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64 さよならのひとつまえ
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こんな、部屋だったんだ。
[開きっぱなしのドアを捻り、部屋の奥へ入る。勝手に中に入るのは悪いな、と思いつつも。 今日が最後の日だから、礼を言いたかったんだけど。]
(50) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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[カーソルを移動させ、画面下方へスクロールし他の話題を読もうとした、その時。 不意に、汗の匂いと呻く声が聞こえて、現実にずるずる引き戻されてゆく。>>44 振り返るのが怖い、と。 はっきりとはモニタに映らない俺の輪郭が震えて訴えている。 誰が後ろに居るかなんて、難しく考えなくとも解る話で。
昨晩、熟睡している保元の首筋に、こっそり鼻頭を押し付けた。 一分にも満たない接触。 理性が破壊されずに済んだのは、締坂の寝言のお陰だ。
保元が汗をかいているから、なのだろうか。 距離は――昨晩の奇行時の方がずっと近かったのに、今の方が至近しているような、]
(51) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/27(Thu) 13時頃
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違う。
[弾かれたような勢いで告げる
振り返れない。 文字の羅列とひたすら睨み合う。 消したら余計に怪しいだろうか。マウスを握る手は硬直している 滲む汗が引くまで、一体何分間が経ったのだろう
顔だけで振り向いた。 目を見開いたままの保元を見上げて]
俺は、ちがう ――…デマだから、これは、な…?
[見上げる眸は、焦点を合わせる事を微妙に避ける。 この腐れホモと罵られたらどうしようと。 締坂にも嫌われて、保元にも嫌われたらどうしようと。 ――俺が、俺の、…どうし、と。]
(52) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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[明らかな動揺を浮かべる目と、苦笑を浮かべようとして引き攣った口許。
ああ、まずい。 椅子が後ろへスライドする。床をちゃんと踏む。 見上げてた顔の高さは、逆になる 保元の肩を掴んで、漸く視線を、合わせた。]
違うんだから、――そんな顔するなよ!
[俺は怒ってるんだろうか、何に?俺の間抜けさにだ。 何故保元を怒鳴り付けているのか。 不安だから?八つ当たり? 目の前が、真っ暗になってゆく。 寝不足だ、と理解した時には
貧血を起こして崩れていた**]
(53) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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紐井屋ー、いねーと勝手にガサ入れしちゃうぜー?
[礼を言いたかったのもあるけど、今のやり切れない気持ちを聞いてもらいたくて。 彼の胸で泣いた時の感触が、なんとなく、居心地が良かったから。]
(54) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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……あれ。
[本だらけのはずの場所に出来た不自然な、空間(>>28)。]
読書タイムってやつ?じゃあ、どこに?
[ふと、頭を悩ます。]
(55) 2014/03/27(Thu) 13時頃
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シメオンは、携帯を取り出した。
2014/03/27(Thu) 13時頃
こづや
…の…は
…で…かった…れるわ…
ところで…は…むならどこで…むよ…
いや…でわり…んだけど…だけど…
シメオンは、とりあえず空きベッドに*ダーイブ*
2014/03/27(Thu) 13時半頃
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["そいつ"をはじめて認識したのは入学式の日だった。 新入生の中で一際背が高く頭抜きん出た姿が2つ。田舎の中学で似たような身長の奴らだけとのんびり過ごしてきた自分にとって、同い年にこんな育ち方(身長的な意味で)をしている奴がいるということが衝撃だった。
(うわでっか…こわ、)
これが高身長2人への第一印象だ。そしてこの第一印象を長く引き摺ることになる。でかい奴は大抵喧嘩にも強い、身体能力が違うのだ。幸いクラスも違うし話しかけることもないだろうと思った。
そいつらから視線を外して隣の女子に話しかける。兄貴は高校に入ってすぐに彼女を作り高校生活を満喫していたようだから、自分もそうするのだろうと思っていた。それが普通だと思っていた。]
(56) 2014/03/27(Thu) 16時頃
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[意図して見ていたわけではない。向こうが、勝手にこちらの視界に入ってくるのだ。人より頭一つ抜きん出た姿で食堂に入ってきたりするのだから、目立つそれを目が見つけてしまうのは仕方のないことだ。少なくとも1年目はそうだった。
(相変わらずでけーな。)
遠目からその姿を確認して、そう思うだけ。 彼女(といってもすぐに別れたが)を介して話すようになったもう1人の高身長成斗と違って、そいつへの印象は変わらないままだ。 お堅くて真面目そうで生徒会所属の優等生…苦手だと思っていたそいつへの印象が大きく変わったのは何時だ、あれは確か1年の終わりのころの出来事だ。*]
(57) 2014/03/27(Thu) 16時頃
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―自室― [目を、覚ます。あのまま少し眠ってしまっていたようだった。夜更かしのツケだ。時計を確認してから、ベッドの上で縮こまっていた体を伸ばす。どこまでが現実で、どこまでが夢なんだっけ?朝から色々ありすぎて、記憶の境が曖昧だ。]
……小鳥谷のは…、夢だよな。
[自室に届いたこちらの心まで揺さぶられるような、そんな告白。 ある筈がない、だって小鳥谷はそんなキャラじゃない、自分がそう思っているだけだけれど。 同性を好きになってしまうなんて自分のような特殊例が、そうぽんぽん周りにいる筈がない。きっとあれは、夢だったのだ。自分の願望を重ね合わせてしまっただけの。]
―――――……、
[自分に違和感を感じるようになったのは何時からだっただろう。色んな女子と付き合うところまではいっても、誰に対しても本気になれない。彼女は作れても恋人とは呼べない。気持ちが恋まで行きつかない。 「本気で好きになれない…。」 何人かの友達に、そんな愚痴を零すようになったのは――…。]
(58) 2014/03/27(Thu) 16時頃
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[メールの新着に気付いて携帯を開く。 内容を見て眉が下がった、それから、笑う。]
……淋しいんだよ、このやろー。
[もうここにはいない相手に呟きながらカコカコと返信文章を作って送信ボタンを押す。時計の表示を確認してから身を起こした。]
…目、冷やそ。
[氷求めて、向かうのは食堂へ。**]
(59) 2014/03/27(Thu) 16時頃
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ぅ、わっ?!
[突然の十文字の声>>52に、驚いて一歩退いた。 短い言葉が、胸に鋭く突き刺さる。
視線は、止まった画面に釘付けとなり、その文字を追ってゆく。
「去年の生徒会書記、ゲイらしい」 「寮の風呂で男二人にセクハラしてた」 「同室の奴の手を握ってたとかいう話も」 「公園で見かけたけど、あそこの便所発展場だったり?」
こういう掲示板があるということは知っていた。 何せここの実況スレは、中継のない野球の試合を追うのに最適だ。 各球団や選手のスレも、たまに覗く。
……が、このスレを見たのは、流石に初めてだ。 硬直したまま、思考だけが目まぐるしく流れてゆく。]
(60) 2014/03/27(Thu) 18時頃
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[十文字の言うとおり、デマなのだとしたら。 それは、決定的な失恋を意味する。 今更のこととはいえ、こんな形でとか……最悪だ。
ならばもし、真実ならば。 だとしたら自分の想いはもしかして受け止めてもらえるのだろうか。 いや、それはないだろう。 風呂場でのセクハラというのが、誰相手のものかは分からないが、手を握っていたというのはおそらく自分で、しかしあれは、十文字ではなく自分から仕掛けたもの
大体なんだ、スレッドタイトルの『魔性のゲイ』というのは。 そういえばクラスの女子が持ってきていた、ナントカ洋菓子店だかどーだかという漫画に、そんなキャラがいたような。 そうだ覚えてる、横から覗き見て、あまりの変わり身に噴き出したんだった。
いやそれはどうでもいい。]
(61) 2014/03/27(Thu) 18時半頃
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ぇ、あ……?
[>>52見上げてくる十文字と、視線が合わない。 こちらが合わせようとすれば、逸らされる。 逆に向こうの瞳がこちらを向けば、自分が逸らしてしまう。 こんなに近いのに、すれ違う。]
い、 ゃ
ちが……
[責めたいわけでも、蔑んでいるわけでもない。 ただ、真実が知りたい。
唇を開きたいのに、上手く動かない。 喉が引きつって、声が出ない。 頭がぐらぐらして、運動とは違う汗が掌や背中に滲む。 ランニングしていた時より、鼓動がずっと煩い。]
(62) 2014/03/27(Thu) 18時半頃
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[だから十文字が立ち上がり>>53、視線の高さが逆転した時、一瞬、自分が蹌踉めいたのかと思った。 肩に伸びてくる腕が、スローモーションで見えた。]
───ヒッ。
[触れられて、心臓が跳ねて、喉が変な音を立てた。
言葉が出ない、息が苦しい。 瞬目の仕方って、どうやるんだっけ。
視線が合って、怒鳴られた。 嗚呼……こんなに強く「違う」と言ってくるということは、余程、厭なんだろう。
そうだ、冷静に考えれば、当たり前のことだ。 あまりにも当たり前すぎて、悲しいのか滑稽なのかもう分からなくなって、泣き笑いの表情で、十文字を見て───]
……ぁ、れ……、すす、む……?
[また、視線の高さが入れ違う。]
(63) 2014/03/27(Thu) 18時半頃
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丞!!
[崩れ落ちる十文字の身体を支えようと、咄嗟に腕を伸ばした。]
……ッぶねー……
[頭を床にぶつけることは、何とか避けたか。 またまた別な汗が、額に滲んだ。]
おい、丞……すすむ……
[ゆっくり、自分よりも背丈のある身を、床に横たえるようおろしながら、呼びかける。 部活で、熱中症で倒れる奴は、もう何度も見てきたが、この状況で熱中症ということもないだろうから、貧血か何かだろうか。 とはいっても、顔色を見て分かるほど、そのての分野には詳しくない。
どうしようか……床にそのまま頭をおろすわけにはいかないからと、つい膝枕してしまったのだが。]
(64) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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本人に直接聞いたわけじゃないけど、 ……何となく。
[内心しまったと思う。それでも一度出した言葉は戻せない。 どうやっても。芽生えた想いを、忘れられなかったように。 振り返っても、そこに道は無い。]
『ひろの好きな相手って、同性じゃん。お前、そういうの、気にしないのか』
[知らないがゆえの問いが心を抉る。>>48 気にするさ。今だって気にしてる。 だからずっと動けなかった。]
…そりゃしかめっ面もする。俺はハニーって柄じゃない。
[無愛想で顔立ちも普通で性格も適当。 やりたいことも見えなければ、未来も見えない。 『愛しい人』だなんて、似合わないにもほどがある。]
(65) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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そうだな。普通とは言えないんだろう。 でも、俺は博のこと言えない。
―――俺の好きな奴も、男だから。
[切っ掛けはなんだったのだろう。]
(あ。言った)
[初めに抱いた感想はそれだった。 言わないって決めてたはずなのに。 それは去って行った同級生の、紡がれないはず想いを、堪えられなくなった瞬間を見たせいか。 それとも、…『卒業』だからか。
後悔していないと言えば嘘になる。 この瞬間を無かったことにできればと思う。 それでもやっぱり、出した言葉は戻せない。]
(66) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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なあ、ありす、
お前は俺のこと、気持ち悪いって思うか?
[他者に厳しいようで、本当は誰よりも自分に厳しい。 そんな真っ直ぐな人を。 せめて視線だけは逸らさないように見つめる。*]
(67) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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―― 外 → 寮 ――
[コンビニの買い物袋を下げ、寮へと帰る。 まだ早朝の肌寒い空気が残る道は、清々しいが物悲しさすらあり。 一歩一歩帰宅の途を辿る、その度にビニールが擦れる音が響く。]
……んー、あー。
[メールの着信を告げるスマートフォンを取り出し、メールは見ぬまま時間だけを確認した。 まだ昼というにはあまりにも早すぎる。 それでもどこかに寄る気にはなれず、足は真っ直ぐに屋上へと向いた。]
(68) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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―― 屋上 ――
でーれってーでででーってででー
[スラップスラップ、8小節目で一回転。 つま先で勢い良くターン、勢いを殺せずに]
あいてッ!
[扉にぶつかり、よろめき、 躍り出るように屋上の真ん中に出た上で、盛大に転ぶ。]
ってーよなんであんなとこに扉あんだよ! ばーかばーか!
[倒れたままに理不尽な文句をつけ、寝返る。 目に飛び込んでくるのは、真っ青な空。 風が吹いて目の前を過ったのは、昨夜の残りのクラッカーの名残。
手を伸ばしても。飛ばされて行ったそれには届かなかった。]
(69) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[───同性愛には嫌悪があった。
というのも、小学生時代、姓を散々からかわれたせいだ。 保元……やすもと。 けれど小学生に「保」を「やす」と読ませるのは、少々難易度が高かった。 結果、本気なのかふざけてか「ほもと」と呼んでくる奴が結構いた。 「ホモとライジ」などと、からかわれた。 だからホモは、同性愛は嫌いだった。]
(じゃぁ……今の俺はどうなんだよ………)
[膝の上に乗せた十文字の頭の、黒くまっすぐな髪を、指で触れる。
今の自分は、どうなんだ。 嫌悪するどころか……される側、なのではないのか。]
(70) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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― 朝 ―
[約束通り、早起きして見送りに向かう。 夜にまた内職をしていた同室者も一応起こしてやろうと、寝ているベッドを叩いて先に出てきたが果たして見送りに間に合うかどうか。 途中放送で聞いた寮母の声。>>1 やはり、なんとも言えない感情が渦巻いてくる。ただ昨日より少し凪いで感じるそれに。ああ、こうしてゆっくりと馴染んで行くんだなとか他人事のように考える。
ずっと、見送られてばかりだったから。 見送る側に、きっと慣れていないだけなのだ。
目深にフードを被り、バスに乗り込む宗介。ちらりと見えた泣き腫らした目には触れずに、微笑んで手を振り。 最後にバスに乗り込む博が勢いよく振り返った。>>+4]
(71) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[視界に映る表情は、談話室で見た時の彼とどこか似ていて。 叫びたくなるような苦しさ。軋むような痛み。
ここに、棄てていくのだろうか。 棄てていけたのだろうか。
――――彼の、三年間の想いは。]
(72) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[下の名前で呼ばれる。 驚くほど大きな声に、何だよ、と笑い返そうとして。
できなかった。
これまで聞いたことのないような、博の声。 いつになく強い彼の眼差しと目が合った瞬間。 どくん、と心臓が跳ねた。
凪いでいた気持ちが。殻をかぶせ塞いだままの想いが、揺さぶられる。]
――――……、 ……っ、
(73) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[ただ目を見開いたまま、何も言えずに。 三年間の想いに立ち竦む目の前で、バスの扉が閉まる。
そうして、とおく。
とおく。
とおく。
見えなくなった。]
(74) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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んッ……――
[飛ばされる。 飛んでいく。 楽しかった思い出が。]
……おめーもそうやって、行っちまうのか。
[飛んで行く一枚の紙吹雪。 まるでそれは、寮を巣立って行った皆のように、あっけなく。]
(75) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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あーーあ! 腹減った〜
[切り替えるように大きく声を出すと、寝そべったままビニール袋から取り出したのは、焼きそばパン。 豪快に袋を破り、かぶりつく。
いつもは食堂のそれを頼む。外で買った焼きそばパンは、初めてかも知れない。 しかし]
……あんまうまくねーの。
[美味しいと感じないのは、きっと――**]
(76) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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[――――丞が手を叩いた音で、我に返った。>>6
かぁ、と全身が熱くなる。 遅れて顔が真っ赤に染まり。周囲のざわめきなんて耳に入らずに。咄嗟に口を手で塞ぎ、踵を返してその場から逃げだすように走り出した。
重みに殻が、軋む。 軋む。 軋む。
声を上げて、叫びたい。 喚きたい。 伝えたい。
くちに出来ない苦しさに、詰まる息。
言葉にできず溢れた何かに、じわりと視界が歪んだ。*]
(77) 2014/03/27(Thu) 19時半頃
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