64 さよならのひとつまえ
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[ぽちっと、メールを返信する。 頼んだ伝票は、昨日博からもらってしまった全集の為に。
そういえば、成斗に例のスヌードを作ってもらった時に自分は何をお礼したんだったか。さすがに毛糸も安くないし元々買うつもりのものだったので頑なに材料費は出した気がするけれど。
ふとそんなことを考えたりしながら、朔太郎からのメール二通を順に開いていく。]
(140) 2014/03/25(Tue) 20時半頃
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ああ。風邪かも知れないからちゃんと行かないとな。 もしそうなら、あんまり俺に近づかない方がいいぞ それで寮出んの遅れたら困るだろう
[バスに乗れない程不調になったら、と。 実際はピンピンしているので、どうという事もないが
というよりも、近いと、俺がダメかも知れない。 このくらいの空間を挟んだ距離が、友情を保てるデッドラインだ。
昨日よりも、寂しくなっているのは仲良かった去年の同室者と、 図書館で逢引…ではなく、同伴していた友人が居なくなるからか
このまま人がどんどん少なくなって、 もっと寂しくなったら俺はどうなっちゃうんだ。 今の俺は注意力散漫だから交通事故にでも遭うかもしれない。]
(141) 2014/03/25(Tue) 20時半頃
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[血まみれで座ってる俺。重いバックミュージック。 その時、銀河の中で星が瞬いて消えた、 「十文字、還らず」 待て、次回。
……すごくアホな事を考えてたら、気力も戻った。]
あ、もし埋める時までに間に合わなかったらこいつ、頼めるか。
[昨晩書いた自分への手紙が封筒の中に一通。 封の中の内容は至ってシンプルだ。 「お前、まだあいつが好きなのか」という一文のみ。
それと、ケースに入った卒業証書。 俺の職にはこいつは必要ないから。 これなら缶に入らずとも、そのまま埋められる筈だ。 中の紙は劣化するかも知れないが、構わない。]
じゃあな。
[振り返る事はせず、そのまま部屋を後にした*]
(142) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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シャツだけ入れるってのもさ……あぁ、リストバンドなら入るか。
[>>135髪と同じ色だったのが気に入って、愛用していたリストバンドは、ユニフォームのズボンのポケットにまだ入っている。 スペースがあればそれも入れてもらおうと、立ち上がる。]
サインか……うん。 書いて恥ずかしくねーように、十年後には、一軍でマスク被ってられるよう頑張らないとか。
(143) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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トレイルは、ススムがこれないと知ったら(´・ω・`)な顔するかもしれない。
2014/03/25(Tue) 21時頃
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―少し前・自室― [寮母の流す放送は布団の中で聞いていた。顔まですっぽり布団に潜り込みながら寝返りを打つ。
そっか。そっかあ。
心の中で、そんな呟きが零れる。退寮の処理の説明は以前から知っていたことで、これは誰も責めようがないのだ。宗介が一度部屋を出ていく。今はまだ戻ってくる。どのような顔で迎えればいいだろう、今日一日はどのような表情で、どのような言葉を交わして過ごせばいいのか。考えが纏まらないまま布団の中で過ごしていると布団の外から蹴りを食らった。>>46]
あっで…もー、なんだよ。
[観念してもぞもぞと布団から顔を出すと湿布を突き付けられる。白い、長方形の形の向こう側にある同室者の表情はいつもと変わらない。どういう気持ち―――…]
…約束したかんな。 いーよ。ほれ、尻丸出しにして待っといて…。
[一度大きく眉を下げてしまったことには気付かれていないだろうか。その後は苦笑零していつもと同じように笑って。宗介の――今日はまだ宗介のものだ――ベッドを指差すと伸びをして起きる準備を始めた。*]
(144) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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― 寮外 ―
[玄関を抜ければ中庭側には出ずに、表へと歩き出す。 花粉症ではないので、マスクがなまら息苦しい あいつらは大変だな、とくしゃみしている連中を一望した。]
まずはスーパー行かないと……
[モデルに餌をやらないと、ぴゃーっと逃げていくからな。 かといって急ぐほどの時間でもない。
そもそも俺は誰か参加するのかしないのかを知らないが、 花見に参加しない誰かが表に出るなら、容易に追いつける歩調。]
(145) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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―廊下―
…らしくねーなぁ。遠慮か?
[鳥塚からの返信を見て、首を傾げる。 ヒヨコが好き、なんてカミングアウトが恥ずかしくなったのだろうか。 自分に関して言えば全く、そんな気後れは必要ないのに。
なんにせよ、これ以上メールを重ねても同じことを繰り返される気がする。 行動で示そう、と返信はしなかった]
(146) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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…
…なんだその…な…
…
…かってらぁ…い…しに…ってくれたやつは…ちゃんと…らないとだしな…
それはそうか…うん…く…
…
…りょ…
…
…に…いといた…
…
ね…るつもりはなかったんだ…
もうちょっと…んでから…ちゃんと…るつもりだったんだよ…
…
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―自室―
おー、あったあった。
[ねこのラッピングを終え、試作品置き場から一匹のねこを引っ張りだす。 これと同じフォルムのねこは、3体存在する。はずだ。
以前先輩の依頼で作ったのだが、その後なくしてしまったと泣きつかれて。 そんな複雑な図面でもなかったから、もう一度作れたのだが、また無くしたらということを考え、2体作って片方を先輩へ渡した。 幸い、その後は無くなったという話は聞かず、先輩も卒業していき。 予備だったこの1体だけが、手元に残った]
『10年後のおれへ。 もし、そこに、……
[いくらかの文を書き付けた手紙を、ぬいぐるみに持たせ。 全体をくるくると油紙で包んでから、カバンに入れた。
伝票を貼り付けた1箱の荷物を抱え。 発送をお願いしに再び寮母室へ立ち寄ってから、中庭へ]
(147) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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―中庭―
あ、何? ブルーシート?
[手袋はめた手を振りながら向かえば、山本の声>>110が聞こえた。 彼と白辻に買い出しお疲れさん、と声を掛けて、指示通り青いシートをばさりと広げる]
晴れて良かったよなぁ。 桜にコレって、まさしく花見て感じでいいわー。 …ん? 椅子ひとつ?
[なんでだろ、と思うものの、山本がハサミを持つといえば、やることはひとつしか思いつかない。 廊下に放置されてたパイプ椅子を引っ張ってきて、据え付けといた]
(148) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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……困るな、確かに。
[>>141チームの入寮予定もある。あまり遅れると、家での準備の時間がなくなる。 けれど、少しでも、十文字との時間が延びるなら……いや待て、それは危険だ。 巡らせた思考のせいて、眉間に皺ができた。]
いや、お前が発案者なんだから、間に合わせろよ。 もしなんなら、埋めるの待ってもらうからさ。
[差し出された卒業証書と手紙>>142を、はじめはそう言って拒絶した。 しかし結局受け取ってしまう。]
……待ってっから。
[振り返らぬ背に掛けた言葉は、あくまで、タイムカプセルのことだと。 しかしこのままでは、誤魔化せば誤魔化すほど、泥沼化しそうだ。*]
(149) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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―自室―
げぇ、靴下間違えて片付けたっぽい! 出す!宗介ぇ、先行っといてー。
[尻の治療が終わった後は少しの間同室者とは別行動を取ることになる。昨日手伝ってもらい大分部屋の中はすっきりとした。
宗介の机の上の天球儀はまだ残っているだろうか、これも今日でなくなってしまうのだ。溜息は、つかない。今日一日は我慢するのだ、布団から見えた宗介の表情を見た時に今日はそうすると決めたのだ。
準備がようやっとできると、立ち上がって部屋を出る前にメールの新着を確かめた。届いている内容に目を通す、一番下までスクロールして動きが止まった。 困り切ったように眉が下がる、躊躇うように泳いだ指が返信用のボタンを押した。]
(150) 2014/03/25(Tue) 21時頃
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…
…やべ…れてた
…
…み…は…
うそうそ…よろ
しく…
どしたん…も…にし
てたけどさ…も
しかして…き…って
た…に…になってた…
とかいた…
…
…
…なんだとう…
…
…には…てなかったよ…しい…を…くした…
いや…の…なのかなんなのかは…らん…
…の…に…かからんよう…で…してくる
…に…の…は…けたが…
なんとか…を…せたらいいな…と…ってる…
…
…
…
…
…
たくさん…ってきたか
ら…はたくさん…べ
てね…
…
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[タイムカプセルのことを思い出し、一度自室に戻る。 昨夜は随分と片付けが進んだが、環の荷物らしきものは出てこなかった。 それ以外の物はどんどん捨てて行ったのだが、唯一捨てられなかった『それ』を手に取った。]
なら埋めればいい。
[一番適切なように思えた。
その後は食堂に行って、冷蔵庫の中の荷物を回収する。 中身は食料。大半はまともな食べ物だが、たまに利一の検閲を逃れた『一見まともに見える食べ物』も混ざっている。
4この袋を持ち、よたよたと花見会場へ向かう。]
(151) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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[幾つかのメールの返信を終えると携帯を閉じてポケットに突っ込んだ。フィルムの入っていないカメラを手にとって慌てて自室を飛び出した。 どうやって開けるんだったっけ?カメラに視線を落として気難しい顔で構造の記憶を掘り起こしながら、中庭へ向けて廊下を足早に歩いていく。]
(152) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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[さて、メールも返したし。 自習室で待つ理由もなくなったし、朝食の残骸を片づけて中庭に向かおうか。
廊下を歩いていれば、聞こえてくる「桜」。>>100 樹央のいつもの声だ。一人で四役、伸びて響く音。冷やすアイマスク買ってきたけれど、もう不要かもしれない。 メールの返信が届き、表情豊かな可愛らしい猫が並ぶその画面に目を細める。ちらりと窓ガラスに映った眉間に、皺はない。
成斗と顔を合わせたら、今日の「おはよう」を言わないと。]
(153) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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うわ。なっちゃん大丈夫か?
[4こもの袋を持ってこちらへ向かう姿が見えれば、分けてもらおうと慌てて駆け寄る]
(154) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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[欠伸を噛み殺しながら、廊下を歩く。 愛用のデジタルカメラと、宝物のカメラを手にして花見会場に向かう。
記者になりたいと思ったきっかけは、親戚に記者がいたからだ。 憧れているその人から入学祝に貰ったカメラは、大事な宝物。 貰った時、言われた言葉を今でも覚えている。]
……相手に恋しているつもりで撮れ、か。
[取材対象に恋をすれば、良いところだけ見えて嫌な部分は見えなくなる。 それで良いのかと首を傾げたが、始めのうちはそれで良いのだと言われれば、そういうものかと思った。
でも……本当に恋をしてしまったらどうすれば良いのだろう。]
(155) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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トレイルは、リーチからのメールも受信、団子わくわく。
2014/03/25(Tue) 21時半頃
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[さて、恐らく皆様花見の準備で忘れられているであろう僕である。 独り鬱々としていたが、文明人としていつまでも廊下で退化したが如く踞っているわけにもいくまい。
ノロノロと立ち上がり、数歩歩けばぼろりと大粒の水滴が目から落ちて、大層驚いた。 驚きすぎて、一度足がもつれて転倒した。
七転八倒、泣きっ面に蜂である。 眼鏡を拾いながら、僕は大いに嘆いた。
ともあれ、驚いてばかりもいられまい。 どこかで顔を洗って、なんでもないふりで花見会場へと行き、普遍的かつありきたりな別れを果たさねば。
中庭から聞こえてくる伸びやかな声を耳にしながら、二足歩行ロボットめいた足取りで、廊下を歩んで、眼鏡をかけ直し。
>>153角を曲がったとき、見えた入江の姿に目をまあるくした]
(156) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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成斗か、おはよ。
[同級生に挨拶をしつつ。荷物を持ってくれるのだと察すれば、遠慮なく2個ほどお願いする。>>154]
(157) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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はよー。 買い出しさんきゅな。グラ…なんとか?ってあったか?
[2つの袋>>157をまとめて左手に下げ、てくてくと同道する]
袋ごとシートに置いとく? それとも、みんなすぐ来るだろうから、ある程度広げといてもいいのかな。
(158) 2014/03/25(Tue) 21時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/03/25(Tue) 21時半頃
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[樹央たちの部屋の前を通った時、丞と仲直りできたかな、と少し気にして。
ぶるぶると震えていた携帯に気付き、受信していたメールを確認すると、廊下を歩きながらメールを打つ。]
(159) 2014/03/25(Tue) 22時頃
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― 廊下 ―
[窓ガラスから廊下に視線を戻せば、角を曲がってきた博の姿が。>>156]
あれ、ヒロも今から……、
[いつものように声を掛けようとして。 けれどその顔に気づけば言葉が切れ、足を止めた。
普段動じて見えない彼の、目を丸くし驚いた顔。しかも少し眼鏡が歪んでいるし、レンズの向こうには明らかに涙の跡らしきものが。]
ど、どうした…!?
[只事とは思えないそれに目を見張り、狼狽えながらも駆け寄っていく。]
(160) 2014/03/25(Tue) 22時頃
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