28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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もちろん。 むしろ迷惑ではないかと心配していたんだ。
先程談話室で話した時に、ふとこの着物が浮かんだんだよ。 宵闇に入る少し前の空の色と、夕焼けに染まった海の色。 鮮やかな景色は、きっと溌剌とした君に良く似合う。
……女物?
[ 私の都合のいい耳のせいだろうか。新居君>>287は喜んでくれたように思う。先程の会話>>0:264を聞いてからずっと考えていたことだったが迷惑ではないようで、私は仄かに安堵の吐息を漏らした。最後に聞こえた声に僅かに首を傾げて、けれどそれ以上問おうとは思わない。彼の普段着を見る限り、女物を着る趣味はないと思ったのだが、はて、誰かから贈られでもしたのだろうか。ふと、女装趣味がある――と、私は思っている――宝生君の姿が思い起こされて、「彼に渡したらどうだい」なんて言おうとする口を理性で塞いだ。]
(298) 2013/09/05(Thu) 00時半頃
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いや、忙しいようだから、私は遠慮しておくよ。 けれどそうだな、機会があったら、君の料理を食べてみたいものだ。
[ 部屋に漂ういい香りに頬を僅かに緩ませると、新居君の瞳を見つめる。論文に追われて徹夜している時など、彼が仕事から朝帰りしている姿などと擦れ違うことはあったが、こうして会話する機会はそう多い訳ではない。叶うか分からない提案を投げるのもまた、これからの楽しみが増えていいものだ。 入室を丁重に辞すると、私はこれで、と軽く手を振る。手に猫の本を携えて、廊下を歩きだそうと身体を傾けた。]
(299) 2013/09/05(Thu) 00時半頃
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それなら良かった。 若者が喜んでいる姿を見るのは、やはり快いものだ。
[ 新居君>>310は分かりやすい感情表現をしてくれる。私の研究する文学は言葉の裏に隠された思いを読み取るものだが、日常生活においては彼のように真っ直ぐな姿がやけに眩しく映るものだ。私は懐かしさに目を細めると、彼が私の贈り物を抱きしめている姿に頬が緩むのが分かった。]
ふふ、楽しみにしているよ。 伊達締めはベルトでも代わりがきくし、中に着る物は普段着でも構わない。 着物は新居君が思っているよりずっと、身近なものだ。
[ ずり下がった眼鏡を指の背で押し上げながら、私は新たに交わされた約束を頭のノートに記す。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のような、淡い冒険に出かけるような高揚感を胸に抱いて、今は別れを告げるとしよう。]
(313) 2013/09/05(Thu) 01時頃
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それじゃあ、忙しい時にお邪魔して済まなかったね。 新居君の着物姿が見られることを楽しみにしているよ。
[ 身体を傾けながらそう伝えれば、私は雪駄を擦りながら102号室から離れた。]
(315) 2013/09/05(Thu) 01時頃
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