど都合のいい存在だったのね。
生まれた日というならば、あなたがあの子と出会った日。 切っ掛けで言うならば、あの子の母親が死んだ日かしら。
あの子はね、自分の母親を殺してしまったのよ。 直接手にかけたわけではないけどね。
(181) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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ね、一緒にいよう? ううん、一緒にいて。
立季さんの帰る場所がないなら。 私の体を半分あげる。 そうすれば、ずっと一緒にいられるよ。 もう2度と、寂しくなる事なんてない。
[少女には珍しくはっきりと言い募って。 それから少し自分の言葉を恥じたように俯く]
……我侭、かな。
(+49) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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律っちゃん。 私は律っちゃんが大事だし、本当に大好きだよ。
[>>174 答えを求める律の影に、寂しそうに微笑む]
……でも、大切なひとが間違ったことをしているのに、 それを黙って見ているわけにはいかない。
もし、今でも律っちゃんが絶望したままで、 どうしても世界を焼き尽くしたいのなら、 代わりに、私が焼かれてあげる。 だから、もう、――終わりにしよう? [翳すカードは『正義』 最後まで変わることのできない、あかりの信念]
(182) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[びくびくと揺れる瞼、震える喉。 緩急をつけて繰り返される恐怖。 それでも願いは変わらない。 僅かな灯火に>>+39に、漸く闇は光を点す。]
ぁ……
[引き上げられる感覚。 上げられたのは身体か、心か。 時間の概念もおそらくは無い。闇には、何も。]
……さっくん?
[ぽつり、呟く。]
(+50) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[正面から拳で打ち合う。凡そ悪魔らしかぬ戦いに唇端を上げる>>180]
… … …よかった。
お前の鎌には随分、対抗策を考えるのに知恵熱出してたけど。 どうやら生身は、変に守りを無視する力はない。
[左手を見つめる、無言の黒衣に向けて、牙を剥く様に嗤う。 防御性を上昇させる光を纏いながらも、右手は衝撃に微かな痺れが残っていた。 …来る。両手で構え直す鎌を見据えて、真横に向けて強く跳躍した]
(183) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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