26 【言換ガチ】大江戸あやかし奇譚
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[案の定と申しますか、やはり投票結果は私を示したようでした。 むしろ、そういうこと、で皆が一様に纏まったようにも思われます。 まぁ、仕方のないことでしょう。 心残りと言えば、私自身が妖でない故に、妖に一日の猶予を与えてしまったことでしょうか。]
…さて、参りましょう。
[招かれるように、板塀に作られた隙間へと私は歩んでゆきます。 一歩出ればそこには、多数のお侍さまが私を待ち構えていたのでした。]
…そのような、物々しい出で立ちをなさらずとも。 私は武道一つ身に着けた事の無い、非力な一商人でございますよ。
[そうは言っても納得はもちろんされないでしょう。 言われるまま、大人しく背の後ろで手を組み、背中を向けた私に、幾重にも縄がかけられます。 痛いほどに締め付けられる縄に、唐突に、死、を意識いたしました。]
(+2) 2013/08/29(Thu) 23時頃
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[“死”その一文字が、耳鳴りのように私の脳を苛みます。 ひゅぅ、と言う音が、自分の喉から漏れた音だと気づくのに数刻を要しました。 促されるまま、重たい足を引きずり引きずり、奉行所へと参ります。 そこが、私の死に場所なのでしょう。]
…。
[長いようで、酷く短い人生でした。 まだまだこれから、そう思っていた矢先の事でした。 それでもここで、私の人生は、終わるのです。
形式だけの、詮議の内容は全く覚えておりません。 お奉行さんも、私も。 そんなものが全くの無意味であることを良く知っていたのです。]
(+3) 2013/08/29(Thu) 23時半頃
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[一体何をどうしたものか。 気づけば私は魂だけの存在となっておりました。 私の身体は見当たりません。 前後の記憶がすっぱり抜けてしまいましたが、確かなことが一つだけ。
私は、死んだのです。
何の感慨もありませんでした。]
…こないなもんどすか…
[ぽつり、つぶやいた言葉が誰かに届くことはございません。 死んでなお、私はどこまでも孤独を覚えるのでした。]
…どないしましょ。
[何をするにせよ、とりあえず。 私の正体を、鉄平さんにお見せしに行くのが最初なんでしょうか。 思うと同時、私はあの板塀に囲まれた一角へ、戻ってきたのでした。]
(+4) 2013/08/30(Fri) 00時頃
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