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28 わかば荘の奇々怪々な非日常
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[やっとのことで返した言葉。けれど立花の首が傾ぐ。 些細な躊躇いにすら気付いてしまう。それはおそらく立花の、目の前にあるものをありのままに受け止める素直さ故か]
……っ、
[もう一回、の声に、息を呑む。 本質を見透かされたようで、手袋に包まれた手を緩く握る]
ぁ……、
[口から出かけた言葉は、喉奥に詰まってしまう。 言えてしまえば、どんなにか。そう思ってから、自分の考えたことに目を見張る。 配られた珈琲の水面に目を落とせば、知らず、2人して同じ仕草。聞こえた声に、視線を上げて]
……はい。 気に入りの茶葉が部屋にありますので、後ほど。
[答えてから、気付く。自分はあの部屋に、彼女を入れるつもりなのだろうか。 ……けれど、それもいい気がした。この喉のつかえを、それで取ることができるなら]
(46) heinrich 2013/09/08(Sun) 02時半頃
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[少し遅れて、植頭と越智が談話室へと現れる。 越智は黒髪も露わに、また服装も少年らしいものへと変えられていた。
物問いたげな宝生の視線に頷いて、口を開きかけた時、立花の声が響いた。 どうやら、説明の必要はないらしい。他の住人たちも、反応はそれぞれだが、越智の姿をあるがまま受け入れ始めた。 もちろんそれは宝生も同じで]
もうこれで、憑かれることもないでしょうね。
[隙間の空いていた、越智裕の心の積木。 今は周囲から柔らかく支えられ、己の足で立ち、風の吹き込む隙間もやがて塞がれていくだろう]
(47) heinrich 2013/09/08(Sun) 03時頃
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……嫌いじゃない、けど、 反応に困り、ます。
[キザな言葉が嫌いな訳ではない。
どの言葉も、物語の中のような言葉で、 自分に向いているという実感が薄い……といったところだろう。
このような言葉を向けられるのも初めてであるから、尚更。
ストレートな言葉は、文字も声でも変わらずで、 けれど今は、声音や表情からも得られるものがあって。
笑みを浮かべるのをじぃと見て>>@3、素直に白状した。]
(48) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 03時頃
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あたしは、国谷さんといた間ずっと、 ……今だって、ドキドキしてます。
[張り合うようにそう言ってから、 自分の紡いだ言葉に自爆して、翠を伏せて俯いた。
視覚と触覚とが揃ってしまえば、 その重なる手>>@3はそこにあるような錯覚を産んで。
彼の肉体は、今ここには存在しないというのに。 温かな風のせいで、体温まで感じ取れるような気さえしてくる。]
なにも、ない……ですか。
[少し寂しそうな表情になってしまった。]
(49) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 03時半頃
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[傍にいるだけで、 この翠を向けるだけで本当に良いのだろうか。]
ずっと、永遠に――?
[先を促すように繰り返して、 彼の望み通り翠は国谷だけを映す。
触れようと伸びてくる手を、拒みはしない。
甘い物語に浸かってしまいたい。 本当に永遠に、このままでいられるのなら。
物語の中のお姫様みたいに、王子様と末永く――。]
(50) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 03時半頃
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[けれど、国谷が霊体で彷徨っているのには 理由があるのだろう。
解決しなければ、今の国谷があの声の女のように 歪んでしまうかもしれない、という懸念が拭えずにいた。
初見が言っていた。 あの声も、国谷も元は同じだと。]
国谷さん、……いつからここにいるのか、
あたしまだ、応えてもらってない、……です。
(51) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 03時半頃
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俺は戸惑っている君を見るのも、好きだよ
[>>48 浮かべた笑みは悪戯気の強いものだった]
君が俺のために考えてくれている 俺のためにドキドキしてくれるのが嬉しいんだ
だから――
[触れた頬を指先で優しく撫で、小さく笑みを浮かべた]
そんな悲しそうな顔をしないでくれ
(@4) rusyi 2013/09/08(Sun) 04時頃
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俺はずっと、君の傍にいるから
["この足があれば"白栖を護ることができるだろう ずっと傍に居られることだろう
それが国谷の望み]
――ッ
[>>51 思い出してはいた。 でも、それは覚えておきたくないことでそれでも伝えなくてはならないことで]
……俺は2年前、事故に遭って、それから、ずっとここに……居るよ
[国谷にとってはわかば荘こそが未練の地だった]
今の身体が生身ではないって、知ってる
[ぞくりと、背筋を走る寒気に白栖に触れる手指が微かに震えた]
(@5) rusyi 2013/09/08(Sun) 04時頃
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―――ミニキッチンに向かう前の話―――
[小さく、小さく、小さく やり直しを求めたことばに、二度目の返事はない。
何故かとても躊躇うような間を与えられて、ぐるぐると、心中を表すような珈琲の渦を眺めていました。珈琲の水面を眺めるジャニス>>46と同じ仕種。少し、不思議な光景。 小骨がまだ、咽喉の奥に詰まってる。]
………
[お茶の葉の返事はありました。 渦を眺める目、を持ち上げて、唇がむずむず波打って。問えない。]
は、はい。 では後ほど、お借りに、ち、違いました、分けて頂きに!
[使った茶葉を返すわけではないのだ。ことばのあやではあるものの、文学の先生も此処には居るのですから、慌てて首を振るのです。]
(52) mo_om 2013/09/08(Sun) 07時半頃
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―――そして:ミニキッチン―――
[七人分の、七個のティラミスの、真ん中に刃を下ろす。 ポケットの中を叩いたわけではないけれど 七個のティラミスは、十四個に。
少し小さくなってしまったけれど、足りないよりも、余る方が素敵。 良いアイデアだって、植頭>>32も言ってくれたから。 今、談話室に居る人数分ではなくて 談話室に来ていない白栖と、声の聞こえない国谷、 それからいつもミイちゃんを見に来る子の分も念の為、お皿の数に加えて。]
う、植頭さんからの、ティラミスです。 あの、その、此処に、置いておきます、ので。
[七人分のクッキーは割らずに、それぞれをテーブルに並べた。 他にも、駄菓子も、新居のクッキー缶も、福原のチョコレートも、あれば。お茶請けは充分過ぎるくらい。]
(53) mo_om 2013/09/08(Sun) 07時半頃
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―庭―
[三毛猫は大人しかった。 無愛想な目を少し細めて撫でる手に甘えて、 すっかりただの丸い野良猫に戻っている。
小学生の頃。 同級生がそろって遊びに駆け出す放課後、 ひとり忙しなく「先生」の家へ向かう途中にも こうして野良猫と遊んだ記憶がある。
一度だけ、引っかかれて。 傷ついた右手を見て「先生」が怒ったから それ以来、猫に触れたりはしなかったけど。]
(54) onecat69 2013/09/08(Sun) 12時半頃
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―三毛猫と私―
……本当は、ピアノなんてね。 大嫌いだったんだよ。
眠くなっちゃうし。
[そっと三毛猫に打ち明ける。
今は弾いていない。 瑠美の世界に響く音楽はもうない。 はじめから無かったのかもしれない。
猫は、黙って空を見上げる。緑の隙間の空を。]
返事くらいしなさいよ。
[馬鹿、と三毛猫の頭を少し乱暴に撫でた。]
(55) onecat69 2013/09/08(Sun) 12時半頃
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──少し後──
[暖かな談話室を、男は一人先に出た。 猫のきもちがわかる本はおいてきたし、仔猫もそこに残してある。 自分が居ないことで、仔猫が喚くこともないだろう。
部屋へ戻ろうと扉へ手をかけ、]
…… あ?
[ひらり、とおちる>>1:260紙片があった。 急いで手に取り、まじまじと見つめる。]
…………
[涼やかな金魚の絵柄と、書かれた内容。 署名を見て納得した。 こんなことをするのは、あの人くらいだろう。]
(56) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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[返事の手紙のようなものを書くべきか。 室内にそれらしいものを探しても、一筆箋どころか便箋も見つからず、あってもチラシの裏。 さすがにそれはない。 ノートをちぎるのもまた、もらったものに不釣り合いすぎて悩ましい。 直接口で返事すればいいのだと気付くまで、少しかかった。
いつの間にか積み上がった新聞を処理しないとと心に留めつつ、室内の片付けを始めた。 これから、もう一人を迎えるために。
もう一匹なんて絶対に呼ばないつもりの彼の、「捨て猫」になる前を想像して渋面になった。]
(57) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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[いろいろと物入りになるだろう。 そういえば尻ポケットに入れっぱなしの財布がある。 出かけるならついでに卵を買ってこようと、談話室を覗きかけて]
………… ……
[ふと。手が止まった。
その場所が談話室でなかった頃が、視界にぼんやりと浮かぶ気がした。
墓地側の壁へ背を預け、扉の向こうの世界をぼうっとした顔で見つめている。]
(58) kokoara 2013/09/08(Sun) 16時半頃
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――談話室――
食べるけど。 もういいわよ、言い直すまでしなくたって。
でも、アナタにちゃん付けされるのも悪くないわね。
[普段の龍之介、改め龍ちゃん>>2:339。 洗い物をしながら受けた提案は、好きにすればいいと思っていたが、こうしてわざわざ言い直す姿はなかなかに面白い。]
で、何。 アナタにも春が来てるってわけ? どうしたのあのイケメン。 ちょっと幼い感じもするけど。 あーやだ。やんなっちゃう。アタシ一人が風潮から取り残されてくんだから。
[指したのは、宝生の側につく猫のこと。]
(59) mmsk 2013/09/08(Sun) 19時半頃
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―庭へ出る前・談話室―
……慣れる。 龍ちゃん。呼びやすいし。犬みたいで。
[チョコレートを渡しながら。 口の中で何度か繰り返し「龍ちゃん」と呼んだ。 舌に馴染みの良い響きではある。 きっとすぐに慣れてしまうだろう。]
春? 来ないわよ。これから始まるのは秋と冬。
………ああいうの、好みなの?
[取り残されたくないのなら、 新居も春が欲しいのだろうかと。 絵流を視線で示して。訊ねてみる。]
(60) onecat69 2013/09/08(Sun) 20時頃
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アナタネーミングセンス貧困ね。 あんまりそんな呼び名の犬は見たことないわ。
というかね、誰が犬よ、誰が。
[ため息混じりにそういいながらも、拒否はしない。]
好みって。男の子じゃない。 アタシはね、これでもきちんと女の子が好きなんだから、アナタの好みかって聞いてるの。
でも、春が来ないって辺りからして違いそうね。 レイトくんとも違うタイプだし。 もっと、王子様的イケメンのが好みでしょう?
[視線で示された先、何を冗談とばかり笑う。]
(61) mmsk 2013/09/08(Sun) 20時頃
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え …… ? [ネーミングセンスどうこうに反応するより、 新居の性的対象についてに、絶句。
女の言葉を使う男はすべて同性愛者で、 もちろん男性が好きなのだろうという。 無知ゆえの思い込みを裏切られた。]
……そう。そうなの。 別に、好みじゃないわよ。レイトくんも。 絵流も。可愛げはあるけど。
好み……、
[少し考えこんでみるけれど。 頭の中に浮かんだものは言葉にはせず。]
(62) onecat69 2013/09/08(Sun) 20時半頃
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[珈琲の水面から顔を上げれば、なんとも言えぬ立花の表情。 むずむずと動く唇の裏には、どんな言葉が堰き止められているのだろう。察してもらうことを期待しての表情ではなく、ただ必死に堪えている]
貸した葉が飲み物になって返ってくるのですから、間違いではないと思いますが。 そうですね、せっかくですからお礼代わりにお分けしましょう。
[慌てて首を振る立花に、そんな些か意地悪な言葉は、何か残していきたい思いの狭間。 ミニキッチンへと向かう背を見送り、優しい人たちの中で細々とまめに立ち働く姿を眺める。 珈琲をひとくち含んで、ゆっくりと胃の中に降ろした]
(63) heinrich 2013/09/08(Sun) 20時半頃
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ジャニスは、わかば荘の風紀の乱れ、把握
heinrich 2013/09/08(Sun) 20時半頃
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― 204号室 ―
……っ、 意地悪、です……。
[反応を愉しんでいる様子の国谷>>@4に負けて、 むぅと不服そうに。
「好き」という言葉をこのようにさらりと言ってしまう人は、 どういう環境で育ったのか。
霊体の彼しか知らないから、
ここに来る以前には何をしていたのか…… どのような毎日を送っていたのか、何を好むのか、 どんどん知りたくなってしまう。]
ずっと、傍に……
(64) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 20時半頃
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[頬を撫でる指>>@4も、 笑みを浮かべる顔も生身のものではなくて。]
あたしだけおばあちゃんになっても、 ……本当に傍にいてくれますか?
急にいなくなったりしないって、約束できますか?
[魅惑的な国谷の言葉に、頷きそうになる。]
(65) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 21時頃
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[けれど、国谷の口から質問の応えをもらうと>>@5 すっと眉間に皺を寄せた。
突然の事故では、きっと自分の身に何が起こったかわからないまま……
そこまで考えて、はたと瞬く。
自身の置かれた状況を知りながら、 まだそれを自覚して浅いのだろうか。
質問の答えを口にした後、頬に触れる手が震えるのを感じて、 先程まで余裕の笑みを浮かべていた国谷とは違って、動揺が見えた。]
事故の後、ずっと……。 それじゃあ、国谷さんはその………、亡くなってしまって、ここに?
[確認した訳ではないなら、或いは……、と。 二年という年月はとても長いものだけれど。]
(66) ぶんちゃん 2013/09/08(Sun) 21時頃
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何その、え、っていうの。
まあ、女の子が好き、っていうのと、今すぐ女の子とどうこうなりたい、ってのとはちょっと違うんだけどね。 アタシみたいなのに積極的にすきーって言ってくるような子もいないしさ?
あ、ティラミス食べたい。
[14切れに分かれて持ってこられたティラミスに目をつけて、ひとつ予約。]
ま、いいんだけどさ? アナタ綺麗なんだし、もっといい恋するべきじゃないの?
って、アタシが言っても説得力ないけどさ。
[好みについて考えるのには興味深げな視線向けつつ、珈琲に舌鼓。]
(67) mmsk 2013/09/08(Sun) 21時頃
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王子様も、偶には意地悪なところもあるものだよ
[>>64 頬を膨らせる姿に、くすりと笑みを浮かべ髪を優しく撫でていく]
お姫様が望むなら、ね――
[浮かべる笑みはよくよく見れば弱いものに見えただろう。 急に消えることもない……"生霊から本当に幽霊になって"もずっと傍に在り続ける]
(@6) rusyi 2013/09/08(Sun) 21時半頃
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……ッ、俺は、まだ……生きているよ
[頭を撫でる手を離し、自身の身体をペタリペタリと触っていく]
感触があるんだ……俺はずっと眠っている ずっと眠り続けて、管で栄養を与えられて生きている……
[それは果たして生きていると言えるのだろうか。 感触は伝えてくる。 筋肉は衰え、見た目とは違い肌の張りは無く、色も白くなっている。
そして――]
(@7) rusyi 2013/09/08(Sun) 21時半頃
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ここから、先の感覚がない……んだ
[左足、膝から先の感覚が――なかった]
俺は起きたくないと思ってしまっている
起きて確かめるのが怖いんだ
起きて、走れなくなっていたら……
[生き甲斐が、失われてしまっているのだとしたら――ずっと夢の中に居たいと願うのは当然のこと]
(@8) rusyi 2013/09/08(Sun) 21時半頃
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