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64 さよならのひとつまえ
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[>>182小さい影。春の陽射しのもと手を振る姿は遠く、それでもそれが朔太郎だと分かるから。中庭から屋上まで届いたイケメンボイスは、更に距離があってもここまで>>181微かに残響が届く。 トンボの柄を肩に寄せて、空いた手を大きく掲げて、振る]
てめぇ見てたんなら手伝えや幹事!!!!!!
[悪態は吐いただけで届けようという心算はない。 なんか文句を言ってるっぽい、という雰囲気が伝われば十分だ。 見上げながら、ふと思う。 そういえば朔太郎はいつも自分の視界にいないな、と。 名前を呼ばれるのはいつも背後からで、視界の外から自分を見ていることが多い、と、そこまで気付いて]
(186) 2014/03/30(Sun) 04時頃
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…
…の…
おぬし…
またよからぬものに…をかけるつもりか…
…これから…を…れて…かけるゆえ
…に…に…うように…るでござる
…
…
…も…じゃ…
…
…とか…もっと…んねえよ…
やり…しは…りだぜ…
…は…ままにやっておる…
そうそう…は…となゆたんがご…です…
…な…なにその…り…
なら…むのも…すんべ…
…
…
…すまないやらかした
…
…かった…っておく
…かれてるだけかもしんけど…
…もお…とならばれてもい…か…つてる
…
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[朔太郎から利政のことが好きか、と訊かれたときのことが蘇る。 >>2:102自分のことをよく見ていたんだな、気にかけてくれていたんだな、と少し嬉しく感じたときの────]
──────……
[自分は鈍いかもしれない。いや違う、自分がマイノリティーに属する人間だから、些細なことで周りも同じだと誤解しないようにどこかで感受性を鈍らせていた部分もある。 博の告白。那由多のカミングアウト。校庭のラブレター。 自分だけではない、周囲にもその可能性がある、そんなことさえ抜け落ちていたから。唐突に思い当る。視線の先、>>190自分の声が届いたのか、振っていた手を引っ込めて耳を覆う仕草。 それに怒っているように地団太を踏むジェスチャーをしながら。呟く]
(191) 2014/03/30(Sun) 04時半頃
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…
…ちゃ…ん…
…
なんだなんだ…
…と…にいちゃったりしちゃってるの…
…んだぜぇ…さんよお…
お…は…たちのもんだぜ…
…あの…でお…しみください…
でもそっち…でかまんべよ…
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…………おまえ、さ
俺でも気付いてなかった視線の先に気付いたの何でよ? 俺の視界にはいないくせに、俺をよく見てるの何でよ? 俺を気にかけて、俺に気付いて、俺を褒めるの何でよ?
[柄でもないと突っ撥ねてなお、くり返される綺麗という言葉。 それを>>3:380「お前どんだけ俺の顔好きだよ」とか軽く考えていたけれど。そうじゃない。顔や髪が好きなだけで、これだけ俺に気付くとか、ないだろ。なあ、朔太郎]
────……お前、俺のこと好きなのか、朔太郎
[視線を向ける遠く貯水槽の上。呟きは彼のもとまで届かない**]
(192) 2014/03/30(Sun) 04時半頃
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…
…
…
ごごごごめんんんんん…やっぱ…に…った…
あいつらだってちょっとふざけが…ぎただけかもしれんし…
お…からも…るべよ…
…の…み…じゃなければ
…の…にいる…
…
…だがしかし
…
その…たちの…に…い…げつけられそうな…です…
…は…が…ない…
…の…になんかそんなのがあったべよ…
…とか…やだ…しに…っちゃうぞ…
…
…
…ってたらしい
…
ちょくせつ…してはないけど
…てに…けすって…し
…せ…きであの…かいたの…だって…ってるし
…から…めるつもりはないけど
お…となら…なっても…わないか…ったて…か
たぶん…お…のことで…つけない
やじの…つや…つや…つくらい…えられないようじゃ
やってけね…よ
…
…
…れ…めが…
…
ちみ…いのになぁ…
…は…の…
ちなみにやつら…になる…
…んどくと…にこと…らねえぞ…
まあ…うの…ずかしいかもだけどな…
…ふぁいと…
…
…おはえすぱ
…さっきろうかからおくった…めっせ…
…
…なんでおれも…
…
…けに…ってもらったからい…
…りから…げてたけど…げんの…れたから…き…うことにした…
あの…に…てくれてありがとう…にも…しく…
おれは…れないけど…さっちゃんが…って…たらいいなと…に…ってる…
…むっちゃん…
…
ねこ…とか…いや…でもいいけど…はないんですか…
…
…だってえ…
…
やだよ…あのこ…いなくお…ちゃん…してくるぜ…
…さを…しての…してくんだからな…
うるせえい…げ…とりやがってえ…
…やべ…えねぇ…
よくそんなで…かったな…
…にゅうが…ごくり…
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[>>194遠い視線の先の朔太郎が電話を示し、手を合わせ。そうして>>196貯水槽の上から降りたのか姿が見えなくなった。まだ屋上にいるのだろうか。角度的にここからは見えない。
トンボを片手に、スマートフォンへと視線を落とす。 画面は朔太郎からの断髪式案内メールが表示されている。
成斗への花はどうしようか。 彼の趣味を自分は知っているが、本人は隠しているし、あからさまに可愛らしい花束やアレンジメントはNGだろう。この時期ならフリージアを中心に黄色で纏めるか。花言葉も成斗に似合っているし。ガーベラのオレンジとカスミソウで束ねよう。
ありふれた餞(はなむけ)。 未来への期待や希望の願いが篭められるそれ。
那由多への花はアレンジか鉢植えにしよう。彼もそれなりに花言葉に触れているだろうから、決して気取られない花を選んで渡そう。 春らしく、チューリップのアレンジメントとか。色は赤。 苦笑が零れた。それ花言葉やばいだろ。 いや、ピンクのガーベラやスプレーカーネーションといっしょに纏めれば、ただの春らしいアレンジだ。気取られまい]
(211) 2014/03/30(Sun) 12時頃
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…
…すんなよ…
…
もう…くらいたってるべ…
つまり…そんだけ…びてるべ…
たのしみに…おまちしてます
そかそか…
…なこっちゃねえんだろうけど…
…も…い…えねえけどさ…
…れ…
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あー、那由多いなくなったら、そうだ 花壇のチューリップ、俺が枯らしちまう未来が見えんな……
[覗いたとき咲いていたのは白と黄色だった。 世話をする那由多を反映したのか、なぜよりにもよってその色なのか。
──────失恋した、と言っていたな。
昨日の朝を思い返す。そして昨日の夜>>167を思い返す。 昨日だけじゃなくて、過ごした三年間を思い返す。無愛想で、淡々としていて、あまり熱することもなく。なのに時折その瞳に滲む、花に向けた熱意や微笑み>>165。 個人的にはヤマザクラが似合うと思うけれど、贈れるような代物じゃないし。何よりその花は自分が那由多に、ではなく、那由多から自分に、という願いであるから。
──────花言葉は「あなたにほほえむ」。
笑顔が見たい。 恋を諦めているくせに。棄てると決めているくせに。そう覚悟しているはずなのに。心臓が巧く痛みを消してくれないから、その指がタオル越しに触れるから、まだ躊躇っている。 見上げた視線の先、屋上に小さな影>>212。目を凝らす。頼児だろうか]
(213) 2014/03/30(Sun) 12時半頃
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[向こうが気付いたかどうか分からない。一度、トンボを大きく振って。 そうして断髪式で渡す花を買うために校庭を後にする。 買ったらその写メを添付して、宗介に返信しよう。昨日の網戸越しの夕焼けのお返しに。
自分がひとに見せたいと思うのは、いつも、花だ*]
(215) 2014/03/30(Sun) 12時半頃
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…
…えて
…
…ついたけどす
ぐに…つかんね…
…どの…
…
…
…
…
…
してる
…まくりな…な…が…っている…
…しかも…に…いぶん…の…より…きいかもしれない…
…
…あ…
…
…のやつに…つ
けられたかもしんな
いのか…
でもも…ちょい…す
…
…つからなかったら
…
…うから…そん…は
どれ…うか…に…
んでくれね…んで…
ていれも…えて…
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