78 わかば荘の薔薇色の日常
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[間中に名を呼ばれても、返事はしなかった。 或いは、出来なかった。 黙ったまま、必要な準備を整えていく。
仕舞われていた油絵の道具が詰まった画材の箱を、 引っ張り出した。]
(588) gekonra 2014/07/06(Sun) 22時半頃
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[新しいキャンバスを、イーゼルに乗せた。 椅子を、椅子の傍へ、傍に引っ張って寄せた。 それから、暫し、声もだせず、黙ってから]
――
[ぽつりと言う。]
モデル出来るつったな。
(591) gekonra 2014/07/06(Sun) 22時半頃
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だったんだろうな…
…
あれは…の…だったんだろうな…
…
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[間中が拾った布地にあるのは、ただの、訓練の痕跡だ。 あがき続けただけの。手にたくさんのタコを作って、不格好に描き続けた人間の。 間中自身が、「楽しい?」と尋ねるような、ただの習作。
南方は、返答をきいて、間中を振り返った。 眉根を寄せた顔をしていた。 いつも通りに見えたろうか? 自分の顔は自分では見えない。 それは間中にしか分からない。
南方は、歩み寄って、間中の手首を掴んだ。 間中が持っていた習作を掴み、作業台に、不要品であるかのように、ぞんざいに置く。 引っ張って、いつも裸婦モデルを立たせていた、カーテンからすける日の当たる場所へ、連れて行く。
それから、手首を掴んだまま。 間中の細い目の上を視線がさっと通りすぎて、首を、肩を、胸を、腹をと、足元まで、視線が降りた。]
(604) gekonra 2014/07/06(Sun) 23時頃
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なんだ…そんなことでいいのか…
…
…いいよ…だけじゃなくて…いつでも…っても…
…も…くなったら…るし…
…
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――……。
[間中の姿は、ひどく、所在なさ気にみえた。 なんだか可哀想で、手を放してやった。 椅子を一つ掴んで、間中の横へ置いた。 背を向け、本棚から、丁度いい大きさの、ハードカバーの本を引き抜いた。 中身は西洋美術に関するものであったが、内容は関係がなかった。本の表面くらい、絵の上で変えることは容易い。それを間中にもたせてやる。仲間を与えてやるような心地で。]
読んでて。
[ベッドに放り出してあったクロッキーブックを拾い上げた。 いくつもの、紙がくたくたになるまで試行錯誤を重ねた頁を通り過ぎ、頁を捲る際に、何枚かが背から外れて、床に落ちる。 それを邪魔くさそうに拾い上げて、作業台の上に、また、ぞんざいに乗せた。
イーゼル前の椅子に座る。 クロッキーブックのある頁で、視線は止まる。]
(610) gekonra 2014/07/06(Sun) 23時半頃
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[それから、膝の上にエスキースを広げた状態で、椅子に座ったまま、間中遊のある部屋の光景を、みていた。
時間が、一秒づつ、経過していった。
無言だった。 一時も、その光景から、目は離さなかった。
一時間半以上が経過した頃だろう。
ぽつりと、かすれた声が言った。]
(613) gekonra 2014/07/06(Sun) 23時半頃
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…しいと…じていないではなかった…
…それでも…に…が…ち…がらなかったのだ…
…
に…する…の…からの…ゆえの…をうけた…
…い…る…
…に…する…すらその…だったのだろうと…
…に…った…
…まで…けていたものは…だったのだろうか…
…けるために…から…したかった…な…が…でもわからなかった…
それが…わかった…
…かれたくなかったのだ…
いつしか…ただ…しくなっていたことを…
ほとほと…れ…てていたことを…
なまま…にだけ…って…
それだけのために…き…けた…は…
…んな…ちを…り…れさせた…
この…しいと…ったことは…もなかった…
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[この日が来るのが、楽しみだったのか。 この日が来るのが、恐ろしいのか。 この一月の間、ずっと、わからなかった。 結論、恐ろしかったのだと思う。
だから、呆然として、言う。]
遊。
ごめん。 なんか。
描けないわ。
(615) gekonra 2014/07/06(Sun) 23時半頃
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いやいやいやいやいや…て…て…て…
こう…うのはお…いちゃんと…き…う…を…ってだな…
いやそうじゃなくて…き…う…にこう…うのは…
じゃなくてだな…
…
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[一時間を過ぎても、手が持ち上がらない。 ただおりて、膝の間で、あたりをとるための鉛筆を持っていた。 状況が奇妙で、つい言葉を発した。 不思議と、ただ、驚いているだけだ。 以前間中にいったとおりの「泣けもしない。」なのだろうか。 こんなにぽっかりと、悲しい気持ちであるのに、涙は一向に出そうにない。ただ、ぼうっと白いキャンバスをみていた。]
――……
[いつの間にか、間中は傍に寄ってきていた。 キャンバスをみている。 アイボリーの、ただしろいだけの、キャンバスには、なにひとつ描かれていない。]
描けないね。
[もう一度、確認するように、言った。]
(624) gekonra 2014/07/07(Mon) 00時頃
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[背を、髪を、間中の手が撫でる。 それに、気づいているのかも、どうだろう。 呆けたままの声で、謝った。]
遊。ごめん。
約束、なかったことに出来ないか。
(625) gekonra 2014/07/07(Mon) 00時頃
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[いいよ、と、いう声は、約束を破棄する声の前にあった。 どういう意味だったのか、わからない。]
……
…………。
[間中の体が傍にあったので、寄りかかるように、頭を寄せて、まだキャンバスを見ていた。 ――間中は、絵のかわりの対価として、ひとりの挫折で、満足はしてくれるだろうか。 話のたねであれば。なんでもいいのだろうから。]
(627) gekonra 2014/07/07(Mon) 00時頃
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[タコの出来た手から、鉛筆がとりはらわれた。 なぜだか不思議と、ほっとしていた。
アイボリー色の、なにも色ののらないキャンバスは、 これはこれで、美しかった。**]
(635) gekonra 2014/07/07(Mon) 00時頃
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