93 Once upon a time...
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
靴磨き トニーは、メモを貼った。
mmsk 2014/10/20(Mon) 00時頃
|
[避けられないなら、そのまま喰らいつくだけだ。 男の身体を押し倒そうと、敷布を蹴って跳び上がった。 殺す。殺す。殺さなければ、殺される。 大きく口をあけ牙を剥いて、右肩を千切り取ろうと。]
(1) mmsk 2014/10/20(Mon) 00時半頃
|
|
[全体重かけて飛びこんだつもりだった。 が、体格差は否めない。まだ夕陽も落ちきらず獣の力も出せない今、子供と同じ体格しか持たない狼は男を倒しきらない。]
が、ぁ、
[その分、全身の力をもって振り下ろされたナイフに向かっていくかたちになった。昨夜に感じた痛みより、もっと鋭く、もっと深い痛みが襲ってきて、思わず甘露に打ち立てた牙すらも離してしまった。 痛みに気を取られ、左手のナイフは、見えていない。]
(3) mmsk 2014/10/20(Mon) 00時半頃
|
|
[噛み付いた時から半ば狂乱状態だった獣に、ナイフを避ける術などありはしない。 急所をひた狙って振り下ろされた刃。二本目があるとも思わずにいたせいで、再び走った痛みに脳内のすべてを支配される。 入ってはいけないところに、刃は入り込んだ。狼はナイフ投げ男から牙も爪も離して、背を大きく反って悶え苦しんだ。 痛い。がむしゃらにナイフを抜いた。夥しい血が、手も服も傷口も、サイモンも床も何もかも汚した。 人間なら、その抜いたショックで、そのまま絶命しておかしくない。 が、狼が悲しくも狼であるために、一面を真っ赤に染めながらも、まだか細い息をして、床に倒れ伏す。]
(6) mmsk 2014/10/20(Mon) 01時頃
|
|
[暗いテントの中、より暗く影が落ちる。 もう何が起きようと、狼に抵抗する力はない。 このまま放っておいたって、いずれ死ぬ。 首筋になにか触れただろうか、感覚はない。
かすかに、最後、唇が動いた。]
(8) mmsk 2014/10/20(Mon) 01時半頃
|
|
[誰にも聞こえない音が、かつてメルヘンの一員だった、空跳ぶ少年の最後の言葉だった。]
(9) mmsk 2014/10/20(Mon) 01時半頃
|
|
[ぷつん、と言ったのが首の皮だったのか意識だったのかはもうわからない。 わかるのは、自分はだめだったのだ、ということで。 それは死ぬことより絶望的な気がした。]
(24) mmsk 2014/10/21(Tue) 22時半頃
|
|
[言付けが守れなかった自分。 死んでいく自分。 痛みなんてもう感じる神経は麻痺していて、ただ、泣いた。 意識だけが、泣いた。 泣ける場所はもうずっとこの中だけだった。 受け止めてくれた人が呼んでいるのにも気付けずに、泣いた。 もうひくりとも動かない指先は涙を止めることはできない。]
(25) mmsk 2014/10/21(Tue) 22時半頃
|
…おいで
…たくさん…いていいからさ
…りで…かないで
|
[赤子のように、泣いていた。 耐えていたものがみんな、溢れてしまったようだった。 下を見れば、真っ赤だった。自分が赤い水たまりの中に倒れて、動かずにいる。 それが見えるというのがどういうことなのか、まだはっきりとは理解しないままに、泣いて。]
(42) mmsk 2014/10/23(Thu) 05時半頃
|
|
[腕を広げる、眉尻の下がった柔和な顔を見つけたなら、一目散にそこへ飛び込んでゆく。]
(43) mmsk 2014/10/23(Thu) 05時半頃
|
|
――あれから――
[厚い布を捲る。おずおずと、中を覗き込む。 そこはライトで眩しくて、いきいきとして、期待に瞳をきらきらにした人たちが、数え切れないほどにいた。 そう、あの時もこの光に、呑み込まれたんだった。 この位置から舞台を見るのは何時ぶりになるんだろう。 鳴らないはずの鼓動がとくとくうるさい気がして、ぎゅっとそばにいたニコラスの服の裾を掴んだ。]
(57) mmsk 2014/10/23(Thu) 23時頃
|
|
[胸にあるのは、小さな不安。自分はここで受け入れられるべき存在ではない、という、自業自得の不安。 実際チケット売りのエフェドラからは、目を盗んで逃げ出して、それからはずっとニコラスの影に隠れっきりだ。 小さな身体はこんなことに大活躍だった。
あの日も、そんなふうに子供の体を滑り込ませて。 今思えばとっくにばれていたのかもしれないが、それも構わず目の前で繰り広げられるメルヘンに、心を奪われた。 大入りの隙間、席を見つけて腰掛けて、夢の夜を待つ。 まずはじめは、団長の――]
(58) mmsk 2014/10/23(Thu) 23時頃
|
|
……トリノス。
[口上を謳う男は、ブランコ乗りだった。いつもとどんなに雰囲気が違ってもわかる、慣れ親しんだ仲間。 彼をそこに立たせたのは自分、で。自分さえ動かなければ、ここにはあのでっぷり太った団長が、脂ぎった頭をふきふき、それでも心底嬉しそうに、ショーの開幕を語るはずだったのだ。
だから、トリノスを見る表情は複雑に険しく――けれど口数少ないブランコ乗りとは思えないほど、鮮やかなハッピーエンドの幕開けだったので、次第に黒い瞳は大きく、丸く。 最後は満面、周りの子どもたちと何ら変わりないきらきらした目で、いっぱいの拍手を送った。]
(59) mmsk 2014/10/23(Thu) 23時頃
|
|
[大丈夫だよ、はいつだって、子狼の心を凪にする。 不器用でも触れてくれるその手が、ほんとうにあたたかい。 たとえ温度がなかったとしても、それは子狼にとっては、どんな暖炉より、あたたかい。]
うん。
[そしてその度、子狼は少し高いところにある金髪を見上げて、赤毛の頭で頷くのだ。 そばにいて、二人で仲間を食らった夜も。 また出会って、泣きじゃくる中そっと撫でてくれた時も。 今でも。
不安は、溶けていって。 今夜はハッピーエンドを心から楽しめそうだ。 初めてサーカスを見た子供と同じように、はしゃいで、はしゃいで、はしゃぎ疲れて、メルヘンのピンク色した、夢を見よう*]
(69) mmsk 2014/10/24(Fri) 00時頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る