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64 さよならのひとつまえ
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…
…
…
…
…
…くなってごめん…
…の…も…
に…ってくれるとう
れしい…
…
…くけど…
なんかいる…
|
― 団地公園 ―
どういたしまして。 それだけ喜んでもらえると、連れてきた甲斐があるよ。
[猫と自分以外誰もいないからか。人目を憚らず、驚いてはしゃぐ声。へにゃりと笑う顔。>>244 つられたように表情を柔らかくしながら。教えてくれたのは丞に心の中で感謝する。こんな彼の姿を最後に見せてくれたことを。
淡いトラ縞の猫の写真を撮る振りをして。こっそり、数枚だけ笑った彼も映りこんだ写真も撮ってから自販機に向かった。]
はい、カフェオレお待たせ。 それがススムからもらったスケッチブック? あとで見せてよ、俺も見たい。
[二本買って戻れば、猫から離れ難いとばかりの様子で鯖サンドを食べている頬に、片方の缶をぺとりとあてる。 こっちも見て欲しいとか、そんな些細な悪戯だ。驚いた顔が振り返れば、悪戯成功とばかりに笑って。]
(247) 2014/03/30(Sun) 20時頃
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…
…に…ったか…
あの…すごいたくさんいるな…
…すぐなくなったよ
…もすごく…んでた
ありがとう
あとで…も…せてもらう
…
…
…は…してたから…
…
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[コロッケパンを食べている横で、スケッチブックと色鉛筆を広げ始めてきょとんとする。 手芸をする時のような真剣な眼で、色鉛筆を握る姿に。邪魔をしないように声はかけず、飲みかけのカフェオレを置いて、猫の方へと歩いていく。
寄ってきたのは、さっき彼に懐いたトラ猫だ。>>243 すり寄せてくるのを抱きあげる。柔らかくて温かい。 ふわふわの毛並み。耳の後ろをかくように撫でてやり。気持ちよさそうに耳を伏せる様子に、目を細めた。]
ナルはさ、猫飼ってたりしたの? よく猫の小物とか作ってるよね。
[スケッチの邪魔をしない程度にそんなことを訊いたりする。 動物は好きだがこれまで飼える環境がなかったから。 これからはあちらに長くなりそうだし、飼えるかなとか考えたり。そうやって少しずつ想像する未来に、彼の姿はない痛みを同時に自覚しながら。]
(248) 2014/03/30(Sun) 20時半頃
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[彼の手が止まるのを待って、どのくらい経ったか。 入れ代わりに寄ってくる猫をあやして撫でながら。]
――…そういえば、ナルはさ。 これから、どうするんだっけ?
[振り返らずに、ぽつりと。 ずっと遠巻きにしていた話題を、自分から振って目を伏せた。*]
(249) 2014/03/30(Sun) 20時半頃
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トレイルは、ライジの動画を後から見せてもらおうと思っている
2014/03/30(Sun) 21時頃
そ…
…
らいらね…
…しい…してるっていうそ…
…わりにあん…
…
…
…
…
うん…じぶんでもみた…ひどかった
ぼうずにしたら…になる…ね…よ
…
…
…やっぱ
…
…で…るのお…な…
…で…たら…どうなん
のかすげ…
…ね…もん…つかお…と
…してると…
りなくなる…えたい
…
…
…
そっか…じゃあなで
…わるかと…ってた
…ん…いよ…でも
…いかも…
…でいなか…
…
…そ…
…あんがと…は…なしで…む
…から…の…で…する…と…への…
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[猫相手に漫才をしている。ちょっと面白い。>>259 背後から不意打ちのツッコミを入れられている姿が見えればこっそり笑って。寄ってきた黒猫と目が合った。すらりとしたその猫は、なんとなく丞を思い出させる。 くぁ、と小さく欠伸した黒猫がゆらゆらと揺らす尻尾を見つめながら。]
犬と猫を一緒に飼うのは大変だもんなぁ。 俺も猫派だけど、飼ったことないな。
アパートやマンションばっかだったから。
[シャカシャカと、紙を擦る音が微かに聞こえる。>>260 穏やかな日常。 こうして、また明日がくればいいのに。 ふい、と黒猫が背を向けて遠くなっていく。]
(267) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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――作る方じゃないんだ。
俺、服飾詳しくないけど……マーケティングって販売とか接客でしょ? デザインもやりなよ。 今すぐじゃなくてもそのうちさ、自分で作りなよ。 器用なその手、使わないの勿体ないし。
[時折、進路についてぼやいていたのは、知っている。>>261 迷いながらもそれでも手探りで少しずつ、やりたいことを追いかけて悩む姿は存外かっこよく見えたものだ。
いつか、胸を張れるようになるといい。 その時の姿を自分が見ることはなくても。
やっぱり返される同じ問い。背中を向けたまま、そこで言葉を切る。 苦しい。寂しさだけじゃ、とっくに収まり切らない。]
(268) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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[小さく息を吸い込む。]
言ってなかったっけ。 海外に行くんだ。両親の都合でさ。
[数日前についた小さな嘘を繰り返す。 瞳が揺れる。手に頭を擦り付けてくる猫を見つめながら。声が震えないように、言葉を紡いでいく。]
あっちまだ寒いらしいし。 前にナルが編んだくれたやつ、持ってくよ。
生活に慣れたら大学行って、落ち着いたら免許もとってさ。
それから……――
[彼のいない未来を語る。今更気づいてもくちに出来ない言葉の代わりに。自分に思い知らせるように。]
えーと、それから……、
[どうしよう。続かない。]
(270) 2014/03/30(Sun) 22時頃
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――――あ、もうこんな時間。
戻ろうか、断髪式始まっちゃうし。 サクとみんなが待ってるしさ!
[丞のスケッチブックあとで見せてよ、と。 震える声でできるだけ明るく言いながら立ち上がった。 手にすり寄っていた猫が、駆けていく。遠くなる。カーディガンの袖で、ごし、と目元を擦った。*]
(273) 2014/03/30(Sun) 22時半頃
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…
…
…
…
…もうはじまってるぞ
さくたろうから…いつてないか…
…
…
…
…
…
…は…に…かない
…じゃなくて…からし
それ…
いやだよまりも
…
なると…
…わかればよろし…
…
わかってくれたら…いよ…ゆるしてあげる…
…に…わないかもだから…で…ってく…
…
そ…
でも…らいらね…
…だけで…り…くよ…ってろよ…
あ…は…の…くらいにぼくが…に…したやつだよ…
り…
らいじの…も…
わかった…おくる…
ごめん…たから…い…は…
ひもいや
…だよ
…
いや…でもちょっと…しいかな…
だんだん…なくなってるし…
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[近づいてくる気配に気づいた時には、遅かった。>>287 引き寄せられて、思考が止まる。
いつもより近い距離。鼻を掠める匂い。額に触れる体温。それらに気づいた途端、かぁ、と顔が赤くなる。 今ならこれは恥ずかしさだと誤魔化せる。胸元に手を当てて突き放そうとしたけれど。降ってきた声に、その指先は彼の服を緩く掴むだけに終わった。]
…………ばか、話振ったの俺だし。 謝るな、ばか。
――寂しいよ。 今更言わせるなよ、先に出てくくせに。
[頭を撫でる大きな手。熱くて苦しい。 軋む痛みを必死に堪えて。目を閉じてほんの少しだけ、その肩口に額を擦り付ける。]
……ごめん。
[少しして、掴んでいた指先から力を抜く。 頭を離すと俯いたまま、一言だけ謝って。袋と猫缶のゴミを片づければ、並んで公園から歩き出した。*]
(307) 2014/03/31(Mon) 00時頃
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…
…
…まりまりもりもり
…
だからまりもはよせ…
かみもそめない…
…られるようになるように…る
…
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