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64 さよならのひとつまえ
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―― 4-O ――
[ベッドの上で、座禅を組む。 目は閉じず、半眼にして視線を落とし。 息は深く長く。
座禅を組むことは、慣れていた。 最近は離れてはいたが、祖父が住職ということもあり、幼い頃は真似をして遊んだものだ。 禅宗ではなかったけれど、祖父もよく行っていたことを思い出す。 足を組み真っ直ぐに伸びた背は、格好がよかった。
環という名をつけたのは、その住職である祖父だった。 以前、その由来を彼は教えてくれた。 皆の環を繋ぐことができるように。 環の中にいることができるように、と。そんな願いがあるという。
だからこそ、いつか宗介に語った>>1:193、Oの部屋にも縁を感じた。 ここでこうして過ごすことも、別れることも、全ては円環の中にある。縁という名で紡がれる。]
(389) 2014/03/28(Fri) 19時半頃
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[父は、祖父の寺を継がなかった。 祖父も諦めて、自らの代で終わりでいいと、笑って話していたことを覚えている。 ベースを始めて、寺に遊びに行く機会の減った孫もきっと、継いではくれないと予感したのだろう。
それでいいのか。今より押さなかった男は自らに問うた。 環を繋ぐように、祈りを込められた名であるのに、祖父は自ら環を外そうとしている。 何より、祖父の真っ直ぐに伸びていた背が縮まり、寂しく見えた。
だから――]
『俺、高校出たら勉強するよ。 じいちゃんの寺、俺が継ぎてーもん』
[高校に合格し、寮へと移る前日に、家族皆に告げた。 新たに環を紡ぎだし、守っていきたいと。 故に3年間のモラトリアムの間に、自らの円環からベースを外す、そう決意して。]
(390) 2014/03/28(Fri) 19時半頃
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[半眼の目を、強く瞑る。 無になりたくとも、許してくれない。 様々な思いが浮き上がっては自らを揺らす。]
……これで、よかった。 よかったんだよ。
[モラトリアムの間に知った恋というそれも、環の中から外した。 それだけのことだ。 本当に、それだけのこと。]
(391) 2014/03/28(Fri) 19時半頃
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[ふと、ポケットの中のスマートフォンが震えた。 集中力は途切れ、組んでいた足を投げ出しながらそれを取り出す。 見てみれば寝ぼけてセットミスをしたアラームが鳴っているだけだったのだが、新たに受信していたメールもあり、返信のためにそれを開いた。]
……んー、
[明日の朝に寮を発つ者以外に送られたそれは、楽しそうなアイデアだ。 行く!と反射的にメールをしようとして、]
んー、あーあー
[あの太陽のような赤髪を前に、きちんと笑えるだろうか。 優しい彼のこと、自らが参加することによって傷つけてしまわないか。 振られたのだから割り切ればいい、そう思っても、そうもいかないのが苦しいところ。
それでも、別れいく二人に何もしないというのはもっと嫌だった。 一つ決意の後、メールを作成する。]
(394) 2014/03/28(Fri) 19時半頃
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…
…の…
…いく
いつもさんきゅ…さくたろ…いけめん
…
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[そしてもう一つ、別のメールアドレスを呼び出した。 普段あまりメールする機会のなかった彼。 しかし、昨日言いそびれた言葉をどうしても伝えておきたかった。]
(395) 2014/03/28(Fri) 20時頃
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…
…みおくり
…いけなくて…ごめんな
きのうのばんど…たのしかった
とらいあんぐる…てんさいてきだったぜ
…
くらいの…
…
…
…つかれたよ
…かけただけで…れるなよ…
…か…そんな…で…してるって…いよな…
…らと…しか…わんないのに
いやいや…きたら…るかと…ったぞ
…は…だ…で…れたけど
お…の…に…を…う…にお…の…くのか
あ…でも…と…った…くん…かった…は…べたいかも
…のうちだけかも…れないからちゃんと…がっとけ
なんで…しないんだよ…じゃないから…しろ
いや…じゃなくてなんだろう…っていうか…でそう…んでたから
ん…ちゃんと…にしとけよ
…
…
…
…おれのしろ
…
お…れ…もう…いたんだな
…のところ…いから…そうそう…けないと…うけど…とか…いとかは…す
…の…も…いたら…る
…
…
…
…おれのしろ
…
お…いんだな…んとこ…だぞ
…なら…ける…だと…う…
こっちは…からある…だし…いいな
…で…してみたけど…
…で…ってとこかな…
…ち…いたら…くかもしれない
…ぶれまくってるぞ
でも…そうで…した…めておめでとう…
…
…
…
…うん…
…
…ちゃんの…むって…てっただろ…
つかそうだ…る…
ひもちんがよければ…に…るべか…
…
…よくあるかい…へ…
…
…あ…げると…すか…
…かなゆたんが…なくなったら…ぐに…ってやれなくなんだぞ…
…げるなら…もって…いかけ…すね…
…
…あ…がありすちゃんの…すんの…
…してこいよ…
…はいいよ…ぇ…にしな…
…
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―― 夕方・校庭 ――
んー、どうすっかなー。
[重い足を運んでやっと校庭まで出られたのは、陽が傾いてからだった。隅のほうでラインカーの持ち手に顎を乗せ、思案する。
――丞。アイツはエスパーだ。 ――怜二。アイツは眼鏡の癖に眼鏡じゃねぇ。
我ながら妙な印象を持ちつつ、二人に対して残すメッセージというのはなかなかに難しい。 それならば、ここは一目で自らのエールとわかるように。]
きーめたッ
[端のほうから、まずはかくかくと折れ曲がりつつ。 そして途中から一気にラインカーを押して走る。 先に書いてあった文字の隙間を縫って、走る奔る趨る。 走ること13メートルほど、白い長いラインの後に、またかくかくと。]
(430) 2014/03/28(Fri) 22時頃
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…
…すっげ…
…
…すっげぇ…
…も…のあるじになりてえ…
…れよ…
…
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ぐへっごっほ……っふあ、つかれた、 っしゃー。ふ、これで、いいだろ。
[たった13メートルのダッシュでも上がる息に情けないと重いつつ、やりきったと笑みが浮かぶ。 白線が描いたのは、]
『 ロックンローーーーーーーーーーーーール! 』
[しんみりしたのは似合わない。 馬鹿なやつだと笑ってくれればそれでいい。 精一杯の、応援のカタチ。]
(431) 2014/03/28(Fri) 22時頃
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…
…でいい
…
…あったらそのま
ま…みそうでやばい
…
…
かつおくらいならお
ごれる…いつでも…
いよ…きたね…
けど…
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よー朔太郎。 ナイスな提案さんきゅなー!
[ラインカーを立てて置き、校庭に訪れた朔太郎>>432に片手を挙げる。]
マジロックだろ? まーな、俺と朔太郎くらいになんねーと ロックは語れねーけどよー
[けけけ、と声に出して、叫んだ彼へ笑みを向けた。 大丈夫だ、普通に、笑えている。]
そろそろ呼ぶけ?
[時間的にはそろそろだろうかと、スマートフォンで確認しながら問うて]
(439) 2014/03/28(Fri) 22時頃
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…
…
ちょっと…て…とかまじで…い…
…に…ぜ…むな…
じゃあ…に…よければでいいから…
…くなったら…ちゃんと…ってくれ…
…
…
…か
…
…か
…で…たしてる
…なったらそっち…く
…
フィリップは、ジャニスの文字はどれかなと眺めている
2014/03/28(Fri) 22時頃
…
…いな…
…
うらやまし…いいとこ…つけたんじゃん…
もしそっち…って…ったら…びに…かせてもらう…
フィリップは、ライジのメッセージらしい何かの絵がよくわからない
2014/03/28(Fri) 22時半頃
フィリップは、ススムはエスパーだから透視しているかもしれないと震える。
2014/03/28(Fri) 22時半頃
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でんでっで、でーんででーんっつっつ、でー
[姿の見えた那由多>>446にも、大きく手を振って挨拶しつつ。 ロックと言ってもらえた>>449ので、調子に乗って校庭外周をエア・ベースで練り歩いている。
その途中、校庭の真ん中に太陽を見つけた>>450けれど、眩しくて見られなかった。 ――否、夕陽が目に沁みただけだ。]
(465) 2014/03/28(Fri) 22時半頃
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…
…さくぱ…
…
…の…さくぱんまんの…が…したんだぜ…
あの…らしい…
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