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91 とある生徒会長の憂鬱2
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[余談ではあるが。 ミームこと三村龍一郎は、オスカーとは小学校以来の友達である。 当時、彼は男の娘ではなく、男の子だった。 生まれ持った身体能力を活かし、運動は得意中の得意、怪力を駆使して掃除の時間に率先して机を運んだり、教師に教材を運ばされている女子の荷物を持ってあげるなど、フェミニストな一面もあった。 その為、中学に上がる頃から女子に告白されるようになり、その内の何人かとお付き合いを始めた。 彼の人生は順風満帆であると、恐らく誰もが疑っていなかっただろう。 しかしそれこそが、彼の転機となった]
(122) 2014/09/25(Thu) 22時頃
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[お付き合いをした彼女たちは、みな、口を揃えてこう言った。 「やっぱり自分より可愛い彼氏とは付き合えない」――と。 そこで引き止める事が出来れば、あるいは違っていたのだろう。 彼女たちは「キミの方が可愛いよ」と言って欲しかったのだろうか、今となっては知るすべもない。 だが彼は――自分の心に、審美眼に、嘘をつく事は出来なかった。
そして男の子は、男の娘になった。 ミーム、高校1年生の春の事である]
(123) 2014/09/25(Thu) 22時頃
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[しかし、男の娘ではあっても、男を捨てた訳ではなかった。 むしろ高校に入って、毎日の撥素振り、大太鼓の持ち運びで筋力は増してすら居る。 ゆえに。 渾身を込めたこの一叩き>>119は――造作もなく机をバラバラに破壊せしめる威力を放っていた。 同時に、グラウンド方面からこの机を普段使っている者の悲鳴が聞こえたような気がしたが、戦いの最中においては瑣末な出来事であろう]
やァーーーーーーッ!!
[飛び散った机の破片、そして盾を破壊し自由になった両手の目にも留まらぬマレット捌きにより、天井より飛来するハンマー>>110の振り子を打ち落とさんとす――!]
(130) 2014/09/25(Thu) 22時頃
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ミームは、打ち落としたハンマーの数5
2014/09/25(Thu) 22時頃
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[壊れる前の机で一つ。 机の破片で一つ。 マレットで破片を突いてまた一つ。 右手で一つ。 左手で一つ。
クロスした両手で更に――そう動かしたと同時に、彼の防衛は失敗に終わる。 死角より向かい来るハンマーが見事、後頭部を直撃したのだ。 それによりバランスを崩し、防ごうとしたハンマーに更に一撃。 そして止めの一撃を身に受けて、可憐な少女の如きその体躯は宙を舞い、さながらスローモーションのようにゆっくりと廊下へと投げ出され、蝶は地に堕ちた]
(134) 2014/09/25(Thu) 22時半頃
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いないわよ…の…まであっさり…り…けたくらいだもの…
…の…では…から…くん…を…あら…
…
…か…た…の…さんかも…
あ…
とりあえず…そ…なのは
…が…で…めしてっから
…その…に…ってくれ…だりぃ…ど…ぞ…
…
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[ミームこと三村龍一郎。 彼は見た目とは裏腹に、攻撃力は高くとも回避能力に長けては居なかった…。 無残に廊下へ打ち倒れるものの、マナーとしてスカートの中身は何故か決して見える事は無い。 それこそが男の娘の嗜みというものである。 暫く、シーンと静まり返っていたが、オスカーの言葉>>142を聴き、くすくすと不気味な笑い声をこぼしながら、ゆらりと立ち上がる]
やっぱり、強行突破出来るほど甘くは無かったか。 でも、それでこそオスカーだ。 ボクが認めた男なだけある。 だからこそ…倒しがいもあるというものだね。
[不敵に笑い、距離を取るオスカーの様子を視界に納める。 何か策を弄してくるだろう事だけは予感出来た。 ならば問題はその対処方法]
(143) 2014/09/25(Thu) 23時頃
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[進むか、退くか。 金色の脳細胞を活性化させ、ほんの瞬きほどの間に脳内では目まぐるしく、ありとあらゆる可能性を模索する。 しかし4(0..100)x1パターン目のシミュレートを終えた所で、甘い少女の声が響く>>152]
…タルトか。
ああ、そうか、そうだった。
あんまり楽しすぎて これが試合だって――忘れてたよ。
[加勢という言葉に、フッと苦笑を洩らす]
(159) 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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したら…ちゃんは…くの…き…に…げ…んで…
…くんを…がさない…にびったりと…を…じてね…
…がはしるです…
…
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まとめて来なよ。――…相手してやるからさ。
[2対1という劣勢でありながらも、なお、不敵に笑う。 その言葉が合図だった。
カーディガンの内側から取り出したのは、18本のドラムスティック。 それを両手でクロスするように手に取り、一瞬の迷いも無く梯子に登り縄へ捕まらんとするオスカー>>153へと一つ残らず投擲する。 狙いはオスカーそのものというよりは、縄の繊維。 ドラムスティックの鋭い切っ先は、木造とも思えぬ煌めきと共に宙を舞う]
(163) 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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[18本のドラムスティックを放つやいなや、バク転を交えながらタルトとの距離を詰める。 先程猫だましのように使ったシンバルとはまた違う、小さなシンバルを懐より取り出し、回転しながら合計で2つのミニ・シンバルがタルトへと向けて繰り出された。 シンバル自身の回転で二倍、そしてミーム自身のバク転による回転で更に二倍、そしてとどめとばかりに捻りを加えて二倍、合わせてその攻撃力――実に、八倍!]
(168) 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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[しかし――不発! ほぼ同時に互いに距離を詰めあった>>165>>168結果、自然と狙いはズレる。 そのズレは、戦いに置いてはまさに命取りと言えよう]
(170) 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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[互いに距離を詰めた為にすれ違った瞬間。 その一瞬。 何かが腑に落ちて、知らず知らずの内に笑い声が漏れる]
ああ、そうか。 やっと分かった。
[自分の中で何が引っかかっていたのか。 己も気付かぬ程の僅かな違和感の正体はどこにあったのか。 その全てがほどけたのだ。 だからその開放感のままに、小さな呟きが唇から洩れ出る]
ぶりっ子しない方が、可愛いんじゃん。
(189) 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[廊下の奥からの地響きが鳴り響く中>>182、先程すれ違ったタルトが飛び込んで来るのが視界に映った。>>186
ミームは咄嗟に―― 奇数:避ける 偶数:避けられない 6(0..100)x1]
(191) 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[飛び掛ってきたタルト。 そして、カタパルトより打ち出された大玉>>192は時速およそ60キロ近く。 普段はただの運動会用の大道具。 しかし公道を走る乗用車にも等しい速度で打ち出されれば、それは凶器にも等しい。 まるで廊下を覆うかのような大玉の巨躯に、ミームの小柄な身体は飲み込まれんと――]
(202) 2014/09/26(Fri) 00時半頃
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