64 さよならのひとつまえ
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―― 外 → 寮 ――
[コンビニの買い物袋を下げ、寮へと帰る。 まだ早朝の肌寒い空気が残る道は、清々しいが物悲しさすらあり。 一歩一歩帰宅の途を辿る、その度にビニールが擦れる音が響く。]
……んー、あー。
[メールの着信を告げるスマートフォンを取り出し、メールは見ぬまま時間だけを確認した。 まだ昼というにはあまりにも早すぎる。 それでもどこかに寄る気にはなれず、足は真っ直ぐに屋上へと向いた。]
(68) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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―― 屋上 ――
でーれってーでででーってででー
[スラップスラップ、8小節目で一回転。 つま先で勢い良くターン、勢いを殺せずに]
あいてッ!
[扉にぶつかり、よろめき、 躍り出るように屋上の真ん中に出た上で、盛大に転ぶ。]
ってーよなんであんなとこに扉あんだよ! ばーかばーか!
[倒れたままに理不尽な文句をつけ、寝返る。 目に飛び込んでくるのは、真っ青な空。 風が吹いて目の前を過ったのは、昨夜の残りのクラッカーの名残。
手を伸ばしても。飛ばされて行ったそれには届かなかった。]
(69) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[───同性愛には嫌悪があった。
というのも、小学生時代、姓を散々からかわれたせいだ。 保元……やすもと。 けれど小学生に「保」を「やす」と読ませるのは、少々難易度が高かった。 結果、本気なのかふざけてか「ほもと」と呼んでくる奴が結構いた。 「ホモとライジ」などと、からかわれた。 だからホモは、同性愛は嫌いだった。]
(じゃぁ……今の俺はどうなんだよ………)
[膝の上に乗せた十文字の頭の、黒くまっすぐな髪を、指で触れる。
今の自分は、どうなんだ。 嫌悪するどころか……される側、なのではないのか。]
(70) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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― 朝 ―
[約束通り、早起きして見送りに向かう。 夜にまた内職をしていた同室者も一応起こしてやろうと、寝ているベッドを叩いて先に出てきたが果たして見送りに間に合うかどうか。 途中放送で聞いた寮母の声。>>1 やはり、なんとも言えない感情が渦巻いてくる。ただ昨日より少し凪いで感じるそれに。ああ、こうしてゆっくりと馴染んで行くんだなとか他人事のように考える。
ずっと、見送られてばかりだったから。 見送る側に、きっと慣れていないだけなのだ。
目深にフードを被り、バスに乗り込む宗介。ちらりと見えた泣き腫らした目には触れずに、微笑んで手を振り。 最後にバスに乗り込む博が勢いよく振り返った。>>+4]
(71) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[視界に映る表情は、談話室で見た時の彼とどこか似ていて。 叫びたくなるような苦しさ。軋むような痛み。
ここに、棄てていくのだろうか。 棄てていけたのだろうか。
――――彼の、三年間の想いは。]
(72) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[下の名前で呼ばれる。 驚くほど大きな声に、何だよ、と笑い返そうとして。
できなかった。
これまで聞いたことのないような、博の声。 いつになく強い彼の眼差しと目が合った瞬間。 どくん、と心臓が跳ねた。
凪いでいた気持ちが。殻をかぶせ塞いだままの想いが、揺さぶられる。]
――――……、 ……っ、
(73) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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―バスの中にて―
[バスの扉が閉まるのを背中で感じながら、突然の酷使に悲鳴を上げた肺と声帯を落ち着かせようと努める。 普段慣れない行為の所為だろう。酷く咳き込んで、なかなか止まらない。涙さえ滲んできた。 緩やかに学び舎が遠くなっていくのが、視界の端に見える]
げ、っほ……、なゆた、さ、
[まだ呼吸の整わないまま、>>+6那由多の声に顔を上げる。 その顔を見た途端、何故かは己でもわからないが。
咳で出ていた涙が、急激に量を増していった]
(+19) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[ただ目を見開いたまま、何も言えずに。 三年間の想いに立ち竦む目の前で、バスの扉が閉まる。
そうして、とおく。
とおく。
とおく。
見えなくなった。]
(74) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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んッ……――
[飛ばされる。 飛んでいく。 楽しかった思い出が。]
……おめーもそうやって、行っちまうのか。
[飛んで行く一枚の紙吹雪。 まるでそれは、寮を巣立って行った皆のように、あっけなく。]
(75) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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あーーあ! 腹減った〜
[切り替えるように大きく声を出すと、寝そべったままビニール袋から取り出したのは、焼きそばパン。 豪快に袋を破り、かぶりつく。
いつもは食堂のそれを頼む。外で買った焼きそばパンは、初めてかも知れない。 しかし]
……あんまうまくねーの。
[美味しいと感じないのは、きっと――**]
(76) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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う、……
[眼鏡を外して、手の平で目を抑える。 抑えているというのに、ぼたぼたと指の隙間から水が零れて、床に落ちた。 鼻水は出るし服は汚れるし、最悪だ]
う、あああ、ぁ、あ、わあああっ!!
[最悪ついでに、羞恥と悲哀と青春で混乱してきたので。 携帯を弄っている彼に、体当たりしておいた]
(+20) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[――――丞が手を叩いた音で、我に返った。>>6
かぁ、と全身が熱くなる。 遅れて顔が真っ赤に染まり。周囲のざわめきなんて耳に入らずに。咄嗟に口を手で塞ぎ、踵を返してその場から逃げだすように走り出した。
重みに殻が、軋む。 軋む。 軋む。
声を上げて、叫びたい。 喚きたい。 伝えたい。
くちに出来ない苦しさに、詰まる息。
言葉にできず溢れた何かに、じわりと視界が歪んだ。*]
(77) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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お見苦しいところをお見せしました。
[数分後、平然とした顔の、ごくありきたりな変人の姿があった。 鞄をむぎゅむぎゅと抱きしめつつ、微妙に距離を離して席におとなしく座っている。
と思えば、ちらと顔色をたまに窺って。 視線が合えば、もそ、と鞄に口元を埋める]
……申し訳ありません。 気持ち悪いでしょう。
[布越しにくぐもった声が、独り言の音量で落とされた]
(+21) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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あァ? だったら俺もハニーって柄じゃねぇだろが 気にすんなよそんなこと
ひろが、何か零していたのか、それは────
[>>65嫌悪からの表情ではなかったことに安心するも。 >>66次の言葉で、また、言葉が途切れる。動きが止まる。時間さえ停まった気がした。
─────この恋を叶えることは、初めから諦めていた。 ─────何故なら男である自分は相手の恋愛対象に成り得ないからだ。
それはそれで痛かったが「仕方ない」の一言で幾らか諦観出来た。 「俺」だから叶わないのではなくて、「男」だから叶わないのだと。だからそれは仕方ないことなのだと。
─────ただ、那由多の言葉が真実なのだとしたら。 ─────彼の好きな相手が、男だとしたら。
自分のこの恋が叶わないのは、自分が「男」だからという理由ではなく、ありすという個として振られるということだ。 不意打ちすぎて心臓が軋んだ。こころが痛い]
(78) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[>>67那由多をじっと見つめる。自分の貌は多分、真剣すぎて無表情だ。 相対する瞳に見え隠れする逡巡と後悔。それでも逸らされない目の強さ。 平凡で取り柄がないと思っているだろう彼の、そういう滲む芯の強さ。 本当に大切なことを見誤らない目。 そつがないのにルーズなところ。 咲かせる花の、うつくしさ。
好きだよ。
心の中だけで囁いて、小さく笑った]
漢前な那由多にカミングアウトしてやろう 聞いて驚け、俺様いわゆるゲイってやつなんだわ
……気持ち悪いと思うか?
何か色々溜め込んで吐き出したいなら、聴くぜ? もう、押し殺さなくていい
[雑で乱暴な自分に出来得る限りの、やわらかな声音で]
(79) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[爽秋の時節、野球部が練習試合をしていた。 日曜日という事もあり、委員会はない。 クロッキー帳を連れてグラウンドへ向かった
ダートサークル背面が偶々空いていたので、 そこに敷かれたシートの一部に腰を下ろす。 なるほど、キャッチャーから見える視界はこんなに広いのか。
正面に投手板と金髪の投手、 右から一塁、二塁、三塁、扇を描く形で配置された選手達。 遥か後方に外野が佇んでいて、此処からは遠いが向かい合う形。 キャッチャーだけだ、俺に背を向けているのは。
逆にいえば、キャッチャーだけは全員を見渡せる。 アウトカウントを取って励ます捕手の声が近くで聞こえた。
俺には、顔は見えない、 見えた所で、マスクを被っているから表情は解りにくい。]
(80) 2014/03/27(Thu) 20時頃
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[彼は全体に声をかけているが、投手とは一番多く会話がある。 捕手の内股深めの位置でサインが出ると、 首を縦に振ったり、横に振る投手の姿があった。 俺は二人の間で取り決めた球種やコースなんて知らないから、 彼らの会話は、彼らと監督だけが聞いているんだろう。
単純なものもあれば、そうでないものもあり、 描き留めてみるが、意を捉えているかは謎だ。 変化球も俺から見たら全部一緒に見えるし
捕手は、黒子の役だと聞いたことがある。 ムラのあるピッチャーがリードに従わなくても 腹を立ててはいけないと、気を長く持たねばと。
何故、あいつはそんな役回りをしているのか 考えている間、少しだけ俺の手は動くのを止めていた。]
(81) 2014/03/27(Thu) 20時頃
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[歓声が聞こえる。 三番、四番打者たて続けてストライクを取ったのだ。 ファールを挟んだが、良い結果なのは沸き立つ彼らと 観客と応援団の騒ぎ方で理解できた
俺だけが、無音だ。 俺だけが、ただ只管鉛筆を走らせている。
同じ視界を与えられているのに、今の俺が見ているのは マウンドでも無ければ内野、外野側でもなくただ一点。 これは、彼には見えない場所なのだ
忙しなく動く手は、捕手の背中を捉えて――離さない。*]
(82) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[目を開けたら、膝の上>>64に居た。 前髪>>70を梳く指は優しかった
何かがおかしいと思ったのは、 俺が今見ているのは、保元の背中では無かったこと。]
…………。
[膝、硬い。]
やすもと、……今何時だ。
[倒れる前の記憶を思い出しつつも、現状を把握しようとする。 怠いふりをしていたら、頭をまだ起こさなくても赦されるだろうか]
(83) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[2年の時、人生初の彼女が出来た。 誰も来ないような手芸店で、ばったり遭って荷物運びを手伝ったのが切っ掛けで仲良くなった、同級生。
告白された時は、即OKした。 嬉しかったし、そういうもんだと思ってたから。 出来るだけ、大事にした。今でも、そのつもりだ。残念なことに。]
『成斗のこと、良い人だと思ってたよ』
[3年の夏休み直前。別れを切り出したのも彼女だった。 理由は、お互い受験に集中しようってことで。 でも、最後に言われたのは、その台詞と……
投げつけられた言葉の意味を考えて。 考えて。 思い当たってしまった解答は、夏と秋と冬と、この春まで。 間違いだと断じ続けて、押し込められていた]
(84) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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―食堂―
…んー。
[味噌煮の味がよく分からない。 原因は分かり切っているが、理由がよく分からない。 何にそこまで衝撃を受けたというのか。
とはいえ、定食を残すのは気が引ける。 いつもの倍ほどの時間が掛かったが、食べきって席を立つ。
時計を見れば、まだ約束の頃合いには早い。 けれど、相手が来るまで寝ててもいいか、と。 昼用のパンを買うと、歩き出した]
[途中、睦井に会ったなら。 挨拶のあと、目、大事にな、とか声掛けて。
自室に寄ってから、屋上へ]
(85) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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つまり半信半疑あっちこっち♪ ……っとぉ〜、こんなもんか?
[太陽も傾いた頃、パツンパツンのごみ袋は5個になった。 たくさんもらったツナマヨも口の中に詰め込んで、宣言通り全て綺麗に食べ終えて。 ごみ捨て場までの運搬は何往復したかわからない。 一時間もあれば片付く予定だったが、何もかも捨てるのは時間がかかった。 裾が固結びにされた服も、裏返しの靴下も、三年使った上履きも 本も、ノートも、卒業アルバムも証書も、何もかも。 お陰さまで部屋は綺麗さっぱりと片付いてしまった。]
く〜、腹へった。
[ぐぐっと背伸びをして適当なシャワーを済ませれば、食堂へ足を向ける。]
(86) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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ドナルドは、ライジの、最後まで3人残った部屋を、ふと思う。
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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― 自室 ― [環が妙に気合を入れて身支度を整えているように見えたが>>14、どうしたのだろうと首を傾げた。 出て行く時も、いってらっしゃーいと、暢気に見送った。 後何回環に言えるだろう。 そんなことを思いながら、昨日タイムカプセルには入れなかった写真を整理する。]
あ。そーだ。 樹央に渡そうって思ってたんだった。
[文化祭での女装写真を見て笑う。 その女装写真は自分でも二番目によく撮れたと思う。 一番は樹央には内緒でタイムカプセルに入れてある。]
(87) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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ドナルドは、ススム(むっちゃん)がいなくなったら、それも終わりか、と。
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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―夕刻・食堂―
麻婆豆腐とカツカレーね!
[どちらも特盛のボタンを押して、食券機が吐き出した紙切れと交換に受けとる。 いつものようにテンション高く、食堂のど真ん中の席に堂々と陣取ると 口の中で混ざるんじゃないかというように、口語に咀嚼を繰り返した。]
食堂もツナマヨ入れればいいのにな〜。
[そんなリクエストを食堂のおばちゃんへ出し続けて三年が過ぎようとしている。]
(88) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[ずっと前から想いを寄せていたというわけではない。 入寮したての頃、自分より背の高い奴が結構多いなと思い、その中でも頭ひとつ飛び抜けてでかいな……と思ったのが彼だった。 クラスは3年間ずっと違ったし、野球部と生徒会だし、部屋だって3年の時初めて同じになったから、それまではさして深く関わることはなかった気がする。
ただ、寮の皆で何かする時、彼の姿は大体そこにあった記憶がある。 偶々、自分が顔を出していたものに居合わせただけなのかもしれないが。 中心人物としてではなく、けれど周囲をよく見て動く奴だという印象。 それだけ、だった筈が、部活を引退した頃から、少しずつ変わってきていた。 自分でも、気付かぬうちに。]
……あ、気……ついたか。
[十文字の瞼が開く。>>83 前髪を弄っていた指を止め、ゆっくりと退く。]
10時……なってねーかな。 お前が倒れてから、多分、10分少ししか経ってねーよ。
(89) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[言うつもりなんてなかったのに。 困らせるだけだって分かってたから。
まったく博。 お前のせいだぞ。
お前があんなに、格好良かったから。]
………は?
[反応が恐ろしかった。 被告人の主張は終わり。あとは死刑判決を下されるだけ。 軽蔑の眼差しを受けることを覚悟していた。 1年間一緒に過ごしていた。ずっと黙っていた。 同居人がそうだなんて知ったら、―――反吐が出るに決まってる。 だけれど、裏切りに対する答えは意外すぎて。>>79]
話聞けよ。 だから俺は…人のこと言えないんだって。
(90) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[気持ち悪いと、その言葉で断罪されるのは自分のはずだった。 気を使われているのかと思った。 優しい奴だと知っていたから。 同じように、こんな器用な嘘を付ける奴じゃないとも知っていた。]
こんな時ばかり優しくするな、似合わないぞ。
[思ってもいない憎まれ口を叩く。 その優しさを痛いと感じる日が来るなんて、考えもしなかった。 …言えるか、馬鹿。 誰に何を話したとしても。
お前にだけは―――言えない。]
(91) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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ザックは、ススム(モジモジ)が今日退寮なら…
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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―屋上―
責任持って食うにしても、ホコリまみれなら考えなおすぞ。
[いつぞやのように、寝そべって焼きそばパンを齧る姿>>76に。 扉を押し開けながら、のすのすと近づいて。 椅子はないから、起こすだけ起こそうと、その傍らに屈みこむか]
(92) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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ザックは、ライジ(やっさん)は寂しいだろうなぁ(同室者的意味で)
2014/03/27(Thu) 20時半頃
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そっか、そっか。 お互い難義だな、俺達。
[何とか表面だけでも落ち着きを取り戻すと同時に飛来したのは、 驚きと安堵と…失恋への苦しみ。 拒絶されなかったからと言って、思いを告げられるわけは無く。 彼が同性を想っているというのなら。
瞳に映るのは、彼の''ダーリン''に決まっている。]
…よし。ありがとな、ありす。
[今だけは、その眼を逸らすことなく自分に向けてくれたことに。 どうしようもなく感謝して。]
(93) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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ザックは、もごもごもごもご、ふがふ*
2014/03/27(Thu) 21時頃
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― 睦井と ―
[睦井は俺の中で所謂「リア充」に分類される類の奴だった
よく二次元の女子と交際できるな、 それもコロコロ相手を変えて。
一人と長く付き合うのは難しいことに思えるが 三人と短いスパンで交際するのはもっと難しそうだ。
田舎から来た、という話は知っていた。 俺も讃岐うどんで有名な辺りから来たのだと 気軽く声をかけるには、妙な距離があった。
硬い優等生というのは、強ち間違ってないかも知れない。 運動部の勧誘を全て断った挙句、 生徒会に誘われた時は二つ返事でOKを出した。
理由は簡単で、声をかけてきた縦ロール先輩が やたら熱心に誘ってきたという、ただそれだけの。]
(94) 2014/03/27(Thu) 21時頃
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