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78 わかば荘の薔薇色の日常
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…せやな…じゃあ…らないとこで…うわ
…
…きたいんやったら…かせたるよ…
…なんせ…やからけっこう…うなる…うけど
…
そうしてくれるとありがたい…
…
…
…それは…きたいような…どうしようか…
…
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[矛盾する返答>>266に、ゆったりと瞬く。違う、違わない。言い直したということは、違わないが答えか、それともいつもの、拒絶だろうか。 読みきれずに、結局首を振るのが見えたので、否定の方だと認識した。 遊さんにセックスしてほしくないわけではなくて、それは好きな人とするべきで、だけど、好きな人がいるのは――だめ?]
ふうん。
[結論を出しきれなかったが故の吐息混じりの呟きだが、奇しくも納得したかのようになってしまった。]
(288) mmsk 2014/07/05(Sat) 10時頃
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[体温の低い手が、触れる>>272。 はじめは、つんと。それから頬の形どおりに、するりと。 こちらを見る目が優しかったから、自然と柳茶も細くなった。]
ありがと。
[今日はいい日だ。 空は晴れたし、朝に昼に、こうして祝われて。――朝は偶然かもしれないけれど、それでも。 きっと、真夏の頃には向日葵も、見事に咲くに違いない。
――直後に髪を噛まれて、流石に麻央を振りほどこうとむずかった*]
(290) mmsk 2014/07/05(Sat) 10時頃
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いつか…だけで…らせたらいいな…
…
…なあなあ…さん…これから…するん…
…
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――談話室:昼――
[もそもそ逃れようと麻央の腕の中でもがいていれば、手は離れたか逆に逃すまいと絞めてきたか。 一度絞められたら、しぶしぶ抵抗をやめるくらいの気持ちで、脱出を試みる。 抜けられてもその場を動きはせず、そのままソファ下でカツサンドを受け取って昼飯タイムに変わりはないのだが。
そんな折にか、ふらりと徹が頭を撫でていった>>312。]
……別に、よくない。
[悪いとも言っていないが、徹の言葉を否定するような態度は、麻央に対する拒絶と捉えられてもおかしくはない。 頭の上の麻央にまた一撃くらいは喰らうかもしれない。]
(326) mmsk 2014/07/05(Sat) 20時半頃
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――昼下がり:談話室――
[眠ってしまった徹を、どうこうするつもりもない。 それからすぐ談話室を離れる選択肢もあったのだが、どうしてここにいたんだったか。 せっかく持ってきたカメラバッグが泣く声が聞こえたような気もしたが、右手はおもむろにリモコンに触れていた。 音量を落としたTVのアナウンサーが、梅雨明けを宣言している。]
……明けんだ。
[長雨は減って、日照りと夕立を繰り返すことになるだろう。 向日葵はそうした中で咲く花だけれど、一度育て方を調べたほうがいいかもしれない。 ぼんやりとTVを眺めてから、しばらく。やっぱり写真集を部屋において、ついでに向日葵について調べよう、と思ったタイミングで。]
(337) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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宅急便?
[届いたのは間中遊――ではなくて、桃>>317。 甘い、甘い、ひとかぎでそれとわかる芳香。箱数が多そうなのに立ち上がって、手伝う、と申し出た。 箱を持つ間も、桃の香りが鼻から身体を駆け巡るみたいで。 おいしそう、と思ってしまうのは、許してほしい。
桃の箱とは別に遊さんが荷物を持っていたのは、すぐに冷蔵庫にしまわれてしまって。 何だろう、とは思いはするも、追求しなかったせいで、夜のその時まで、知らないままだった。]
(338) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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[部屋には結局一旦戻って、写真集を眺めたり、向日葵の生育について調べたりと、ぼんやりとした午後。 一般的な誕生日の過ごし方にしては少々淡白に過ぎるかもしれないが、人の多い騒がしい状況は得意ではないし、もらったバースデープレゼントに思いを馳せる時間なんて、自分の基準なら充分贅沢な誕生日。 折角の晴天だったので、陽の落ちる頃には屋上から夕日を一枚、カメラに収めておいた。 夕刻屋上にいると、人の行き来が見える。自分自身は交流を求めなくても、こうして生活が見えるのは悪くない。 ただ、檀さんが戻るのだけは、心にほんのりと暗い色が灯った。結局今日はチャルラタンには出向いていない。 明日こそは行こうと、その分深く心に決めた。]
(339) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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――そして:夜のその時――
[長い夏の日暮れも過ぎて、すっかり陽の落ちた後。 談話室には瑞々しいベリーのタルトと、満月のような黄色いチーズケーキ。 立てられたろうそくに、燦然と輝く21>>323。]
(340) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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[徹津來夏は、逃げ出したかった。]
(341) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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[ろうそくに火がついて、それを消す役目を仰せつかる。他には居ないのだから、仕方ない。 ただでさえこの人数の中ここにいること自体居づらいのに、更にその後に成人男声合唱団(統率ゼロ)の合唱が始まって、もう脳内では如何にしてこの場を脱するかの算段が、何度も組み上がっては完成の寸前で鬼に蹴り倒されていた。 とりあえず、耐える。この歌はそれほど長くない。俯いて自分の膝だけを見て周りの音をシャットアウトして震えながら耐える。 手拍子が聞こえる。なにか悪いもののカウントダウンのようだった。 それでも歌が終われば、脱力したような笑いがぱらぱらと起きて、耳元に「おつかれさん」が落ちてきた>>332。 今一番嬉しいプレゼント、だったかもしれない。]
(342) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時頃
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…これ…よかったら…んでみてや
…
…おめでとう…これからもよろしく…
…
…
…の…どや…
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[誕生日を一体何人に言ったことがあっただろう。 それでこの人数なのだから、と。 目の前に置かれた徹のケーキ>>334は、とても予測できるプレゼントだった。 考えてもみてほしい。 そもそも主役ということで、チーズケーキとベリーをもらっていて、それがもうワンセット。 如何な誕生日、如何な成人男性の体とはいえ、それなりにそれなりなサイズのホールケーキを、この時点でおおよそ半ホール、という計算になる。 嬉しいけれど。その好意は嬉しいけれど、他にもその選択肢を取る人が居ないとも限らない中、現状は過酷に思えて。]
……これ。 あげる。
[チーズケーキを一切れ、夏一に流した。 先ほど一番輝かしいプレゼントをくれたお礼である。]
(354) mmsk 2014/07/05(Sat) 22時半頃
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で…
…
…そうなんや…したら…んでも…
…なんやろなあ…そない…みでもないんやけど
…めっちゃすきやわ
…
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――バースデーパーティ――
[は、と浅く息を吐く。とにかくいっぱいいっぱいだった。 歌が終われば輪の中央を外れることを許された、とばかり、すす、と壁際に寄って取り分のケーキを確保する。 くしゃくしゃの髪>>382を手櫛で整えながら、近寄ってくる人影を見る。
すれ違いざま、すっと渡すだけ渡された細い封筒>>330。 すぐに中身が何か確認する余裕はなし。けれど長くその場で反応を期待されたりはせず、もしかしたら気遣われたのかもしれない。 ありがとう、と素直に言いやすくて、赤毛を見送った。 傍らに置かれた瓶の、添えられたメッセージカード>>=70をちらり一瞥する。 そんなに眉間に皺寄せているつもりはないけれど、険しい顔はちょっと、今は隠せない。]
(391) mmsk 2014/07/06(Sun) 00時半頃
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……開けて、いいかな。
[呟いたのは、瓶に対してでなく、そのまた隣に置いたポラロイドカメラに。 スナップを撮るため作られたそれに、手を伸ばす。 フィルムをセットして、構え。 試しに、とばかりシャッターを切った。 談話室の壁からは、集まった面々がよく見える。 酒に舌鼓打つ人も、笑う人も、柱に擬態した人も。 ようやくこのパーティが嬉しく思えてきて、吐息で笑った。]
(392) mmsk 2014/07/06(Sun) 00時半頃
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――パーティを終えて――
[ハイテンションに任せるままに、オカマバーに行こう、なんて言い出したのは誰で、そもそもどんな話の流れだったのか。 知らないままに話が進んで、けれど各々家を出る準備の為か少しずつ談話室を出ていくようなら、巻き込まれる前に、もしくは止められる前にここを出ていくチャンスかといったところ。 壁際にいたのをいいことに、麻央の目が離れたのを見計らって、そっと逃げ出した。]
(437) mmsk 2014/07/06(Sun) 03時頃
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