84 Es 3rd -Test days-
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[少しだけ逡巡し、結局その言葉は飲み込んだ。代わりに先ほどの自虐的ともいえる行動の説明を口にする。]
…そして、私はそれほど生きたいと強く望んでいる訳ではないよ。 私がお前の望み通りに死ぬことで、私の存在をお前に深く刻み付けられるなら、それで良かった。 “小さな”我儘だよ、私が自分を消そうとしたのは。
[そう伝えれば、彼から反応があっただろうか。 詰るようなそれなら、それを封じるように彼をきつく抱き締めて、そして]
ごめん。もう、お前には迷惑を掛けないと誓う。 お前の前に姿を現さないようにする。 ……引っ掻き回して悪かった。 遠くから、私の命の続く限りお前の安寧と幸せを祈るよ。
[そう告げて。 好きだ、とついぞ口に出来なかった想いを乗せて、彼の額と自分のせいで血を失ってかさつく唇に口づけを贈った*。]
(145) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 13時頃
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―数日後・洋上―
[勝手に施錠されても>>128、近づく気配があっても>>129何事もない風を装いチェロを丁寧にケースに納める。 動揺する様子をみせたら、そのまま彼の雰囲気に飲み込まれるような、そんな予感を覚えたから。
けれど、せっかく張った予防線も彼には児戯に等しかったようだ。
弓をまだ手にしていたこと、緊張していたこと。 ここまで追いかけてきた彼を年下だと少し侮っていたこと。 どれが一番の原因かは自分でも分からないが、顎に伸ばされた手にぎくりと固まり反応が遅れた。]
(146) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 13時頃
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[気づいた時には眼前一杯にライジの顔が広がり、口腔内を好き勝手に蹂躙する熱があった。 遠くで、コトンと弓が床に放り出された音が耳に入る。 そこで、やっと彼に何を言われたか、そして自分が彼にベッドの上に押し倒されていることを理解した。]
!?……っ、ン…!
[のし掛かる彼から逃れようと顔を背け、彼の体を押し退けようと腕に力を込めるが体勢の不利はいかんともしがたかった。 混乱した頭が以前の同様の事象を思いだす。もう一度膝蹴りをいれようと*]
(147) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 13時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
ハチドリ 2014/08/01(Fri) 13時頃
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―亀吉と―
[真実を話しているつもりなのに、結局自分は彼を怒らせてしまうらしい>>167。 困ったように軽く首を傾げる。]
それを言われてしまうと耳が痛いが、死んでもいいと思ったのは本当だ。そうでなければ、誰が好き好んで炎に巻かれたいと思うものか。 結局は、こんな結果になったけれど。
[そこは疑ってくれるなと視線を向けても、彼は受け入れてくれたかどうか。 困惑して、再生の終わった体を見下ろす。 彼の血で生き返らされた身体を。 その事に微かなほの暗いを覚える自分は、狂っているのだろうか。]
私は、私自身にそれ程価値は見出していないのだが……
[そう言えばさらに怒気を煽る結果になっただろうか>>167。言葉では結局埒が明かぬと強く抱き締めて>>145]
(175) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 22時頃
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[口づければ、彼の瞳から涙があふれる。 彼の瞳の中にある哀しみや悔しさに気づき胸が痛むが、それを癒す資格も、言葉も自分は持っていない。
どうしたらよかったのかと自問するが、失った時はもう戻らない。
ただ、彼の幸せだけを願い口づけを贈る。 彼の涙を見たくなくて指で拭おうとすれば、亀吉から締められる形になり、]
!?……っ!
[舌が絡められたと認識した瞬間、走る鋭い痛み。 反射的に逃げようとしたが、彼が自ら牙を立てた最初の相手になれたと思えば悦びしか覚えない。 ようやく唇が離れて、彼が続けた言葉には困ったように笑う。]
……私の心より、お前の望みだよ。 これ以上私の我儘でお前を傷つけたくないんだ。
[彼を軽んじている訳ではないと、そう伝えたくて咄嗟に腕を捕まえる。 そうしてから、このまま彼が自分を忘れた方が彼のためになるのだろうか、と自分が掴んだ腕を困惑した表情を浮かべて見下ろした。]
(176) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 22時頃
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―数日後・洋上―
[口腔内に入り込む熱と共に、唇に鋭い痛みを覚える>>149。 数日前のそれ>>169を思い出して、微かに眉を寄せたことに彼は気付いただろうか。 もしかしたらそれを意識して“こう”しているのかもしれない。 けれど、それを分析できるほどの冷静さは残っている訳もなく。]
ダ……め、だ! 離せ……!!どけ!
[見下ろしてくる狂暴な感情を宿した瞳が怖い。 それを振り払うように怒鳴る。 我武者羅に彼の腕の囲いから逃げようとして、しかし最後の砦とも言える力を遣わないのは彼の独占欲を心の何処かで悦んでいるせいなのだろう。
けれど、それでは彼らから距離を置いた意味がない。]
(180) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 22時半頃
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[二度目の攻撃は読まれていたらしい>>151。 袴の裾を押さえられ動きが制限される。
ひくり、と喉が鳴った。]
仕置き、など……お前にされる謂れは……っア!!
[それでも虚勢を張ろうとして、 けれど久方ぶりの性的な接触に身体が恐ろしいほど敏感に反応した。 慌てて唇を噛んだが、飛び出した声を回収できるわけもなく。
自分の反応に困惑していれば、彼の行動をそのまま許す結果となっていた。 いつの間にか解かれた腰ひもに愕然とする。]
手が早い!というか、私が此方なのか!?
[色々な事に納得がいかずそう叫べば、何か応えはあっただろうか。*]
(181) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
ハチドリ 2014/08/01(Fri) 23時頃
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―数日後・洋上―
[苦しげに絞り出された声に、差し出された腕に>>185、 自分もまた苦痛を感じたように眉を寄せる。]
……そういう、訳じゃ……
[心を許してなければ、とっくに人目がなくなったところで燃やしている。 けれど、それを伝えたところで何か変わるだろうか。
ただ、こんな酷い人間などさっさと捨て置け、そう言いたいだけなのに。 ライジの目を見返すのが辛く、そこから逃げるように目線を逸らす。 かつて燃やして、それでも自分を抱き締める力が弱まらなかったことを思い出す。 そして、最初に出た言葉が自分を案じるそれだったことも。]
(201) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 23時半頃
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[反応を揶揄されれば>>187、カッとほほに血が上る。]
ひ、久しぶり、だか、……ぅん……ハ、ッァ……!
[急所を捉えられてしまえばおいそれとは動けず。 それより何より、ライジの苦しげな声が身体を縛る。 与えられる快感を享受しろくな抵抗も出来ぬまま、けれど快感に流されまいと自分の腕に噛みついた。 経験については黙秘を。
けれど、彼の指が後ろへと辿りつけばびくりと肩を揺らすことを止めることは出来なかった。 少しでも未知の感覚から逃れようと体をちぢこませ、近くにあった枕に顔をおしつける*。]
(202) ハチドリ 2014/08/01(Fri) 23時半頃
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―焔に巻かれた後―
[咄嗟に取った腕を困惑の面持ちで見つめていれば、それから力が抜けた>>186のが分かった。 何の心境の変化かと亀吉の方に視線を戻せば、そこにあるのは冷笑で。 続けられた言葉に、苦笑しか出てこない。]
……確かに、心当たりしかないな。 炎に焼かれたというより、悪夢のせいかもしれないけれどな。
[自嘲と共に彼の腕を手放そうとして、逆に握り返され>>188目を瞬かせる。 此方に目を向けないまでも、自分の手を捉えるそれを振り払う事は出来ず静かに彼の言葉に耳を傾ける。]
(212) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時頃
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[刻み付けようとしなくても、確かに彼の中に自分の存在はあったことをようやく知る。 が、それを諸手をあげて喜べるほどの素直さはなく、先ほどの決意>>145を思い出せば猶更。
彼が自分の目を真正面から見据えてくれば>>189、最終的には今度は此方が目を逸らす番だった。 その姿は亀吉の目にどのように映っただろう。
けれど、そっと近寄ってきた熱に、肩に感じる重みに、それを突き放そすことは出来なかった。
どれくらいそのままで居たか。口を開いたり閉じたり。 散々迷って、結局は彼の視線の強さに押し出されるように言葉を紡いだ。]
(213) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時頃
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……好きだ。
(214) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時頃
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[彼が離れようとすれば、顔を見たくないとばかりに彼の顔を自分の肩に押し付けて、更に言葉を続ける。]
けれど、この感情を私はお前にだけ抱いている訳でもない。 情けない事に、全てついさっき気付いた事だけどな。
今まで散々傷つけてきた。 多分、これからも傷つけるだろう。 自分ではお前を選べないくせに、お前が他の者に向かえば醜い嫉妬を向ける。
だから、離れようと思った。 近くに居たら、私はお前を傷つける事しか出来ない。 けれど、それが本意ではないんだ。さっきも言った通り、お前の幸せを願っているのも、事実だ。
[そこまで言い終えて、やっと亀吉に回していた腕の力を抜いただろう*]
(215) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時頃
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―数日後・洋上―
[耳元に落とされる言葉からすら彼の怒りと悔しさを拾い上げ、 脳は別の信号を体に送る。]
…ひっ……
[びくりと体が跳ねて喉の奥から小さな悲鳴が漏れ出たが、 腕に噛みついていたが故に彼の耳には届かなかっただろう。
けれど、それが気に入らないのか硬くしていた身は容易く彼の手でううつ伏せにさせられ、更に噛みしめていた腕も力づくで引きはがされてしまう。 体格は確かに劣るが、何故こうも彼の力に最終的に逆らえないのか。 それを深く考えることは今は放棄して]
あっ……!や……
[慌てて腕を取り戻そうとして、傷口を這う舌の赤さに、肌理に与えられる微弱な信号に再び体が跳ねた。]
(235) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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[枕に顔を押し付けているが故に、ライジの行動は気配を探るしかない。 後ろから手が離れれば、安堵の溜息をつき身体の緊張を多少ばかりとも解く。
けれど、耳が拾った言葉>>221に不安が掻き立てられ、思わず顔を上げた。 彼の方を振り返ろうとして、再び後ろに感じる冷たい感触に身体を固くする。]
え、……な、に……?抜……ッ!!!
(236) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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ゥアア゛ア゛ーーッ!!!
(237) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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[身体の奥から発せられる電流に、堪らず悲鳴を上げる。 二度、三度繰り返されればその度に背を撓ませ、その刺激から逃れようと頭を振る。]
ヤ、イヤだ……!お、ねがッ……ガ…ァッ……!!!
[懇願しようにも、もたらされる刺激に思考は霧散し、只々言葉を繰り返す。 少し刺激が収まれば、自由な方の腕を後ろに回して、何とか異物を取り去ろうと*]
(238) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 00時半頃
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―出立前―
[珍しい場所にいたから、つい声を掛けてしまった。 彼の視線の先にいは金色の鈴>>225。
鈴に何か思い入れでもあるのだろうかと見返したが彼の曖昧な笑みからは何も読み取ることが出来ず。
気になっていない訳でもなかったのでついでにとばかりに道連れの誘いをかけたが、すげなく断られる。]
……また。お前も元気で。
[いつか彼が心の底からの笑みを見せることを願いながら、立ち去る彼の姿が見えなくなるまで見送った*]
(248) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 01時頃
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―焔に巻かれた後―
[全てを伝え終えて、最初に帰ってきた反応が笑い声で>>232、 意外なそれに目を瞬かせる。
虐げる者を好きというものはそうはいないだろう。 その言葉には納得し、自分のかつての行動を恥じた。 けれど、更に続けられた言葉。 彼が自分の顔に口づけをくれても、その内容があまりにも信じられず戸惑う声を挙げた。]
え、いや、彼はそんなんじゃ…… ただ、無遠慮なだけで。壁なんか知らないと壊して……。
あ、い……とかそういうのじゃ、ない。
それに、天使という柄では、決してない>>233。
[そう言葉少なに伝えるが、取り合ってもらえるか、どうか。]
(262) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 01時半頃
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[行け、と言われても素直にそれを受け入れることは出来ず。 押されるように頷きながらも、彼とどう相対するかは迷っていた。 明るい事、とはなんだろう。 彼とではなしえない事なのだろうか。 そう尋ねようかとも思ったが、これ以上彼に我儘を言うべきではないかと自己完結し。]
餞別?
[唐突な言葉にきょとりと無防備な顔を覗かせる。 亀吉の浮かべる微笑みに少しだけ耳が熱をもったように感じられ、考える風をして、少しだけ視線を逸らす。]
意味、を教えてほしい。お前が、あの日詠った和歌の意味を。
[そう端的に告げれば彼はどうしただろう*。]
(263) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 01時半頃
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―数日後・洋上―
[不規則に襲い来る刺激に、只々惑乱する。 自分の叫び声の合間に聞こえてくる彼の言葉が>>252、何を言っているのかを理解できる余裕は全くなかった。
苦しい、ってナニ、が? コレ、じゃない、燃やす……?焔の……? だって、あれは……。
何とか思考を纏めようとして、けれど結局は形にならず。
解放された腕を抱え込み、自分を翻弄させた機械がなくなったことで、やっと一息をつく。 ベッドにぐったりと体を預けようとして、後ろからぐいと腰をひきあげられた。 それから反射的に逃れようと身を捩り、後ろに触れる熱い何かにぎくりと体の動きを止める。]
(275) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 02時頃
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[自分の想像が間違ってなければ、それは、多分、彼のモノで。 更なる未知の体験に臆する。 震え出す体を止める方策を知らない。 自分が変わるのが、変えられてしまうのが怖くて、どうにかして彼を止められないかと働きの鈍った頭で悩んで、結局]
く、口でするから……!
[口から飛び出した言葉に自分自身が驚くのに後3秒。]
(276) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 02時頃
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―焔に巻かれた後―
仏像?
[天使像の話から突然仏像に飛び>>278頭がついていかない。 咄嗟に不動明王を思い出そうとして、それほど信心深くない事を思い出す。 けれど、見たことはないとは告げずに、続く言葉に耳を傾けて。]
表面上の優しさだけが優しさだけではないという事、か? どう、なんだろう。
そう言う面は、あったんだろうか。
[それなら、ある程度納得できる面はある。 好きなのは亀吉に対するのも、彼に対するのも変わらない。 その言葉は飲み込んだ。これ以上困らせてどうするというのだ。]
(296) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 03時半頃
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[最早どんな歌かも忘れたが、和歌を詠んでいた、その事だけは何故か心に引っ掛かっていて。 再び口にされた韻に>>279、多分それだと首肯を返す。 和歌の意味より、寧ろ言葉からの連想ということにまず驚いてたが、彼の望む通りになったことに苦笑しか出ない。 下の句まで含めた解釈を聞けば、首を傾ける。]
結局、自分の中のあれそれを月に八つ当たりしているのか?
[身も蓋もない言い方である>>280。 でも、それほどまでに自分は理不尽な存在だったのだろう。 そんな事を考えていれば歌の中に全く出てこなかった恋という単語が出てきて今度こそ目を瞬かせた。]
奥が深いというべきか、分かりづらいと言うべきか。
[そんな事をぼやく。おどける事でそっと自分が欲しかったモノを裡に押し込めて、微笑う*]
(297) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 03時半頃
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―数日後・洋上―
[今のは冗談、というかこの状態も全て冗談にしたい。 数十秒固まった後慌てて、そんな覚悟などない、と否定しようとしたが時既に遅く。
後ろに感じていた熱は離れたが、気配が前に移動する。 手を伸ばされればそれに逆らう事も出来ず、ゆっくりと顔を上げれば>>288目の端に映るそれの凶悪さに、びくりと身体が震えた。 何かを確認するように聞いてくるライジに素直に言葉を返す事も出来ず、あちらこちらに視線を彷徨わせた後、軽く頷くだけに留めた。
緊張のためにカラカラになった喉を、一つ唾を飲み込む事で潤して。
そっと顔を寄せれば、先端に膜を張っていた液体が零れ落ち、唇を時間をかけて伝い落ちる。 まるで、彼に愛撫されたようだ。
そこまで考えて、これはいけないと自分の発想を押し留める。]
(310) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 04時頃
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[反り返る刀身にそっと手を掛け、今度こそ先端に軽く口づける。 あの人は、どうしていたっけ……。
昔の恋人が稀にしてくれたが、記憶が遙か彼方であること 片手で十分足りる程度しか経験がないこと。 それらが相まって兎角作法が分からない。そもそも作法があるのかどうかも知らないけれど。 昔の記憶を何とか掘り起こしながら、先端から根元の方へと、唇を辿らせていく。 根元に辿りつけば、その先のいつか潰した双球の片方を舌に乗せて軽く食む。 それから……
何が正しいかが分からず、困ったように上目使いでライジを見上げれば、何か反応はあっただろうか*。]
(311) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 04時頃
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―船着場―
[まだ、乗船準備は出来ていないようで、ぼんやりとそのあたりの荷物に腰を下ろしていた。 思い出すのは仲間だったり背中を押してくれた彼だったり(結局それは生かせなかったが)緋色の世界でであった男だったりしたわけだが。 暫くは会う事もないだろうと未練ともいうべきそれを断ち切ろうとして、ハイテンションな声に思考を遮られる>>312。]
……は?あ、ああ。確かに広場で会ったな。 お前も、この船に?
[首を傾げれば、彼の肩の鳥も首を傾げる。 あ、可愛い。 すこしだけ、沈んでいた心が浮上する。 そうして、再びハイテンションな男の方に向き直る。
前回広場でぶつかりかけた時は、もう少し落ち着いていたというか控えめだったのに>>3:44、この変わりようは一体何があったのだろうか。] 外の世界を見るのが楽しみなのか?
[取り敢えず、無難な予想を告げればどう反応しただろう。*]
(318) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 04時半頃
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―焔に巻かれた後―
[静かに立ち去る背を、無言のまま見つめる>>321。 これで、終わりだと自分を自分を戒めていれば、 再び声が振ってきた。
暫く視線が交差しただろうか。
先ほど以上に逡巡して、ようやく口にした言葉は]
……約束、を……どんな些細なものでもいいから。
[全てを断ち切りたくない、と。 少しでもいいから繋がりがあると信じていたい、と。
二人が約束を交わしたかどうかは……**]
(326) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 05時頃
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ご…いた…どうもありがとうございました…
…かったはずなのに…なんだかんだあって
…も…しかった…
…てぽれさん…お…いただいた…はちどりさん…
…なんなんさん…ななみたん…あんがとな…
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―洋上―
[潮風に髪をなびかせながら、随分と明るくなった男の声に耳を傾ける。 多分、ライジと二人だけではぎくしゃくしてしまっただろう。 彼の明るさに、鳥の愛らしさに救われる。 少しだけ口元に笑みを浮かべながらフィリップの鳥自慢を聞いていると、 唐突にカタコトで話し出す彼に首を傾ける。
答えはすぐに知れた。 彼の声を真似するように話す大きな赤い鳥>>325。]
本当に、その子は頭がいいんだな。 ふふ、そんな純粋なリクエストを受けたら聞かない訳にはいかないか。
潮風は楽器には悪影響だ。部屋に来ると良い。
[そう言って彼を招き、乞われるままに楽器を奏でるだろう。*]
(328) ハチドリ 2014/08/02(Sat) 05時頃
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